ジェーン・フォンダ
(1937- )

水曜ならいいわ
(1966)
裸足で散歩
(1967)
チャイナ・シンドローム
(1979)

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一口メモ


彼女がヘンリー・フォンダの娘であることを知らない映画ファンは、恐らくこの世に存在しないはずです。というよりも、顔立ちを見れば彼女がヘンリー・フォンダの娘であることは一目瞭然であり、似ている度合いは、彼女を見ていると時々、親父さんの顔が二重写しになるほどです。それが彼女にとって幸であるか不幸であるかは、神のみぞ知るところでしょう。デビュー当時は、親の七光りで女優になれたと思われていたその彼女も、百戦錬磨の親父さんより先に2つもオスカーを受賞してしまうという罪なことをしてしまいました。そのせいか、親父さんとは仲が悪いなどとも言われていましたが、「黄昏」(1981)では親子共演を果たし、映画の中で文字通り和解劇を演じていました。70年以降は、反戦運動やテッド・ターナーとの結婚など本業以外でも目立つようになり、むしろ活動家としての女性闘士的なイメージが前面に押し出されるようになります。とはいえ、今では信じがたいところがあれど、60年代の中盤くらいまでは、「女性闘士」というイメージとはまったく反対のうぶな娘を演じることが多かったのも事実です。後年の彼女しか知らないと(そういえば比較的最近の出演作では意地悪婆さんを演じて似合っていました)、彼女にも意外に?可愛らしいところがあったことに驚かされること必定です。また、出演当時彼女の旦那であったロジェ・バディムの「バーバレラ」(1968)でのタイトルロールなどは、70年代の彼女からすればほとんど考えられないものがありました。映画スターとしての彼女の転機は、大恐慌時代のペシミスティックな世相をバックに若者たちがダンスマラソンに熱中する様子を描いたシドニー・ポラックの奇作「ひとりぼっちの青春」(1969)に主演した際に訪れたと考えられ、実際にこの作品で彼女はアカデミー主演女優賞にノミネートされます。70年代はまさに彼女の黄金時代であり、「コールガール」(1971)と「帰郷」(1978)でアカデミー主演女優賞に輝き、また「ジュリア」(1977)と「チャイナ・シンドローム」(1979)でもアカデミー主演賞にノミネートされています。80年代の終盤に一端映画界から引退したかのような素振りを見せますが、どうやら21世紀に入って復活したようです。二世俳優の典型であるとはいえ、順調にすべり出し期待されていたにも関わらず尻すぼみの泣かず飛ばずに終わってしまった弟のピーター・フォンダとは違って、「ジュリア」で共演したバネッサ・レッドグレーブなどとともに、単なる親の七光り俳優で終わることのなかった数少ない一人であるとも言えるでしょう。

主な出演作品


1960
のっぽ物語
1977
ジュリア
1964
ニューヨークの休日
1978
帰郷
1965
キャット・バルー
1978
カリフォルニア・スイート
1966
水曜ならいいわ
1979
チャイナ・シンドローム
1967
夕陽よ急げ
1980
9時から5時まで
1967
裸足で散歩
1981
黄昏
1968
バーバレラ
1985
アグネス
1969
ひとりぼっちの青春
1986
モーニング・アフター
1971
コールガール
1989
アイリスへの手紙
1977
おかしな泥棒・ディック&ジェーン

関連レビュー


荒野を歩け

Period of Adjustment

ニューヨークの休日

水曜ならいいわ

裸足で散歩

ひとりぼっちの青春

おかしな泥棒・ディック&ジェーン

カリフォルニア・スイート

チャイナ・シンドローム

黄昏



1999/04/10 by 雷小僧
(2009/07/24 revised by Hiroshi Iruma)
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