ローレン・バコール
(1924- )

風と共に散る
(1956)
バラの肌着
(1957)
北西戦線
(1959)

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一口メモ


何という人でしょう。IMDbによれば、これを書いている現在(2009/05/10)ですら、「post-production」或いは「filming」と記されている出演作品があります。つまり、既に60年以上現役として活躍しているということであり、このペースでいけば、きっとギネスにも載ったヘレン・ヘイズやリリアン・ギッシュの記録を破るかもしれませんね。とにかく、元気な人です。何とデビューから半世紀が過ぎてから初めてアカデミー賞(助演女優賞)にノミネートされた「マンハッタン・ラプソディ」(1996)では、エゴの大きさにかけては人後に落ちないあのバーブラ・ストライサンドですら、海千山千のバコールの傍にいると、小さく見えました。とはいえ、バコールの俳優としての資産は、ボギーことハンフリー・ボガート主演の40年代の4つの作品で確立され、それ以後は、その資産の配当で食っているという印象がなくもありません。それらのボギー作品における彼女は、とにかくスタイリッシュであり、噂によると特訓によってそうなったといわれる低いハスキー声がオーディエンスを魅了しました。ただ、エバ・ガードナーなどもそうですが、スタイリッシュさをウリにする女優さんは案外オバサン風になってしまうのも早く、50年代も後半になるとバコールもかなりオバサン風情が目立ち始めるようになった感があることは否めません。しかしながら、前述の通り、彼女の場合にはそれからが長く、80歳を越えた現在でも耄碌したという印象はまったくありません。ご存知の通り、かつてはボギーの嫁さんであり、また彼の死後、彼と似ていなくもないジェーソン・ロバーズと再婚します。スーパースターであったハンフリー・ボガートの最期を文字通り看取り、またかのスーパースター、ジョン・ウエインの最期を「ラスト・シューティスト」(1976)で象徴的に看取った彼女は、20世紀の二人のスーパースターの最期を見届けたことになります。いずれにせよ、同年代どころか1935年以前に生まれた女優さんのほとんどが完全引退してしまった現在にあって、まさに彼女は生きる伝説として映画に出演し続けていると言えるのではないでしょうか。「生涯女優」という言葉は、まさに彼女のためにあるのでしょう。

主な出演作品


1944
脱出
1964
求婚専科
1946
三つ数えろ
1966
動く標的
1947
潜航者
1974
オリエント急行殺人事件
1948
キーラーゴ
1976
ラスト・シューティスト
1950
情熱の狂想曲
1981
殺しのファンレター
1953
百万長者と結婚する方法
1988
死海殺人事件
1955
蜘蛛の巣
1990
ミザリー
1955
中共脱出
1994
プレタポルテ
1956
風と共に散る
1996
マンハッタン・ラプソディ
1957
バラの肌着
2003
ドッグヴィル
1959
北西戦線
2004
記憶の棘
1964
残虐療法
2005
マンダレイ

関連レビュー


Woman's World

風と共に散る

バラの肌着

北西戦線

求婚専科

オリエント急行殺人事件



2009/05/10 by Hiroshi Iruma
ホーム:http://www.asahi-net.or.jp/~hj7h-tkhs/jap_actress.htm
メール::hj7h-tkhs@asahi-net.or.jp