約 束

   おまけ

 暗闇の中で、微かに何かが落ちる音がして、甘寧は意識を取り戻した。蹴った小石がぶつかるような、微かばかりの音。よく耳を澄ますと、それはしばらくしてもう一度鳴り、今度は間をおかずに二回鳴って、三拍おいてからもう一度鳴った。
 甘寧は地面をこづこうとして腕が動かないこと気づいたが、足首から先は何とか動かせそうなので、小さく地面を蹴るとしばらくして低い声が聞こえた。
「頭」
「おう」
 炭小屋代わりの天幕の裾から、僅かに風が入ってきたと思うと、二人の男が甘寧の脇に膝をついていた。
「動けますか?」
「いや…あばらを一本やられてるらしい……。あぁ、ヒビくらいで済んでるか…? おい、両肩はめるから後で手を貸してくれ」
 一人が甘寧を戒める縄を切ると同時に、もう一人が甘寧を肩に担ぎ上げる。
「すぐそこに馬をつないでありやす。見張りを何人か殺ったんで、追っ手がすぐに迫って来るでしょう。肩はめるのはもう少し離れてからで良いですか?」
 そう言っている間にも、甘寧を担いだ男達はすでに砦からづらかていた。半里は離れただろうか、砦の中はしんと静まり、気取られた様子はない。甘寧は口に布を含んでから男達に上腕と頭を押さえさせ、肩を強引にはめさせた。ごきりとイヤな音が当たりに響いたが、砦まで聞こえるわけもなく、そのまま男達は反対の肩も入れて、それから甘寧を馬の鞍に積み上げた。
「ひびの方はしばらくおとなしく寝ててくれりゃあすぐ治りますが、肩の方がちょっとひどいっすね。当分は動かさないで下せぇよ」
「分かってるって…。それより、殿の所へ運んでくれ。報告しないといけねぇことが山程ある」
「へい」
 馬は草鞋を巻かれ、口には牧を銜んでいた。馬が全力で、だが静かに走り出すと、甘寧はまたすぐに意識を失った。



 少数の軍で進路の確保に出た甘寧が、敵方の罠にかかって捕獲されたと報告が入ったのは、もう五日も前のことだった。甘寧の目立つナリではすぐに素性が知れたらしく、敵は甘寧だけを連れて行ったという。麾下の者の多くは命を落としたが、戻ってきた者達はことの始末を報告すると、甘寧の救出は自分たちに任せて欲しいと言い置き、そして姿をくらませた。
 甘寧をむざむざ連れ去られた奴らに救出などできようかと呂蒙などは荒れていたが、では他にどうするのだと問われれば、答えに詰まるしかなかった。敵方から何かしらのアプローチがあるかと思ったがそれもなく、戦が始まろうというこの時期に救援隊を組むことは難しい。それを狙って甘寧を連れ去ったというのならそれこそあちらの思うつぼだし、この戦が長引きそうなのことは始めから分かっていただけに、今事を起こすわけにはいかなかった。
「いや、案外あいつらに任せた方が良いのかもしれないぜ?」
 そう言いだしたのは息子の孫策だった。
「甘寧の麾下っていったら、かつての錦帆賊だろう? 隙をついてお頭を掠め取ってくるってんなら、そういうのが得意な奴らもきっといるだろうさ」
 皆その意見にすがるしかなかった。最悪のことは考えないようにした。甘寧を失うことは痛手だが、「痛手」と割り切るのも戦場のならいってモンじゃないのかい?と冷たく言い放った凌統の顔も蒼冷めて見えた。
 なんの状況の変化もないまま、皆が戦の支度に動き回り、何とか気を紛らわせていた。だがわざと甘寧のことを口に出さないことが、かえって彼らの心情を表していた。
 孫堅は、日増しに自分が苛立ってくるのが分かった。総大将である自分が動くことはできないと分かっていても、人任せにすることがこんなにも辛いとは。
 孫堅にとって、すでに甘寧はただの部将ではなかった。いつも無茶ばかりする甘寧を心配に思ったことは一度もなかったし、彼の実力を買っていたから困難な任務ばかり与えていた。いつも期待以上の成果を返してくる甘寧を、頼もしいようにも誇らしいようにも思ってきた。それなのにまさかこんなことになるとは…!
 甘寧を失うかもしれないという想像は、それだけで気が狂いそうなほど恐ろしかった。いても立ってもいられなく、誰に何と言われても良いから自分で捜しに行ってしまおうかと思ったその時、周瑜が辺りを伺うようにして、素早く幕舎に入ってきた。
「殿、甘寧が戻ってきました」
 小さく耳打ちをすると、周瑜は更に声を落とした。
「ここに連れきてもよろしいですか?」
「あぁ、早く通せ」
 周瑜の顔には安堵だけではない物が混じっていて、それが状況のまずさを告げていた。
 運び込まれた甘寧を見て、孫堅は息を呑んだ。体中に走る鞭打たれて裂けた傷痕と、焼きごての痕。それは美しく彫り込まれた刺青の上にあるからこそ、いっそう酷い物に見えた。無惨という言葉はこういう者のためにあるのかと、どこか遠い所でやけに冷静なことを考えている自分がいる。現実味がないのは、受け入れたくないからだろうか。
「連れてきた者達の話によると、あばらの一本にひびが入り、両肩とも脱臼していたそうです。肩の方は自分ではめたそうですが、しばらくは動かせないでしょうね。傷の具合から見て、最低でも一ヶ月の安静が必要だと思われますが、建業へ移送するのも十日は無理でしょう。といって、この状態の甘寧をどこに隠しておくか……」
 兵士達の動揺を抑えるため、甘寧が捕らわれていたことは公表していなかった。呉に甘寧有りといわれた将軍がこのような目にあったと知れれば、逃亡して敵側に寝返る兵も出てくるだろう。戦う前からそのような事態を招くわけにはいかない。兵には進路の確保というのは建前で、甘寧は特殊な任務に就いていると言ってあるのだ。
 その時、気を失っているとばかり思っていた甘寧が目を開けた。
「興覇! 気がついたか!」
「……殿……。あぁ、周瑜殿もいんのか…。ちょうど良い、報告しねぇといけないことが山程あるんで、もうちっと人数集めて下せぇよ」
「何を言うか! とにかく今は少し休め」
 孫堅は慌てて、甘寧の頭を両手で包むように撫でた。それは小さな子供をたしなめるような仕草だった。
 甘寧は声を出すのもやっと、という態である。骨のひびのせいか、火傷や盛り上がって腫れた鞭の痕から来ているのか、触った頭はかなり熱かった。だが、甘寧は口元を笑いの形に歪めると、大丈夫だと言い張った。
「殿、俺はてめぇのドジのせいで、五日も貴重な時間を無駄にしちまったんだ。もうこれ以上みんなに迷惑掛けるわけにゃあいかねぇ!」
 孫堅はなおも甘寧を休ませようとしたが、そんな孫堅を止めたのは周瑜だった。
「分かった甘寧。すぐに皆を集めてこよう」
「しかし周瑜!」
「殿、このまま話を聞いてやらなければ、逆にいつまでも甘寧は休まりませんよ。ただし甘寧、話は手短にな」
「おー…」
 力無くそう言うと、幕舎を出て行く周瑜に甘寧は右手を挙げて応えようとし、激痛に顔を歪めた。
「全くお前は、どれだけ俺に心配をかければ気が済むのだ…!」
 孫堅は甘寧の右手を包み込むように握ると、その手を押し抱くようにして唇をつけた。
「殿がそんな事言うとはね……」
 辛そうな息の下からそう言うと、「もっとこっぴどく叱られると思ってたのに、意外っすね」と甘寧は小さく笑った。
 小さな軍議が開かれるまでの束の間の間、孫堅はずっとそうして甘寧の手を握っていた。本当に帰ってきたのだと。今目の前にいる甘寧は夢の中のものではなく本物だと。そう自分に言い聞かせるようにして、ずっと孫堅は甘寧の手を握っていた。



 皆が三々五々集まってくると、皆一様に甘寧の様子に息を呑んだ。我慢しきれずに最初に口を切ったのは孫権だった。
「甘寧! どうしたのだ、その姿は!」
「あぁ、見た目程ひどくないんで気にしないで下せぇ」
「しかしこれは…!」
 孫権は説明を求めるように周瑜を仰ぎ見た。仕方なしに周瑜が甘寧の体の状態を手短に説明すると、孫権は更に息を呑み、顔を蒼冷めさせた。
「両肩が外れるなんて、一体どうして……」
「孫権殿、腕を一つに縛って上から吊すと、人間の肩は簡単に外れるものですよ」
「…では拷問を?」
「この姿が拷問を受けた以外の何に見えるというのだ」
 孫堅は舌打ちをしたくなった。孫策が甘やかすから、孫権がこんな世間知らずになるのだ。
「あぁ、あんま大したことはされてませんから、そんな顔しないで下せぇ」
 甘寧が笑顔を見せてやるのもまた孫堅の気に障った。甘寧には今そんな余裕などないはずだ。話を長引かせて疲れさせては堪らない。
「まず最初に確認しときたいんすけど、戴栄という伝令係と、方志という軍属の侍童がいると思うんで、そいつらがまだ残ってるかちょっと見てきてくれませんか」
「方志? 奴は二代に渡って呉に仕えているのだぞ?」
「俺が行こう」
 凌統がすぐに出て行こうとしたのを周瑜が止めた。
「お前ではすぐに顔に出るから駄目だ。呂蒙、行ってきてくれ」
「分かり申した」
 呂蒙はわざとのっそりと退出し、そうしてしばらくするとまた泰然として戻ってきた。
「やられましたな。方志の方はまだ残っていますが、戴栄の奴はおとついから姿が見えないそうです」
「方志は自分が疑われることはないと決めてかかっているのか。ちっ」
 孫堅は忌々しさにつばを吐いた。父親もよく仕えており、息子の方志も馴れない行軍にけなげについてきているものよと、孫堅自身が可愛がってきたのだ。
「恩を仇で返しおって……!」
「そのガキには使い道があると思うんで、まだ泳がせてやってて下せぇよ、殿。とりあえず、他の間諜の名前は聞こえてこなかったんですが、今回のことに関してこの二人が関わってるってのは間違いねぇようです」
 それだけ言うと、甘寧は細い溜息をついた。痛みを怺えているのだろう。熱のために上気した頬に、目の下の隈が目立つ。
「まぁ、怪我の功名というか、間諜の他にも多少の事は調べて来れやした。目隠しもなく連れ込んでくれやがったおかげで、砦の内部の構造も多少見て来れたし」
 素早く周瑜が筆と帛を用意した。その間に甘寧は辛そうに目を閉じていたが、ひょっとしたら意識を手放していたのかもしれない。周瑜が促すと、一拍おいてから甘寧は目を開けた。声が、一段と細くなっている……。
「砦自体は崖に北面していて、周りには二丈程度の濠が彫られていた。俺が連れ込まれたのは西の門からだったけど、西には二つの門があって、門の中にはすぐ防壁が二段築いていあった。でもこいつはただの戸板だから潰すのは簡単そうだったぜ。それから……」
甘寧の台詞を、聞いたそばから帛に写し取っていく。そうして砦の構造を聞き終えると、周瑜は筆を置いた。
「今日はこれぐらいにしよう。我々はすぐに軍議に移るから、お前は少し休め。続きの話は明日聞く。殿、それでよろしいですか?」
「あぁ、充分だ。さぁ興覇、今度こそちゃんと寝るのだぞ」
「分かりやした。そう人を重病人扱いしないで下せぇ……」
 その言葉も終わらぬまま、甘寧は意識を失った。
 次に目を覚ましたのは、三日後のことだった。



 目を覚ますと、目の間に孫堅の顔があった。あんまり近くにあったので、最初甘寧にはそれがなんなのか、理解できなかった。
「……殿?」
「おお、気がついたか。どうだ具合は」
「あー…まぁ、可もなく不可もなく……」
 体を動かそうとして、案の定体中の痛みに目を細めたが、甘寧は溜息をつくとそのまま一気に起きあがった。
「何をしている。寝いていろ、興覇」
「いや、こういうのは傷のうちに入らねぇんで。それより殿、戦は?」
 言いだしたら聞かない甘寧を無理に横にするのは、逆に体に障るだろう。孫堅は少しでも体が楽になるように、替えの敷布を腰の下に入れてやった。
「戦ならまだ膠着状態だから安心しろ。お前が逃げたせいか、敵のガードが固くなった感じはするが……元々この戦は長引くだろうと思っていたのだから、まぁこんなもんだろう」
 こともなげに言ってみせるが、実際にはそういう戦が性に合う男ではないのだ。焦れて苛立っているのが、甘寧にもよく分かった。
「……すいやせん、俺がドジ踏んだばっかりに……」
「元から長引くと分かっていたと言ったろう。お前はそんな事を気にしないで、さっさと体を治せ」
 甘寧が気まずく下を向いた時、軽やかな声が掛けられて、周瑜が入ってきた。
「殿、方志に偽の情報を……甘寧、もう起きて大丈夫なのか?」
「あぁ、周瑜殿。迷惑かけちまってすまねぇな」
「なんの。お前の情報は斥候の物より正確で助かったよ。そうそう、それとお前の名前にもう一働きしてもらおうと思っていたところだ」
「俺の名前?」
 甘寧の問いに頷くと、周瑜は孫堅に向き直った。
「方志に戻ってきた甘寧がそのまま死んだと、偽の情報を流しましょう。敵は甘寧に色々と知られたとみて、砦を直したり人員の配置を直している所でしょう。それが終わるまでは挑発にも乗ってこないと思いますので、手っ取り早く甘寧には死んでもらいます。これで少しは油断して、早く防御を弛めてくれればいいのですが」
 冷静にそう告げる周瑜に、孫堅は眉をしかめた。
「人の死を騙るとは、下策だな」
「それ故に有効です」
 孫堅は喉の奥でうなった。甘寧に視線をやると、甘寧は意見を求められていると思ったのだろう、「俺も妙案だと思う」と頷いた。
「そういうことのためにあのガキは泳がせてる訳だし、喧嘩に上策も下策もねぇっすよ。要は勝ちゃ良いんでしょ?」
 本人にそう言われれば、孫堅も頷く他はない。
「しかし逆にだぞ。方志の奴がその情報をうちの兵士共にばらまいて、士気を下げに来たらどうするのだ」
「お聞き下さい。まず、方志には私がうっかり口を滑らせます。次に皆のいる前で、甘寧の麾下に甘寧からの書状を持ってこさせるのです。方志が私に書状について色々聞いてきても、あれは兵の動揺を抑えるための策だと言っておきます。例え方志が『甘寧が死んだ、これは周瑜の言だ』と言っても、方志は侍童ですから、皆は目の前の書状を信じるでしょう。書状は……甘寧、書けるか?」
「おう」
 まだ痛む肩を周瑜が心配しているのは分かっているが、そういう事なら本人が書いた物が必要だろう。偽物と疑われる訳にはいかないのだ。今すぐに筆をよこせと言わんばかりの甘寧の姿に、周瑜は小さく苦笑した。
「いや、今は無理をするな。今すぐ必要な訳ではないのだ。四、五日して肩の様子を見てから書いてもらえればいい」
「字ぐらい書けるぜ」
 言い張る甘寧に、周瑜はわざと大げさな溜息をついた。
「甘寧、手を挙げてみろ」
 言われるままに手を挙げてみせると、周瑜も孫堅も、甘寧が僅かに眉をしかめたのを見逃さなかった。
「ただの脱臼と侮るな。程度という物があるのだぞ。それだけ筋を傷めていて、無理をすれば一生響くことになる。周瑜の言うとおりに大人しくしていろ」
 孫堅は慌てて甘寧の手を下ろさせて、そのまま体も横にさせた。周瑜も頷くと、「とにかくお前は早く良くなることだけを考えていてくれ」と諭しにかかる。
「あー、もう分かったって。早く良くなって、死んだと思ってる俺が出てって一暴れしてやれば、やっこさんらも腰抜かすだろうし、俺もこのままじゃ終われねぇ。せいぜいさっさと傷を治しますよ」
 周瑜はまた小さく苦笑した。殿のあの顔はどうだ。全く、脇でこれだけ人に心配をさせておいて、気づかないのも甘寧らしい。いや、それよりもあれだけの責めを受けてもまだこの戦に出る気でいるとは……。
「甘寧、お前は死んだことになっているのだから、決して外には出るなよ。策が巧くいくまで、お前の仕事はここで大人しく寝ていることだ。お前が堪え性無く体を動かしていれば、せっかくの策が台無しになるということを忘れてくれるなよ」
 周瑜に釘を刺されて、甘寧は下唇を小さく突き出した。
「あんたの策は、ひょっとして俺を寝かしとくためのもんかよ」
「それもある。どれが一番効率の良い策かを考えるのが、軍師の仕事だ」
 優しく笑ってみせる周瑜を、甘寧はつまらなそうに見上げた。
「では殿、私はこれで失礼します。甘寧が無茶をしでかさないように、お願いしてよろしいですか?」
「おう、興覇のことなら任せておけ。戦況が変わったらすぐに言うのだぞ」
「かしこまりました。では、失礼します」
 周瑜が出て行くのを見守ると、孫堅は甘寧の体の具合を確認した。本人が「すぐ治る」と言っているだけのことはあり、なるほど、鞭の傷はかさぶたがもう盛り上がっているし、押しつけられた焼き鏝の痕もどす黒く落ち着いてきた。しかし目だった火傷が背中に大きく一つと、脇の下に二つばかりあって、それがイヤでも目についた。
「せっかくの墨が台無しだな」
「なぁに、また彫りますよ」
「火傷の上に彫りもんは乗らんぞ」
「え?そうなんすか」
 少し顔色を曇らせたが、すぐにまた甘寧は明る気な声を出した。
「ま、またこうしてここに帰って来れたんだから、彫りもん位は安いもんでさぁ。あのまま死んでた場合だってあるんだし」
「……簡単に死ぬなどと口にするな」
 孫堅は甘寧の頭に乗せていた手で、そのまま両頬を包みこみ、首だけを落として唇を重ねた。始め甘寧は驚いたように目を見開いていたが、辛抱強く唇を舌で辿っていると、そのうち僅かに唇が開いた。その馴れない風情に苦笑する。
 一体自分とこういう関係になって、どれだけ経っているというのだ。いまだに馴れることができないのか、それとも馴れるつもりがないのか……。
 小さな音を立てて唇を外すと、孫堅は甘寧の胸の上に自分の頬を乗せた。心臓の音がする。その小さな音が、こんなにも自分を安心させる。
「俺を、心配させるな」
「…殿…」
 困ったような声を出していたが、甘寧は少しの間躊躇って、それから孫堅の頭に手を置いた。
「すいやせん…。イヤ、俺だって何も捕まりたくて捕まった訳じゃねぇんですよ?」
「当たり前だ。そんな趣味があるんなら、人の手など借りずに俺がいくらでもとっ捕まえてふんじばってくれるわ」
 二人は小さく笑うと、もう少し眠れという孫堅の声に、甘寧は素直に従った。


1   おまけ


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