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 クラブアリストのフレンドディーラーであるネッツトヨタ東京が、伝導抵抗によって生じるエネルギーロスを高純度大断面の銅線を採用することによって最小限に抑えエンジンレスポンスや低中速トルクを向上など眠っていた本来のポテンシャルを引き出すために開発された 「クラブバージョン」ブランドのアリスト、アルテッツァ、ヴィッツ等用の各車種専用アーシングキットについて、開発テスト車両の一台としてその開発状況を見守ってきたNo.1のワタルが開発サイドストーリーをご紹介いたします。


VOL.368 Club version アーシングキット開発サイドストーリー
<作成:'03年9月18日>
 フレンドディーラーとして関東エリアだけでなく関西、東北方面からも多くのアリストオーナーが来店するネッツトヨタ東京(ハブポート若林)から2003年9月6日の富士スピードウェイミーティングに合わせて「Club version」ブランドのアリスト(16#、14#対応)用、アルテッツァ用、ヴィッツ等用のアーシングキットがリリースされました。これまで同社を訪れる多くのアリストオーナーやアルテッツァ、ヴィッツ、ヴォクシー/ノア等のオーナーの皆さんよりアーシングキットが待望されていることが伝わっていたそうです。
 それならオーナーの皆さんの声に応えるために、求められている性能やクオリティを持った車種別専用のキットをオリジナルで作ってしまおうというところからClub versionアーシングキットの開発がスタートしました。

 ここでは半年間にわたる開発の模様の一部の紹介について「Club version リアスポイラー」開発時、「Club version ブレーキパッド SPORTS」開発時、「Club version エステルR/エステルS」開発時と同様に許可を頂きましたのでレポートさせて頂きます。なお、こうした商品の開発の実際のところはなかなか情報の開示がなされないのが今までの開発だったと思いますがこうした情報の開示がされるのは好ましいことだと思います。ただし、あくまで私の方で関わった範囲内でのレポートでありこれが開発の全てではないことをご了承ください。

アーシングキットのパッケージ
アリスト用、アルテッツァ用、ヴィッツ用のほかbB、イスト、シエンタ、プラッツ、ラウム、ファンカーゴ、ウィッシュ、ヴォクシー/ノア、アベンシス用ともパッケージは基本的に同じ物で、ラベルでどの車種用かが分かるようになっています。また、各車種毎の取扱説明書と固定用のタイラップというバンドが十数本同梱されていますので足りないものはありません。ケーブルは高純度の銅線で太さは22スケア!という大断面。(スケア=平方ミリメートル)
パッケージのデザインもネッツブルーを基調としこれまでのクラブバージョンのイメージを継承しながらアーシングキットが実現する電気の流れをチューニングするような雰囲気が伝わってくるものですね。またアリストの特徴的なルーフラインを思わせるデザインも嬉しいですね。

ネッツトヨタ東京さんの「クラブバージョン」のウェブサイトにも商品の情報が掲載されておりますが、昨年の5月にリリースされたリアスポイラーからはじまった「クラブバージョン」ブランドの商品コンセプトは以下のように謳われておりますので、まず最初にこのコンセプトに沿ったアーシングキットにしようという基本的な開発の方向性が据えられ、ネッツさんの社内の開発車両アリスト、アルテッツァ、ヴィッツなど私のほか各車種オーナーの車両による多台数体制で以下のコンセプトを重視して開発が進められました。

   <「クラブバージョン」のコンセプト> (ネッツトヨタ東京さんの「クラブバージョン」のウェブサイトより)

今回のアーシングキットを開発するにあたって、伝導抵抗によって生じるエネルギーロスを最小限に抑え本来のポテンシャルを引き出すというアーシングの効果にはどういうものがあるのかというところを再確認することからはじめられました。

   <アーシングの効果>

一般的にアーシングを強化しすると、それまでは発揮されずに眠ってしまっていた本来のポテンシャルとしては以上のような効果が引き出されるそうです。これは車に使用されているマイナス電源の多くが車体を介してバッテリーのマイナス端子に接続されるボディアースとして機能しているのですが、車体のほとんどは鋼板作られているため伝導抵抗が非常に大きく、伝導率はこのアーシングキットに採用された大断面の銅線と比べると1/5程度ということで大きな抵抗となってしまっており、いかに効率が悪いかがわかります。また最近の車は鋼板を薄くしたり樹脂を多様する傾向にあるため余計に抵抗は大きくなっているそうです。また一方で、ヘッドライトやオーディオといった電装品関係は特に古い車は弱かったり、こうした部分までコストを掛けてもらっていない市販状態の車では特に顕著に効果が実感できるようです。
これらの効果の中でアリストを中心としたオーナーがどの部分のポテンシャルアップを特に望んでいるのかというところを重点開発コンセプトとして据えられることになりました。そうすると答えはおのずと・・・お分かりではないでしょうか。

   <重点開発コンセプト>

アリスト専用のほか、アルテッツァ、ヴィッツ、bB、イスト、シエンタ、プラッツ、ラウム、ファンカーゴ、ウィッシュ、ヴォクシー/ノア、アベンシスといった各車種専用設計されたアーシングキットであり目ぼしい競合品があまり見当たらないことから、スポーツカー等他車種用の商品を含めて性能とクオリティの比較検討の対象とされましたが、いずれにしても最高の素材で最高の性能を実現することを目指すこととなりました。

ケーブルの選定は高純度の銅線で22スケア(mm2)という大断面が採用されることになりました。他の製品の多くが15スケア程度のものですがまだ性能の向上余地があると認められたようでこのサイズまで拡大され決定されました。またケーブルは芯線を銅メッシュと耐熱耐候ビニールで保護したものとされ、カラーはもちろんネッツブルーの専用線とされました。ケーブルは太いほど短いほど効率が高いとのことでこの太さが、また接続箇所の選定や接続方法・取り回しも同様に選ばれました。

アーシングの接続箇所の決定までには電装専門のエンジニアの接続箇所の候補出しと効果検証から幾通りもの接続&テストが繰り返し行われました。ネッツさんによるこうした効果検証のトライ&エラーが進みある程度の接続箇所の選定と接続パターンの絞り込みが進んだところで、我々オーナーも上記のコンセプトに合致しているかどうかということを踏まえての効果・フィーリングの比較チェックを行い以下の接続箇所が各車種毎に専用に選定され最終決定となりました。例えばミッションに接続すると効果があるということはよく指摘される点でもありこうした接続点についての追加も検討されましたが、これ以外の選定箇所によって既に十二分に効果が確保されており追加接続により得られる効果量が希薄あるいは確認できないことや、ケーブルの大幅な延長によるコスト増が価格アップに繋がってしまうこと、自分で装着したい方にとってもそれが非常に難しくなってしまうといったことから採用されませんでした。

このようにして開発が進められたアーシングキットですが、価格も汎用品とは違い各車種専用に設計されたものでありながら
アリストV300、S300、3.0V、3.0Q用でも20000円、この他には

とまさに迷いなくチョイスできる、お子遣いでできる効果的なチューニングメニューとなったのではないかと思います。

以下の表のアーシング接続箇所と効果は開発時にまとめられた資料の一部の抜粋ですが、これはほとんどの車種にアーシングを施す場合に応用できるものだと思われます。

表)アーシング接続箇所と効果
接続箇所 効果 採用
バッテリーマイナス端子共締め マイナス電源のボディアースとして機能 V・S
純正アースポイント 純正配線が集中しているため各電装品に効果 V3箇所・S3箇所
スロットルボディ
インジェクション
スロットルバルブの開閉の高効率化およびインジェクションの性能向上 V・S
インテークマニホールドステー
(シリンダーヘッド)
エンジン本体のアース強化とVVT-i制御システムの高効率化
吸気制御弁ユニット エンジン本体のアース強化とスターター・イグナイタ・オルタネータの性能向上
ウォーターポンプ
(オルタネータ)
発電効果および出力の向上
(オルタネータ等の性能向上)
リレーボックス ボディアースの強化等
スターター 始動性向上 ×
イグナイタ・ディストリビュータ 点火時期制御・点火力の向上 ×
ミッションブロック 変速信号制御・ATフィーリングの向上 ×

  <最後に>

開発に携わられた皆さんが頑張られた結果この価格で最高の性能を発揮するアーシングキットをリリースすることが可能になったのは、より多くの皆さんに実際にお試しいただくことが可能となったことでもあり、開発の一部分をお手伝いさせていただくことができた者としてたいへん嬉しく感じました。開発がスタートした半年前はアースを強化するだけでそんなに違いが体感できるほどに差が出るものなのかどうか半信半疑でしたが、素人の私でもその違いをはっきりと体感することができたのは嬉しい誤算でした。チューニングパーツの中でも最も手頃な価格設定でもありますので、是非一度お試し頂ければ直ぐにその違いがお分かり頂けるのではないかと思います。

最後に開発責任者であるIマネージャーの妥協を許さない献身的な努力の結果としてこのような価格も含めた素晴らしいパフォーマンスを発揮するアーシングキットが生み出されたのを垣間見て本当に頭が下がりました。そして同時にクラブアリストが少しでも開発に参加することができたことをたいへん嬉しく思います。

ボルトを緩めて取り付けるだけなので恐らくどなたでもチャレンジすれば装着は可能だと思います
アリストV300(JZS161)への装着例

装着効果も大きいですがエンジンルームのドレスアップにも効果的ですね。またJZS147 3.0Vにも装着可能です。

アリストS300(JZS160)への装着例

左手前からウォーターポンプへ接続されています。もっと「見せる」ことを意識した取り回しもオーナーの工夫次第でできるかもしれませんね。またJZS147 3.0Qにも装着可能です。


バッテリーマイナス端子部への接続例
元の端子に両側から挟み込む感じですね。上の2つのバッテリーは別仕様のものですが、バッテリーの端子形状によってはアーシングキットの端子部を手で多少折り曲げたほうが接続しやすいかもしれません。

取扱説明書
接続箇所すべてが写真付きで説明されていて分かりやすいです。また固定用のタイラップが十数本同梱されています。

ヴィッツ、bB、イスト、シエンタ、プラッツ、ラウム、ファンカーゴ、ウィッシュ、ヴォクシー/ノア、アベンシス用にも同様の取扱説明書とタイラップが付いています。

アリストV300(JZS161)用の取説 アリストS300(JZS160)用の取説

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