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メンテVOL.305 EMV車へのオーディオ装着記(2/3)
<作成:'02年6月28日>
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★センターコンソールの加工★

まず第一の問題が センターコンソール灰皿位置にヘッドユニットがはいるか否かです 灰皿を取りはず すと 写真のようになります この奥行きがステーまでで160mmあります ヘッドユニットは carrozzeriaχの場合170wX165dX50hmm になります 一般のアンプ内蔵タイプはさらに奥行きが173mm以上になることもあります つまり やればできるが きれいには収まらないことが判明しました 一番奥にスチール製のステーがあるのでまずこれの切削からはじまります 過去のC.A.メンテナンスログを探しても EMV装着車に社外品を取り付けた例は意外と少なく
メンテVOL.271 オーディオサウンド良質化レポート  <作成:'01年11月3日>
ここに唯一EMV下に社外品取り付け例がありますが このヘッドユニットはCD再生機能のないコントローラ−なのでおそらく奥行きは短いものと思います。再生機能を持つヘッドユニットの取り付け例は過去には一例もありませんでした


灰皿部分を取り出したところ 奥行きが160mmしか確保で きないことが判明しました 奥にあるステーはモニターをささえる 強度維持のためには無関係と思われるので切削することになりました

アンプ内蔵タイプのヘッドユニットはおそらく装着できたとしても CDの出し入れでシフトレバーが干渉することがあるかも知れません



切削したところです
このあたりがプロの仕事です エアーソーでの切削です 素人にはこの辺はなかなかできないところです ショップによってもここの切削はできないと断言されたこともありました  この切削の後あらたにモニター用のステーを溶接にて作成しています
外観からいって切削したほうがベターとの 拘りの職人さんの判断でした 
(結構 大変だったとのこと) ご苦労様でしたm(__)m


ヘッドユニットのcarrozzeriaχです
MDFで前面パネルを作製中です こののち ヘッド ユニット下の部分を純正灰皿のように曲面に仕上げ 塗装します
さすが こだわりりのフロントフェイスです シンプルな表情のなかに奥深いポテンシャルが感じられます 表面はヘアライン仕上げを施したダークシルバーのアルミ一枚板からの削りだしです なんと ボリュームコントロールとサブダイヤルもアルミの削り出しで 仕上げにダイヤカットが施されています 液晶表示は5mm厚切削アクリルを使用し深く透明な雰囲気です




なかなかGooゥ〜な仕上がりです(^-^) 運転中のボリューム操作が楽しくなりそうです
CDの出し入れはParkingポジションでもOK(^^ゞです
ちなみにCDの差込口が見えないのは フロントパネルが前方に倒れ 差し替える仕組みになっているからです

 

★carrozzeriaχとタイムアライメント★

冒頭で書きました ★音のためによいと思われること★ のひとつにタイムアライメントという概念があります これはまだ一般的なカーオーディオに採用されているわけではなく 1993年から取り組んでいるPIONEERがパイオニア(^o^)です。
すぐれた 発想 システム ですが あえて弱点をいえば音域ごとにデジタル信号を複数作成するためマルチアンプが必要となり 例えばフロント3ウェイとサブウーファー2個選択するとマルチで鳴らすには2chであれば4個のアンプが必要になります  なかにはすべてシングルで使用し8台のアンプを積む方もおられます このため若干(ン?(@_@))他のシステムより費用がかかってしまいます
最近は PIONEERやALPINEからアンプ内蔵型でタイムアライメント機能を持つヘッドユニットも発売されていますので これなら あまり費用はかかりません ただ内蔵アンプと外付けアンプとでは 天と地 程のパワーの違いがありますが

タイムアライメントによって 車内におけるリスナーの位置を ホームオーディオのように センターに設定することができます  車内ではドライバーは必然的に左右どちらかに位置する(ミゼットなら真ん中ですが(@_@))ことになります  また ウーファーはドア下方にツィーターはAピラー付近に サブウーファーはリヤトレー付近にと 車内ではいろいろな方向から音が聞こえてくる ことになります また 例えば 左右のドアから聞こえる中音域は必ず音圧と時間差を伴って聞こえてきます 
音の伝達速度は20度で340m/秒。34cmで1/1000秒 68cmで2/1000秒のズレになります これは 音の定位をあいまいにします ボーカルが真ん中で録音された場合車内で再生すると ドライバーには若干右によっ た状態で聞こえてきます  従来はボリュ−ムコントロ−ルにL/Rのコントロールがついていれば若干L側をあげてなんとなく真ん中ぽくしていましたが これは位置のずれだけのように思えますが 音の本来の音圧と到達時間がずれることにより エコーを発生します このエコーはカラオケなどでは心地よい振幅が計算されていますが 計算されていないエコーは ただ音の不明瞭さを生み出すこととなります つまりすっきりした音になりずらいということです とくに微弱音の再生にはかかせません ヴォーカルの吐息やバイオリンの弦と弓の摩擦 ピアノの槌のたわみなどの再生には 位相 音圧の調整が必要になります こうした左右からの距離 サブウーファーとフロント2ウエイの前後の距離 フロントのウーファーとツィーターの上下位置 こ れらを調整するのが タイムアライメントになります

 

   リスナーと各スピカーとの聴感上の
 距離差を解消する、タイムアライメント機能


  タイムアライメント概念図

具体的には ヘッドユニットで再生されたデジタル信号を光ファイバーでデジタルプリアンプイコライザーへ高速送信します フロントのスピーカーが2ウェイであれば左右で4個  リヤにサブウーファーが あれば合計5個の異なる高音域 中音域 低音域のそれぞれのクロスオーバー周波数帯域の信号を作成し個々のスピカーからリスナー への到着時間差を1/20000秒単位でずらしてから パワーアンプへ送ります このことにより それぞれのスピーカーからリスナーに到達する時間差は解消されます 

タイムアライメントによる位相 音圧 の調整で左右の定位がでることによって副産物がうまれます これが再生音の前後の奥行きですこれまで よいカーオーディオでよい音と思っていたものが さらに 音場空間 を構成することになります 音+臨場感といった感じです フル オーケストラ のシンフォニーなど聞いた場合 フロントガラスにあの広大なステー ジが 映しだされることとなります バイオリン協奏曲であれば フルオーケストラを後ろに従えたバイオリンのソリ ストがまるで センターにいる指揮者のすぐ左となりで演奏しているように聞こえてきます そして フルオーケストラの大音量のなか 7列程うしろからトライアングルのかすかなチリンチリンという音があたかもそ こにあるように明確な位置と音を形成してなり響きます

★タイムアライメントと似た調整をアナログ的に行うこともできます
例えば ツィーターをAピラーにとりつけ 方向をフロントガラスに向けます これによって進行スピードの速い高音域がフロントガラスに反射することにより若干遅れ 中音域に近づきます  また左右のウーファーの向きを調整し 音圧や位相を変化させたりします ある程度定位はでますが 犠牲になるものも多々あります


Head unit  carrozzeriaχ RS-D7χ

carrozzeriaχは ヘッドユニットとデジタルプリアンプイコライザーの2つのユニッ トから構成されます ヘッドユニットはD/Aコンバータ機能(デジタルモアナログ変換)もアンプ機能も持ちません ただ原音再生に忠実で極限でノイズ発生を防ぎます 


DIjital preamplifire equalizer
carrozzeriaχ RS-P70χU

デジタルプリアンプイコライザーは タイムアライメント クロスオーバー D/Aコンバート を担当しています このデジタルプリアンプイコライザーこそがタイムアライメント概念の中核をなしています 設置場所 は トランク内ですが 設置場所の都合上 アンプの後ろ側になってしまいました システムの中核ですが どこからも見えず 縁の下の力もちです(^^ゞ

一般的に 車内の “
音” はヘッドユニット アンプ スピーカーをつなぐ音楽信号伝達時に ノイズなどを伴い 劣化されます (基本の再生クオリティはヘッドユニットの能力です) ARISTOの車内にアンプを独立して設置する場合 一般的にはトランク内になります  この際センターコンソールからトランクまではか なりの距離になりますが carrozzeriaχ の場合デジタル再生された信号は光ファイバーによってトランクまで 運ばれますので 劣化ゼロ(限り無く)を実現できます(従来のアナログ方式ではヘッドで再生されたアナログ信号がこの距離を行って 帰ってくるわけですからノイズの発生に神経をつかうところです) またデジタルプリアンプイコライザーとパワーアンプを非常に近距離で設置できる分 アナログ信号の劣化も最小限に押さえることができます。 
また マルチアンプ採用によってパワーアンプから スピーカーへも パッシブクロスオーバーネットワークをつかわずダイレクトに信号を送ることができるため さらにピュアな音を再生することができます

★パッシブクロスオーバーネットワーク★
これは従来の方式で アンプで増幅されたアナログ音楽信号を高域・中域・中低域に分ける作業をします パッシブネットワークの場合は、スピーカーケーブル上で周波数帯域を分配する為に、 ワンアンプで複数のスピーカーを鳴らすシステムを作れる利点があります パッシブネットワークは、通常各メーカーで販売されているセパレート2WAYスピーカーに付属されています。 市販のスピーカーシステム付属パッシブネットワークの評価は賛否両論です パッシブに対してアンプ以前に周波数を分割するのが アクティブあるいはエレクトリッククロスオーバーネットワークと呼ばれます


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