ハイウェイは上り坂になってきた。空は快晴。 追い風はだんだん弱まってきたけれど、まだ完全に凪いではいなかった。 店も家も全くない。鹿の一家が小さな川のそばに立っているのを見かける。小さい鹿は水を飲み、大きい鹿たち(おそらく両親)は僕を注意深く見ている。僕の他には誰もこの鹿一家に気がついていないみたいだった。やがて再びいい感じの牧場を横目で見ながら自転車をこぎ出す。 不意に、 "TAKE ME HOME COUNTRY ROADS"を思いだし、歌い出していた。
* Country roads take me home
To the place I belong
West Virginia Mountain Momma
Take me home country roads
Almost heaven West Virginia
Blue Ridge Mountains Shenandoah river
Life is old there older than the trees
Younger than the mountains blowin' like a breeze
*
All my memories gather round her
Miner's lady stranger to blue water
Dark and dusty painted on the sky
Misty taste of moonshine teardrop in my eyes
*
I hear her voice in the morning how she calls me
The radio reminds me of my home far away
And Drivin' down the road I get a feelin'
That I should've been home yesterday yesterday
ハイウェイ18はあいにく、疲れたサイクリストにとってはひどく長くていやらしい急坂だった。 さらに悪いことに、ずっと向かい風が吹いていて、ますます僕の体力が無くなっていった。 Lake Cowichan 行きを後悔し始めたけれど、もうおそい。
今日湖まで行くことは残念ながらあきらめざるを得なかった。湖よりも今日の宿を確保するだけことで僕の体力は限界に達しそうな気配だった。キャンプ場は Cowichan River Provincial Park という州立公園にある。 そこへ行くまでにいくつかガタガタ道を通らなくてはいけない。この時点でパンクしてはかなわないので、仕方がないので自転車を降りて手で押すことにする。
4時半に Cowichan Riv. Provincial Park に到着。僕の他には誰もいない。 強い風の音以外には何の音もない。若くて細い木がいっぱい生えているので、場所によっては強風のために木が倒れてくる危険がある。 キャンプ地を注意深く選んで、テントを設置する。