Bike Touring --Vancouver Island--

Bike
Trip
Day 4
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Day 4

Day 4

Powell River ->
    Comox ->
    Buckly Bay ->
    Denman Island ->
Hornby Island

   47.6 km
   平坦
   快晴
   無風



8時発のフェリーに乗るために朝食を抜いてフェリー港に行く。港に着くと早朝だというのにかなりの人が列を作って待っていた。待っている間中学生の少年と話す。今日はサッカーのバンクーバー島でサッカーの練習試合があるのだそうだ。自転車でサンシャインコーストとバンクーバー島の旅をしているんだ、というと尊敬のまなざしで僕を見た(と思う)。男の子なら誰でもこういう旅が好きなのだ。

約1時間半の船旅だ。残念ながら水平線近くの空はかすんでいたけれど、近くの島々の景色を楽しむ。 9時半に Little River フェリー港に到着。 少年たちにさよならして、自転車を漕ぎ始める。

土地の雰囲気とか景色はサンシャインコーストのそれとほぼ同じような感じだ。唯一違う点は海が左側にあることぐらい。

徐々に大規模な牧場が見え始める。日本の北海道を思い起こさせる景色だ。 Little River と Comox の間の道路はサイクリストの理想ともいえる環境だ。じゃまな車が走っていず、いい景色で、しかも追い風。


Comox 道路に入ると交通量が多い上に路肩が狭いのでちょっとがっかりした。 Courtenay River の河口でハイウェイ19Aに合流する。 路肩は再び広くなってほっとする。 このあたりはいまだに製材所がたくさん点在していて、製材所所属のセスナが三機もふらふらと飛んでいるのを見かけた。そのうちの一つの製材所の向かいには Dailyland の牧場がある。 今はたくさんの黄色い花(何の花なのかわからなかった)が咲いていていい感じだ。




ラッキーにもこのあたりの道はずっと平坦で、コンスタントに 35 km/h で走り続けた。 12:30 に Buckly Bay フェリー港に到着。ここからデンマン島に渡る。しばらくするとちっぽけなオープンデッキのフェリーが到着して人や車をはき出しては飲み込んでいった。小さなフェリーは乗っていて楽しい。海の水がすぐ近くに見えるからだ(たまに波しぶきをかぶることもあるくらいだ。)












自転車に乗っているときには気がつかなかったけれど、波の動きは明らかに南風が吹いていることを示していた。

デンマン島はとても美しい島だ。Buckly Bay でおばさんがくれたパンフレットにはデンマン島はガルフアイランドの2つの宝石の一つだ、と書いてある。まさにそのとおり。 フェリーからはきれいな木々のパッチワークしか見えないけれど、陸に上がってみると Denman Village と呼ばれる雑貨店が集まった島の中心地がある。

この島にあがって初めに気がついたことは、やっぱりその美しさだ。豊富な落葉樹、針葉樹にきれいな花、小さな愛嬌のある鳥たち。 小さいけれどこぎれいな町の学校と、ガソリンスタンドと郵便局をかねた雑貨店。 ちょっとした町のレストランからはバンクーバー島からそびえ立つ雪化粧をした山々が見える。 すべてがいい感じだ。

次にこの島のことで気がついた点は、芸術活動が盛んらしいということだ。店の掲示板にはたくさんのポスターが貼り付けてあって、催し物とかコンサートの宣伝がされている。道路の脇には彫り物が飾ってある。この町にはたくさんのアーティストがいるに違いない。


次に訪れる島はホーンビー島だ。これはデンマン島のすぐ隣に位置する。 デンマン島の南側のフェリーポートから10分ほどでホーンビー島に着く。島の形は、デンマンがフラットで、いってみればフライパンをひっくり返したような形をしているのに比べて、ホーンビーは鍋をひっくり返したようにこんもりと真ん中が盛り上がっている。両方とも海岸沿いにはたくさんの波に現れてできた奇岩石がころがっている。





キャンプサイト "BradsDadsland Water front Campsite" はフェリー港から15分ほどのところにある。 "Island Cycling" で著者がおすすめとしているのですでに今夜の宿泊はここと決めてある。

キャンプ地自体はこぎれいで、手入れがしっかりしてある。 オーナーがいつもきめ細やかに整備しているのがよくわかる。25個のセクションがあって、オフィスのすぐ近くで、トイレ、シャワー、洗濯ができる。さらにテントから Georgia 海峡が見渡せるのがすごくいい。



ここのオーナーはずいぶん変わった人のようだ。生え放題のひげに、裸足、鋭いまなざし。彼の初めの一言は「どうやってこのキャンプグラウンドのことを知ったんだ?」 (来ちゃいけなかったかな?)



Co-op でいろいろなものを買ったあと、キャンプ地のオーナーに20ドル払う(この旅行中で20ドルはいちばん高かった。) キャンプ料金にしては20ドルは高いけれど、まぁ一晩ぐらいなら払う価値はある。 整備が整っているし何しろ眺めがすごくいい。 おまけにオーナーの部屋のすぐそばに白頭ワシの巣があるのだ。 「残念だが」とオーナーは言った。「今年は卵がないようだ。」 卵はないけれど、この男はワシの巣のとなりの木の上に作ったターザン小屋で毎晩寝ているのだ。



それから、このキャンプ地には変わった標識がある。"Dead End (行き止まり)" とか "Slow" などは今までに見たことがあるけれど、"Dead Slow (最徐行)"は初めて見た。 「夜11時以降はささやき声のみ」というのも変わっている。








このキャンプ地にはビーチにつながる道がついている。僕がビーチに着いたときには僕以外の人間は誰もいなかった。 波の音以外は全くの静寂。 右側で日が暮れていき、左側にはその光で赤く映えるバンクーバー島の山々。そして信じられないほどきれいな海の色。 すべてが見事だった。 神秘的な自然を眺めながら、思いがけないほど長い時間をそこで過ごした。

パスタを作り(パスタはシェル型に限る)、ブルーベリーヨーグルトをデザートに食べる。締めくくりに一杯の紅茶。 8時半頃テントに入り、メモを取っている途中で眠り込んでいた。



 
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