■直美編■
3日目【7月23日】


 
 
Marine Blue Serenade
3日目

【 朝 /  /  /  】


◆7月23日<朝>◆
『綺麗な浜辺を維持する苦労』


 


 3日目の朝。
 昨日の直美さんのお誘いで、朝の散歩が気持ちいいことを知った俺は、早速、今朝も散歩をする。
 海岸沿いを天乃白浜海岸まで歩いて来た。
 やっぱ、朝の海辺は気持ちいいな。

 まだ海水浴客も来てないみたいだし…あれ? あれはビーチの管理スタッフじゃないか。
 その中に直美さんの姿も見える。
 こんな朝っぱらから何をやっているのだろう?

 「直美さ〜ん。おはよう」
 「あっ、おはよう、まこと君。朝の散歩?」
 「まあ、そんなところ。直美さん達はなにしてんの?」

 ビーチには十数人のスタッフがゴミ袋片手にゴミ拾いをやっている。

 「見てわかるでしょ? 浜辺の掃除よ、掃除。まったく、毎度、毎度嫌になるわね」
 「直美さんって掃除とか嫌いなのか?」
 「違うわよ。私が嫌になるのは、夜になるとこの浜に来て花火をしてる連中よ。散々花火を楽しんだら、あとはそのまま帰っちゃう。ゴミを放ったらかしたままね。片付ける人間の身にもなって欲しいわよ」

 なるほどね。
 そう言えば、この海岸、夜になってもカップルを中心に若者でにぎわうって、確か姉貴が言ってたな。

 「でも、それが直美さん達の仕事だろ?」
 「そうだけど…でもこのビーチ、夜は本当は封鎖してるのよ。それなのに勝手に入ってきて散らかして帰るんだから。夜来たらまるで花火大会よ。そして翌朝は花火のゴミが散乱してるってわけ。まったく都会人ってマナー悪いんだから」
 「う〜ん」