◆7月23日<夕方>◆
『浜辺でバイト2』
夕方になって、とりあえず客足も落ち着いた。
今、俺は直美さんと共に砂浜の監視の仕事をやっている。
「沢田さん褒めてたわよ。臨時の割には仕事が出来るって」
「そりゃあ、どうも…」
「そういう訳で、仕事をきちんとしてくれた褒美に、まこと君が喜びそうな仕事をもらってきたからね」
「俺が喜びそう?」
「ほら、あれよ」
直美さんの指さす方向を俺は見る。なんだか大勢の人間が集まってるぞ。その中央には…。
「おお! モデルさんだ!!」
そこには水着を着ためちゃめちゃ美人な女性がカメラに向かって笑いかけていた。
「シーサイドパークのパンフレットの撮影らしいのよ」
「うわぁ、実物はさすが綺麗だな〜。プロポーションとかバッチリ」
「私達は彼女の警備っていうか、シーサイドパーク側の付き添い人ね。問題がないように見てるだけでいいの」
「綺麗で細い足首、きゅっと締まったウエスト」
「……」
「なにしろ顔がいいよ。まさに美人〜って感じだね」
「あ、そ」
白けた表情でうなずく直美さん。
「って、なに怒ってるの? 直美さん。はは〜ん、さては妬いてるな?」
「…うん、そうかもね」
え?直美さんそれって…。
からかい半分で言ったんだけど、意味深な反応に戸惑う俺。
「私、確かにスタイルよくないもの。なんで、同じ女でもあそこまでちがうンだろう?自信なくしちゃうわ」
な、なんだ、そういう意味か。
俺自身が言った事に対してじゃない訳だな。すこし残念。
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