「青森遺跡探訪」掲示板旧石器捏造事件ログ3

 このログは、青森遺跡探訪の閉鎖にともない青森遺跡探訪案内人の了解を得て転載したものです。転載にあたり体裁を一部変更しています(01.4.16 早傘)

目次 ログ1 ログ2 ログ3 ログ4 ログ5 ログ6


[251] 馬場檀A遺跡の石器脂肪 投稿者:難波 投稿日:2000/11/14(Tue) 19:08:25 [konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

馬場檀A遺跡から14万年前の旧石器が掘り出され、その6個に動物脂肪が検出され、ナウマン象の脂肪酸が検出されたというデータを分析しました。各種脂肪酸の分析がなされ、その比率が示されています。

面白い事実を発見しました。北海道で発掘された本物のナウマン象からは「パルミトレイン酸」がまったく検出されていない。しかし遺跡から発掘された石器には、全てこれが含まれ、周囲の土からは高濃度の「パルミトレイン酸」が検出されています。

パルミトレイン酸は脂肪酸のなかでもいっぷう変わっていて、融点が0.5度しかありません。他の脂肪酸は大抵融点が40度以上で固化して残るが、パルミトレイン酸は常温でも溶けて流れるのです。だから本物のマンモスの脂肪には残存ゼロになる。この脂肪酸はごくありふれたもので、全ての動物、植物の脂肪に含まれています。

どうして馬場壇の石器に、パルミトレイン酸が検出されたのでしょうね?

考古学者さん、説明してくれますか?

------------------------------------------------------------------------

makoto-s > これからの検証作業の中でこれもねつ造だと判定される可能性はあるでしょう。すでに指摘されているように考古学研究者も自然科学データを自説の都合の良い部分だけ取り上げていたことは事実です。これからはその点も反省すべきことでしょう。 (2000/11/14(Tue) 19:57:06)[ppp11-116.din.or.jp]

ash > 一番考えられる理由は、人が素手で触ったということでしょう? (2000/11/15(Wed) 03:01:26)[tkscc-01p02.ppp.odn.ad.jp]


[252] 毎日新聞11/13・14の記事を読んで 投稿者:さかいひろこ 投稿日:2000/11/14(Tue) 19:48:10 [p84bdec.tokyjkp3.ap.so-net.ne.jp]

11/13付けの、4日の取材の様子を詳細に書いた記事と識者の座談会の記事を読みました。

毎日新聞の記者の方々のスクープにたいする予想以上の反響へのとまどい?が印象的でした。

私はその中でも竹岡さんのことばが、素直に読めました。

検証は発掘されたすべての資料がオープンになってはじめて始まるものだという気がしています。

いろいろな分野の方が考古学に興味をもっていることが

逆にいいチャンスなのではという気が最近しています。

------------------------------------------------------------------------

人類学学生 > 賛成です。資料の公開と第3者機関の評価は必要ですね。 (2000/11/14(Tue) 20:07:06)[kwgcd-01p86.ppp.odn.ad.jp]

bambi > 上高森のねつ造石器は今、どこにあるのでしょう? (2000/11/15(Wed) 11:37:33)[cse6-43.nishinomiya.mbn.or.jp]

makoto-s > テレビで梶原教授が研究室で保管していたような感じの放映がありました。梶原教授が「くずみたいな物」と言いながら取り出していましたからたぶん「上高森遺跡第6次」で出土した石器だと思います。 (2000/11/15(Wed) 23:57:17)[ppp11-070.din.or.jp]

大学生 > 発掘調査から資料の公開までには多くの時間を要することは周知のとおりです。特に大学の研究室と言う小さな組織では資料の検討や遺物の実測に膨大な時間を要します。そうして報告書が出来て初めて学術的な議論の対象となるのではないかと思います。そうしたプロセスを経ないでここ数年マスコミの「発見」報道だけが一人歩きしてきたことに問題の一端が見え隠れしているように思います。上高森の現場はマスコミに対しても一般に対しても非常にオープンでしたが、このことが裏目に出てしまったといえなくもないような気がします。ただ、マスコミに取り上げてもらわなければ地元の理解が得にくく、資金難の民間調査団には苦肉の策であったかもしれません。 (2000/11/16(Thu) 02:05:55)[sendai-ppp-210-253-121-143.interq.or.jp]

さかいひろこ > オープンなのはいいことだと思うのですけどね…。上高森の石器、わたしもテレビで梶原先生の机の引き出しと棚の上から出されたのを見ました。 (2000/11/16(Thu) 02:12:35)[p84bdcb.tokyjkp3.ap.so-net.ne.jp]

大学生 > 6次調査の石器、現在は東北旧石器文化研究所にあるようです。 (2000/11/16(Thu) 05:23:06)[sendai-ppp-210-253-121-143.interq.or.jp]


[253] 国民の信頼を失った学問は…… 投稿者:人類学学生 投稿日:2000/11/14(Tue) 20:16:15 [kwgcd-01p86.ppp.odn.ad.jp]

素朴な疑問です。

国民の信頼を失った学問は、果たして学問として成り立つのでしょうか?

これまで通り、発掘調査に地主・地元の人達が協力してくださるでしょうか?

私だけの考え過ぎであって欲しいです。

------------------------------------------------------------------------

物部 兵庫 >  学問の価値と「国民の信頼」には何の関係もないと思います。本当の学問というものは時の「国民の信頼や」評価を得られない場合が多いと思います。 (2000/11/15(Wed) 00:22:56)[sk-ap105.ppp.ttcn.ne.jp]

物部 兵庫 >  逆に、今回の「旧石器発掘フィーバー」のように、「エセ・インチキ学問」であっても国家やマスコミの力を借りて「国民の信頼」を得さえすれば「正当な学問を装う」ことが出来るものです。学問をする主体者にとっての価値基準は「表層的でうつろいやすい国民の信頼」ではなく、「自分自身の偽らざる信念」でなければなりません。もちろん「虚偽」や「捏造」は論外で学問を云々する以前の幼稚園で叩き込まれるべき人としての問題です。 (2000/11/15(Wed) 00:26:30)[sk-ap105.ppp.ttcn.ne.jp]

物部 兵庫 > (すみません。初めての書き込みで文章が切れてしまいました??? 追加です) 考古学でいえば「わき目も振らずにモノを掘る」ことのみに専念するのではなく、「考古学をしている自分はどういう真実を解明しようとしているのか」「社会全体の中で自身の行為がどういう影響と結果をもたらしているのか」を常に自問自答する。「自ら疑問を持ち、自らの力で考え解明する」この姿勢を持ちつづける限りにおいて、在野であれ、専門家であれ、研究対象が何であれ「真の学問者」といえるのではないでしょうか。そのためには「専門分野」に安住することなく広い視野を持たなければならないでしょう。太宰治の「正義と微笑み」を一度お読みください。「地位と権威と欲得のエセ学問」とは全く異なった学問観を示唆しています。 (2000/11/15(Wed) 00:40:46)[tn-ak47.ppp.ttcn.ne.jp]

さとうけいすけ > その辺りの議論、南河内考古学研究所の喫茶室で今盛んです。あと、岡安氏の復活させた「考古学情報広場」を経由されるとよいかと。 (2000/11/15(Wed) 00:44:23)[dhcp092.bun.kyoto-u.ac.jp]

人類学学生 > 物部 兵庫さんへ なるほど、幼稚園児以下の人物が考古学を牽引したことについて、あなたのコメントを頂きたいです。自費で研究している人は除いて、公的資金を使っている人はよく考えてくださいね。 (2000/11/15(Wed) 05:37:21)[omiya-ppp-210-253-104-212.interq.or.jp]

人類学学生 > 危機管理も出来ない人達に税金を使わせるのは是か非か、最終的には予算の問題になりますよ。 (2000/11/15(Wed) 05:39:18)[omiya-ppp-210-253-104-212.interq.or.jp]

人類学学生 > さとうけいすけさんへ、ありがとうごさいます。検索でのリンク先が何故か「はにわ ぷちこむ」で(笑)、何事も余裕が必要ですね。 (2000/11/15(Wed) 05:43:54)[omiya-ppp-210-253-104-212.interq.or.jp]

岡安光彦 > 「考古学情報広場」のURLは http://www.momoso.net です。 (2000/11/15(Wed) 13:33:42)[rt.ctktv.ne.jp]

人類学学生 > ありがとうございます。「考古学情報広場」は今朝の6時にはブックマークに入りました。 (2000/11/15(Wed) 14:16:39)[kwgcd-02p64.ppp.odn.ad.jp]


[254] 物の残る科学の怖さ 投稿者:難波 投稿日:2000/11/14(Tue) 20:44:17 [konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

遺跡と発掘物の再検証が行われるが「灰色決着」に終わり、真相が明らかにされないのではないか、と危惧されている方もあるようですが、私は今回の事件に関しては、それはないだろうと思っています。私が提起した問題にすら、このサイトでmakoto-sさんが考古学者として真剣に対応しておられますし、「考古学」のような「物」が保存される学問では、ねつ造は必ず発覚することを、同じように「物」が残る学問である人体病理学での経験から知っています。

私は150年前にはじめて報告された病気が本当にその通りであったことを、ロンドンの博物館に残っている解剖臓器を顕微鏡で調べ、さらに免疫染色で、特異分化抗原を証明し、間違いなかったことを確認したことがあります。人生は短いが、学問というものは息が長いのです。

私の言いたいことはあらかた言いましたし、昨日今日はさして反論もないようですから、私が言わんとすることは、言い過ぎや早とちりにもかかわらず考古学者の方にもおわかりいただけたのではないかと思います。私も「名誉毀損」で訴えられることを覚悟で発言したので、必死でした。どうぞ言葉の行き過ぎなど、数々の非礼をお許し下さい。

しばらくROMに徹します。日本の考古学の再生を心よりお祈りいたします。

------------------------------------------------------------------------

トラ > 難波先生おつかれさまでした。この数日間専門外の文献をななめ読みとはいえ、読みこなし、アップするのは大変な労力だったと思います。ところで難波先生は結局何が言いたかったのですか。頭が悪いのか私にはいまだによくわかりません。「捏造」は藤村氏ひとりでなく、周辺もグルで許しがたいおまえたち考古学関係者も立ちあがれ、といいたかったのでしょうか。この後の調査によりどんな事実があきらかになるか判りませんが、少なくともいまの段階で、明確な根拠なしに、自白した人物以外をグルだと決めつけることは、難しいと考えております。それにしてもきちんとした相互批判がしずらい傾向や脂肪酸分析などのあやしげな分析手法に対する批判力のなさなど、日頃から考えていた部分を再確認させられたことも多くありました。再発防止のため、過去の捏造事件のパターン(犯行形態や発覚するときの)を教えてもらいたかったのですが。 (2000/11/15(Wed) 00:50:33)[cs51425.ppp.infoweb.ne.jp]

ash > ROMは結構ですが、つぎの2点の質問にまだ答えていただいてないのですが?(1)「公表されている事実の中に、「集めた本物の縄文石器を埋蔵しただけ」という主張と矛盾するところがあ」るなんて指摘を難波氏の発言に見た覚えがないのですが?それが根拠なら提示してください。(2)誰が「「新聞記者が嘘を書いた」という説明」をしているのですか?出典を明記してください。 (2000/11/15(Wed) 03:18:13)[tkscc-01p02.ppp.odn.ad.jp]


[255] 「捏造の不在」の証明は不可能では? 投稿者:うささぎ 投稿日:2000/11/15(Wed) 01:44:58 [global-user.toshima.ne.jp]

 難波先生。このまましばらく席を外されてしまうなのなら、その前に私からもお尋ねしておきたいことがあります。「捏造」というものは「これは捏造である」と指摘されてはじめて「捏造」と判明します。そして少なくとも人文科学の諸分野では「まだ発見されていない捏造が存在しない」ことを証明するのは不可能だと自分は考えています。

 理科系の学問でも「再現性」がない点においてご指摘のとおり考古学と似ている病理解剖学について、「私の知る限り病理解剖の捏造事件は一件も報告されていない」とおっしゃっておられましたが、これも厳密に言えば「暴露された捏造の例がない」ということだけであって、この分野での捏造が「原理的に不可能である」とは断定できないのではないかと考えるのですがいかがでしょうか。学問的に貴重なケースなら必ずその病気の専門家がデータを請求し、その段階でバレてしまう、とありましたが、私が心配しているのは、言葉は悪いのですが「その他大勢」の、特に注目も集めぬまま終わるケースに「捏造」が混じっているのに誰にも気付かれていない場合がやはりありうるのではないかということです。

 もちろん今もっぱら考えているのは考古学、それも未知の部分が余りに多い前・中期旧石器時代だけではなく、歴史考古学も含めた全体において、「一流」の研究者が本気で捏造を企てた上で現場の発掘作業にも加わり、自分で偽の遺物を発見したと称したら、どのような手続きによってその「捏造」が他者の手で暴露され得るかという問題ですが。

 すみません話がずれてしまいました。考古学における「検証」の可能性と限界については、また改めてこの学問に携わっておられる皆さんにお伺いすることにします。

------------------------------------------------------------------------

うささぎ > 私のいう上記の「偽の遺物」には、当該の、および隣接地域の遺跡からはまだ発掘されていないが、年代的にはほぼ一致する型式や装飾様式をもつ「それ自体は本物の」縄文土器の故意の埋め込みなどもケースも当然含まれています。こういう事態を想定せねばならぬこと自体が情けないのですが、別に考古学を貶めているわけではありません。悪質な偽造・捏造は文書史料にも数多くあるわけでして・・・。 (2000/11/15(Wed) 01:59:44)[global-user.toshima.ne.jp]


[256] お答え 投稿者:難波 投稿日:2000/11/15(Wed) 10:54:45 [konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

「うささぎ」さん、

「「暴露された捏造の例がない」ということだけであって、この分野での捏造が「原理的に不可能である」とは断定できない」のは、その通りです。1例でも出てくれば、病理学全体が今度は「無実の証明」を迫られますが、「存在しなかった」ことの証明は、原理的に不可能であり、それを法律学では「悪魔の証明」と呼ぶのです。

トラさん、「難波先生は結局何が言いたかったのですか」

 私が言いたかったことは、ザザラギ遺跡を含め藤村が関与した発掘は全部インチキである、「前期旧石器時代」が日本に存在したことの確固たる証明はない、従ってこの分野の歴史は1970年代の知見に戻る、このような欺瞞が生じた原因は、決して藤村個人の「悪」に還元されない、考古学の研究システムに問題がある、そのことを考古学専門家もアマチュアもはっきりと認識する必要がある、ということです。

ashさんへ、貴方が私が提出した数々の問題点にまともにおこたえになられれば、私もお答えしましょう。

 これ以後原則としてROMの予定です。

------------------------------------------------------------------------

ORI > 「捏造」を科学的不正行為(Scientific Misconduct)と解釈すればORI (Office of Research Integrity) の97年報告書には、S. Ashraf Imam, Ph.D., なるUniversity of Southern California (USC) の Dept. of Pathology(病理学科) のAssociate Prof. が Scientific Misconduct のPlagiarism で記載されています。これは、NCI (National Cancer Institute) の研究費申請に他研究者の申請書の内容を剽窃したものです。これも立派な科学的不正行為です。病理学科にもウソつきはいるということです。考古学にはウソつきがいて病理学にはウソつきがいなということはないと思います。おそらく、どの分野でもウソつきはいるのだと考える方が自然です。 (2000/11/15(Wed) 13:47:17)[nttoska08029.ppp.infoweb.ne.jp]

ORI > ORI の報告書はhttp://ori.dhhs.gov/html/publications/annual-reports.aspを参照して下さい。 (2000/11/15(Wed) 13:58:50)[nttoska08029.ppp.infoweb.ne.jp]

ash > 何らかの主張をする場合、根拠を明示するのは常識だと思うのですが、難波氏は違うのですか? (2000/11/16(Thu) 02:12:11)[tkscc-01p32.ppp.odn.ad.jp]


[257] お知らせ 投稿者:難波 投稿日:2000/11/15(Wed) 13:32:45 [konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

南河内考古学研究所(http://cgi.skao.net/kissa/trees.cgi)で、考古学者の真剣な意見交換が行われています。ほとんど実名で。

岡安光彦さんは40代の関西の大学の考古学者でしょうか。

考古学者が受けた打撃がよくわかります。

------------------------------------------------------------------------

ORI > 岡安光彦さんについては、http://www3.ctktv.ne.jp/~okayasu/okayasu.htmlを参照 (2000/11/15(Wed) 13:42:39)[nttoska08029.ppp.infoweb.ne.jp]

bambi > 岡安光彦さん, (2000/11/15(Wed) 13:54:03)[cse9-15.nishinomiya.mbn.or.jp]

bambi > この掲示板にも、来られていますが… 近いところでは、書込[253]のResに… (2000/11/15(Wed) 13:57:08)[cse9-15.nishinomiya.mbn.or.jp]

難波 > ORIさん、情報ありがとうございました。 (2000/11/15(Wed) 14:53:44)[konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

岡安光彦 > 私についての新しい情報なら、むしろ http://www.momoso.net の方を見ていただければ。 (2000/11/15(Wed) 18:56:34)[rt.ctktv.ne.jp]


[258] やれやれ 投稿者:難波 投稿日:2000/11/15(Wed) 14:43:26 [konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

やれやれ休ませてもらえないようです。

ORIさん、ご指摘ありがとう。この事件は南カリフルニア大学病理学教室の助教授S. Asharf Iman, Ph.D.が国立がん研究所に提出した研究費申請書に他の研究者のデータを盗用したというもので、それが審査段階で発覚し、イマムは「向こう3年間科研費の申請を行わない」という自発的処分書に署名しています。

肩書きからわかるように、彼は医師ではありません。従って病理解剖や病理診断にタッチすることはできません。研究内容は調べてないのでわかりませんが、たぶん「癌に関する実験的研究」で、人の細胞を用いていない可能性が高いと思います。

私が [247]再現性 で述べたのは、病理解剖のねつ造例は報告がない、ということであって、病理学者がねつ造や剽窃や欺瞞を行わないということではありません。病理学者の徳性が他の人よりも高いなどと主張しているように受け取られたとしたら、それは心外です。

------------------------------------------------------------------------

ORI > この (2000/11/15(Wed) 19:24:44)[nttoska08029.ppp.infoweb.ne.jp]

ORI > 場所で先生がおっしゃっている病理学者とは、病理解剖や診断をする医師のことですか? (2000/11/15(Wed) 19:29:49)[nttoska08029.ppp.infoweb.ne.jp]

ORI > 上の”診断”を病理診断と訂正 (2000/11/15(Wed) 19:31:15)[nttoska08029.ppp.infoweb.ne.jp]

難波紘二 > 日本では病理医と呼んでいますが、病理医は全部医師です。 (2000/11/15(Wed) 21:24:56)[ppp-saijo-102.ipc.hiroshima-u.ac.jp]

難波紘二 > 病理医のシステムは国による違いがあり、米国では医師免許がなければ、病理解剖や病理診断はできません。フランスでは検体検査に限って、Ph.D.の活動が認められています。 (2000/11/15(Wed) 21:34:12)[ppp-saijo-206.ipc.hiroshima-u.ac.jp]

ORI > ご返事ありがとうございます。>難波先生 (2000/11/15(Wed) 21:59:59)[nttoska08029.ppp.infoweb.ne.jp]


[259] ついでに 投稿者:難波 投稿日:2000/11/15(Wed) 15:30:21 [konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

同じ「ORI1997」報告書に有名な「セント・ジュード小児研究病院」の部長だったDavid N. Shapiro, M.D.のケースが載っています。この人は、子供の癌の培養細胞を用いた癌遺伝子の研究で、論文に用いた図表のデータのうち2枚に虚偽があり、同時にPHS(教育厚生省)に提出した科研費申請書の業績目録に自分が共著者でない論文を載せていたことが、発覚し、つぎのような「自発的処分書」にサインしています。

1)今後2年間、連邦政府の科研費の受け取り、連邦政府との契約あるいは協力関係を行わない、2)PHSにおける顧問契約は3年間解除する、3)彼との共同研究を行う場合は、彼の行動を監視する計画書を2年間にわたり提出しなければならない。

厳しいけれど、向こうの感覚では、ごく当たり前の処分だということを、申請書の審査を行う「国立がん研究所」に留学していた私は、よく理解できます。あの国はピューリタニズムが生きている国なのです。

この人は医師で人体病理を培養細胞を使って研究していますが、病理解剖を捏造したわけではありません。

------------------------------------------------------------------------

難波 > 言い忘れました。こういう場合、職は必ず失います。 (2000/11/15(Wed) 15:37:23)[konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]


[260] 「原人の人口」訂正 投稿者:難波 投稿日:2000/11/15(Wed) 17:11:52 [konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

{249原人の人口}の計算に誤りがあったので、訂正いたします。

前期旧石器時代(BP400万20万年)の世界人口は、12万5000ないし80万だそうです。

少ない方が本物なら日本に原人がいた可能性はまずない。多い方が正しければ、いた可能性がある。現在日本には、世界の1/60の人口がありますので、最大値の方を仮に真であるとして、この比率をそのまま適用すると、日本には最大13,333人の原人がいたことになります。この数値は、岡村道雄さんがあげている15,000人という数字とよく一致します。これを日本列島の総面積37万平方メートルで割ると、0.036という数値がえられます。これに宮城県の面積7284平方メートルを掛けると、262人という値がえられます。

これが宮城県に住んでいた原人の最大数です。

この数値は小山修三さんのデータを基に推定した場合の最低人数200人とほぼ一致しています。

そこで、「その半分が石器を製作・使用したとして50万年間の延べ使用者数は1億人から1000万人です。それが年間5個の石器を作ったと仮定して、宮城県における製作総数は、5億から5000万個になります。それが県内に均等に分布していると仮定すれば、1平方メートルあたりの分布数は、686個から68.5個ということになります。

理論的には50万年の地層の中に、これだけの旧石器が含まれていることになります。

従って、わずか1平方キロ程度の宮城県の発掘面積において、800個の旧石器が出土することは、ありえないことではない。」という前回の計算は、「最低値」として示したものが実は「最大値」であったということになります。

従って「宮城県における1平方メートルあたりの旧石器分布数は、最大でも100個を超えることはありえない」という結論が導き出されます。(もちろん均等分散を前提としての話です)

私の計算の基本的考え方はお判りでしょうから、後は考古学に関心を持たれる方が、縄文時代について同じような計算をされて、比較されたらよいでしょう。

実はこの計算でも、「原人の半数が石器を製作する」というかなり甘い仮定をおいています。「原人は年間に5個石器を製作する」という仮定が間違いだとされる方は、別の数値を示して下さい。

どうも最初の「直感的計算」の方が正しかったように思います。宮城県における発掘面積からみて、800個以上の「旧石器」が出土することはありそうもない、というのが正しいように思います。また最大でもわずか262人しかいない集団が、技術を進歩させたり、精神文化を発展させたなどと言うことは、まったくありえない。そのような仮説は、現生人類の場合でも成立しない。まして脳容量が900グラム程度の原人でおこるはずは絶対にありません。以上「原人人口」を訂正いたします。

文献:田中琢「紀元前後のボートピープル」(前掲書「考古学の散歩道」pp12-21)

 

------------------------------------------------------------------------

岡安光彦 > 折角の計算が台無しになってしまいますので単位の誤りには気を付けましょう。これが患者さん相手だったら死んじゃいますよ! 広島大学総合科学部教授、医学博士、難波紘二殿。 (2000/11/15(Wed) 17:39:46)[firewall.ctktv.ne.jp]

難波 > 計算が間違っていたら指摘して下さい。それが公開性のある学問というものです。まだ反省していませんね。 (2000/11/15(Wed) 17:45:42)[konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

岡安光彦 > 前にも指摘した通り、この種の計算に意味がないと言っているのではありません。興味あるアプローチだと思います。単位は計算の重要な要素で、それを何度も間違えるなんて問題外ですが、それもここではよしとしましょう。その上で、難波モデルは間違っているというより、もう少しの拡張が必要だと申し上げておきましょう。難波もでるでは、原人も石器もランダムに分布することとして計算していますが、もし当時の日本列島に原人が生息していたと仮定すると、その生息域、とりわけキャンプに適した地域は限られてくるわけです。かつ(もし数十万年もの年月にわたって生息していたとすると)、同じ地域が繰り返し使用された可能性が高まります。したがって、難波モデルをより説得力あるものとするには、それらの条件を計算式に組込む必要があります。そして、そこが一番難しく、かつ学問的な興味のある作業となるのではないでしょうか。現時点での難波モデルは、よくいって原人レベル、といったら、また反省を迫られるかな。 (2000/11/15(Wed) 18:07:34)[rt.ctktv.ne.jp]

岡安光彦 > 例えば、難波さんが、ヒトの体の表面で大腸菌を探すとしたら、どこを探すのが効率的ですか。自ずと探す場所は定まってくるはずです。体表全体の分布の平均値と、特定の部位とでは、大きく異なるはずですよね。同様に、原人の生息域、とくにその拠点となる範囲は非常に狭まるので、宮城で発掘された石器の個数から、逆にそれが前期旧石器ではないということを示すには、もう少し精密なモデルが必要になります。そして、そうしたモデル作りには魅力を感じます。そのような意味で、難波さんの問題提起は重要だと思いますが、いかんせん、ちょっと概算すぎます。 (2000/11/15(Wed) 18:21:04)[rt.ctktv.ne.jp]

岡安光彦 > ハハハ、原人を大腸菌と一緒にしちゃった。旧石器研究者の皆さん、ごめんなさい。反省してます。 (2000/11/15(Wed) 18:31:58)[firewall.ctktv.ne.jp]

難波 > 単位を間違えたわけではありません。小山さんの縄文人口を基礎数値として用いて計算を行ったか、原人の世界人口をもとに計算を行ったかの違いです。言いがかりはよしてください。 (2000/11/15(Wed) 19:57:32)[konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

難波 > あなた方もいい加減に反省しないと、そのうち全国紙で私の公的指弾記事を読んで、真っ青になりますよ。 (2000/11/15(Wed) 19:59:14)[konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

難波 > 論争のプロが、「隠し球」なしで、実名を名乗って、他分野に論争をいどむと思っているのですか? (2000/11/15(Wed) 20:15:13)[konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

岡安光彦 > まだお気付きでないのですか。「1平方メートルあたりの旧石器分布数は、最大でも100個を超えることはありえない」--それはそうでしょうね。 (2000/11/15(Wed) 21:15:45)[rt.ctktv.ne.jp]

案内人 > 難波さんにご注意申し上げます。 「あなた方もいい加減に反省しないと、そのうち全国紙で私の公的指弾記事を読んで、真っ青になりますよ。」 「論争のプロが、「隠し球」なしで、実名を名乗って、他分野に論争をいどむと思っているのですか?」の発言は不穏当です。 (2000/11/15(Wed) 21:22:02)[c4-002.actv.ne.jp]

岡安光彦 > 「論争のプロ」の計算によると、1平方キロ程度の宮城県の発掘面積において、旧石器分布数は100000000個を超えることはないことになります。そりゃそうだ。 (2000/11/15(Wed) 21:24:56)[rt.ctktv.ne.jp]

難波紘二 > 案内人さんへ、「侮辱」を受けたことへのささやかな反撃と思いますが。それも許されないのでしょうか? (2000/11/15(Wed) 21:26:49)[ppp-saijo-102.ipc.hiroshima-u.ac.jp]

岡安光彦 > 「論争のプロ」が、さっそく泣きですか? (2000/11/15(Wed) 21:30:59)[firewall.ctktv.ne.jp]

岡安光彦 > 論理には論理をもって答えてほしいですね。 (2000/11/15(Wed) 21:32:10)[firewall.ctktv.ne.jp]

ash > 岡安さんが指摘しているのは、「1平方メートルあたりの分布数は、686個から68.5個」と「わずか1平方キロ程度の宮城県の発掘面積において、800個の旧石器」と、「平方メートル」と「平方キロメートル」を混同していることなんですよ。>難波氏 (2000/11/16(Thu) 01:57:31)[tkscc-01p32.ppp.odn.ad.jp]

花關索 > まず先行論文の洗い出しをされては? 難波さん、いくつか注文をつけます。まず、典拠文献の精緻な表記、精確な引用です。専門分野が違うところで、ヒトを説得しようとしたら、最低限必要なことでしょう。それから、もう一つ、難波さんにかけているように思えるのは、先行論文のきちんとしたリサーチです。石器時代についてどれだけの論考がされているかどうかはわかりませんが、縄文以降については、かなりたくさんの、ただし、相互に矛盾する考察があったとき記憶しています。人口推定の方法論としては、ここにとどまらず、古墳時代以後、また中世や近世を対象とした研究の数々を比較すべきでしょう。時代をさかのぼればさかのぼるほど不確定要素ならびに方法論・視点の違いにより誤差が拡大するものを、恣意的に選んだ(手元にあった)資料にもとづいて、見積もりし、それにさらに仮定を重ねて石器存在密度を計算するというのはあまりにも無謀です。岡安さんも触れているように、テーマとしては実に興味深いのですが、逆に、そのような形での論断が連鎖してゆく果ては、典型的なトンデモですよ。図書館などで、少なくとも海外における、石器時代の人口推定の主要な論文かすぐれたレビュー・アーティクルを数種、国内においても、算定法のぶれまでわかる程度の、近世までカヴァーした論考を多数、その場でチェックあるいは取り寄せてから検討すべき問題でしょう。 (2000/11/16(Thu) 05:29:47)[itbs2111.ppp.infoweb.ne.jp]

難波 > 花開策さんの実名は永瀬唯のようですね。 (2000/11/16(Thu) 11:22:17)[konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]


[261] 捏造はどのくらいできるのか? 投稿者:ヤギ 投稿日:2000/11/15(Wed) 20:11:43 [user039.smn.enjoy.ne.jp]

ウササギさんへ。

考古学関係者以外の方で、冷静な発言をなさっているあなたを尊敬いたします。

?255の書き込みは、「これ以外の研究者の発掘に捏造はないのか。氷山の一角ではないのか」ということでしょうか。(間違っていたらすみません)

この事件の当初から疑問に思っていたのは、「この捏造を同じ発掘に参加した人々がなぜ気が付かなかったのか」でした。普通は、ごく近い時期に埋められたものなら、土層の観察、掘ったときの感触、などでわかるものです。

そこで、自分が現在発掘している遺跡で「捏造が可能か」を考えてみました。

1.人知れずに遺物を埋めることができるのか?

a.私の現場では、周辺から作業員を雇用しています。作業員さんの中には早起きの人がいて、夜明けとともに犬の散歩や農作業に出るそうです。早朝私が現場をうろついていたら、不思議に思うでしょう。

なお、作業員さんの話では、ジョギングをしている人もいるそうです。

b.作業時間中は衆人監視のような状況で、埋めることなど不可能です。

また、作業員さんから「これでいいですか」、「次はどうしましょうか」といわれつづけますので、埋める時間的余裕もありません。

2.埋めるもの

捏造するなら、世間があっと驚くものでなければなりません。弥生時代なら銅鐸、金印、古墳時代なら芸術的な金工、奈良平安時代なら木簡や漆紙文書、等々でしょうか?(まだまだありますが)

これらを私が作るのは不可能です。木簡など、簡単にできそうですが木の古い状態は作ることができません。字も小学生なみに下手です。まずばれます。

銅鐸は俗に、1cmが100万円するといわれます。骨董屋で30cmの銅鐸を買えば、私の将来の退職金のほとんど(全部?)がなくなります。

偽造はわりに合いません。

結論は、現在の発掘調査現場では「捏造」はほとんど不可能ではないか、ということです。

その「ほとんど不可能」なことが起こったのです。

発掘は、その土地土地で条件が違いますから、他の人にも聞きたいのですが・・・

まだまだ書きたいこともありますが、いったん置きます。

------------------------------------------------------------------------

難波 > 関根秀樹「縄文の生活図鑑」(創和出版、1998)P26によれば、玉髄製の釣り針ですら、4~5時間で作製できるそうです。 (2000/11/15(Wed) 20:24:25)[konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

うささぎ > あの事件の発覚後すぐ、考古学にも造詣の深い知人に「便乗する愉快犯が増えたりしそうで心配ですね」と語りかけたところ「愉快犯は今でも結構いますよ」という返事を聞いて吃驚したのがきっかけでした。ちょっと考えてみれば変なものが埋めてあったとしてもそのままでは土が全然こびりついていないから、すぐバレてしまい問題になりませんよね。ところが、実情は知らぬものの、新聞報道などを読む限りでは、藤村氏に「発見された」自称前〜中期旧石器にも土のこびりついていないものが珍しくなく、しかも周囲の専門家たちがそのことに疑いの目をむけなかったようで、その点が何とも腑に落ちないわけです。基本的な立場を言えば私は難波さんとは逆に、捏造や贋作は非常に厳格で追試も可能な一部の理科系の分野を除いて、どの学問にもつきもので、その暴露は容易でない、と考えています。自分の専攻分野より遥かに「確実な学問」であると信じてきた考古学が想像もしてなかった弱点を晒したことにうろたえている、というのが今の自分の精神状態です。考古学だけが捏造の容易な、つまりスキの多い学問だと考えているわけではありません。 (2000/11/15(Wed) 22:51:49)[global-user.toshima.ne.jp]

うささぎ > ただしヤギさんが詳しく説明してくださったような現場の状況を鑑みると、いわゆる「愉快犯」が跳梁する余地もほとんど無さそうに思えるのですが、実際はどうなのでしょうか。なお「愉快犯」なら結構いる、と教えてくれた人は考古の専門家ではなく専攻している時代も中世です。念のため。 (2000/11/15(Wed) 22:55:18)[global-user.toshima.ne.jp]

うささぎ > 自分の分野を念頭に置きつつ「氷山の一角かもしれない」と疑念を呈しているわけです。 (2000/11/15(Wed) 22:58:06)[global-user.toshima.ne.jp]

子泣き親父 > 人知れずに遺物を埋めることは、行政発掘の場合は、おっしゃるとおりほぼ不可能といえるでしょう。しかし、学術調査なら、行政調査よりは可能性は高くなると思います。もちろん、学術調査が怪しいという意味ではありません。しかし、行政調査と違って学術調査の場合は作業開始前に入念な打ち合わせを行っておけば、行政調査の場合よりもはるかに段取りがわかっている者が多いため、各々が持ち場で一心不乱に作業を進める事が多いように思います。調査区の肩に立っていても、全く気付いてもらえないことさえあります。そういう状態なら、小さい石器なら埋めることは技術的(?)には可能だと思います。 (2000/11/16(Thu) 00:01:08)[myzcc-02p69.ppp.odn.ad.jp]

子泣き親父 > 愉快犯には遭遇したことはないのですが、不可解な事件に遭遇したことがあります。旧石器の遺物が雨上がりに数m移動していたというものです。遺物の周りには足跡などの痕跡は全くありませんでした。随分後になって、犯人が判りました。なんとカラスでした。だいたい300グラムくらいだったら数mくらいもって行けるようです(詳しいデータは知りませんが)。カラスにとっては、ゴルフボールも石器も関係ないようです。そのようなことがあってから、非常に重要と思われる遺物は、位置の記録をとった上で持ち帰ることもあります。カラスに捨てられたらたまったものではありませんので。そういった遺物を写真撮影のためなどに再配置することを、捏造と間違われたら大変なことなんですが。 (2000/11/16(Thu) 00:10:02)[myzcc-02p69.ppp.odn.ad.jp]

うささぎ > 貴重な情報を有難うございました。>子泣き親父さん。 (2000/11/16(Thu) 01:00:36)[global-user.toshima.ne.jp]

鈍公 > 捏造が可能か?は、私にはこの問いそのものがナンセンスであるように思われる。素人には不可能なことも、それなりの工芸技術を持った人には作成できる可能性があり、チャンスがあればうめることもできる。科学の世界は真理を究明することを目指すのだから、不可能だろうという予想だけで可能性を除外するのは真理を見失う危険を犯す行為ではありませんか?今回の事件に背景には、疑うことの意味と価値を軽んじる性向が我々にはあることを示唆しているように感じています。 (2000/11/16(Thu) 01:26:54)[ccngw.ncc.go.jp]

鈍公 > 研究が成果を挙げることを目指し、成果を挙げ得た人の頭上には名誉が輝く。科学の世界がこのようにして人を惹き付けるものである以上、どんな手段を用いても成果があがればそれでよいと考える人間はあとを絶たないであろう。それではどうすれば嘘を見抜けるのか。騙されずに済むのか。うっかり信じてしまうことから逃れられるのか。私が自分に問いかけるのは、このような質問群である (2000/11/16(Thu) 01:38:57)[ccngw.ncc.go.jp]

ヤギ > 難波様 石器を作ることは可能ですが、古色を作るのは難しいのです。またどの石を使ってもいいというわけではありません。石材の採集には大変な労力が要ります。 (2000/11/16(Thu) 05:16:22)[user039.smn.enjoy.ne.jp]

ヤギ > 純公様 おっしゃるとおりです。「発掘をどこまで信用し、どこからを疑うか」は非常に難しい問題です。全面的に信用する傾向がないとはいえませんが、報告書から検証を試みる動きはあるのではないでしょうか。ただし、発掘そのものが捏造とすればむりですが。「どうすれば嘘が見ぬけるか」以下は私も強く感じるところです。 (2000/11/16(Thu) 05:34:04)[user043.smn.enjoy.ne.jp]

ヤギ > 言われるとおり、捏造ができるか?は本質ではありません。ただし、ウササギさんの発言のとおり、「氷山に一角」と考えている一般の人は多いのでは、と思い、考えてみました。 (2000/11/16(Thu) 07:55:28)[user010.smn.enjoy.ne.jp]

難波 > ヤギさん、「古色」を作るのは難しいが不可能ではない。私が知りたいのは、発掘された前期旧石器はあなた方専門家が見ても、間違いなく「50万年」の歳月を経たものと見えるのでしょうか? (2000/11/16(Thu) 10:37:14)[konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]


[262] 青森の地層は 投稿者:nick 投稿日:2000/11/15(Wed) 21:05:12 []

いや〜、、探しましたよ。

突然リンク不良になって、、、

時に、青森の地層図はどこに掲載しておられますか

桜島大噴火時のパミスを知りたくて、、

宜しくお願い致します。

------------------------------------------------------------------------

案内人 > 案内人へのおたずねでしょうか?最初から「青森の地層図」は残念ながら掲載していませんが。」 (2000/11/15(Wed) 21:16:52)[c4-002.actv.ne.jp]

案内人 > どうも勘違いしたようです。ごめんなさい。検索には引っかかりませんでした。 (2000/11/15(Wed) 21:25:17)[c4-002.actv.ne.jp]


[263] 難波先生の計算について 投稿者:牧 祥 投稿日:2000/11/15(Wed) 22:26:07 

はじめて投稿させていただきます。

私は九州大学の理工系の大学院生です。数日前からこの掲示板を注視していました。専門的知識はありませんが、遺跡関連のことは関心があり、趣味程度に古墳時代を中心とした遺跡の本を読んでいます。所詮その程度ですから、簡単な返答で結構です。素朴な疑問です。

難波先生の原人の人口から石器の出土件数を概算するのは条件にもよりますが、決して間違ったアプローチとは思いません。その手法だと、石器を加工する際に出る石片はさらに多く発見されていなければおかしくなります。小さいものでも、個数にして石器の数倍は出るでしょう。ところが藤村氏の関与した遺跡群では、そういった石片や、失敗策の石器がないと聞きます。もし日本にも前期旧石器時代が存在していれば、藤村氏が関与したのに彼が捏造を否定した遺跡からも、そういった石器の方が多く見つかっていないとおかしくなります。どうなのでしょうか。

それとここからは私の感想ですが、石器以外の遺物から前期旧石器時代の存在を検証するか何かしないと、いつまでも不毛な論戦が続きかねないと思います。なんか具体的な方法はないのでしょうか。なんか今までの論戦は、石器の信憑性についてのみ議論が集中しています。しかし石器は所詮、原人が使った道具の一つに過ぎません。

------------------------------------------------------------------------

岡安光彦 > そう、アプローチとしてはおかしくありません。問題はどの程度に十分な妥当性をもったモデルを作れるからです。当然、条件の吟味が重要です。でないと、もっともらしい疑似科学になりかねません。 (2000/11/15(Wed) 22:37:18)[rt.ctktv.ne.jp]

岡安光彦 > そんなに簡単に「何か具体的な方法」が見つかっていたら、とっくに試みられていたでしょうね。逆にいえば、そこを衝かれてしまったわけです。 (2000/11/15(Wed) 22:40:36)[rt.ctktv.ne.jp]

牧 祥 > 石器加工中出たはずの断片が出ないということは不思議ですがどうなのですか。 (2000/11/15(Wed) 22:46:22)[]

光石鳴巳 > 旧石器時代の遺跡のすべてで石器製作をしているとは限りません。その意味で、「完成品」だけが残された遺跡というのは、理論上はあり得ることです。ただし、いわゆる前期旧石器の遺跡では、大半がそうだったところに問題があったということです。それと「石器は所詮、原人が (2000/11/15(Wed) 23:24:24)[plk2-28.mahoroba.ne.jp]

光石鳴巳 > それと「石器は所詮、原人が使った道具の一つに過ぎません」というご指摘は大切な視点です。木や骨、角といった、残りにくい道具がたくさんあったはずです。 (2000/11/15(Wed) 23:25:06)[plk2-28.mahoroba.ne.jp]

大学生 > 絶対的な遺跡数、調査件数が少ないことに起因するのではないでしょうか。 (2000/11/16(Thu) 01:51:21)[sendai-ppp-210-253-121-143.interq.or.jp]


[264] 発言(投稿)についてのお願い 投稿者:夢 鳥 投稿日:2000/11/15(Wed) 23:12:43 [jnclic-66-86.ppp.justnet.ne.jp]

 初めて投稿します。小学校、中学校および地域で歴史教育にたずさわっていますが、考古学自体には素人の立場です。

 難波さんを始めとする、みなさんにお願いがあります。「論争」を名目としてweb上という開かれた場での議論の暴走や、あるいは攻撃的な表現での投稿は避けていただけないでしょうか?

 ネチケットなるものがネットの爆発的な普及に追いつかず、今だ国民のコンセンサスに至っていないことは承知しております。しかし、当BBSの表題は、『「青森遺跡探訪」掲示板』となっており、三内丸山遺跡など著名遺跡について調べようとする小学生でも、容易にワード検索で拾うこととなります。よしんば「正当な主張であるから、子どもが見たって一向に構わない」とお考えの方がいらっしゃったら今一度「言葉の持つ社会的影響」についてご一考ください。

 当HPの主旨、および案内人(管理者という言葉を意識的に避けたと察します)の方の(運営上の)発言は個人HPの特質上、尊重すべきと考えますが..。もはや「スリリング」の域は外れているのではないかと感じます。

------------------------------------------------------------------------

ash > 当事者の一人です。今後は穏やかにいきたいと思います。 (2000/11/16(Thu) 02:02:31)[tkscc-01p32.ppp.odn.ad.jp]

案内人 > 夢鳥先生、ご指摘有り難うございました。簡単に子どもたちも検索できてしまううんですものね。皆様に再度お願いいたします。先生の発言を良くかみしめて、今後の節度ある発言をお願いいたします。 (2000/11/16(Thu) 06:44:28)[c4-002.actv.ne.jp]


[265] くりかえしで恐縮ですが 投稿者:トラ 投稿日:2000/11/15(Wed) 23:39:10 [cs51914.ppp.infoweb.ne.jp]

トラです。繰り返しになりますが、難波先生は何が目的なのですか。難波さんのされていることは、考古学関係者に対する「兆発」と「前期旧石器」派狩りです。難波さんの引用されている文献は、考古学関係者ならたいてい目を通しているようなものばかりです。専門外の人間にすでに知っている論文、文献の内容を得々として解説されたらどうでしょう。事件発覚前ならいざしらず、状況証拠と斜め読みの知識だけで全てを「捏造」と決めつけ、同意しないと非難する。これが兆発でなくてなんでしょうか。

 先生にも関連のある医療現場では医療ミスが多発していますが、医療現場をよく知らないものが生噛りの知識を振りかざして批判したら医療関係者はどう思うでしょうか。頭を垂れてお説ごもっとも反省しますということになりますかね。岡安さんやashさんのいらだちはそういうことではないかと思います。

 わたしは実験心理学など知りませんが、「兆発」は「反省」を生み出さないことはわかります。

 ご指摘のとおり、この事件により日本の考古学そのものに、多くの問題があることはわかりました、しかし、いまここで行われているような議論を続けてもそうした問題の本質にいたることはないと考えます。


[266] 同じ地域が繰り返し使用された可能性 投稿者:牧 祥 投稿日:2000/11/16(Thu) 00:04:28 []

[260]の解説で、岡安先生は同じ地域が繰り返し使用された可能性について指摘されていますが、そのことについて考察します。確かに石器個数を面積で単純に平均しても意味が無いかもしれせんが、もしキャンプに適した地形があり、そこが原人に多く使われたとしたら、そこから出る石器は無作為に他の地域を試掘したときよりも多くなるでしょう。とすれば、藤村氏が捏造を否定している諸遺跡群がもし真実なら、当時そこは原人のキャンプに適した場所といえます。それは前期旧石器時代の石器は希少で、あれだけまとまって出てくればそう考えるのが普通でしょう。当然、石器の加工もそういったキャンプに適した場所で行われたと考えるのが自然です。それにもかかわらず石器の加工時に発生するであろう石片が出ないとすれば、考えられることは以下しかありません。

1当時そこは原人のキャンプに適した場所ではなかったため、たまたま石器が出たが、せいぜいそこは原人の移動の通過点でしかなかった。

2当時そこは原人のキャンプに適した場所であったが、石器の加工は他の場所で行った。

3当時そこは原人のキャンプに適した場所であり、石器の加工もそこで行っている。だから周囲をさらに掘れば、石器加工の痕跡がまとまってみつかるはずだ。

4やはり捏造

1については、もし石器があれだけまとまって見つかるとしたら、そこが通過点に過ぎないとは思えません。そしたら遺跡発見密度は格段に高くなってしまい、難波先生の平均化に近い結果になってしまいます。原人の生息密度にばらつきがあるという大前提が崩れます。よってこの仮定は却下されるでしょう。

2についてですが、原人に宗教的な知識はないと思いますから、そこは儀式用のために原人が集まりはしたが加工行為はしていないという説明はナンセンスでしょう。よって2は考えにくい。仮に石器の加工をよそで行うとしたら、石器の断片ばかりが見つかる遺跡が一つくらい発見されていいはずです。これは日本に限らず外国でこんな遺跡があってもいいはずです。しかしそんな遺跡は今まで発見されたことがないと思います。つまり石器を加工した場所と発見される場所は、そう離れていないはずです。

3についてですが、これが正しいとすれば、2でも述べたように、その周辺を少し試掘すれば確かめられるはずです。しかし今までの発掘でそれらしい遺物が全くないというのは不自然でしょう? 数十回調査し、そのすべてがことごとく石器加工場所をずれた箇所の発掘だったのでしょうか。疑問が残ります。

今後の成果を期待するしかありませんが、こうなったら藤村氏が関与した前期・中期の遺跡は最後の4捏造を疑ってしまいます。どうなのでしょうか。

------------------------------------------------------------------------

牧 祥 > ここでいう加工途中の断片とは、発見された完成品の石器でなくてもかまわないということです。 (2000/11/16(Thu) 00:09:21)[]

牧 祥 > とにかくあれだけまとまって出ている以上、石器の加工が行われていたことだけ証明されたらいいのですから。 (2000/11/16(Thu) 00:11:26)[]

岡安光彦 > 個人的には「前期旧石器」の大部分はアウトだろうな、と感じています。ただし、中石器段階では(藤村さんたちではなく別の人たちが)かなり有望な資料を発見しているようです(藤村派には、逆に縄文石器の混入だと否定されたという話しを聴きました)。 (2000/11/16(Thu) 00:40:29)[firewall.ctktv.ne.jp]

岡安光彦 > つまり4〜5万年位までは遡れる可能性があるということですが、そうした遺跡が「神の汚れた手」で汚染されてしまった可能性があると思うと、新たに怒りがわいてきますね。 (2000/11/16(Thu) 00:44:10)[rt.ctktv.ne.jp]

岡安光彦 > 「捏造問題」とは別に、人口および石器分布数シミュレーションは、おもしろいテーマだと思います。 (2000/11/16(Thu) 00:49:35)[rt.ctktv.ne.jp]

大学生 > 移動生活で大型の剥片や石核を持ち歩いていたとは考えにくく、石材の採取場所―河原―でかなりの部分まで加工を済ませていたのではないでしょうか。それでも刃部再生などの加工は行われていたはずで、その痕跡が遺跡内にないことは疑問として残りますが。 (2000/11/16(Thu) 01:46:00)[sendai-ppp-210-253-121-143.interq.or.jp]

光石鳴巳 > ところで岡安さん、「中石器」ですか「中期旧石器」ですか? (2000/11/16(Thu) 07:58:03)[plk1-33.mahoroba.ne.jp]

難波 > 大学生さんへ。ハーラー「石器時代への旅」には、まさに河原で石器をつくる原住民が観察されています。ただ宮城では、一番加工しやすく、切れ味もよい黒曜石が全然出てこない、というのが不思議なのです。 (2000/11/16(Thu) 11:11:10)[konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]


[267] 人口および石器分布数シミュレーション 投稿者:ash 投稿日:2000/11/16(Thu) 01:51:16 [tkscc-01p32.ppp.odn.ad.jp]

難波氏が依拠している、田中琢「紀元前後のボートピープル」(『考古学の散歩道』岩波新書,12-21頁)によれば、

前期旧石器時代(400万〜20万年前)の総人口は、12万5000〜80万人となっています(同書12頁)。

この総人口が前期旧石器時代の380万年間ののべ人口か平均人口かは、この総人口を380万年間で割ってみると0.03〜0.21人と1人以下になってしまうので、平均人口とみるのが妥当でしょう。

同書によれば、現在の世界の人口は55億人で、日本の人口は1億2500万人となっています(同書12-13頁)ので、日本の人口は世界の人口の44分の1となります。

この比率を前期旧石器時代の人口にもあてはめると、当時の日本の人口は2841〜1万8182人(小数点以下四捨五入しました。以後の計算も同じです。)となります。

国土地理院( http://www.gsi-mc.go.jp/MAP/MENCHO/ichiran.htm )によれば、平成11年の日本の面積は37万7864平方キロメートルで、宮城県の面積は6861平方キロメートルとなっています。

前期旧石器時代の人口2841〜1万8182人を日本の面積37万7864平方キロメートルで割ると、0.008〜0.48(人/1平方キロメートル)となり、これに宮城県の面積6861平方キロメートルを掛けると、宮城県における前期旧石器時代の人口55〜329人が求められます。

(ちなみに宮城県の面積は日本の面積の約55分の4ですので、この比率を人口にあてはめると、52〜331人となります。)

この人口は前期旧石器時代30万年間の平均人口ですので、のべ人口は1650万〜9870万人となります。

この半数が石器を1年に5個製作したと仮定すると、石器の30万年間ののべ数は、1650万〜9870万(人)÷2×5(個)で、4125万〜2億4675万個となります。

この石器数の宮城県における1平方キロメートル(難波氏によれば宮城県の発掘面積に相当する)あたりの数は、宮城県の面積6861平方キロメートルで割った、6012〜3万5964個となります。

こうしてみると宮城県の前期旧石器数800個はかなり少ないですね。

------------------------------------------------------------------------

牧 祥 > ashさんは、そうすると問題の遺跡から出土した石器は決して多すぎるものではなく、きわめて標準的な頻度であるとお考えなのですか? (2000/11/16(Thu) 02:40:43)[]

ash > 難しい質問ですね。田中氏のまとめた前期旧石器時代の世界の総人口がはたして妥当なのか、現在の世界と日本の人口比を前期旧石器時代にあてはめることは妥当か否か、日本と宮城県の面積比をあてはめるのはどうか、人口の半数が石器製作は、年に5個という基準は、と、この計算方法には問題がありすぎて、得られた結果を安直に比較対象とすることができません。比較対象がないので「わからない」というのが率直な答えです。 (2000/11/16(Thu) 07:53:34)[tkscc-01p67.ppp.odn.ad.jp]


[268] 理化学的な火を受けた石器の年代測定法について 投稿者:ORI 投稿日:2000/11/16(Thu) 09:15:39 [nttoska10175.ppp.infoweb.ne.jp]

「244」で大学生さんから、火を受けた石器は理化学的な年代測定が可能であり、上高森遺跡で過去に出土した石器も地層の年代測定だけによるわけではなく、理化学的な方法により、おおむね50万年前との測定結果が発表されている旨の発言があるのですが、これについて大学生さんに限らず詳しく教えて下さい。


[269] 人口と石器数 投稿者:難波紘二 投稿日:2000/11/16(Thu) 09:20:56 [ppp-saijo-213.ipc.hiroshima-u.ac.jp]

岡安さん>ご指摘ありがとう。うっかりミスでした。

Ashさん>検算ありがとう。貴方の数値を用いると、「1平方キロあたり6012~35,964個」の旧石器が存在することになりますね。従って1平方メートルあたり、0.006~0.04個となります。

これが面としてではなく、およそ50メートルの高さをもつ堆積層の中に存在している。

我々は宮城県の発掘面積も発掘体積も知らないのですが、写真が公表されている発掘現場の深さから見て、「1平方kmX50m」の体積の土砂が全部検索されたとはとうてい思えない。

「従って800個以上の旧石器が発見されることは、ありそうもない」

という結論になるのです。

さらに以上の計算には、第4紀に繰り返し起こった氷河期における人が住めなかった期間を考慮してありませんし、火山噴火で住めなかった期間も考慮してありません。

 それに石器数よりも、「最大でもわずか262人しかいない集団が、技術を進歩させたり、精神文化を発展させたなどと言うことは、まったくありえない。」

という結論の方が、岡村さんが「日本の歴史」に書いているような学説に対して、もつ意味が大きいのですよ。


[270] 石器の鑑定 投稿者:難波 投稿日:2000/11/16(Thu) 10:57:40[konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

昨夜は研究室のパソコンは10メガの画像を20枚夜間に印刷するように指示して帰ったら、途中で不調になり、自宅からは直接接続できなくなりました。それで迂回して情報処理センターに乗り入れ、そこからインターネットに接続しようとしたのですが、23:00以後は学生が「テレホーダイ」を利用してアクセスするので200回線ある電話も「話し中」になってしまった。

仕方ないので気分転換にBSで録画中の「ニクソン」を途中からちょっと見たら、画面のつくりが、どうもオリバー・ストーンに似ている。家内に「面白い映画だ。ストーンの作品みたいだ」と話して、寝たのですが、今朝出だしを確認するとやはり「オリバー・ストーン・フィルム」とキャプションが出た。嬉しかったですね。

 このように作品には必ず個性がでることは、モーツアルトも同じです。

 石器にも製作者が同一人物なら必ず個性があります。

 また右利きと左利きの作品は、それぞれ違います。

 こういう科学的検証は、考古学ではどの程度行われているのでしょうか?

 医学の方では、「自然科学的方法を極限まで押し進めた先に、個性を捉える」という考え方が、欧米で主流になっており、それを「State of Art」と読んでいて、日本でも次第に受け入れられつつあります。

------------------------------------------------------------------------

難波 > つけ加えます。「State of Art」とは「名人のいない名人芸」のことです。 (2000/11/16(Thu) 11:04:46)[konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]


[271] 錯誤の構図 投稿者:難波 投稿日:2000/11/16(Thu) 12:39:53[konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

安田喜憲(編):「はじめて出会う日本考古学」(有斐閣アルマ、1999)

に以下のような記述があります。この人は、東北大の芹沢長介さんの弟子で、現在「国際日本文化研究センター」の教授をしています。

「宮城県の高森遺跡では、1988年から民間の研究グループである石器文化談話会や東北歴史資料館(現東北歴史博物館)が計4回の発掘調査を行った。…その結果、高森第1テフラが約50万年前のものであることが、判明した。…上高森遺跡では、1993年から東北旧石器文化研究所(鎌田俊昭所長)と東北福祉大学の梶原洋氏らが計4回の発掘調査を行ってきた。1998年に見つかった最古の石器14点は、高森第1テフラの下にある倉の沢第1テフラよりさらに数枚下の(19面上層)から見つかった。これが日本最古のゆえんであり、約60万年前の石器と推定できる。これは中国の北京・周口店遺跡第1地点で見つかった北京原人の石器よりも少し古いかもしれない。」(p168)

「前期更新世に遡る遺跡が見つかる可能性は非常に高い。理由は2つある。1つは、中国の藍田原人の年代が古地磁気法で110万年と推定され、おおむね公認されているからである。…もう1つの理由は、上高森ではへら形石器に見られる高度な両面加工技術と小型両面加工尖頭器に見られる精緻な押圧剥離技術が存在するからである。押圧剥離技術は従来後期旧石器時代から登場する技術であると考えられてきた。約60万年前に日本列島にいた原人は、世界中の研究者が驚くような相当ハイレベルな技術をもっていたのである。…前期旧石器時代の遺跡が宮城、福島、山形で集中して見つかっているのは、東北旧石器文化研究所の藤村新一氏や東北福祉大学のメンバーや東北大学の柳田俊雄氏らが積極的に遺跡を探して、調査しているからである。今後東北地方以外に住んでいる読者の皆さんが積極的に古い地層を見つけて、そこから旧石器を探し当てれば、列島各地で60~70万年前の遺跡も増加していくはずである。」(p169)

この記述で、現地で掘る人達とそれに(だまされて)お墨付きを与える人達がいて、全体の事件ができあがったのだ、という構図がだんだん浮かび上がってきましたね。


[272] 教えて下さい 投稿者:難波 投稿日:2000/11/16(Thu) 13:41:5[konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

わずか300人程度の孤立した集団であれば、通婚圏が狭い場合、遺伝子劣化により数十世代で絶滅するのが普通です。野生動物の場合は、例外もありますが、人で観察された事実からは、そう言えます。

人類発生には単中心説、多中心説、混血説とあるわけですが、どなたか人類学あるいは生物学の人で、ボノボとヒト細胞、あるいはチンパンとヒト細胞の融合を行ってみた研究を知りませんか?

一体原人の染色体はいくつあるのだろうか?

------------------------------------------------------------------------

ash > 「300人」云々は、無理矢理宮城県に人数を限定した話です。 (2000/11/17(Fri) 04:50:41)[tkscc-02p03.ppp.odn.ad.jp]


[273] どうも話が 投稿者:トンビ 投稿日:2000/11/16(Thu) 15:46:33 [canal.wslab.ntt.co.jp]

どうも話が焦点からズレてしまいますね。もちろん、これだけのことが起きたのですから、専門家もファンも興奮状態に陥るのは当然です。

ただ、これだけハッキリした捏造が発覚した以上、人口モデルなどからアヤシイと推定したり、それに反論したりする議論は、私には、回りくどく感じます。そういう議論は捏造発覚の前に行ったならば実益があったでしょうけど、いまや、問題は、藤村氏が他でも捏造をしたのかどうか、に完全に移っていると思います。

遺跡から直接捏造の証拠、捏造がなかった証拠を見出すのが難しくても、藤村氏は生きているわけですから、本人を徹底的に追及するという有効な手段があります。道義的に藤村氏はそれに答える義務があるでしょう。

今、当事者が行うべきことが、藤村氏の徹底追及であることについては、議論しても仕方がないくらい当然のことのように私には思えます.

また、こういうことについては、影響力も情報も持たない立場での議論は不毛だと思います。

一方、私が以前投稿した意見に対して、捏造が発覚したからと言って、全てが捏造であると決めつけるのは学問的ではない、という意見がありました。

最初に投稿したときから私が書きつづけてきたことですが、これが考古学会の典型的意見だとしたら問題だと考えます。こういう反応が、考古学の内部から出てくるとしたら、それに関する限りで、この場での議論にも意味があるという程度のことかと思っています。

藤村氏は、証拠をつきつけられるまでは、捏造を否定する傾向があるのは毎日の新聞から明らかだと私は思います。

また、藤村氏が来ないと石器がでない、彼が来れば石器が出る、というのは確率論から言って、怪しい話だと私は思います。

私は捏造だと決め付けはしませんが、捏造である可能性が極めて高いと推定します。

こういう考え方も、学問的ではないと言われるのかなあ、という思いです。でも、藤村氏の捏造が見破れなかった一因は、こうした常識論が封じられたことのようですね。

エラソウに言えば、考古学が学問的だとしてきたことを疑うことが、今回の事件の教訓ということになるのではないでしょうか。

いずれにせよ、今回のことをどう受け止めるのか、というのがここで交わされるべき意見の焦点であるべきです。

考古学関係者の中で大勢を占めているように思える、他の遺跡の検証を待たなければ何も言えない、という意見は、今回の事件は他の遺跡の信憑性へのインパクトはゼロであったと言うようなものだと私は思います。

それは常識論からは大幅に乖離していると私は思います。それがいかに「学問的」な装いをこらした発言であっても。

------------------------------------------------------------------------

makoto-s > 「藤村氏が関わったからすべてねつ造だ」と断定するのは学問的ではない、ということです。それでは「研究者(藤村氏)がねつ造などするわけがない」というのと一緒で「単なる感情論」になってしまいます。藤村氏が関わった遺跡に関して疑惑があるのは間違いがありませんからそれに対して検証をしたうえで、正否を決めるべきだと思います。検証をしても「疑惑」のまま終わってしまう可能性もありますが....それでも検証した上での判断が必要だと思います。「ねつ造があるかもしれない」という前提で検証するのと「出土したことは事実」として検証するのでは雲泥の違いがあります。検証もせずに決めつけるのは「根も葉もない噂を信じる」「見た目だけで判断する」に等しい行為ではないでしょうか。 (2000/11/16(Thu) 23:19:30)[ppp11-147.din.or.jp]

makoto-s > 「藤村氏がいるときだけ石器が出土する」というのは確かに「怪しい話」です。なぜ考古学研究者がそのことに注意を払わなかったのかというは、現場で発掘をしている者にとっては心情的にはよくわかることです。発掘調査で不思議と遺物に当たりやすい人と当たらない人というのが実際にいます。これはねつ造云々ではなくて何故か巡り合わせでそうなってしまうのです。そういう心理が「怪しい話」をなんとなく「そういうこともあるさ」という風になってしまったのかもしれません。それは決して「学問的」なことではありませんね(^ー^;)。 (2000/11/16(Thu) 23:25:17)[ppp11-147.din.or.jp]

鈍公 > 「「藤村氏が関わったからすべてねつ造だ」と断定するのは学問的ではない」。たしかに。ひとによって当たり外れがあるのも理解可能である。しかし「藤村氏がいるときだけ」出土した石器を誰が信じられるのか。信じられるとしたら、客観的な根拠が保証する時だけであろう。それがなければ、何も信じられはすまい。 (2000/11/17(Fri) 01:08:15)[ccngw.ncc.go.jp]

科学評論家 > ash さん情報提供ありがとうございます。電子スピン共鳴法による年代測定法がすでに科学的に確立された方法ならば、後は阪大理学部における実験の信頼性の確認だけでしょう。もちろん、岩石試料(石器)の採取と受け渡しの信頼性も含めた意味での信頼性です。測定に使用した機器類が完全にカリブレーションしてあり、生データが確実であって、しかもこれから導きだされた結果が正しく、信頼できるものであれば、藤村氏の捏造以外の前期旧石器は存在したことになります。 (2000/11/17(Fri) 07:40:07)[nttoska02106.ppp.infoweb.ne.jp]

科学評論家 > すみません書き込み場所を間違えました。 (2000/11/17(Fri) 07:42:20)[nttoska02106.ppp.infoweb.ne.jp]

科学評論家 > 「268」のところです。 (2000/11/17(Fri) 07:44:21)[nttoska02106.ppp.infoweb.ne.jp]

トンビ > makoto-sさんの現状認識が私には理解できません。なぜこれだけ悪質な捏造が疑問の余地無く明かにされたあとも、「根も葉もない噂」だとか「見た目だけで判断する」という言葉が出てくるのでしょうか。考古学が置かれている状況はもっと深刻ですよ。 (2000/11/17(Fri) 10:16:26)[canal.wslab.ntt.co.jp]

makoto-s > トンビさんへ もう一度私の発言をよく読んで欲しいのですが、私は「旧石器ねつ造事件が根も葉もない噂」等とは書いていません。「検証もせずに決めつけるのは「根も葉もない噂を信じる」に等しい」と言っているのです。「充分な検証をせずに前期旧石器を認めてしまった」ことが今回の「ねつ造事件」の根幹を形成することになったではないかと思います。そして「検証もせずにすべてを否定する」ことはそれとどう違うのでしょうか。前言の繰り返しになってしまいますが、私は藤村氏が主体的に関与した前期旧石器遺跡についてはすべて疑惑を持たなければいけないと思います。 (2000/11/17(Fri) 21:52:41)[ppp11-026.din.or.jp]

makoto-s > 検証の結果、やっぱりすべてねつ造だった、という結論が出るかもしれません。あるいは一部は本物が含まれているかもしれません。いずれにせよ検証結果が出た後に再び議論すべきことだろうと思います。 (2000/11/17(Fri) 21:55:34)[ppp11-026.din.or.jp]

makoto-s > 鈍公さんへ その「客観的な証拠」を求めて現在検証作業が進められているのです。「ねつ造事件」が発覚してたった2週間では検証作業は完結しないでしょう。 (2000/11/17(Fri) 21:59:47)[ppp11-026.din.or.jp]


[274] 石器の分布密度 投稿者:難波 投稿日:2000/11/16(Thu) 16:17:11 [konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

「掘った、あった、発見した」の考古学に対して、旧石器の科学的検証のための地味な努力が行われていますね。少し安心した。

 西沢祥子(都立大学人文科学研究科):旧石器時代研究における極微細石片の役割ー石器製作実験に基づく検討. 第四紀研究 39(5):479-486,2000

では、恐らく宮城を意識して「遺跡における石器分布の集中部を確定する」という目的意識のもとに、実験的に石器を製作し、その際の微小破片を(大きさ, 0.25, 0.5, 1mmの篩を用いて)回収し、それらの破片の製作者からの距離別の度数分布を求めています。

 これで見ると、右利きでは破片は左側(製作者から見て)に偏って分布している。たぶん出来上がった石器にも左右の優位があるはずです。

 それと上高森の遺跡の深さがわかりました。

梶原洋、藤村新一、鎌田俊昭、横山裕平:世界最古の石器埋納遺構、日本最古の石器群、上高森遺跡での新発見.科学70(3):163-165,2000

という 論文とも解説ともわけが分からない記事に、上高森発掘現場のスケール入りの現場写真が載っている。

 それによると地表からわずか4mのところで、彼らが「最古の地層」としている「第16層」の表面に乗っかるかたちで「発見」された。そこに石器集中が見られ、その中心点から数メートル離れたところで、同じ平面上で「石器埋納遺構」が発見されている。

 掘削面積もそれほど広くない。たぶん宮城県全体で、1ヘクタール(1万平方メートル)位しかないのではないでしょうか。間違っていたら訂正して下さい。

 

------------------------------------------------------------------------

有本雅己 > 「掘った、あった、発見した」の考古学ですか・・・。もう少し考古学に対する認識を深められた方がいいと思うのですが。 (2000/11/17(Fri) 00:32:27)[p69-dna06oonaka.nara.ocn.ne.jp]

大学生 > 上高森遺跡の現場は緩やかな斜面です。調査区内で地表面から16層までの深さは2m〜0.5mくらいじゃないでしょうか。「世界最古の石器埋納遺構」が16層、「日本最古の石器群」が仮E層(16層の3mほど下位)です。”彼らが「最古の地層」としている「第16層」”の発言は誤解を招く恐れがあります。実際に報告を読んでいるのでしたら正しく引用してください。 「60万年前の石器をたかが数m掘っただけで〜」と思った方は[278]のレスをご覧下さい。なお蛇足ですが「地層の年代」についてはいくつもの理化学的年代測定で大方の一致は得られているので間違いないと思います。 (2000/11/17(Fri) 03:26:46)[sendai-ppp-210-253-121-103.interq.or.jp]


[277] 難波先生にお願い。 投稿者:牧 祥 投稿日:2000/11/16(Thu) 20:12:26 []

 

[275]のコメントは常軌を逸しています。自らの品性を下げる行為に思えます。言葉は選んでください。


[278] なぜ上高森遺跡なのか 投稿者:牧 祥 投稿日:2000/11/16(Thu) 20:30:59 []

素朴な疑問ですみません。

普通、遺跡を発掘するなら、むやみやたらに掘るのではなく、可能性の高い箇所を掘るはずです。前回の私の返答に、石器を川の周辺で加工した可能性を指摘されていますが、たしかにそれは理にかなっています。また黒曜石の産地についても同感です。とすれば、当然そういった場所ほど石器が埋もっている可能性は高いはずです。当時の地形でそこに川があったのかどうかは地質調査すれば容易に判るはずで、そういった場所を重点的に探る方が石器を発見しやすいと感じます。なぜ上高森遺跡が候補となったのですか。

それと、もし半分偶然にも石器が(上高森遺跡のように)複数発見されたとして、そこが原人のキャンプに適している、もしくはそうだった可能性があると考えたとすれば、普通はそこを起点に放射状に発掘していく方が有効に思えます。それは原人の行動半径はゴリラやチンパンジーのように、ある程度限られたエリアにいたからと考えられるからです。季節によって移動したという考えも否定できないにしろ、無茶苦茶遠くまではいっていないはずです。しかし東北旧石器研究所の人々は、相当離れたいくつもの遺跡を同時進行で発掘していた感があります。どうなのでしょうか。

------------------------------------------------------------------------

makoto-s > 東北旧石器文化研究所については私は新聞記事以外の情報を知りませんが、同研究所はNPO法人であり、所員(会員?)は4名しかいないそうです。いわゆる「発掘調査会社」ではないため、これまでは「学術調査」しかたずさわっていないようです。文化庁の補助事業ならともかく都道府県市町村大学等が行う学術調査は調査期間も短い(今回、問題となった上高森遺跡第6次も調査期間はたった10日間)ので同時進行ではないと思います。また、地権者の承諾、地元教育委員会の協力なしには実施できませんので、自分達が望む地点を自由に掘るというわけには行かない等さまざな事情が考えられます。 (2000/11/16(Thu) 23:10:14)[ppp11-147.din.or.jp]

大学生 > 古い時代の遺跡は、当然古ければ古いほど地中深く埋れています。前期・中期旧石器といった時代の遺跡(具体的には石器)を踏査によって効果的に発見するには、古い地層が断面として露出している場所(露頭)や、後世の侵食や土取りによって新しい時代の地層が削り取られて古い地層が剥き出しになっている場所を探すことになります。路頭面から石器を発見することを断面採取と呼びますが、前期・中期旧石器遺跡のほとんどは断面採取によって発見されたものです。この断面採取の結果をもとに、石器が見つかった地層を狙って発掘調査を行います。面的な発掘調査によって初めて遺跡が発見されると言うことはまずありません。あるかどうか分からないで掘るのでは効率が悪すぎるからです。上高森遺跡の場合、当該地域は河川などによる解析が進んでおり、遺跡周辺では20万〜1万年前の地層が失われています。更に現場周辺は土取りにより50万年前の火山灰層が地表面近くまで露出しています。土取りによって形成された高さ10m以上の大露頭は20万〜50万年前の地層の変遷を一目で見ることが出来ます。92年に露頭面で石器が断面採取され、翌93年から秋に10日間程度の発掘調査が継続されています。 (2000/11/17(Fri) 02:10:33)[sendai-ppp-210-253-121-103.interq.or.jp]

大学生 > 朝日新聞で東北旧石器文化研究所設立の経緯に少し触れています http://www.asahi.com/paper/special/sekki/001110a.html (2000/11/17(Fri) 02:16:03)[sendai-ppp-210-253-121-103.interq.or.jp]

ヒューヒューポーポー > 大学生さんへ。断面採取により発掘場所が絞り込まれていくということはそこから石器が出てきているという事ですよね、そうであれば石器が出てくる可能性が大きいので藤村氏も捏造などやらなかったのでは?。ということは断面採取から捏造があったのでは? (2000/11/17(Fri) 06:02:52)[pl023.nas112.ota.nttpc.ne.jp]

makoto-s > 角張氏の主張では「北海道・総進不動坂遺跡」での石器出土が崖面からのみ出土していることに対して疑問を提示しています。「丁度、地層断面を移動しながら掘った人の軌跡のように石器が出土している」と暗に「ねつ造」をほのめかしています。 (2000/11/17(Fri) 22:05:18)[ppp11-026.din.or.jp]

大学生 > ヒューヒューポーポーさん、上に書いた以上の経緯については知らないので何とも言えません。「断面採取により発掘場所が絞り込まれていく」については前期・中期旧石器ではごく一般的と思います。 (2000/11/18(Sat) 02:30:19)[sendai-ppp-210-253-121-94.interq.or.jp]


[279] 皆様に重ねてお願いです 投稿者:案内人 投稿日:2000/11/16(Thu) 20:40:36 [c4-002.actv.ne.jp]

 案内人から皆様方へ重ねてお願いがあります。[264]で夢鳥先生からのご指摘がありましたように、この掲示板は子どもたちも読んでいるそうです。私も子どもたちまで読んでいるとは、考えもしませんでした。全くの盲点でした。

 したがいまして、以後の発言は子どもたちに悪影響を与えないような節度のあるものにしてください。節度のない発言は、遠慮なく削除させていただきます。

------------------------------------------------------------------------

岡安光彦 > 反省しています。フレームを消しに来たのに、ミイラ取りがミイラになってしまいました。 (2000/11/16(Thu) 21:38:38)[rt.ctktv.ne.jp]

人類学学生 > 考古学関係者ではなく、子供達が最大の被害者と思います。 (2000/11/16(Thu) 22:15:21)[kwgcd-03p127.ppp.odn.ad.jp]

岡安光彦 > 子供達に恥ずかしくないか。素朴ではあるが、いい基準になるのではと思います。その意味で、恥じなければと反省しています。 (2000/11/16(Thu) 22:19:04)[rt.ctktv.ne.jp]

鈍公 > 過激な意見は、子供達によくないかもしれない。一方、具体的にどのようにして現状を破っていくのか。関係各位の思うところが聞きたいものだ。それこそ、教育的に意義があるのではないか? (2000/11/17(Fri) 01:11:53)[ccngw.ncc.go.jp]

鈍公 > 失敗はいつでも、どこでも起こりうる。その失敗に対してどう対処するのか。対処の仕方が制度化されているのか。 (2000/11/17(Fri) 13:42:00)[ccngw.ncc.go.jp]


[280] 外部監査 投稿者:難波 投稿日:2000/11/16(Thu) 21:26:36 [konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

アネクドートが強烈すぎて削除されたのかも知れませんが、心外です。

もともとアネクドートかジョークはそういうものです。まともに批判してもしょうがないときに、庶民が権力や権威に対して、寸鉄をあびせるのです。

私の275の発言は、藤村の自白は証拠を突きつけない限り、とれっこない。

彼らの業績に批判的な考古学者と地質学、人類学、化学者(脂肪の問題)など科学者をいれた、外部監査委員会をつくって検証するしかない。

つまり米国のORIに似た活動をしないと、委員会の「調査結果」が信用されないだろう、ということでした。

幸い埼玉はそういう方向で動き出した。仙台もそうあってほしい。

以後はROMします。案内人さん、たらいと一緒に赤子まで流してはいけない。ROMのメッセージが皆に届かないですよ。

------------------------------------------------------------------------

牧 祥 > まともに批判してもしょうがないと思ったらここに書き込みしなければいいのでは?削除されて当然の文章でした。 (2000/11/16(Thu) 21:35:55)[]

案内人 > 難波さんには心外かも知れませんが、子どもたちも読んでいるということを肝に銘じてください。ここの掲示板は全文削除しかできません。悪しからず。 (2000/11/16(Thu) 21:58:06)[c4-002.actv.ne.jp]

makoto-s > 新聞報道によれば文化庁は各都道府県に恒常的に遺跡調査に対する検証する委員会のような組織の設置を検討するよう指示したそうです。現在、「埋蔵文化財行政」にはさまざなま問題があり、今回の事件においてその問題点が解決されるような方向になっていけばいいと思っています。 (2000/11/16(Thu) 23:04:26)[ppp11-147.din.or.jp]

難波 > 子供が読んでいるというのは多分理由にならない。テレビでもネットでももっと刺激的な性的表現はあふれている。 (2000/11/17(Fri) 15:18:38)[konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

さとうけいすけ > dakaarto (2000/11/18(Sat) 01:57:20)[dhcp092.bun.kyoto-u.ac.jp]

さとうけいすけ > だからと言って、過激な発言をしてよいということにもならないのでは? (2000/11/18(Sat) 01:58:23)[dhcp092.bun.kyoto-u.ac.jp]


[281] 何故か県内版 投稿者:浅野勝洋 投稿日:2000/11/16(Thu) 21:31:39 [kddnc1.asahi-net.or.jp]

よそでニュースになってなかったようなので、書いてみます

今日の河北新報県内版によると、県は東北旧石器文化研究所に捏造事件の

事実経過、法人として事件を把握していたかどうかについて照会状を送付し

20日までの回答をもとめたとのことです。

どんな回答が出るのやら。


[282] Untitled 投稿者:科学評論家 投稿日:2000/11/17(Fri) 00:06:15 [nttoska10119.ppp.infoweb.ne.jp]

ORI改め科学評論家と申します。「背信の科学者たち、化学同人」、「科学が裁かれるとき、化学同人」、「科学の罠、工作舎」、 米国政府ORI (Office of Research Integrity)設置の経緯、医農薬開発におけるGLP (Good Laboratory Practice)法施行の経緯などを読むと今回の考古学の捏造の発覚は、考古学の問題というよりはむしろアカデミズム全体によこたわる問題だとわかります。今回の捏造発覚は、たまたま考古学の分野でおこっただけのことで、考古学がおかしいからおこったわけではありません。他分野でも十分に起こりうるし、現に上記の文献を読めばわかりますが、いろんな学問分野で不正行為が行われ、米国では1970年代および80年代にさまざまな不正行為が表ざたになり、マスコミを賑わしていました。ノーベル賞受賞者のボルチモア事件などは、日本でもご存知の方も多いのではないでしょうか。このような状況から、捏造大国である米国では、国家機関の一部としてORI (Office of Research Integrity) が設置された経緯があります。この機関は、法律と科学の専門家の混成チームからなっており、いわば科学研究の警察(検察と裁判所の機能も合わせもつ)の役割をになっています。日本版ORIが必要かどうかについては、議論が必要ですが、これらの機関が設置された際に米国でおこなわれた議論の内容や実際の事件への対処法などは多いに参考になる部分があるものと思われます。 今回の事件では、もちろん考古学上の問題を議論をすることも大切ですが、上で述べた米国の例などを参考にすれば、今後の考古学の正常化のみならず日本の学問の信頼性向上に資するのではないかと思い、書き込みました。

------------------------------------------------------------------------

鈍公 > 難波先生は、「人間の眼を曇らせるものは、いつの時代でも「利害」」なのだと書かれている。その発言は正しい。ところが我々は利害や名誉欲から逃げることができない。騙されたのは信じてしまったからだが、何も信じないでいることもできない。どのように意図的なでっちあげや意図されざる間違いを駆逐するか。すぐれた研究者は必死になってそれを実行しようと努力している。まさに「アカデミズム全体によこたわる問題」であって、今回の教訓を考古学とは無縁の私のような人間も噛み締めなくてはならない。そして、同時にそれは個人が自分の上で努力するだけでなく、自己の属する社会において、制度化しなければならないと考える。そのためには、具体的にどのように行動すればいいのだろうか。 (2000/11/17(Fri) 01:00:01)[ccngw.ncc.go.jp]

人類学学生 > 第3者の評価機関を作れば? (2000/11/17(Fri) 01:41:24)[omiya-ppp-210-253-105-242.interq.or.jp]

鈍公 > 第3者評価機関というのは、どのような人間で構成されたものですか? (2000/11/17(Fri) 13:38:14)[ccngw.ncc.go.jp]

鈍公 > 結局専門家集団と称する仲良しグループにならない保証があれば、お示しいただきたい。 (2000/11/17(Fri) 13:47:26)[ccngw.ncc.go.jp]

makoto-s > 鈍公さんへ そこまで疑ってしまえばこの世の中に客観性はなく、自分以外は信じないということになってしまうような気がしますが? (2000/11/17(Fri) 22:16:42)[ppp11-026.din.or.jp]


[283] 50年の重み 投稿者:有本雅己 投稿日:2000/11/17(Fri) 00:09:05 [p08-dna06oonaka.nara.ocn.ne.jp]

私は石器を研究している会社員です。

今回の捏造事件は本当に心が痛みました。

藤村さんのように有名ではありませんが(決して悪い意味ではありません)、

同じ在野という立場から、今回のことについてはいろいろと考えさせられました。

そして、いろんな掲示版を覗き、皆さんはどのように考えられているのかを知ろうとしました。もちろん、この掲示版もずっと拝見させていただいてます。

私が各掲示板を覗いていて、気が付いたのは、全体的に考古学関係の方があまり書き込みをされていないことです(とくに旧石器研究者は)。もちろん、研究者同士による積極的な議論もみられます。しかし、批判的な書き込みは考古学関係者以外の方が多いようです。確かに考古学関係者は弁解の余地もない状態かもしれません。教育的な問題や国際的な問題を生み出したわけですから。

しかし、それが理由で書き込みをしないわけではないような気がしています。

日本の旧石器時代研究は、岩宿遺跡の発見後50年の歴史があります。この50年、旧石器に魅せられた研究者達は、それこそ多くの努力を重ねて日本の旧石器時代像を明らかにすべく頑張ってきました。そこには当然、間違いもあれば迷いもあったでしょう。しかし、そうした地道な積み重ねによって今の旧石器時代を知ることができるわけです。

日本に旧石器時代が無いのが常識とされていた頃があったなんて、今では信じられないくらいですが、そういう時期もあったのです。それから50年。この50年は研究の歴史としては長くはないかもしれませんが、とても深いものです。その深みを知っている研究者達は、知っているからこそ、今回の事件については冷静になって考えているのだと思います。

言いたい事は誰もあるでしょう。悔しさもあると思います。

でも、それを出したところで何の解決にもなりません。

そういう意味では、今はただ当事者については今後の進展を静観しながら、冷静に今後の研究を考えるしかないのかも知れません。

捏造することは確かに悪いことです。でも、学問の世界でも間違いはあります。要はそれを今後にどう生かしていくかが問題なのです。

今回の事件が起った背景には、どんな問題があるのか。

2度とこのような事件を起こさないためにはどのようにすればいいのか。

おそらく、考古学研究者はそのことを真剣に考えていると思います。

前期旧石器に対して疑問を抱いた研究者の方々もいらっしゃったわけですが、そんな方々が「やっぱり自分が正しかった」とだけ思っておられるわけではないと思います。少なくとも前期旧石器というものを認識するうえでの、ひとつの判断基準があったということがわかったわけです。そういう観点からみると、今回の事件は学問的な進歩にもつながったと言えると思います。

批判するのは簡単なことです。でも、批判するにはやはり、それまで辿ってきた道のりを知ったうえで、その批判に対する建設的な方法が提示されなくてはならないと思います。付け刃な知識での批判では、単なる野次馬でしかありません。

いろいろ書いていて、自分が支離滅裂になっているような気がして申し訳ないのですが、まず研究史を踏まえたうえでの建設的な議論を望みたくて書き込みをさせていただきました。

------------------------------------------------------------------------

鈍公 > 批判について、一言だけ。うるさく感じる批判が、最も必要とされていた場所、それは捏造事件のあった場所では?いかに批判にたえうるかを考えることが重要だと思うが。 (2000/11/17(Fri) 01:17:56)[ccngw.ncc.go.jp]

人類学学生 > 批判すら出来ないから、捏造事件になったんですよ。 (2000/11/17(Fri) 01:39:41)[omiya-ppp-210-253-105-242.interq.or.jp]

人類学学生 > 多くの国民が考古学に期待していて、それが捏造事件で裏切られたので期待していた分も信用を失ったのです。過去50年の研究史など、もう何の意味もありません。 (2000/11/17(Fri) 02:04:29)[omiya-ppp-210-253-105-242.interq.or.jp]

ヒューヒューポーポー > 人類学学生さんの気持はわかりますが、今回の場合は藤村氏の関わった部分を抹消するだけで十分では?。しかし残念ながら世の動きは再検証に傾いています、もっとも文化庁をはじめ考古学関係の方がたが行おうとしている再検証には本物であって欲しいというベクトルがかかっているように私には思えますが。再検証は難波さんのような方でも納得できるものではないと信頼できないでしょう(難波さんを非難しているわけではありまん、基本的に支持してます。)。 (2000/11/17(Fri) 04:15:38)[pl078.nas112.ota.nttpc.ne.jp]

ヤギ > 人類学学生様 一般的な国民感情でしょうが、研究史なくしては学問は成り立ちません。今回の事件も、2000年11月のこととして、限定してしまうわけに行きません。そのための「研究史」と理解しています。 (2000/11/17(Fri) 06:13:00)[user007.smn.enjoy.ne.jp]

ヤギ > 「批判」を考古学はしていないように言われますが、一般的な考古学研究は批判は盛んに行っていると考えます。批判を止揚した結果が現在の研究状況です。ただし、今回の事件は「発掘の捏造」という、「考えられない」ことだから衝撃でした。また、日本史の正史となりつつある事柄だけに、批判に対しての圧力があったのではないか、と想像しています。 (2000/11/17(Fri) 06:28:15)[user022.smn.enjoy.ne.jp]

人類学学生 > まずは正確な情報公開です。政府関係・マスコミとは別に、積極的な捏造事件の事件解明を! それが出来ないと「科学を元にした学問」から「眉唾物」となります。すでに私の周囲では「UFO・オカルト」と同類に思われています。本心かどうかはわかりませんが、状況は皆さんが考えているよりも深刻ですよ。 (2000/11/17(Fri) 07:52:51)[omiya-ppp-210-253-105-242.interq.or.jp]

人類学学生 > 一般的な国民の情報源は、マスコミとインターネットだけです。そしてマスコミよりもインターネットの方が情報伝達速度が速いです。ネットに繋ぐ環境さえあれば、小学生でも検索できるのですから。 (2000/11/17(Fri) 08:05:30)[omiya-ppp-210-253-105-242.interq.or.jp]

鈍公 > 批判できない世界というのは、それは本当に学問なのか?科学的手法とは一体なんなのか?科学的方法論に立脚していれば、国民感情などどこ吹く風ではないか。 (2000/11/17(Fri) 09:58:55)[ccngw.ncc.go.jp]

鈍公 > 「批判を止揚した結果が現在の研究状況」。ならば、考えられないという発言そのものが矛盾を含む。なぜならば、すでに疑惑の目を向ける人があったというではないか。立場の強い、弱いで批判を封じてきたのではなかったのか。 (2000/11/17(Fri) 10:05:02)[ccngw.ncc.go.jp]

鈍公 > 批判を圧殺できる研究者社会は、科学的態度をとっているといいうるか? (2000/11/17(Fri) 10:07:55)[ccngw.ncc.go.jp]

skato > 批判を圧殺した事実はあるのでしょうか?小田さんの論文については、鎌田さんの反論がでました。角張さんのについては、小鹿坂のものが反証になっていました。竹岡さんのは、いまひとつ説得力がなかったと記憶してます。 (2000/11/17(Fri) 13:24:13)[]

鈍公 > 今回の捏造事件こそ、その事実と考えるが? (2000/11/17(Fri) 13:44:45)[ccngw.ncc.go.jp]

鈍公 > すぐれた研究者は自分に対しても、簡単には信用しないものだ。有名な人、第一人者というだけで意見が通るのでは、そこからの研究成果はあてにはならない。信用できるわけがない。 (2000/11/17(Fri) 13:59:44)[ccngw.ncc.go.jp]

鈍公 > 真理の前に謙虚であるべきだ。そのとき、権威は価値をもたないものだ。 (2000/11/17(Fri) 14:02:13)[ccngw.ncc.go.jp]

鈍公 > 真理の前に謙虚であることを自己に問うていたと誰か宣言できるか。 (2000/11/17(Fri) 14:04:29)[ccngw.ncc.go.jp]

難波 > skatoさん、小田に対する鎌田反論の論文と、竹岡論文を教えて下さい。 (2000/11/17(Fri) 15:16:02)[konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

makoto-s > 竹岡俊樹 1998年 「『前期旧石器』とはどのような石器群か」『旧石器考古学』56 旧石器文化談話会 (2000/11/17(Fri) 22:14:28)[ppp11-026.din.or.jp]

大学生 > 竹岡論文は、ヨーロッパで見てきた前期旧石器と日本で発見されている前期旧石器はあまりにも様相が違いすぎる。宮城県を中心に発見されている前期旧石器とされる石器群はどう見ても縄文時代のものであり、事実とすればオーパーツだ。 といった趣旨だったと記憶しています。大方の印象であったかもしれませんが、だからと言って理論的に否定したことにはならないですね。 (2000/11/18(Sat) 02:22:11)[sendai-ppp-210-253-121-94.interq.or.jp]


[284] 書評「人類の進化」(1) 投稿者:難波 投稿日:2000/11/17(Fri) 20:12:41 [konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

日本人の起源について、人類学の立場から永年研究を続けてきた、埴原和郎さんが、こんど新しい本を書いた。埴原さんは、東大理学部で人類学を学び、札幌医大の法医学教室で、アイヌの骨や歯について研究され、後に東大の教授にもなった。

それが埴原和郎「人類の進化ム試練と淘汰の道のり」(講談社、2000.10.26刊)という本である。

埴原さんは「縄文時代には毎年数千人の人々が大陸から日本列島に移住してきた」という説を、人類学的な証拠からはじめて唱えた人である。それは日本人の「二重構造説」として知られている。この説は私たちも研究したことがある成人T細胞白血病(ATL)という病気の分布やその原因ウイルス(HTLV-1)の分布と遺伝子変異からも、支持されている。

この新しい本では、「ミッシング・リンク」がもはやほとんどなくなったことが、非常にわかりやすい解説で示されている。参考文献はすべてきちんと明示され、索引は人名索引と事項索引がつけられていて、「やっと日本でも、大衆向けにきちんとした本が出版されるようになったか」という感慨をおぼえる。

著者は人類の長い歴史をつぎのように物語っている。

原人の故郷はアフリカである。

最初にアフリカを出た原人は、エレクトス原人よりもガスター原人らしく、それは170万年前より後のことではない。これが第一次「出アフリカ」である。

人類がもった最も古い文化は「オルドヴァイ文化」(アフリカのオルドヴァイ渓谷にちなむ)と呼ばれ、250万年前にアフリカに出現し約100万年持続した。その石器は石の片面だけを加工した簡単なものである。しかしそこには割面の方向性があり、製作者が脳の中にイメージを抱いて加工したことがうかがわれる。また顕微鏡検査で「使用痕」が認められ、自然にできた「石器もどき」と区別される。

この文化を担ったのが「ハビリス原人」である。脳の容量は600ないし800ccと計測されている。

そのつぎにあらわれたのが、「アシュール文化」(フランスの遺跡にちなむ)で、160万年前から140万年間持続した。もっとも古いものはアフリカに見られ、ここからヨーロッパ全域とアジアの一部に伝わった。この文化ではじめてハンドアックス(握り斧)が登場する。また両面加工技術も使われるようになった。

アシュール文化になると、「道具を作るための道具」が出現するのが特徴である。石の道具を使って骨、角、木を加工し、新たな道具を作った。この道具でさらに石器を加工したので、石器自体も加工が精密となり形が整い、美しくなってきた。

中国では80万年前から「チョッパー・チョッピング」(叩き割り、引き裂く)道具を主体とした文化が出現した。ハンドアックスがないのが特徴である。また両面加工による石器がきわめて少ないのが、アジア型の原人文化の特徴である。これは60万年間持続した。「北京原人」や「ジャワ原人」がこの文化を担った。

このような変化は120万年の文化の歴史のなかで、後半にとくに生じた。つまり80万年より前の文化は「想像を絶する単調さ」に支配されている。

この文化の担い手はエレクトス原人とされている。脳の容量は800ないし1000ccと測定されている。

エレクトス原人がハビリス原人の中から進化してきたのか、それとももっと古い猿人から突然変異により進化してきたのかは、証拠がなく、未解決である。

エレクトス原人は、まずアフリカで絶滅し、ついでヨーロッパで、最後にアジアでおよそ10万年前に絶滅した。これと入れ替わる形で出現したネアンデルタール人の特徴は、80万年前の「ハイデルベルグ原人」に顕れてくるので、8万年前に出現する「典型的ネアンデルタール人」はその末裔と考えられている。

他方アフリカでも進化が続いており、20万年前にホモ・サピエンスの遺伝子をもつ種族がネアンデルタールの突然変異として生まれた。これが現代人(ホモ・サピエンス・サピエンス)の祖先である。

彼らの子孫は9万年前に再び「出アフリカ」を行い、世界各地に広がった。その過程で純粋なネアンデルタールは3万年前に絶滅した。彼らの血が現代人に混じっているかどうかは、まだ決着がついていない。

この本のすぐれた点は、石器や人骨化石だけでなく、人類の「生きてきた道」を総体的に紹介しようと言う熱意にあふれていて、決して我田引水でなく(著者が心血を注いだ日本人の成り立ちの研究成果も、わずか6行だけ触れているに過ぎない)、きちんとした証拠に基づく異説についても公平に触れているし、言語の進化にまでふれている点だ。

 この本の289-291ページに、「20世紀最大のスキャンダル」という節があり、「ピルトダウン人」事件が述べられている。恐らくこの小見出しみだけが、この本のなかで今や古くなった箇所であり、次版では「20世紀二番目のスキャンダル」と書き換えなければならなくなるのを、著者とともに評者も心から悲しく思うのである。

------------------------------------------------------------------------

大学生 > 私は、前期旧石器の存在にしろ、藤村さんの発見した石器にしろ、すべてが無に帰すことはないと思っています(今は「思う」だけであって根拠はないのですが)。ただ、捏造が上高森6次と不動坂3次のみであったと言い切ることは出来ません。また、どの石器が本物で、どの石器が捏造なのか、検証によって明確な答えを出すことは発掘調査の性質上極めて困難だと思います。最終的には「ある」と信じている人たちは掘って証明する以外に方法はないように思えます。 (2000/11/18(Sat) 05:06:32)[sendai-ppp-210-253-121-91.interq.or.jp]


[285] 書評(2) 投稿者:難波 投稿日:2000/11/17(Fri) 20:14:49 [konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

人類の起源と日本人の成り立ちについて、深い関心を抱いているひとりの日本人病理学者として、長い間違和感というか、どうにも座り心地の悪さを感じてきた。

世界的には、人類の起源については新しい化石がアフリカで発掘され、化石骨のDNAや現存人類のミトコンドリアDNAが検索され、さらに人間と近縁の霊長類についても、生物学、遺伝学、人類学、さらには言語学の研究が素晴らしい成果をあげており、いくつかの未解決の問題点も残っているが、かつて「ミッシング・リンク」と呼ばれた、「サルから人へ」の進化の道筋は、その年代とともに、現在ではよほど明らかになっている。

それなのに、こと日本のこととなると、つぎつぎと新聞などで「前期旧石器発見」、「秩父原人がいた」などと報道され、いざ関連した考古学関係の書物を読んでみると、なるほど書いてあることはもっともらしいが、引用文献はない、あっても引用の仕方はでたらめ、索引はない、肝心なところに写真がなくて、手書きのスケッチが入っている。それに何よりも不審なのは、およそ書いてあることが、世界的な常識とはまったくかけ離れている。

より二次的な情報を、と「クロニクル日本全史」(小学館)などの辞典類をみても、何十万年か前の旧石器から動物の脂肪が見つかったなどとちゃんと書いてあり、編集者を見ると、考古学では名の通った人である。しかしどうにも腑に落ちない。

そんな気持ちを抱いて、ここ10年ばかり暮らしてきたが、今回の事件が起こってやっと納得できた。すべては嘘だったのだ。関係者には大変気の毒だが、心がすっきりした私は大変嬉しい。それは悪夢から目覚めたような心地とでも言おうか。これは納得のいかない現象に、何とか説明をつけようと、来る日も来る日ももんもんとして、ある日突然にその解決が見いだされた、という経験をもっている研究者なら誰でもよくわかることだろう。その時の満足感、至福感は、なんとも例えようがなく、それを味わいたくて科学者は地味な、他人から見たら理解しがたいような、研究を日夜続けているのだ。

 (以後、匿名の批判は受け付けません)

------------------------------------------------------------------------

makoto-s > 何を根拠に「すべてが嘘だった」と言われているのでしょうか? 藤村氏批判の急先鋒とも言える竹岡俊樹氏でさえ「東北地方における前期旧石器の存在」を否定しているわけではないようです。確かに70万年等という原人レベルまではさかのぼらないでしょうが。今の難波さんは「検証不十分なまま前期旧石器・原人の存在を認めてしまった日本の考古学」が犯した過ちと同じように「不十分な検証のまますべてをねつ造と決めつけている」ように思えます。 (2000/11/17(Fri) 22:11:39)[ppp11-026.din.or.jp]

人類学学生 > makoto-s さんへ 疑わしいデータを論文などに採用すること(公表も含む)の方が科学的ではないと思いますが? 藤村氏の関係した遺跡は保留にするべきと思います。それにあなたの書き方では、「捏造のないことの証明」を要求されますよ。 (2000/11/17(Fri) 23:31:43)[omiya-ppp-210-253-104-185.interq.or.jp]

人類学学生 > 「総てが嘘ではなかった」の根拠もありません。情報が関係者だけに隠匿されていて、一般国民には判断材料がありません。その結果、疑わしい物は総て信用しないとなります。 (2000/11/17(Fri) 23:37:00)[omiya-ppp-210-253-104-185.interq.or.jp]

人類学学生 > もちろん、私も含めて一般国民としての場合です。 (2000/11/17(Fri) 23:40:37)[omiya-ppp-210-253-104-185.interq.or.jp]

neo > さも以前からおかしいと思っていたという様な発言ですね。難波さん。とうてい信じられませんが。 (2000/11/18(Sat) 00:05:27)[d2fc2a-099.tiki.ne.jp]

makoto-s > 短文で的確な表現が出来ないので、私の意図するところが伝わりにくいかもしれません。私が繰り返して申し上げているのは「藤村氏が関わった前期旧石器の遺跡」については「疑惑」があるのは間違いはありません。しかし、それは現段階では「疑惑」でしかなく「証明されたこと」ではない、ということです。人類学学生さんが言われるように「ねつ造疑惑のある資料」は検証が終わるまで使えないのはそのとおりだと思います。しかし、未だ検証作業不十分な段階で「東北地方のすべての旧石器遺跡はねつ造だ。日本に原人がいたなど言うのは嘘だ」と断定するのは拙速に過ぎる、ということです。無論、検証の結果、やっぱりすべてがねつ造で「日本原人」はまったくの幻になるかもしれません。検証不十分な状態でどちらか一方に断定するのは学問的ではないと思います。 (2000/11/18(Sat) 00:37:53)[ppp11-288.din.or.jp]

makoto-s > 「すべてが嘘でなかった」という根拠は現段階ではありません。しかし、「すべてが嘘だった」とは証明されていません。 (2000/11/18(Sat) 00:39:29)[ppp11-288.din.or.jp]

makoto-s > 現在、どこまでねつ造されていたか検証作業が始まったばかりです。その結果についてはどのような結果であっても公開すべきなのは言うまでもありません。 (2000/11/18(Sat) 00:41:02)[ppp11-288.din.or.jp]

人類学学生 > そうですね、どこまでがねつ造なのかが問題です。遺構のねつ造疑惑も毎日新聞が取り上げましたよね。 (2000/11/18(Sat) 01:04:29)[omiya-ppp-210-253-104-185.interq.or.jp]

makoto-s > 東奥日報という新聞の天地人というコラムでポアンカレというフランスの数学学者の「すべてを疑うか、すべてを信ずるかは、二つとも都合のよい解決法である。どちらでもわれわれは反省しないですむから」という言葉が紹介されていました。これを肝に銘じなければ.....。 (2000/11/18(Sat) 01:13:13)[ppp11-288.din.or.jp]

大学生 > makoto-sさん、私もほぼ同意見です。新聞報道についてですが、朝日新聞もそういう視点で記事を書いている印象を受けます。毎日新聞は全否定の方向性で恣意的なものを感じるのは私だけでしょうか。 (2000/11/18(Sat) 02:13:37)[sendai-ppp-210-253-121-94.interq.or.jp]

科学評論家 > 竹岡氏が、藤村氏批判を以前より展開していたことから考えて、現段階で最も信頼性が高いと考えられる以下の竹岡発言からすると、makoto-sさんと大学生さんの意見がもっとも妥当な意見と思います。前期旧石器の存在自体を否定するのであれば、竹岡氏が言っている藤村氏のまったくかかわっていない前期旧石器と思われる山形県の石器も否定しなくてはいけません。もちろんこの山形県の竹岡氏いうところの前期旧石器と思われる石器も厳密な検証が必要なことはいうまでもありませんが。以下に竹岡発言をのせます。毎日新聞http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/details/iseki/zadankai/06.html「竹岡 とにかく遺物を全部公開してもらわないといけません。石を見れば、そこに縄文の技術が入っているかどうかぐらいはわかります。彼(藤村新一)がかかわった発見には新しい石器が多いと私はみていますが、本当に古そうなものも実はあるんです。もしここで全部が否定されてしまったら、その遺跡も否定されてしまうわけですからね、非常に悲しいことなんですよね。本当に古そうな石器がどこで出たのか、藤村さんに話してほしいと思いますね。」    朝日新聞http://www.asahi.com/paper/special/sekki/001110d.html疑いを抱き始めたきっかけは?「1997年のことです。彼(藤村新一)は関わっていない山形県の遺跡の石器を見たら、フランスなどと製作技術や形態が同じ前期旧石器時代のものでした。位置付けをはっきりさせたいと思って山を一つ越えた宮城県上高森遺跡から出た石器を見に行って驚きました。前期旧石器時代のものと聞いていたのに、技術も形態も縄文時代と変わらないのです。」 (2000/11/18(Sat) 03:23:36)[nttoska10080.ppp.infoweb.ne.jp]

ヒューヒューポーポー > makoto-sさんと大学生さんはどの遺跡なら本物の可能性が残っているとお考えですか? (2000/11/18(Sat) 03:26:06)[pl042.nas112.ota.nttpc.ne.jp]

科学評論家 > あと一つ気になるのが、ash さんに教えてもらったのですが、阪大理学部の電子常磁性(スピン)共鳴法(EPR またはESR)による熱を受けた上高森遺跡の石器の年代測定結果です。http://www.nikkei.co.jp/sp1/nt37/20001105b63b5007_05.html (2000/11/18(Sat) 03:53:28)[nttoska10080.ppp.infoweb.ne.jp]

ヒューヒューポーポー > 科学評論家さんの書き込んで下さったことは私も存じております、竹岡氏の発言では石をみれば旧石器か縄文か判断できるそうですが鎌田氏梶原氏では無理だった、もしくは共犯かというような穿った捉え方をしてしまいます。更に本当に古そうな石も中にはあるという事ではありますがどこで出てきたものか藤村氏に聞きたいとおっしゃっている通り持ち込んだ石の可能性も否定していません。 (2000/11/18(Sat) 03:56:37)[pl054.nas112.ota.nttpc.ne.jp]

ヒューヒューポーポー > 科学評論家さんへ、96年の測定結果ですか、こんなにいい材料があるのに、捏造さえなければ測定結果を疑ったりは私はしないと思うけど今の時点では受け入れられないですね、阪大理学部の研究者の方には申し訳ないですが。それにしても疑惑が強まる記事を読んでも弱まる記事を読んでも藤村氏に対する怒りは増大するばかりです、藤村氏自身は今いったい何をしているのでしょう。 (2000/11/18(Sat) 04:25:52)[pl072.nas112.ota.nttpc.ne.jp]

大学生 > 私は、前期旧石器の存在にしろ、藤村さんの発見した石器にしろ、すべてが偽であったとは思いません。ただし、捏造が上高森6次と不動坂3次のみであったと言える証拠はありません。どの石器が本物で、どの石器が捏造なのか、検証によって明確な答えを出すことは発掘調査の性格上、極めて困難です。最終的には「ある」と信じる人は掘って掘って確実な出土例をもって証明する以外に方法はないように思えます。 (2000/11/18(Sat) 05:26:53)[sendai-ppp-210-253-121-91.interq.or.jp]

makoto-s > ヒューヒューポーポーさんへ 私は、旧石器の研究をしているわけではないので具体的にどこの遺跡が本物かどうかという判断は出来ません。印象だけで言えば、自然に割れた偽石器を含めて大半前期旧石器遺跡には×がつくのではないかと思います。ごく少数の前期旧石器遺跡....の方が自然な気はします。 (2000/11/18(Sat) 12:09:01)[ppp11-225.din.or.jp]

ヒューヒューポーポー > makoto-sさんのように慎重に議論を進めようとする方でさえも心証としては私のものとそう変わりはないのですね、大学生さんも疑心暗記になっているという点では私と同じでしょうか。 (2000/11/18(Sat) 15:28:06)[pl029.nas112.ota.nttpc.ne.jp]


[286] 夢島さまへ 投稿者:物部 兵庫 投稿日:2000/11/18(Sat) 04:59:13 [tn-ai246.ppp.ttcn.ne.jp]

 [264]「発言(投稿)についてのお願い」を読みまして「議論の暴走や、攻撃的な表現での投稿は避けて…」の大筋では同意いたしますが疑問に思う点もあります。それは「小学生や子供が見るから」という理由です。

 いろいろな掲示板を見てみると攻撃的・破壊的・投げやり的・暴力的・非礼・卑猥な書き込みがあり、大人の私でも非常に不快に感じることがしばしばあります。私がHPを開くときはそのような書き込みは遠慮なく削除しなければと常々考えております。

 しかしこの掲示板の11月5日以後の書き込みを見ますと確かに不快に感じる投稿や返信にいくつか行き当たりましたが、「小学生や子供に悪影響がある」と憂慮しなければならないほどのものではなかったように感じました。私の感性が鈍すぎるのかもしれませんが、「小学生や子供が見るから」という論理には抵抗を感じます。この掲示板の投稿や返信の態様は「子供が見るから」という理由でもって律すべきレベルの状態ではないと思うのですが。

 現実の人間社会の中ではいろいろなタイプの人がいろいろな表現方法で互いにコミュニケーションをとっており、不快に感じたり、違和感を覚えることがあっても妥協できる範囲でそれぞれが反論したり同調しながら生きています。そういう大人のやり取りはむしろ子供のうちから見ておいたほうが良いように思うのです。この程度のことが「小学生や子供にとって有害」であるならば、いまどきのテレビや漫画(私はどちらも大嫌いですが)はとても見せられないでしょう。

 社会的免疫とでもいうのでしょうか、適度な幅の大人社会の現実に曝されることによって適応力や判断力が身についてくるのではないでしょうか。一説では「日本人の子供が大腸菌O157に容易に感染するのは、近年のハイジーン・ブーム、清潔志向によって免疫力が醸成されていないから」だといわれております。

「無菌培養」的に育ってきた子供が現実の大人社会のドロドロとした論争の場にいきなり放りこまれると「キレ」てしまうことになるのではないかという懸念を抱きます。

 私が子供のころは学校でも日教組の先生と管理職の先生の「罵り合い」や「揚げ足取り」が日常茶飯事でしたが、そういう姿や言葉を見聞きしたからといって悪影響を受けたとは思っておりません。

 これは教育観の違いであってどうしようもないことで、夢島様と論争するつもりもありませんが、そういう考えもあることを知っておいていただけたらと、この掲示板に不適切と知りつつ敢えて投稿いたしました。出来るだけ慎重で紳士的な論争が行われる掲示板であってほしいという気持ちには変わりありません。

 案内人さま、すみません。今後はこの掲示板の目的にかなった投稿のみにいたします。

------------------------------------------------------------------------

ヒューヒューポーポー > ここの掲示板は過激な内容の投稿でもまだ理知的です。他に理性の欠片も無いような掲示板も見てますが中には「これだ」と思わせる投稿もありました、ただしここの掲示板には不適当なので書き込めないのが残念ですが。 (2000/11/18(Sat) 05:46:05)[pl019.nas112.ota.nttpc.ne.jp]


[287] 「旧石器発掘捏造」に思うこと 投稿者:物部 兵庫 投稿日:2000/11/18(Sat) 05:02:05 [tn-ai246.ppp.ttcn.ne.jp]

 私は考古学関係者ではありません。生物学(生態)を専攻し、生物学では食べていけないので趣味の電気物理関係の自営業に従事しております。

 10数年前から「銅鐸」「古墳」「鍛冶工房」などに興味を持ち在野で研究しています。この研究をはじめたのは「考古学」「古代史」ブームにあおられたからではなく、むしろその異常さに不信を抱き自分で確かめようと思ったからです。

 以前から「衝撃的旧石器遺跡発表劇」を訝しく感じていたので今回の「発掘捏造」の発覚にはあまり驚いてはいません。とはいえ「地層年代の無理なこじつけ」ぐらいに思っていたので、まさか「井戸掘り伝説のお大師様」もどきに崇められた人物による「やらせ」とまでは……。想像力が欠如しておりました。

 私なりの今回の件に関する考え方を以下に述べます。

1)藤村氏が関わった遺跡の再検証について。

 前期旧石器時代の原人の存在を硬く信じる方々は「できるだけ多くの遺物が資料として残る」ことをお望みと思いますが、「(少なくとも藤村氏自身の手によって発掘されたか示唆により発掘された遺物に関しては)『残すことを前提とした』検証」は間違っていると思います。

 「一緒に参加した人の証言」や「土質が硬くて捏造は困難」などの意見をいくら積み重ねて検討してもそれによってそれらの資料への疑念が晴れるわけではありません。

 「本人が認めているのは『2箇所だけ』なのだからその他は本物の可能性がないわけではない」とか「将来意味が出てくる貴重な遺物が混じっているかもしれないので慎重に」といった意見も聞こえてきますが、考古学が科学的手法に依拠する立場を前提にする限りは無意味なことではないでしょうか。

 「あの『捏造発覚』で座散乱木遺跡以来の藤村氏関与の全ての遺物や遺跡がインチキと証明された」と主張するつもりはありません。強制捜査でもしない限りその立証は不可能なことなのですから。

 100歩譲って「実際には残りの100%は本物(検証できることではなく「神のみぞ知る事実」として)」であったとしても「捏造の可能性が否定されない限りは破棄すべき」なのです。

 なぜなら「遺物」は考古学においては「土台」のようなものだからです。不確かな土台の上に確かな事実を積み重ねていっても確固たるものはできません。毎回論争が起きるたびにその土台の確かさをめぐっての議論から始めなくてはならなくなるのです。「実証の仕様のない水掛け論」が延々と繰り返されることになります。これが「不毛な論争」でなくてなんでしょうか。

 私は専攻が生態学でしたので畑違いですが、どちらも「再現不可能なフィールドを対象にすることがある」という面で共通しているところもあります。苦労して収集したサンプルが混じってしまい区別不能となった場合は「不確かな記憶で復元させる」などというみみっちいことはしなかったものです。そんなことをすると後々の苦労すべてに影が付きまとい自分自身がその結果に自信を持てず不信感を抱いてしまうからです。

 「再現不可能なものだから大切にしたい」というのは理由にはなりません。少なくとも過去に短時間に大量の「前期旧石器時代の遺物」と称されるものが出ており、もしそれが真実であったなら今後もそれほど時間をおかずとも継続して発見されるはずです。怪しげなものを含めた100個の遺物よりも絶対確かなわずか1個の遺物のほうが学問的には遥かに価値があります。 「この件で考古学が信頼を失い、停滞する」とお嘆きの方がいらっしゃいますが、それは見当違いというものでしょう。この事件によって「いいかげんな実態」が表面化し改革のチャンスが訪れたのですから、「大きな進歩」というべきではありませんか。

 そういう意味から「前期旧石器時代の原人の存在を確信」されている方々にこそ、勇気を持ち率先して「藤村氏関与の資料の完全な削除」をしていただきたいと考えております。くれぐれも「批判派の『攻撃』」などと受け取らないでお考えください。それでも 「疑惑があっても『信じたい』」と執着される方は、「科学的検証に依拠する『考古学』」ではなく、「想古学」か「妄古学」というジャンルを新たにお作りになってはいかがでしょうか。

 毎日新聞の最近の関連報道を読むにつれて私自身は(1)藤村氏が他にも捏造した可能性がかなり高くなってきた。(2)関係者の中には「うすうす気づきながら、今更引っ込みがつかない」という気持ちの人もいたのではないかという感を強くしております。

2)毎日新聞の報道批判について

 私は犯罪報道などで関係者のプライバシーを不必要に暴き「弱いものいじめ」としか思えないような行動をとる新聞も含めマスコミに対してよい印象を持ってはいません。しかし今回の「捏造証拠の採取」や「その発表の時期」については「批判されるべき筋合いのものではない」と考えます。

 はなから「旧石器発掘フィーバー」に関心を持っていなかったので、後々報道されるような「神懸り的発掘劇」が行われていたことやそれにまつわる噂の存在も全く知りませんでした。

 発覚後の報道を見る限りでは、ちょっと常識的判断力を持ちその周辺にいれば誰もが「疑念を抱いて当然」という状況だったようです。にもかかわらずどこからもストップがかからずそのようなことが続けられているとすれば「ビデオという証拠」をつきつける以外にはなかったでしょう。

 「発表を待ってから証拠を突きつけた」ことに対しての情緒的批判もあるようですが、この事件の核心は「埋めた」ことではなく「埋めたものを旧石器として掘り出した」というひとまとまりの行為であることを考えると、「発表を待ってから」でなければならなかったはずです。

 藤村氏の行為は許せませんし、刑事事件としても訴追すべき(詐欺・偽計業務妨害・公文書偽造など)と考えますが、藤村氏の顔まで映し出してさらし者にしなくても事実関係がはっきりすればそれで良かったのではないでしょうか。そういう意味では藤村氏を気の毒にも思います。

3)日本の20世紀末にふさわしい象徴的事件

 人類学学生さんから「『(物部 兵庫>)幼稚園児以下』の人物が考古学を牽引したことについてのコメント」を問われておりましたので、この項でコメントに替えます。

 藤村氏は「牽引した」というより「都合よく利用された(薄々気付きながらの黙認?)」のではないでしょうか。藤村氏を切り捨てて、「本当はおかしいと思ったんだが」と彼だけに責任があるような言い方をする関係者のあり方に憤りを感じます。

 私は「なぜ藤村氏がこのようなことをしてしまったか」という個人的なことより、『プロ』『専門家』と称する周辺の方々や文化庁、マスコミがこの問題をどのように収束させていくか」に強い関心を持っています。「虫食いのりんごでも虫食いの部分を捨てればりんごはりんご。腐ってもりんご」とならなければ良いのですが。

 また考古学ファンも含めた「牽引された側の問題」もあると思います。むしろ「牽引された側の主体性の問題」こそが問われているのだと考えます。お神輿というものは「担ぐ人がいなければ自分で動くことは出来ない」ものなのです。

 藤村氏が本当に発掘したのは「石器」ではなく「権威主義が石器のように凝り固まった考古学界の構造と体質」そして「権威付けられたものに容易に引きずられていってしまう大衆のあやうさ」ですね。

 しかしこれは単に「考古学の世界」だけの問題ではなく実は「日本社会全体が」抱えている(同じ構造と体質の入れ子構造)深刻な問題であることにも目を向けなければなりません。地域や会社や学校などこの国のありとあらゆる社会が「物言えば唇寒し」「触らぬ神に祟りなし」「長いものに巻かれろ」「見ざる言わざる聞かざる」「赤信号みんなで渡れば怖くない」の処世訓で塗り固められています。その直接の関与者を指弾しただけでは何の解決にもなりません。あらゆる場面・状況で「自身の関わり方の『是々非々』」を常に意識しておかなければこういう情けない結果を招くことになります。

 「右を見て、左を見て、『なんだかよく分からないが皆に合わせて』」という「日本的行動様式」が「バブル経済とその崩壊」を招き、「支持率15%でやりたい放題の内閣」を生み出し、「いじめ」を許し、「旧石器発掘捏造事件」を生み出したのでしょう。

 その意味では今回の事件は「日本の『漫画的(一度目は悲劇、二度目は喜劇)』20世紀末を飾るにふさわしいエピローグ」だと思います。

4)考古学において「旧石器」だけが問題なのか

 私自身は「弥生時代」「縄文時代」以前にさかのぼっての関心を持っていなかったのですが、「ここ掘れワンワン式の『発掘捏造』」は論外として、再論議すべき問題は「古墳時代」「弥生時代」にも沢山あるのではないでしょうか。

 「捏造」とは別次元の問題ですが、遺物の「解釈」が十分な論議もしないまま権威付けられて一人歩きしていると思えるものがいくつかあります。たとえば「志賀島の金印の『漢委奴国王』の読み方の解釈」や「日本でしか出土せず、しかも贈られた数を遥かに超える枚数が発見されながら、『魏から贈られた卑弥呼の鏡』に擬される『三角縁神獣鏡』」、「石上神宮の七枝刀の刻文の解釈」、「稲荷山の鉄剣の刻文の『雄略天皇』への比定」など。

 しばしば「定説である」「通説である」という一片の言葉で片付けられてしまう傾向があるように感じますが、これでよいのでしょうか。「漢委奴国王」の解釈などはその経緯を調べると「諸説ある中で『国辱的』であるか否かが議論された」と知り、高校の授業で先生が黒板の字をたたきながら「カンノ・ワノ・ナノ・コクオウ」とがなっていたのを思いだしました。噴飯物です。

 また、用途が良く分からない遺物が出てくると安易に「祭祀用」と意味付与してしまう「神秘主義」的傾向があるように思えます。分からないものはすぐに意味付与せず「用途不明」にして十分論議すべきではないでしょうか。

 今回の事件にも関連しますが「埋納遺構」というのも同様です。「原人が純粋に実用道具であった石器を穴を掘って埋納した」ということが「あってはならない」とは思いませんが、そう簡単に断言できることではないと思います。そういう常識的感覚があればビデオを見せてもらわなくとも「疑念を抱くことは出来た」のではないでしょうか。

5)マスコミの責任は大きい

 今回の事件の発覚に毎日新聞が果たした功績は多大なものであると評価いたしますが、それにしても新聞をはじめマスコミは「マッチ・ポンプ」といわれても仕方がないのではないでしょうか。マッチとまでいうと言い過ぎかもしれませんが、藤村氏がマッチなら「焚付け」はマスコミでしょう。いくらマッチを擦っても「焚き付け」がなければマキに火は点かないものです。十分な検証もなく安易にセンセーショナルな報道をすることは控えるべきでしょう。社会的、歴史的にどういう結果をもたらすのかを常に意識して取材していただきたいと思います。

 今はまだ議論が沸いている状態なのでしばらくは気をつけるでしょうが、これまでのさまざまな事件の後の経過を見ていると、「この反省はいつまで続くかな?」と疑問符をつけざるを得ません。

------------------------------------------------------------------------

たく > この反省・教訓を忘れないためにも,藤村氏関与の仕事はすべて一度無にするべきでしょうね.学術では「危うきは採用せず」が基本でしょう.この点に反論する人は,学者にはならないほうがいいかも.. (2000/11/18(Sat) 05:29:58)[elwing.unibe.ch]

トラ > 藤村氏が関与した遺物は、すべて保留とし、今後の調査により「確実」な資料とされるまで、引用などはしないということには基本的に賛成です。そうした決断が、関係者自身によってなされるべきだ,という点も。なお、付け加えるならば検証には、疑惑の当事者は,入れない。また、検証チームは、早期に検証の方法を明らかにすることが必要だと考えます。 (2000/11/18(Sat) 06:43:14)[cs51138.ppp.infoweb.ne.jp]

makoto-s > 宮城県多賀城市にある奈良時代に建碑された「多賀城碑」は、その内容から一時「後世の偽作」とされたものですが、正史には記載がなく、碑にのみ記述されている修造が発掘調査によって確認されていること等から真作ではないか、という考え方も出てきました。確かに藤村氏の関わった遺跡からの出土品にはどこまでいっても「疑惑」はつきまとうでしょうし、確実に証明できるかどうかは難しいでしょう。いずれにせよ現段階では「使えない資料」であることは間違いありません。 (2000/11/18(Sat) 12:28:09)[ppp11-225.din.or.jp]


[288] 藤村氏はイタコか 投稿者:トラ 投稿日:2000/11/18(Sat) 11:45:05 [cs51333.ppp.infoweb.ne.jp]

仕事を終えて帰宅すると、ツマが「アンタこれ知ってる」と差し出したのが、「ここまでわかった日本の先史時代」(岡村道雄編1997)でした。開いて見ると「旧石器のみつけ方 藤村信一」とあるので、ゲゲっとして読んでみました。そのなかで、「遺跡の微高地の落ちぎわや小さな沢の谷頭などの微地形を読み取り」とありました。新十津川町総進不動坂遺跡でも長崎助教授に同様のことを語っていたように思います。

 縄文ならいざしらず、洪積世の、しかも数十万年前の「微地形」が認識できるものなのでしょうか。もし、可能なら藤村氏の「ゴッド・ハンド」にも一定の根拠があることになるでしょうし、そもそも認識できないようなものなら「ゴッド・ハンド」は恐山のイタコ程度ということになるでしょう。(イタコのみなさんを非難しているわけではありません)

 どなたかご教示ください。

------------------------------------------------------------------------

makoto-s > 「微地形」が見えるかどうかは定かではありませんが、直感的に怪しい(遺構・遺物がありそうな地点)と思うことがあるのは確かです。むろん超能力などとは関係はなく、遺物の分布状態や土質などで「なんとなく」という程度ですけれども。また、火山活動が活発ではない地域では土層が薄く現地形が旧地形をよく残している場合もあります。私の居住する神奈川県では火山に近いために旧石器時代のローム層に達するまでに1〜1.5m、後期旧石器に相当する土層が2〜15mもあるため、前期旧石器時代の地形を現地形から読みとるのはほとんど不可能でしょう。これは地域によって異なりますので一概には断言できません。 (2000/11/18(Sat) 12:19:02)[ppp11-225.din.or.jp]

子泣き親父 > 現地形で旧地形を判断することは、よほど条件の揃った地域でないと、事実上不可能です。makoto-s さんのおっしゃるように、経験則からなんとなく解るということは否定できませんが。、「遺跡の微高地の落ちぎわや小さな沢の谷頭などの微地形を読み取り」などというのは、おそらくは、縄文最温暖期以降の河谷侵食(開析)により、旧石器包含層などが地表近くに現れているところを狙えということに過ぎないでしょう。一般的に特定の時期の地形を探ろうとするならば、踏査による予察を行い、ボーリングや路頭観察、テフラの同定、年代測定、などなどを行った上で、地形の隆起・沈降・歪みのオーダー、その他諸々を全て踏まえて、やっと、「だいたいこんなもの」くらいしか解らないと思いますよ。特定の時期の地表面を全て出しても、歪みなどの復元は難しいと思います。本当に見ただけで旧地形のわかる人がいたら、日々フィールドを這うようにデータを蓄積している地形・地質学者の方々は要らないということになってしまいますよ。 (2000/11/18(Sat) 22:54:19)[myzcc-02p19.ppp.odn.ad.jp]

トラ > makoto−sさん、子泣き親父さんご教示ありがとうございます。現地形から前期旧石器にあたる時代の微地形を知ることは不可能であり、可能だとしてもかなり条件付きのになる、彼が現地形から後期旧石器にあたる時代の地形が読み取れるとということがわかりました。それでは後期旧石器にあたる地層の断面がもし観察できたとして、微地形を読み取ることは可能なのでしょうか。さらに言えば、前期旧石器の土壙が認識できるのでしょうか。 (2000/11/19(Sun) 13:01:25)[cs51338.ppp.infoweb.ne.jp]

トラ > すみません。未校正の文章を送ってしまいました。現地形から前期旧石器にあたる時代の微地形を認識することは不可能に近く、可能だとしてもかなり限定された条件がつくということがわかりました。もし藤村氏が現地形から後期旧石器にあたる時代の地形を読み取れると主張するならば、それは思いこみの可能性が高いのでしょう。それでは、後期旧石器にあたる地層から「微高地の落ち際」や「小さな沢の谷頭」などが認識できるのでしょうか。別な言い方をすれば、地層の断面にそのようなものが認識できるデータが残っているのかどうかということです。藤村氏がどんなに卓越した経験を持っていたとしても、そもそも読み取れるようなデータの無いところから「読みとって」いたとすればやはり「イタコ」なのでしょう。 (2000/11/19(Sun) 13:12:43)[cs51338.ppp.infoweb.ne.jp]

トラ > このことにこだわるのは、「日本の前期旧石器の遺跡とはどんなものか」そしてそれは「どのように認識される(発見されると言い換えてもよい)ものか」、ということに興味があるからです。 (2000/11/19(Sun) 13:18:03)[cs51338.ppp.infoweb.ne.jp]

子泣き親父 > 後期旧石器に当たる地層で、今見ることができる「微高地の落ち際や小さな沢の谷頭」などというものは、後期旧石器人が生活していた時期には「微高地の落ち際や小さな沢の谷頭」でなかったことが多いと思われますので、今見られる地形で判断するのは、あまり意味がないことと思われます。今見られる谷頭は、火山活動や地殻変動の影響の大きいところを除外しますと、最終氷期以降の温暖期に、開析された、もしくは元々あった谷地形をさらに開析していることが、一部の例外を除けば殆どだと思われますので。後期旧石器の当時の地形を侵食なども含めて完全に復元的に読み取ることは、不可能です。それが、中期〜前期ということになれば、ご説明するまでもないと思います。ただ、申し上げておかねばならないことがあります。先程「高森遺跡U」と「馬場壇A遺跡T」の報告書を見たところ、双方とも調査地点においては、石器検出面とされている面が非常に浅いところで確認できるという状況ですので、前期旧石器調査にとっては、かなり地形条件の良い所だといえると思います。しかし、それをもって旧地形が解るなどというのはいかがかと思いますが。そのような遺跡立地は、むしろ例外的だと思いますので。 (2000/11/19(Sun) 17:50:37)[myzcc-02p69.ppp.odn.ad.jp]

子泣き親父 > 遺構の認知・識別については、埋土や上位の層によって目視で解るかどうか変わりますので、一概にはいえないでしょうが、歴史時代の遺構でも、見えないときは見えませんし、その逆もあるといえるでしょう。 (2000/11/19(Sun) 17:57:29)[myzcc-02p69.ppp.odn.ad.jp]

子泣き親父 > 仮に、現在、地表面から表土をはがしたところで20万年前の地層が顔を出す地点があるとします。そういった場合は、何らかの影響で20万年近い層が積もらなかった(寒冷な条件による)か、かつて堆積していたものが大地の営力によって除去された(大抵の場合は流された)結果と思います。前者の場合は、地形変化が殆どなかったといえるでしょうが、後者の場合は、例えば10万年前の地層は数メートル上の空中にあったはずということになります。そういう意味でも、地形変遷をたどるのはかなり難しいかと・・・。 (2000/11/19(Sun) 18:04:28)[myzcc-02p69.ppp.odn.ad.jp]

大学生 > 露頭観察である程度の微地形はつかめるのではないでしょうか。 (2000/11/19(Sun) 20:12:45)[sendai-ppp-210-253-120-231.interq.or.jp]

子泣き親父 > 現況での(あくまでも現在におけるという意味です)特定の層位の、残っている範囲での微地形はある程度読み取れますが、いま谷頭に当たるところでも、当時は谷頭であったかどうかは一致することのほうが少ないだろうということです。再三申し上げていますが、条件のいいところでは例外ですが。例外的な場所では、当時と現在の谷頭などがほぼ(これもあくまでも、ほぼです地形形成の外的営力が全くなかったとは考えられませんので)一致することもあるでしょうから、微地形もある程度つかめることもできるかと思いますが。失われた地形を考慮しないと元の本当の地形はわかりません。 (2000/11/19(Sun) 23:03:44)[myzcc-02p63.ppp.odn.ad.jp]

子泣き親父 > 上記の書き込みは、トラさんの「しかも数十万年前の『微地形』が認識できるものなのでしょうか。」ということのお尋ねに私なりにお答えしたものです。恐ろしく簡単にまとめますと、今、舌状台地の末端に近い場所でも、遺跡の営まれた時期には平原のど真ん中であったりします。そういうことです。 (2000/11/19(Sun) 23:11:16)[myzcc-02p63.ppp.odn.ad.jp]

子泣き親父 > それから、案内人さまのお身内の件を聞き及ぶにつきまして、書き込みをしばらく休止いたしたいと思います。ご了解ください。 (2000/11/19(Sun) 23:27:19)[myzcc-02p63.ppp.odn.ad.jp]

トラ > 案内人さまのお身内にご不幸があったことをおくやみもうしあげます。また、わたしの疑問に対しご教示くださった。子泣き親父さんにもご迷惑をおかけしたようです。もうしわけありませんでした。 (2000/11/21(Tue) 23:02:44)[cs51625.ppp.infoweb.ne.jp]


[289] ここは閉鎖でしょうか? 投稿者:ヒューヒューポーポー 投稿日:2000/11/18(Sat) 14:40:39 [pl079.nas112.ota.nttpc.ne.jp]書き込めますね。

------------------------------------------------------------------------

ヒューヒューポーポー > 案内人さんの御身内に不幸があったそうです。お悔やみ申し上げます。 (2000/11/18(Sat) 15:05:08)[pl064.nas112.ota.nttpc.ne.jp]

bambi> 案内人さん、心よりお悔やみ申し上げます。身辺のご整理等でお忙しくされる由、くれぐれもご自愛ください。尚、折角、これだけの話題沸騰の最中の突然の休止は、傍聴させて頂いている者には残念です。どなたか、ご自分の掲示板を続きの場に案内される方はいらっしゃいませんか? (2000/11/18(Sat) 17:45:59)[cse5-17.nishinomiya.mbn.or.jp]

makoto-s > ご不幸があったとのことお悔やみ申し上げます。 (2000/11/18(Sat) 18:56:29)[ppp11-017.din.or.jp]

大学生 > 案内人様、お悔やみ申し上げます。 ここはリンクがはずされてるだけなんですね。自称論争のプロは来てないみたいですが、逆に有意義な議論が出来たりして。。。 (2000/11/19(Sun) 02:10:40)[sendai-ppp-210-253-121-109.interq.or.jp]

ash > 心よりお悔やみ申し上げます。 (2000/11/19(Sun) 05:05:43)[tkscc-01p66.ppp.odn.ad.jp]

案内人 > 皆様方の心のこもったお言葉、心にしみいります。ある方に提供していただいている掲示板ですので、完全閉鎖はできません。ご指摘のとおり、リンクをはずしているだけです。しばらくご辛抱下さい。 (2000/11/19(Sun) 07:44:37)[c8-041.actv.ne.jp]


[290] 日本考古学 その・ 投稿者:難波 投稿日:2000/11/19(Sun) 12:13:18 [konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]日本考古学の問題点 その一「石器捏造」事件では、1)藤村という科学者倫理を欠如した研究者個人の問題、2)捏造を見抜けなかった周辺の研究者の資質、3)厳密な実証作業抜きの発表にお墨付きを与えた考古学会の指導者たちの責任、4)内部の少数派による批判を黙殺した学会の体質、5)安直に「発掘成果」を報道したマスコミの責任、6)「村おこし」、「町おこし」に「学問的成果」を利用しようとした行政の責任、などいろいろの問題があることが明らかになった。 私は病理学者として、病気の原因とその発生のメカニズムを考えるのが本職である。今回の事件も一種の「病理現象」であり、病理学的手法で成因を分析することができる。すべて病気は人間(内因)とそれを取りまく環境(外因)の相互作用により発生するものであり、「単一の原因」などない。重大な病気の発生理由と大事故の発生理由は同じであり、いずれも「複合要因」の積み重なった結果である。今度のことも、それがこれだけの「大事件」に発展したのは、藤村個人の問題だけではない。上に述べた少なくとも6つの要因が、すべて重なった結果である。このどこか一カ所でも、正常な判断が働いていれば、ことはここまで大きくなる前に、未然に防止できたはずなのである。従って、これらのいずれかの段階にかかわっていた人たちには、それぞれその職業や職責の範囲内でなにほどかの責任があるのであって、そのことについての自省なしで、他者を批判するのは「責任転嫁」のそしりを免れないだろう。藤村による「捏造」は、1980代はじめのザザラギ遺跡の発掘から行われていて、たぶんそれ以前から開始されていたと疑われる状況証拠は、いまや強くなっており、これについては各種の厳密な調査がいずれはっきりした結論を出すだろう。「東北旧石器文化研究所」の果たした役割についての解明も、宮城県の調査が行われ、NGO法人格の取り消しなどの処分も行われるだろう。東北福祉大学、札幌国際大学などの「捏造を見抜けなかった周辺の研究者」についても、それぞれの大学、関係自治体、文部省、文化庁などの厳しい評価が下され、今後は公的研究費供給の道が閉ざされるだろう。またマスコミについても、毎日のスクープが掲載された11月5日にも宮城県内版に「旧石器発見」のちょうちん記事を載せていた朝日新聞を除いて、真剣な反省が行われており、毎日新聞と共同通信は引き続き事件を持続的に報道する姿勢を見せている。文化庁も、埼玉県をはじめとする各地の県庁も、徹底した再調査で望む構えを見せている。こうしてみると、実は今回の事件で残っているのは、上記の6要因のうちの3)と4)、つまり「考古学会」にからむ問題だけだ、ということが明らかである。たぶん心ある考古学者たちはすでにそのことに気づいていて、深く考えていると思いたい。しかしインターネット上では、考古学関連のHPが相継いで閉鎖されたり、リンクがはずされたりする動きが生じている。一般市民が「裏切られた」という気持ちから、感情的な言辞の書き込みをしたり、嫌がらせのメールを送ったりする事態が発生しているのかもしれないが、彼らには沈静化を呼びかけたい。同時に考古学者たちには、市民や素人から寄せられた疑問や問い合わせに積極的に答えることを要望したい。この「掲示板」でも文献や調査結果の資料の所在などについて、教えを求める投書があいついでいるが、それに対する考古学の側からの「回答」は、いかにもつれないし、「閉鎖的」と呼ばれても仕方がないようなところがある。今必要なのは考古学者からの積極的「情報公開」であり、それが考古学再生のカギを握っていると思う。 考古学の「再生」は簡単なことではない。病人に例えるなら、いま日本の考古学は瀕死の重病人である。病気はまだ峠を越えていない。助けたいのなら、身内だけで手当をせずに、広く世界に名医をもとめることだろう。 

------------------------------------------------------------------------

案内人 > 難波さん、再開するまでしばらくやめてください。 (2000/11/19(Sun) 22:19:37)[c8-041.actv.ne.jp]

難波 > おっしゃることがよくわかりません。「掲示板」の現状を説明して下さい。 (2000/11/19(Sun) 23:05:13)[konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

大学生 > トップページの告知をきちんとお読みになったらいかがですか。 (2000/11/19(Sun)23:35:33)[sendai-ppp-210-253-121-172.interq.or.jp]


[291] なにを証明するべきなのか 投稿者:トンビ 投稿日:2000/11/20(Mon) 10:43:36 [canal.wslab.ntt.co.jp]あらためて問題提起したいと思います。(1)「今まで発見されてきた前期旧石器は全て信用できない」と   「日本に前期旧石器はなかった」は同じ意味なのか?(2)捏造がなかったことを証明するのか、それとも捏造があったことを証明するのか(3)どちらも証明できなかった場合(可能性は高い)、どうするのかこの3点に問題が集約されると思います。ここで(1)について言えば、どうもmakoto-sさんはこれを不当に同一視して、反論されているように思えます。「信用できない」、と言う人が出ると、「なかった」というのは拙速だ、と反論されるので、議論が前向きに展開していません。また、(2)(3)の問題は見過ごされているように思います。(2)のうち、「捏造があったこと」というのは、・実際に2遺跡で捏造が行われた・藤村氏がいるときに限って、しかも必ず出土する・藤村氏は、証拠を付きつけられないときは、捏造を否定する傾向があることは証明されているなどなどから、現時点でも一定の根拠を持って主張できます。捏造があったことを否定するのには、これを覆す根拠は最低必要です。つまり、「捏造はなかった」ことについて、一定の根拠を持って証明する必要が、現時点で生じています。そこで、(3)、それは可能だと思いますか?というのが私の問題提起です。

------------------------------------------------------------------------

トンビ > 直接掲示板に来るので、告知を見落としました。 (2000/11/20(Mon) 11:07:23)[canal.wslab.ntt.co.jp]

トンビ > どうもすみませんでした。 (2000/11/20(Mon) 11:07:42)[canal.wslab.ntt.co.jp]


[293] 掲示板再開、お疲れさまです 投稿者:さとうけいすけ 投稿日:2000/11/25(Sat) 01:39:07 [dhcp092.bun.kyoto-u.ac.jp]>管理人さま身辺多忙かと思いますが、掲示板の再開お疲れさまです。あまり無理はなさらぬよう、くれぐれもお気をつけ下さい。

------------------------------------------------------------------------

案内人 > お心遣い、有り難うございます。ぼちぼちと行きたいと思っています。 (2000/11/25(Sat) 06:05:47)[c5-054.actv.ne.jp]

花關索/永瀬唯 > なにかとご苦労まだまだおありでしょうが、ぼちぼちゆきましょう。精神安定のためにも、ためにする確信犯的なトラブル文はばんばん消しちゃってください。もっとも、多少以上に過剰な感情表現まで規制されると、このわたしの文も同時消滅しちゃいそうですけど(~_~;)。やはり、問題は正しい理解と正しい典拠、正しい理解にもとづく正しい引用でしょうか? ご自愛のほどを。 (2000/11/25(Sat) 08:04:33)[itbs2211.ppp.infoweb.ne.jp]

はっぱやまめ > 案内人様、大変なことが重なると普段以上に心身にダメージが来ます。 (2000/11/25(Sat) 08:39:18)[proxy.rnac.ne.jp]

はっぱやまめ > ご無理なさいませんように。 (2000/11/25(Sat) 08:39:49)[proxy.rnac.ne.jp]

大学生 > 案内人様、お疲れのことと存じます。お身体御自愛ください。 (2000/11/25(Sat) 17:43:18)[sendai-ppp-210-253-121-73.interq.or.jp]

大学生 > 今回の一時閉鎖がいい冷却期間になって、冷静で建設的な議論になるよう祈っております。 (2000/11/25(Sat) 17:44:13)[sendai-ppp-210-253-121-73.interq.or.jp]

岡安光彦 > よかったよかった。 (2000/11/25(Sat) 19:34:08)[rt.ctktv.ne.jp]

makoto-s > 精神的にはまだまだおつらいことでしょう。ご自愛ください、 (2000/11/25(Sat) 23:40:45)[ppp11-139.din.or.jp]


[294] 調査報告書に査読なし 投稿者:花關索/永瀬唯 投稿日:2000/11/25(Sat) 20:03:30 [itbs2346.ppp.infoweb.ne.jp] 調査メンバー内部はともあれ、よおおく考えたら、発掘調査報告書には、「査読」のシステムってないんですね。 なんか考えちゃいます。 もっとも、自然科学系でも年次総会(学会)の発表には審査がなくって、だもんで、トンデモ系の方々の業績に「××学会で発表」とかれいれいしくかかげられているのですが。 ついで:人文系の学会で、無審査のとこがありました。「日本米文学会」です。肩書き(だけ)ほしいヒトはどうぞ。

------------------------------------------------------------------------

岡安光彦 > 何らかの論文誌に論文として投稿すれば「査読」の対象になります。そもそも性格の異なるものですから。仰るように理工系でも、単なる発表にはふつう査読はないでしょう。「報告書」は、それとはまた違いますが。 (2000/11/25(Sat) 21:19:16)[rt.ctktv.ne.jp]

北條芳隆 > 全部にいえるかどうかは不明ですが、私が知りうる限り大学の「研究紀要」だって、査読はないですよ。いや形ばかりで誤字や脱字の点検ぐらいが関の山という状態のところが多いんじゃないでしょうか。ちなみにこちらの方は、「読者もなし」と揶揄されるようですが。 (2000/11/26(Sun) 22:30:56)[tokushima-063.seikyou.ne.jp]


[295] 掲示板の再開良かったです 投稿者:まりや 投稿日:2000/11/27(Mon) 12:27:38 [e7sun-1.kais.kyoto-u.ac.jp]案内人様、お悔やみ申し上げます。まだ落ち着かれないでしょうに、再開して下さってありがとうございます。どなたか、素朴な質問にお答えいただけないでしょうか。考古学界において、藤村氏らの説に反対の意見が圧殺されたとか黙殺されたとかいうのは本当なのでしょうか。具体的事実が何かあるのでしょうか。そもそも藤村氏らの「何十万年も前に日本に原人がいて石器を作っていた」という説は、考古学界で通説として認められたものだったのですか?それともまだ論争中のものだったのでしょうか?また、その点について旧石器時代の研究者と、考古学全体のレベルではどうだったのでしょうか。マスコミが「発見」を鵜呑みにして騒ぎ立てたのは知ってます。マスコミに対して異論を持ち込んだ学者がマスコミに無視されたのも知りました。私が知りたいのは、考古学界も同罪なのかってことです。マスコミが騒いでただけじゃないの?それとも"本当に"考古学界全体としても後押ししてたの?その辺りを判断するための、具体的事実関係が知りたいのです。それともう一つ、教科書に載せたのは誰ですか?または載せる端緒を作った人は誰ですか?旧石器研究者?考古学者?歴史学者?文部省のどこかの人?それとも執筆者本人?何かご存知の方いらっしゃいましたら、お願いします。


[296] キーリィ氏の批判 投稿者:難波紘二 投稿日:2000/11/27(Mon) 16:29:11 [konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]上智大学比較文化学部教授(考古学)キーリィ氏の「東アジア考古学会」への報告は以下の通り(原文は英文)です。キーリィ氏の批判は、匿名ではなく、自分の職責と学問的名誉を、この批判に掛けておられることを付記します。所属学会に適切な報告を送るのは、会員の義務であり、考古学の古くからの伝統です。特別報告:日本スキャンダルー今度は考古学予備的報告 チャールズ・T・キーリィ背景:(新聞報道の要約)(略)考察と批判: メディアは、このスキャンダルは藤村がかかわった全ての発掘遺跡のみならず、日本における初期および中期旧石器時代の存在、日本の学会全体、さらに日本というシステムに疑問を投げかけるものだ、と述べているが、同感である。藤村は、現地に人工物を埋めたという点で全責任があるが、日本社会全体、とりわけ学会、なかんづく考古学会が究極的な責任をもつと思う。 日本を訪れる多くの非日本人考古学者は、たまに野外調査に参加するだけだが、私は日本の考古学の領域で過去30年間仕事をしてきた。主たる関心は日本の旧石器時代であり、日本の初期及び中期旧石器時代の諸問題には、つねに強い関心を抱いてきた。(中略) 初期及び中期旧石器時代を探し発掘する(日本の)考古学者たちの仕事は、あまりにも注意深さが足りないように思える。彼らは批判を無視し、あるいは批判を笑いものにするつよい傾向をもっている。私は、彼らが遺跡の地質に関する絶対年代や年代測定の妥当性にかかわる、地質学の専門家の意見をいとも簡単に無視しするのを目撃した。彼らの研究態度には、注意深さも懐疑の精神もほとんどない。(中略) 初期および中期旧石器時代の出土品の妥当性(石器が人工産物であること、藤村の「神の手」の年代の正確さ)を疑う考古学者たちもまた、非常に質の低い仕事しかしていない。 彼らは自分たちの疑問を論文として公表することを滅多にしないし、その代わりにそれを噂として流す。そしてこれらの疑い深い考古学者たちは、年代測定法の問題点を完全には理解することなくして、年代を批判している。また自然にできた「石器もどき」と人間が作った石器を区別する方法を理解しないで、石器を批判している。彼らは自分たちの発掘場所を初期及び中期旧石器を求めて、より深層を適切に発掘すると言うことをしていない。彼らのほとんどは初期および中期旧石器関係の学会に出席しない。最大の問題は、なぜ日本には3万5000年以上前には人間活動の痕跡がないのか、ということを彼らは説明しようともしないことだ。(中略) 日本では今日教育改革がさかんに論じられている。そのひとつに教育を(真の)大学教育に戻そう、という意見がある。これは今日誰もがすでに知っていることを公然と認めたに過ぎない:つまり日本では大学は「教育された卒業生」を送り出すところではないのだ。注目すべきは、日本の考古学者のおよそ半数は、「学士」の称号しかもたない。またそれ以上の学歴のあるものでも、考古学の教育しか受けていない。彼らは、考古学とつよい関係がある学際的教育、つまり地質学、絶対年代測定法、花粉学、生物学、文化人類学やその他多くの学科の教育、を受けていないのである。この狭い、「近親相姦」的な教育こそ、日本の考古学者が、初期及び中期旧石器時代遺跡に、問題を発見できないことの原因なのである。(中略) 多くのメディアが藤村の人となりとその人生について報道している。彼はいくつかの理由で、結果を生み出すよう圧力を受けていた。宴会を盛り上げるために裸踊りをした(アエラ 11月20日号p19)。これらは問題をそらそうとする報道だ。私は多くの考古学者が研究費をえるために報告書を捏造するのを見てきた。私が所蔵するビデオを見ると、裸踊りをしているのは藤村だけではない。多くの観衆はあきらかにそれを楽しんでいる。非常に多くの学会参加者がー盛り上げるためにー一晩中を飲み明かし、翌朝、ひどい二日酔いで、あるいはまだ酔ったままで、会場に姿をあらわす。なかには自分の演題の発表がろくにできないのもいる。もし藤村の行動が何らかの精神的問題の結果だというのなら、他の考古学者全部も同じ問題を抱えているのだろう。本当の問題はそんなところにはない。 なぜこれほど多くの問題を抱えた初期および中期旧石器時代の発掘遺跡が、多くの主導的考古学者により、全体として正しい、と受け入れられ、問題が明るみにでるのに、これほど多くの時間がかかったのか?ということが、本当の問題なのだ。(後略)結論:出発点に戻ろう。藤村は2カ所、上高森と総進不動坂、についてのみ遺物を埋めたと認めている。しかし日本の初期および中期旧石器時代にかんするすべての刊行物をレビューし、自分のメモと記憶それにメディアにあらわれた新しい情報を総合してみると、藤村が関係した初期及び中期旧石器時代の遺跡が、すべて捏造である可能性は高いと思う。藤村が関係しなかった少数の旧石器時代遺跡にも、それ自体に信憑性を疑わせる要因が残っている。日本に3万5000年以上前に人類がいたかどうか、という問題は、振り出しにもどったと思われる。このことは、考古学者は、初期及び中期旧石器時代に日本に人類がいたという確かな証拠を見つけるか、あるいは3万5000年以上前には、日本には人類が住んでいなかったことを説明する理由(よい仮説)を提出するか、そのいずれかを行わなければならないことを、意味している。 日本考古学会にその資格があるかどうか、私は不安に思うものである。

------------------------------------------------------------------------

英語オタク > この掲示板での一連の論争を見てきて、大変に失礼ながら難波先生はときとして途方もない大誤読をされる方なのではないかと思っていただけに、この投稿にもヒヤヒヤしつつ、早速Keally論文と比較してみたところ、考古学の専門用語の用い方に少々問題はあるにせよ、根本的な部分がすべて正確に伝えられているのを知って胸をなでおろしました。ただし最後の文章は自分なら次のように訳します。「日本の考古学がその任に耐え得るかどうか、私には確信がもてない。」 (2000/11/27(Mon) 19:43:26)[global-user.toshima.ne.jp]

花關索/永瀬唯 > さきほど、原文をダウンロードしてきたところですが、「初期および中期旧石器時代の出土品の妥当性(石器が人工産物であること、藤村の「神の手」の年代の正確さ)を疑う考古学者たちもまた、非常に質の低い仕事しかしていない。」と、「validity」の訳語を「妥当性」としておきながら、「藤村が関係しなかった少数の旧石器時代遺跡にも、それ自体に信憑性を疑わせる要因が残っている。」との箇所で、同じ「validity」に「信憑性を疑わせる」云々の訳語をあてるのは、これらの遺跡にも贋造・改竄の疑いがあると曲解されかねないのではないでしょうか? かなり硬い訳文になりますが、ここは「藤村が関係しなかった少数の旧石器時代遺跡もそれぞれに、その分析が妥当であるかどうかという問題をかかえている」とでもしたほうがよろしいのではないでしょうか? (2000/11/28(Tue) 04:36:06)[itbs2210.ppp.infoweb.ne.jp]

花關索/永瀬唯 > それから、原論文の典拠元は、明記しておくのが筋というものでしょう。まず、難波さんが最初に参照されたであろう、考古学通信掲示板のアドレスは、 (2000/11/28(Tue) 04:44:51)[itbs2210.ppp.infoweb.ne.jp]

花關索/永瀬唯 > http://www63.tcup.com/6302/k21926.html (2000/11/28(Tue) 04:45:39)[itbs2210.ppp.infoweb.ne.jp]

花關索/永瀬唯 > 次にKeally先生のページは、 (2000/11/28(Tue) 04:46:52)[itbs2210.ppp.infoweb.ne.jp]

花關索/永瀬唯 > http://www.fcc.sophia.ac.jp/Faculty/Keally/palaeol.html (2000/11/28(Tue) 04:47:23)[itbs2210.ppp.infoweb.ne.jp]

花關索/永瀬唯 > 上記日本語訳論文の原典は、 (2000/11/28(Tue) 04:48:00)[itbs2210.ppp.infoweb.ne.jp]

花關索/永瀬唯 > http://www.eastasianarchaeology.org/special/japanarchscandal.htm (2000/11/28(Tue) 04:49:33)[itbs2210.ppp.infoweb.ne.jp]

ヒューヒューポーポー > 難波先生に対しいろいろ御批判のある方もおいででしょうが私のような素人にとってはいつも貴重な資料(今回の訳文等)を提供していただけるので大変ありがたい方です。中略・後略の部分が気になったので原典を見てみましたが素人にはさっぱり分かりません。どこかに全訳はないでしょうか。 (2000/11/28(Tue)05:19:11)[pl001.nas112.ota.nttpc.ne.jp]


[297] ありがとうございます。 投稿者:奥山一絵 投稿日:2000/11/27(Mon) 18:37:18 [gera26.kumagera.ne.jp]相馬さん、この度は謹んでお悔やみ申し上げます。お気持ち、お察しいたします。私も就職した年の5月、突然の交通事故で父親を亡くしましたので・・・もう2年半経ちましたが、いまだに涙の出ない日はありません。そのような中で、伊勢堂岱遺跡の現地説明会について掲載していただき、本当にありがとうございました。御懇情に深謝いたします。 ご冥福を心よりお祈りいたします。
------------------------------------------------------------------------

案内人 > ご丁寧なご弔意、有り難うございます。大分以前から覚悟はしていましたので・・・。伊勢堂岱遺跡の情報は、あなたからいただいてから日が経っていますので、気にはなっていたのですが、今回のような事情がありまして、アップできませんでした。約束を果たせてホッとしています。360度の景観図は近日中に送信いたします。 (2000/11/27(Mon) 19:01:30)[c4-144.actv.ne.jp]


[298] 特別史跡って何だろうか 投稿者:tak 投稿日:2000/11/27(Mon) 21:46:12 [h028.n068.nhk.or.jp]三内丸山遺跡は特別史跡に指定される妥当性を持つか?・ これまで発掘された全国の遺跡でも最大級の面積が実際に発掘され、目に見える形で整備されている。・ 国内の縄文遺跡で見つかったさまざまな施設や遺物のほとんどを網羅的に持っていて、それらの有機的なつながりを考えることが出来る。・ 鳥浜貝塚以来、培われてきた考古学と関連領域科学との共同研究がより大規模に行われ、大きな成果をあげた。この遺跡の成果と言うとこんなところかなと思います。管見ではこういった事をわかりやすい形で行った縄文時代の遺跡はあまりないように思うのですが、三内丸山以上にこのような成果を挙げた縄文遺跡は他にもあるのでしょうか?あるいは、こういった成果は特別史跡の定義とは離れたものなのでしょうか?話はかわりますが、三内の土地は以前から大量の土器が出るところとして知られていて、昭和60年代の本でも「円筒土器のメッカ」と言った表現が使われています。案内人氏の以前のエッセーによれば三内丸山遺跡については地元の考古学関係者から保存の要請がないまま、保存が決定したと言うことですが、非常に大量の遺物が出土し、あれだけのまとまった遺構が発掘される中で、なぜ、地元の方々は「保存」と言うことをおっしゃらなかったのでしょうか?素朴な疑問です。

------------------------------------------------------------------------

案内人 > 前段については、「今何故急ぐ三内丸山遺跡の特別史跡への格上げ」でも触れましたが、今回の特別史跡への格上げにあまりにも政治色を感じましたので、反対の意見を述べました。その前に研究者からの批判にきちんと論文で答えてからでも、遅くは無いだろうと考えたからです。批判を完全無視して、特別史跡へ駆け上がる事に何か意図的のものを感じるのです。後段に関しては、青森県内の考古学関係者の大半が行政内研究者という、特殊事情もあるだろうと推察されます。三内丸山遺跡の緊急調査は、県営野球場の建設予定地でした。ここの発掘調査に携わっていた人間も県埋文センターの人間でしたので、知事から給料を貰っている身で、あえて建設中止を意味する遺跡保存は言いにくい雰囲気があったと思います。本当は考古学研究者の唯一の集まりである県考古学会が保存要請声明を発するべきでしたが、残念ながらこの団体には、そのような勇気がありませんでした。 (2000/11/27(Mon) 22:09:26)[c4-144.actv.ne.jp]

案内人 > 青森県考古学会については、私の知る限りでは遺跡保存声明なるものを発したという記憶がありません。行政内研究者が大半を占めるという特殊事情から、行政に対してかなり遠慮があるようです。そこの会員というのは、職場を完全に離れ、全くの一個人として参加していると思うのですが、そうもいかないのが日本的なところなのでしょうか?もともと、仲良しクラブ的な団体であるならば、先のことは望んでもどだい無理な話でしたが・・・。案内人は遺跡保存声明すら発せないような団体には興味がないので、最初から会員にはなっていません。 (2000/11/28(Tue)06:53:54)[c4-144.actv.ne.jp]


[299] 大変興味深いイベント 投稿者:ヒューヒューポーポー 投稿日:2000/11/28(Tue) 02:33:37 [pl006.nas112.ota.nttpc.ne.jp]掲示板の再会おまちしておりました。案内人さんのおかげんはいかがでしょうか、くれぐれも御無理をなさらないようにお願い申し上げます。12月23、24日に「第14回東北日本の旧石器文化を考える会」が会津若松市の福島県立博物館で行われるそうです。大会名だけでも興味がわきますが、これまで出土した前・中期旧石器を可能な限り実物で検討するとのこと、これはTV中継があってもいいくらいのイベントですね。本当は仙台で行われるべきでしょうが。ネットを漂流していてここのリンク先でもある八ヶ岳旧石器通信の最新旧石器情報で見付けました、詳しくはそちらでお願いします。http://www.avis.ne.jp/~tsutsumi/info.htm

-----------------------------------------------------------------------

ヒューヒューポーポー > 大変申し訳ありません「第14回東北日本の旧石器文化を語る会」でした。 (2000/11/28(Tue) 02:39:54)[pl016.nas112.ota.nttpc.ne.jp]

大学生 > 「語る会」二日目のシンポジウムには竹岡氏にも参加依頼があったそうですが「忙しい」との理由で不参加とのことです。案内こちらにもあり会場周辺地図も見られます。 http://www.miyagi-ann.org/index.htm(2000/11/28(Tue)03:38:00)[sendai-ppp-210-253-121-104.interq.or.jp] -


[300] キーリィ報告の残り 投稿者:難波紘二 投稿日:2000/11/28(Tue) 13:30:03 [konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

昨日は時間がなくて、考古学に直接関与する部分しか訳せませんでしたが、略した部分をアップします。

中略、後略となっていた部分に入れてお読み下さい。

自分で訳しもしないであとからケチをつける人は、またどうぞ。

中略部1:

日本に前期および中期旧石器時代が存在したかという問題は、1960年代に論争が始まって以来議論が続いている(注2)。しかし問題を学問的かつ科学的に解決しようと言う取り組みは一度もなかった。

世界の考古学者のほとんどは、少なくとも70万年前に、北中国に人類が存在していたこと、それ以後人類は持続的に北中国を占拠していたこと、を承認している。日本は過去70万年の間に、少なくとも二度、陸橋により大陸とつながっていたのであるから、これを渡って大型の陸生哺乳類がこの列島に移住してきた。(だから)前期及び中石器時代に人間だけが日本にいなかった、ということはありそうもない。しかし人間がいたことを証明するには、確実な科学的証拠を必要とするのであり、それはこれまで一度も提出されていない。

中略2:

考古学者が発掘に当たり、地質学者と共同して、発掘箇所の地質学的意味づけをするために彼らに古代地層を研究させたという徴候はない。発掘された石器の素材を適切に研究したという徴候もほとんどない。遺構(pit)とされているものが、人工産物ではなく、自然にできたものかも知れない、という可能性は、誰もチェックしていないようだ。発掘現場が元の堆積状態からどういう過程をへて現在に至ったか、を研究する学問をタフォノミー(taphonomy)というが、きちんとこれが行われているという徴候もない。「学際研究」はテフラの年代学と絶対年代を強調している。

中略3:

ひとりの考古学者として、私もまた、この問題(旧石器の信憑性)について多くの批判を受けてきたが、それは他の考古学者たちとはすこし異なった形でだ、といえよう。日本に前期および中期旧石器時代が存在したことの証拠だとされる材料には、重大な問題があることを私は認識している。これらの証拠について、私は強い疑念を抱いている。しかし、他の疑い深い考古学者と異なり、1986年に梶原や鎌田の研究や発掘品についてつよく批判した論文を発表して以来、私は彼らとかなり親密な関係を維持してきた(注3)。彼らは、それ以来、彼らの発掘にはすべて私を入れてくれた。「もし」彼らの発掘産物が本物であれば、それはかけがえがないほど重要だ、と考えたのである。私は、少なくとも中期旧石器時代のいくつかの遺跡、例えば福島県の大平遺跡、はいつかは本物だと証明されるかも知れないと考えはじめていた。しかし同時に疑惑を抱く沢山の理由もあったが、この疑いも、遅かれ早かれ晴れるだろうとまだ考えていた。私は、確かに、彼らの発掘物を捨て去るに足る科学的に正当な理由を手にしていなかった。

しかし私は彼らの発掘に十分付き合わなかったし、訪問したとしても長くは留まらなかった。また発掘物のコレクションを十分には観察しなかった。私は、自分の疑念を大きな声では喋らなかったし、それを徹底して、出版しようとはしなかった。彼らの材料をすべてまとめて、脈絡をつけ、その弱点を明確にするという作業を、時間がない(まずい言い訳だが)ということにかこつけて怠ってきた。その結果、上高森の石器は縄文の石器と全く同じようだ、という1994年の梶原のコメントはいつの間にか忘れていた。また1999年の総進不動坂遺跡での発表を、恐らく藤村が関与したすべての初期および中期の旧石器遺跡は、埋めたものだということを示唆するものとして、受けとめることができなかった。11月6日の朝刊の見出しを見て、私は晴天の霹靂の思いがした。これは許し難いことだ。しかし11月5日の毎日新聞のすっぱ抜きにより、私は疑惑の原因は、データの弱さにあったのではなく、遺物がすべての場所で埋められていたことを示唆していたからだと、得心が行った。

私自身も含め、この国に住むすべての考古学者に批判をあびせたのであるから、この批判をもっと広げさせてほしい。地理学者は初期および中期旧石器時代の遺跡を研究しないし、研究しようとしない。これは考古学の問題で、地理学の問題ではない、と彼らはいう。年代測定をやっている研究者は、測定結果にともなう大きな統計学的誤差、測定値の+/-10%あるいはしばしば;+/-20%にものぼる、を議論しようとしないし、あるいは少なくとも強調しようとはしない。プラスマイナス10%以上の誤差があれば、絶対年代とその意味づけに問題があることを示唆しているのだ。

日本の学会は「閉鎖性」で有名である。学生は教師を選ぶことができない。下位の教師や学生は上位の教師や指導者の思想に同意しなければならないし、さもなくなグループから追放されてしまう。多くの学者は、学生から教師になり停年を向かえるという、その全生涯を、同じ大学システムのなかで過ごす。これが、日本で科学の領域でノーベル賞受賞者がなぜあれほど少ないのか、受賞した科学者は、なぜその研究のほとんどを海外でおこなったのか、なぜ受賞者は海外で有名になった後に、はじめて日本で知られるようになるのか、という疑問に対する理由なのである。藤村の行為と誰もそれを、もっと前に発見できなかったことの両方に責任があるのは、この「日本というシステム」なのである。

中略4:

政治家、官僚、実業家の指導者からなる日本の「鉄のトライアングル」に属する高位の人々を巻き込んだスキャンダルもまた、この閉鎖的システムに由来するものであり、集団への屈従の強制、階層的社会構造、秘密主義がそれを生んでいるのだ。これこそが最近の考古学スキャンダルの根底に横たわる究極的原因なのだ。

後略:

藤村の行動が最終的にどのように説明されことになろうと、それは単なるもっともらしい説明に過ぎない。究極の原因は、藤村個人を超えたところにある。藤村はその行為に対して非難を受けるに値しよう。しかし彼は、究極的には、多くのスキャンダルを生み、ストレスをつくり出し、自殺者を出しているひとつのシステムの産物であって、同情もまた受ける価値があるのだ。そして毎日のようにメディアが報道していて、我々が眼にするスキャンダルやストレスや自殺は、氷山の一角にすぎないのだと思えるのだ。

------------------------------------------------------------------------

ヒューヒューポーポー > 難波先生、中略後略の部分をアップしていただきありがとうございます。辞書を片手に原典を訳してみたのですがどうもピンとくる訳文にならないのでイライラしていましたがこれで胸のつかえがおりました。Keally氏の批判は考古学会のみならず日本のシステムにも向けられているとは日本人として少し恥ずかしいです、少しの反発も覚えますが。 (2000/11/28(Tue) 14:51:59)[pl019.nas112.ota.nttpc.ne.jp]

まりや > とても参考になりました。英語がだめなので原典をみてもわからないので、こうして訳していただくとありがたいです。難波さんの不充分?な部分は他の方々が補ってくださるので、至れり尽せりです。注記も気になったのですが、わかりません。甘えるなと言われそうですが、訳していただけると嬉しいです。でも、読んでますます私の頭の中は??? (2000/11/28(Tue) 17:17:13)[e7sun-1.kais.kyoto-u.ac.jp]

まりや > です。日本の考古学界は閉鎖的で、批判を許さないところなのか?そんなことないよという研究者の声も他のサイトでも見ますので。わからなくなってしまいました。 (2000/11/28(Tue) 17:20:25)[e7sun-1.kais.kyoto-u.ac.jp]

ソフィー > さっと訳して提供してくださるなんて、大したものですね。べつにケチをつけるつもりはありませんが、先の訳で「早期」とされていたEarlyは、今回、「前期」と訳されていてよかったと思います。縄文時代の時期区分でもEarly period は、「前期」に対応します。「早期旧石器」は、猿人の石器に対して用いられる場合があります。 (2000/11/28(Tue) 18:47:31)[]

岡安光彦 > 難波先生。素直にお礼を申し上げます。皆さん、大いに助かったのではないでしょうか。 (2000/11/28(Tue) 22:14:21)[rt.ctktv.ne.jp]

英語オタク > 難波先生、前のご投稿に非礼きわまるレスを書き込んだことについて心からお詫びします。>考古学関係者諸氏のために申し添えれば、難波先生が翻訳された本文はいわば「総説」で、本当にスリリングな記述に満ちているのは、数はたった7つながら非常に充実した註で、さまざまな時点での発表に接してキーリィ氏が抱いた個人的感想など初公開の「お宝」が埋まっているのはこちらの方です。専門用語や遺跡、学会の名前など固有名詞が頻出するこれらの長い註の翻訳まで別の専門分野の先生におねだりするのは、ちょっと甘えすぎではないかと思いますが。 (2000/11/29(Wed) 00:15:53)[global-user.toshima.ne.jp]

makoto-s > 邦訳ソフトに頼らなければならない身にとっては大変たすかります。惜しむらくは「自分で訳しもしないであとからケチをつける人は、またどうぞ。」の一言が難波さんへのイメージを悪くしてしまっていることです。 (2000/11/29(Wed) 00:28:48)[ppp11-135.din.or.jp]

物部 兵庫 > 難波さんの精力的な「発掘」に心から敬意を表します。「旧石器」が発掘できなくとも日本がどうにかなってしまうわけではありませんが、日常のありとあらゆるところに深く埋もれているこの「異様な日本のシステム」を、個々人が自覚して「発掘」していかなければ確実にこの社会は崩壊するでしょう。既に“ポイント・オブ・ノーリターン”を過ぎてしまったようですが。 (2000/11/29(Wed) 00:30:52)[tn-af79.ppp.ttcn.ne.jp]

難波紘二 > 私は「考古学通信」の投稿をみて、キーリィ報告を知り、訳しただけです。また「注」については、あまりにも衝撃的な内容なので、翻訳を控えます。 (2000/11/29(Wed) 10:38:26)[konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

ソフィー > 先訳では、「早期」ではなく「初期」と訳されていたのでした。このことは、今回の問題に関しては枝葉末節ですが、翻訳上の一般問題としては注意すべき事柄です。 (2000/11/29(Wed) 11:45:54)[]

bambi > 難波先生、労作ありがとうございました。注については、難波先生ですら「あまりにも衝撃的な内容」と、言われるのですから、推して知るべしですね。注は、Keally氏の積年の思いがこもっての事と思いますが、この情報が、日本じゃなくて、まず外国向けに流されたのは残念です。 (2000/11/30(Thu) 06:16:39)[cse4-46.nishinomiya.mbn.or.jp]

bambi > 尚、11月28日付けで、東北大客員教授(適当な訳かどうか不明)の Peter Bleed氏の追加記事が掲載されました。http://www.eastasianarchaeology.org/special/japanarchscandal2.htm  (2000/11/30(Thu) 06:40:05)[cse4-46.nishinomiya.mbn.or.jp]


目次 ログ1 ログ2 ログ3 ログ4 ログ5 ログ6