「青森遺跡探訪」掲示板旧石器捏造事件ログ2

 このログは、青森遺跡探訪の閉鎖にともない青森遺跡探訪案内人の了解を得て転載したものです。転載にあたり体裁を一部変更しています(01.4.16 早傘)

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[207] 関係者は知っている? 投稿者:難波 投稿日:2000/11/09(Thu) 14:16:13[konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

 十津川町発掘の石器29点はすべて藤村が埋めた偽物だった。(本人の自白)

 これについて発掘調査に当たった札幌国際大の長崎潤一助教授は「材質や形状が東北や関東地方の遺跡で見つかったものと酷似しており、前期旧石器時代の本州と北海道上高森遺跡と列島との交流を示す」(日経9/6)と述べています。

「酷似」という言葉の重みは大きい。

 これは関東や東北の、藤村が関与した遺跡の石器は、全部偽物だということの証拠になるでしょう。

 このことに芹沢、梶原、岡村、長崎氏など関係者は気づいていると思いますよ。ただなんとか「自分は関係ない」という姿勢をとろうとするでしょう。こういう事件の関係者で、真に道徳的態度がとれる人は、洋の東西を問わず少ないのだ、というのが私の研究から言えることです。

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高村 >  私は以前から前期中期旧石器発見への疑問を抱いており、今回の事件が契機となってその信憑性が見直されることを大いに期待するものです。ただ、難波氏のこのサイトにおける一連の発言は、あまりにも考古学および関連諸科学に無知なものであり、議論のレベルを低下させている感が否めません。 (2000/11/10(Fri) 00:19:23)[m171-212.med.tohoku.ac.jp]

高村 >  例えば、日本で最古とされる土器の推定年代は1万数千年前で難波氏の言うような数万年前ではない、確かに「前期旧石器」とされるものの多くに高度な製作技法が用いられているが、少なくとも現段階では難波氏の指摘するようにその製作者が猿人・原人・旧人・新人(もっとも現在の人類学ではすでにこうした区分はあまりなされませんが)であるかというようなレベルまで明確には特定できない、焼けた石器からTL法で年代測定は可能だが件の総進不動坂の石器では困難、脂肪酸分析とその問題点について何も知らない(ナウマンゾウの脂肪酸分析の話はあまりにも有名だがその結果の解釈には疑問が多い、長くなるのでここでは述べませんがぜひ勉強なさってください)、などなど。あげくには「東北の体質」「ナウマンゾウの脂肪をなすりつけて」「酷似という言葉の重み・・・・・全部偽物だということの証拠になる」ときては、議論も何もあったものではありません。もちろん発言は自由であるべきだとは承知しておりますが、捏造事件を批判するのに「捏造」した理屈を持ち出されてはナンセンスです。パロディとして読む分には面白いのですけれども、あんまりたくさんだとちょっと辟易です。長々と失礼いたしました。 (2000/11/10(Fri) 00:27:11)[m171-212.med.tohoku.ac.jp]


[208] 案内人から皆様へのお願い 投稿者:案内人 投稿日:2000/11/09(Thu) 19:42:15 [c4-002.actv.ne.jp]

 11月5日、不幸にして藤村氏の「捏造事件」が発覚して以来、当掲示板では多くの方々による投稿が行われ、いろいろな意見が述べられてきました。当掲示板を管理する案内人としては、皆様の自由な討論により、今回の事件を教訓に日本の考古学界がよりよい方向で解決策を模索してもらえたらと思い、自由に投稿をしてもらってきました。

 しかし、自らの当掲示板での発言を省みても、事件のショックによるものか、憶測に基づいたかなり不穏当な発言をしていることに気がつきました。この場をお借りして、関係者の皆様方にお詫び申し上げます。

 同様のことは、皆様方の発言の中にも、全部ではありませんが、散見されることは事実です。今回の事件にかかわった大学の事実誤認に基づいた発言や特定の大学あるいは学部を「罵倒」せんばかりの発言などがあることは、皆様方もすでにお気づきのことと存じます。このような発言がなにも有益なものを生み出さないことは、言うまでもありません。あとに残るのは、むなしさだけです。

 今以降は、どうか皆様方にも今一度、冷静な心を取り戻していただき、真摯に今回の事件を踏まえて、日本の考古学界が今後、なにをすべきなのかを討論していただく場にしていきたいと思います。従いまして、この趣旨にそぐわない投稿はお断りさせていただきます。また、案内人が不穏当と判断したものにつきましては、まことに勝手ながら削除させていただきますので、ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。

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親父K > 「むなしい」とか訳知り顔にいうより徹底してうみを吐き出させたらいいんじゃないかしら。▼要は、そういう発言をセーブする体質のもとに学術的論文や学会発表を装いながら、単なる感想文だったという低レベルな考古学が存在していたんだと素人はとらえているよ。▼悪いけれど、素人はいちいち検証に付き合ってられないので、そう即断するわけだ。 (2000/11/10(Fri) 18:59:42)[e5000.otsuma.ac.jp]

案内人 > 訳知り顔に言っているつもりはありません。ここは私個人のホームページで、私が管理している掲示板です。他人を誹謗中傷するような発言までは、許すことができません。そのような発言は、他でやってください。 (2000/11/10(Fri) 19:43:26)[c4-002.actv.ne.jp]

親父K > 「てめえのもんだから、好きにさしてもらうって」いわんばかり。▼なんか独裁者みたい。 (2000/11/10(Fri) 22:11:01)[gw00.rosenet.ne.jp]

長井 茂春 > HP (2000/11/10(Fri) 22:20:33)[ctk421ds24.tk1.mesh.ad.jp]

長井 茂春 > HPの管理者には不法な書き込みを削除する権利と義務があります。 (2000/11/10(Fri) 22:22:01)[ctk421ds24.tk1.mesh.ad.jp]

案内人 > 親父Kさんに再度、忠告します。ご自分の好き勝手な意見を述べたいのであれば、ご自分のホームページでどうぞ、ご自由に! (2000/11/11(Sat) 07:38:42)[c4-002.actv.ne.jp]


[209] ゴッド・ハンド事件について 投稿者:トラ 投稿日:2000/11/09(Thu) 23:51:28 [cs51313.ppp.infoweb.ne.jp]

 11月5日以降、この事件に対してネット上では、盛んに意見交換がおこなわれています。ここでは目についた発言について、考えを述べることにします。

 まず、考古学あるいは考古学者一般に対する批判が多くみられます。これには2種類あり、ひとつはこうした事件を未然に防げなかったことに対する批判。もうひとつは、事件あるいは事件の当事者に対し、「断固とした態度」を示さないことに対する批判です。

 前者の批判については、反論の余地はありません。基本的な資料の検証や建設的な相互批判が未熟だったことは確かなんだから。

 後者については、個々人の判断にゆだねるしかないでしょう。何々考古学会のような団体にアクションを起こせという意見もありますが、団体としての意思決定にはそれなりのプロセスが必要ですから、短時日では難しいでしょう。

当事者のいる大学研究室のホームページが閉鎖されたことについての批判もみられますが、大学当局の「政治判断」で閉鎖された可能性があり、この事典での批判は少し酷ではないかと思います。

 ただし、間違っていたのは確かだからとにかく土下座しろと言わんばかりの意見は論外としても、批判はすべきだと思います。藤村氏個人をせめてもしょうがないと言う意見もみられますが、これまでの「業績」にいくらかでも真実があるならば、きちんと受け止めたうえで発言すべきでしょう。

 藤村氏が高卒だったことから「アマチュア限界説」のようなことを言う方もいます。「アマチュア」ならこのような事件を起こし「プロパー」なら起こさないという仮説は興味深い問題です。果たしてそれが正しいかどうか、それぞれが、足元をみつめながら考えてみるべきだと思います。

 自治体や一部の商業者に対して「村おこし」に利用しようとした、あるいは「金もうけ」に利用しようとしたとの批判もみられますが、このような「世紀の大発見」があったとき、「村おこし」や「金もうけ」に利用することがそれほど悪いことでしょうか。商業者は「金もうけ」が仕事です。「金もうけ」の何が問題なのでしょうか。考古学上の成果が一般人の生活の糧になるとしたら、それは慶ぶべきでことなのではないのですか。なにか「士農工商」的な差別意識を感じるのは私だけでしょうか。

 考古学の素人である行政に「大発見」を疑うことなどできるわけがありません。考古学(者)側に責任があるのは明らかです。あとづけで居丈高に相手かまわず罵倒するという姿勢には悲しくなります。

 藤村氏が石器を自作していたという疑惑も指摘されています。疑惑はもっともだと思いますので、これからきちんとした調査が必要でしょう。ただし、もっともらしい根拠として挙げられているものをみると「石核が含まれているから「石器」を作ったのではないかという迷推理であったりします。こうした迷推理の入る余地のない徹底した調査を望みます。 

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長井 茂春 > 私の[202]の発言では「村おこし」「金儲け」が「悪」とは言っておりません。 「金儲け」の判断は残念ながら「自己責任」の範囲です。 儲けとリスクは裏腹です。 極めて限られた場合以外では仮に偽情報によって損失を被っても直ちには損害賠償請求の対象にはなりません。 直ちに民事上の損害賠償を全面的に負うわけでは無いだろうから徒に現時点で「賠償云々」は言うべきではない、という事です。 「村おこし」には「事実」は関係しないのが常で、事実を追求するより「夢」を先行し自己に都合の悪い情報には目をつぶり敢えて否定的情報は探索しない傾向があります。 今回はそうでなければ「情報リテラシー」の欠如が疑われます。 そして、調査費用は「宝捜し」の成功報酬でもなければギャランティーでもありません。 (2000/11/10(Fri) 20:48:22)[ctk424ds02.tk1.mesh.ad.jp]


[210] 率直な感想 投稿者:難波 投稿日:2000/11/10(Fri) 00:31:06 [konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

私の発言に気を悪くされたようで、申し訳ありません。しかし「関東ローム」のない地域では、今回の事件に利害がないだけに、人々は相当深刻な衝撃を受けていると思います。例えば福井新聞(11/7)は社説でこう述べています。

 発掘がねつ造だったとは驚きだ。日本の人類の起

源は副理事長によって五十万年前、六十万年前、七十万年前

へと書き換えられた。北京原人と同じ段階の原人が日本にい

たことになる。これは世界史規模のねつ造である▼彼の発掘

のすべてがねつ造ではないにしろ、どこまでが本当で、どこ

からがうそなのかもう何も信じられない。歴史はこのように

でっち上げられ、曲げられ、一人歩きするのだろうとあらた

めて考えさせられる▼「歴史は人によってつくられ、人は歴

史によってつくられる」という。副理事長がにせの歴史をつ

くり、歴史のねつ造者として副理事長は歴史に名を残すこと

になろう。これまた歴史の皮肉だ▼それにしても、ねつ造を

見抜けず、やすやすとだまされた考古学界には首をかしげた

くなる。そこに閉鎖的な「村社会」を感じる。

 案内人さんが、青森の考古学関係者であり、このサイトに意見を述べることで、間接的に関係者に伝わり、事件の徹底解明と再発防止につながると思っていましたが、無理ですかね。

 私の学部では10年以上前に学部長殺害事件が発生し、その不名誉を回復するのに10年以上かかりました。今度の件は「世界史的」と思いますので、それくらいではすまないと思います。

 利益がらみで失った信用は、利をもって回復できる。学問に対する信頼は失ったらまず回復不可能です。 

 それとトラさん、「迷推理」と切り捨てないで、具体的に批判して下さい。

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EMI > はじめまして。「しかし「関東ローム」のない地域では、今回の事件に利害がないだけに、人々は相当深刻な衝撃を受けていると思います。」という一文の意味がよくわからないのですが、ご解説いただければ幸いです。 (2000/11/10(Fri) 12:08:56)[fw.aaa.co.jp]

難波 > 関東ロームのある地域では、関心は、発掘にかかわったか、発掘を利用するか、という形での「利益」がらみの関心でしょう。西日本ではピュアに考古学という学問への愛着・尊敬ということが崩れている。そういう意味です。 (2000/11/10(Fri) 14:08:19)[konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

EMI > レスありがとうございます。そういう意味合いでしたか。しかし、「ピュアに考古学という学問への愛着・尊敬ということが崩れて」きているとしたら、それは何も西日本に限ったことではないでしょう。いや、何だか難波さんの書き方だと東日本の人はこの事件を欲得、利害のレベルで考えている、とも読めてしまいますので。 (2000/11/10(Fri) 16:44:10)[fw.aaa.co.jp]


[211] Untitled 投稿者:オイオイ 投稿日:2000/11/10(Fri) 08:41:23 [trok3ds12.ygt.mesh.ad.jp]

毎日新聞のスクープが無かったらこの事実はいつまで隠されつづけていたのだろう?

誰もが考えるように、今回の事件が氷山の一角であるのなら、今現在、博物館に展示されている数々の歴史的な資料にはどれだけのデッチアゲが含まれているのだろう?

正直、考古学という学問自体の存在に疑問と失望と怒りを盛っている。

下品にいえば、税金つかって何やってんだ、というところか。世間も徐々にただの興味本位からそういった感情に流れているように感じる今、この学問に関わる全ての人達が自分の思いや意見を明らかにすべきではないのだろうか。

まあ、どうせ不穏当として削除されるんだろうが、そのまえにこれを見た、人はレスつけなくてもいいんで、少しは悩んでくれ。真剣に。

あんたらにとっては藤村という一個人のやったことだろうが、素人はそう思ってないよ…。


[212] 科研費は税金 投稿者:ORI 投稿日:2000/11/10(Fri) 08:56:27[nttoska05151.ppp.infoweb.ne.jp]

アメリカでは、自然科学、特に生物医学分野でねつ造が大変に多いので、国の研究費をもらうときには、ORI (Office of Research Integrity) の査察を受けてもいいという一筆をとられることになってます。とくに有名大学からでたインパクト・ファクターの高い雑誌(専門誌)にウソが多いことになってます。このORIは、ほとんど警察と同じです。http://ori.dhhs.gov/ を一度訪れてみて下さい。報告書には、いろんなねつ造をした例が出てます。おそらく、ここに出ているのも氷山の一角なのでしょう。アメリカは、ノーベル賞も多いがウソも格段に多い国です。今回の事件から、どうやら、ウソだけは日本もアメリカ並になってきたようです。嘘つきは世界中どこにでもいます。ただ、実験科学の場合には、再現性がなければ、時の試練に耐えられないので、ウソはすたれていきますが、考古学の場合にはそうはいきませんね。いいかげんなエセ学者がぞろぞろいるのはこまったもんです。ウソに加担した先生たちは、税金からでた科研費なんか返還する必要があるんじゃないんでしょうか?国立情報研究所のデータベースによると、採択率5倍の難関を乗り越えて、梶原先生なんか何回も科研費もらってます。納税者としては、まったく納得いきません。なんで国がこんなウソに税金まで使って応援しなきゃならないんでしょうか?


[213] また1人捏造した人がいた! 投稿者:人類学学生 投稿日:2000/11/10(Fri) 12:18:17 [kwgcd-02p149.ppp.odn.ad.jp]

測定せず「50万年前の石器」と発表

北海道・下美蔓西遺跡調査団代表の長崎潤一・札幌国際大助教授!

http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/details/iseki/200011/10-01.html

止めてくださいよ〜、捏造は!

本当に学問として成り立たなくなりますよ。

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早傘 > 報道された問題は捏造とはいいません。年代の根拠がずさんなだけ(まるで、10万年前の遺跡であることは認められるような書き方。この「遺跡」自体が捏造という前提で見るべきですけどね) (2000/11/10(Fri) 21:48:04)[b142132.ppp.asahi-net.or.jp]

人類学学生 > 年代の根拠がずさんと言うより、最初から50万年前と決めているような……せめてどちらかの粘土層の年代を特定してあれば弁護もできますが。発掘品の年代発表なんて1番最後にするべきでは? 確かに、この「遺跡」自体が怪しいですが。 (2000/11/10(Fri) 23:32:53)[omiya-ppp-210-253-104-249.interq.or.jp]


[214] 危機管理 投稿者:難波 投稿日:2000/11/10(Fri) 14:37:33 [konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

人類学学生さんの悲鳴がよく理解できます。

「下美蔓西遺跡では今年6月23日から2日間、調査を行い、約50万年前〜15万年前の地層から計13点の石器を発見した。最初に発見したのは、いずれも藤村前副理事長だった」(毎日11/8)

これで「藤村の認めた2カ所以外にはねつ造はない」と主張していた11月6日の、藤村(副理事長)、鎌田(理事長)、梶原(教授)による共同記者会見の発表が嘘であったことが判明しました。

トップのいい加減な調査といい加減な発表で、つぎつぎにぼろが出て、どんどん信用を失い、会社倒産間際まで追いつめられる例を、この前、雪印事件で目の当たりにしたのに、危機管理がぜんぜんできていませんね。

勝海舟は刺客に取り囲まれて絶体絶命の危機から何度も脱出していますが、その極意について「まず生きようとする気持ちをすてる。すると心が開けてきて、相手の隙が見えてくるので、そこを全力で突破するのだ」と述べています。

鎌田さんも梶原さんも、あるいは芹沢さんも、「もう考古学はやめだ。田圃を耕して生きていく」という心境におなりになることが必要だと思いますよ。いや、鎌田さんは僧侶か、釈迦に説法とはこのことだ。


[215] また捏造ですか 投稿者: ORI 投稿日:2000/11/10(Fri) 14:41:27 [zaqd37cfbd5.zaq.ne.jp]

もし、毎日の報道がほんとうだったら、下の科研費はいったいどうなるんだ。こまったもんです。

ACCN : 0000117908
IDNO : 9911610418
YEAR : 1999
RTYP : 1: 新規
AFNO : 30116
AFNM : 札幌国際大学
CTCD : 320: 基盤研究(C)
SCRN : 03: 一般
SBJ2 : 234: 考古学(含先史学)
PJNO : 11610418
PJNM : 北海道における中期旧石器の研究−斜軸尖頭器の地域性と機能−
AUNO : 70198307
AUTH : 長崎 潤一
AUTY : ナガサキ ジユンイチ
AFFN : 札幌国際大・人文・社会学部・助教授
SPND : 1800千円


[216] まだまだあります 投稿者: ORI 投稿日:2000/11/10(Fri) 15:05:10 [zaqd37cfbd5.zaq.ne.jp]

下以外にもまだまだあります。文部省および学術会議は、科研費の申請と採択について事実関係をちゃんと調べて公表し、厳正に対処してほしいと思います。納税者としてまったく納得できません。

ACCN : 0000200230
IDNO : 0011610418
YEAR : 2000
RTYP : 2: 継続
AFNO : 30116
AFNM : 札幌国際大学
CTCD : 320: 基盤研究(C)
PJNO : 11610418
PJNM :北海道における中期旧石器の研究-斜軸尖頭器の地域性と機能-
AUNO : 70198307
AUTH : 長崎 潤一
AUTY : ナガサキ ジユンイチ
AFFN : 札幌国際大・人文・社会学部・助教授
SPND : 1000千円


[217] 「憶測による批判」と立証責任について 投稿者:トンビ 投稿日:2000/11/10(Fri) 15:13:27 [canal.wslab.ntt.co.jp]

難波さんの発言がどの程度的を射ているのかは、素人なのでわかりませんが、少なくとも、今回の捏造発覚で、考古学の業績の信憑性について、考古学界側に立証責任が負わされることになったと思います。

ビデオによる捏造現場の撮影という決定的な証拠が、立場を逆転させました。

角張論文などを読むと、従来より、状況証拠から、藤村氏の発掘成果に疑問があったことがわかります。

しかし、あまり声高にそれを言えなかったのは、決定的証拠がなかったからです。捏造発覚以前は、疑いの目を向ける側に、立証責任があり、疑問を呈するには、「疑う根拠はなんだ?」という反論を覚悟しなければなりませんでした。

しかし、今回これだけ悪質な捏造が、全く疑問の余地無く明らかにされた以上、今後は信憑性の立証は、考古学界側が負います。

「憶測で批判するな」という反論は、勿論程度にもよりますが、基本的に通らなくなったのです。

私は、まずそれを考古学界側の人間に理解してもらいたい。

この掲示板に読み書きするのが、私のような単なるファンか、関係者かもわかりませんが、関係者だとすると、少しがっかりです。

考古学を愛するものとして、いつまでも、「憶測で。。。」というような紋切り型の反論が通る情勢ではなくなったという大人の認識を考古学関係者には持ってもらいたい、そのような思いで一杯です。


[218] 疑惑をまとめます(1) 投稿者:難波 投稿日:2000/11/10(Fri) 19:54:54 [konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

トンビさんの発言に力づけられて、「ゴッドハンド事件」の疑惑をまとめて提出します。関係者の反論を期待します。

角張淳一(國學院大學博士課程中退、日本考古学協会員)論文(www.aruka.co.jp)によれば、「疑問」は大きく分けて、4点について提出されています。

この疑問は、過去20年以上にわたる「宮城県を中心にした前期・中期旧石器発見物語」全体に対して向けられているし、毎日新聞がスクープする以前から、民間考古学者角張さんが主張していたものだ、ということを強調しておきたい。

第一は、マクロ的に見ると、77年のザザラギ遺跡が原点となり、発掘のたびに遺跡の年代が10,20,30,50,70万年と加速度的に古くなっていく、宮城県江合川流域から、福島、山形、北海道、埼玉、多摩ニュータウンと周辺の地域に広がっていく、という「方向性」をもっている。ついでまず分布調査という予備調査の段階で、一個人(藤村)による石器発見が行われ、ついで複数の考古学者による本調査で、またしても藤村氏が多数の石器を発見する、という「法則性」をもっている。

こんなことが「自然的」あるいは「偶然」にありうるだろうか?というのが、角張さんが抱いている疑問です。

私も同様の疑問を抱きます。そしてこれはもう疑問ではなく「疑惑」だといってよいと思います。

これについて関係者の説明を聞きたいものです。

第二は、藤村氏の石器発見数が異常に多い、という疑問です。新潟県津南町は「段丘の町」で石器が出やすい環境なのに、ここで40年調査している民間考古学者小野塚永治さんが、これまでに発見した「前期・中期旧石器」は10点に満たない。それなのに例えば北海道総進不動坂遺跡では予備調査で4点、たった一ヶ月の本調査で25点の石器が見つかっている。(これは後に毎日新聞の追求を受けて、「ねつ造」と発覚したが、それがなければ「本物」で通用していたわけで、ここでは発覚がなかったものと仮定して扱います)

20年間に見つかった「前期・中期旧石器」の総数は一体いくつなのか?

その数が、「卓越した個人の力量」ということで、本当に説明可能なのか?

これが角張さんの第二の疑問であり、私も同じように疑問を抱きます。

私は、それを「原人の日本における人口密度からみて、東北や北海道の狭い地域でそれだけ集中して見つかるはずがない。だから石器は「系の外から持ち込まれている」のだろう」と、主張したのです。つまり藤村氏が、人為的に現場に石器を持ち込んだ、という仮定をおくことによってのみ、この現象は合理的に説明できる、というのが私の主張であります。

それ以外に説明があれば、ぜひ関係者からお聞きしたものです。(続く)

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ash > はあぁ〜〜(嘆息) あのさ、「原人の人口密度」っていったいいつどうやってわかったの?そんなの根拠にしないでよ。それと、第一と第二は言ってること同じでしょ?読解力ない人だね。 (2000/11/10(Fri) 23:35:30)[tkscc-02p11.ppp.odn.ad.jp]


[219] 疑惑をまとめす(2) 投稿者:難波 投稿日:2000/11/10(Fri) 21:01:32 [konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

 第三は、石器の出土状況に関する疑問です。藤村氏が発見した石器は、「発掘面に並行に出土する」。つまり発掘現場は、地層がほぼ水平に走っている場所で、それを表面から一層づつ掘り下げていくと、数万年から数十万年前の地層で、石器群がフラットに広がった状態で発見される。これは考えてみれば妙なことで、今現在水平な地層は、数十万年前には、山だったり谷だったりしていて、今と同じのはずがない。このように石器がフラットな状態で発見される確率を、角張さんは「うどんげの華」のようにまれなことだといいます。この言葉は「ありえないこと」と言う意味で使われます。

ところが藤村氏の発見は、まさに「うどんげの華」の連続です。

しかし奇妙なことに、ローム層が手で掘れないほど硬い武蔵野台地では、石器はフラットに出土せず、細い穴にそって「必ず上下に出土する」。深い場合は、上下に1メートルの差がある。

これらはいずれも「自然堆積のものとしては、納得がいかない」、というのが角張さんの第三の疑問です。

これを私が「疑惑」に置き換えます。藤村氏は、まず地形をよく見て、地層がほぼ水平に走っているところを予備調査の段階で選びます。そこで石器を発掘して見せます。これで本調査が開始されますが、藤村氏抜きでは、誰も石器を掘り出せません。(新十津川町の教育委員会のように)本調査に参加した藤村氏は、地面がフラットだから、短時間で石器を面として埋めることができます。面が必要だったのは「原人の生活」を演出する必要があったからです。こうして「埋納遺跡」が作られた。

この行動を理論化したものが「藤村理論」で、旧石器は緩やかな丘陵で、フラットなところにある、というものです。

ところが東北と北海道だけでは怪しまれるので、関東にも進出せざるをえなかったが、ローム層が硬くて面では埋められず、上下の線として埋めざるをえなかった。

岡村道雄「日本旧石器時代史」を読んでみると、佐賀県の老松山遺跡に関しては、石器が出土した状態(半分はまだ土に埋まったIn situの状態)の写真が載っていますが、東北大グループが大活躍した宮城県や北海道などの石器のIn situの写真は一枚も載っていない。これはないから出せないのだと思います。載っている写真は、あとで石器を土の上にならべたものばかりです。これは一種の「やらせ」でしょう。

ある段階からは、梶原教授も、藤岡理事長も、長崎助教授も、このことを知っていたと思いますよ。

これが角張さんの疑問に対する答えです。「迷推論」とお考えの方は、どうぞ反論願います。

第四は、石器の製作技術に関するものです。角張さんは、梶原教授の論文を引用して、10万年前とされている中島山遺跡の石器と70万年前とされている上高森遺跡最下層の石器が、どちらも「押圧剥離法」及び「並行剥離法」という技法を用いて作られていることを指摘しています。この技法は、信州の後期旧石器時代の石器には認められず、70万年前に東北に存在したとするなら、「世界的大発見」である。「押圧剥離法」及び「並行剥離法」の両方を用いた石器が日本に出現するのは、縄文時代からであり、ヨーロッパの旧石器に詳しい竹岡俊樹氏は、「手の構造が違うので、原人には押圧剥離や並行剥離ができない」と述べています。

原人は親指の付け根の筋肉(拇指球筋)の発育が悪く、親指と人差し指を合わせられない。つまり本格的に「握る」という動作ができない。だからこんな複雑な石器はつくれないのです。

現代人しかつくれない石器が、70万年前にある、そんな不思議なことがあるだろうか、これが角張さんの最後の疑問です。もちろん彼が言いたいことは、お判りだと思います。

私の「迷推論」は単純明快です。専門の考古学者は、「石器を作って、それをわざと埋める」人間がいるとは夢にも思わないから、「縄文の石器が紛れ込んだ」あるいは「藤村が、縄文の石器を持ち込んだ」と疑問を呈したのです。

藤村氏は、石器を自作したのです。本物の縄文の石器を持ち込めば、すぐにばれてしまいます。それに何百個も本物を集められません。(文化財保護法があります)それに「原人の交流」という演出をするには、石器をつくるしか方法がありません。だから何十キロも離れた場所の石が、ぴたっと接合したのです。

自作するに当たっては、黒曜石だけは素材として避けました。石の年代測定が可能だから、測定されれば偽物だとばれてしまいます。それ以外の石を用いたので、東北の旧石器は黒曜石だけはないが、あとは何でもあり、という不思議な石器群になった。

藤森さんは、原人は親指が効かない、ということを知らなかったのでしょう。偽石器と紛らわしい原始的なものでは「原人文化」と合致しないので、複雑な加工をしたのです。しかし彼もものを握るには親指を使うという現代人の習性からは、逃れられなかった。加工した石を古く見せる方法はいろいろあります。イランなどではそれでプロが生活している。

結論です。ザザラギ遺跡以後の、東北大グループの発掘は、一部に例外はあるにせよ、基本的にインチキだと思います。だから正規の考古学のデータとしては、抹消すべきです。研究者としての真の勇気をお持ちなら、そのことを公表して、いさぎよく撤回すべきです。謝罪はしなくてよい。学問を正しいものにすることこそ、何よりも必要なことなのです。(終わり)

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早傘 > 角張さんの書いている内容を理解される努力を御願いします。難波さんのずさんな推論を批判する人々は藤村擁護をしているわけではないんですよ。 (2000/11/10(Fri) 21:53:55)[b142132.ppp.asahi-net.or.jp]

ash > あのね、角張氏が言っているのは、石器を埋蔵する土層はたいてい氷河などによる撹乱(要するにかき混ぜられたってことです)を受けているので、石器も地中を動いたはずなのに、動かずに出土するのはおかしいということです。山とか谷とかのことを言っているわけではありません。 (2000/11/10(Fri) 23:53:08)[tkscc-02p11.ppp.odn.ad.jp]

ash > 角張氏の言われるローム層で「必ず上下して出土」するとは、フラットに出土しないということです。つまりそれぞれの石器が出土するレベル標高が異なるということです。勝手に「細い穴にそって」など角張氏が書いてもいないことを付け加えるな。これも「捏造」だぞ。 (2000/11/10(Fri) 23:59:09)[tkscc-02p11.ppp.odn.ad.jp]

ash > 藤村さんは、北海道と関東では関東の方に先に調査に来ています。 (2000/11/11(Sat) 00:01:25)[tkscc-02p11.ppp.odn.ad.jp]

ash > 上高森の石器を実際に手にとって見た竹岡氏が「縄文の石器」と言っているのに、何言ってんの?ひょっとして、自作じゃなきゃ捏造にならないとでも思っているのか?だったら勘違いですよ。本物の縄文の石器を使っても捏造は捏造です。だいたい、何十点何百点の石器を自作するより採集したのを使った方が楽でしょ? (2000/11/11(Sat) 00:09:58)[tkscc-02p11.ppp.odn.ad.jp]

fay > 「関東ではローム層が固くて埋められず、上下の線として埋めざるを得なかった」ですか・・・。てことは、難波さんの言ってる通りに考えれば、関東で発見されている上下移動の見られる旧石器遺物はすべて「捏造」ということになるんですね。いろいろなことを述べるのであれば、早傘さんの言う通りもう少し理解されてからのほうが良いのではないでしょうか。 (2000/11/11(Sat) 00:11:22)[morcd-01p99.ppp.odn.ad.jp]

ash > もう一度言います。いい加減な憶測でものを言うのはやめてください。それは科学的な検証からもっとも縁遠いものです。 (2000/11/11(Sat) 00:12:36)[tkscc-02p11.ppp.odn.ad.jp]

難波 > 反論にもならない反論がたった三人ですか。明日から出張しますので、月曜日までにもう少し論理をまとめて、批判して下さい。 (2000/11/11(Sat) 00:19:58)[konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

fay > あなたの「論理」を自ら再検討するのが先と思いますが。 (2000/11/11(Sat) 00:25:36)[morcd-01p99.ppp.odn.ad.jp]

ash > その言葉そっくりお返しいたします>難波氏 (2000/11/11(Sat) 01:11:28)[tkscc-02p11.ppp.odn.ad.jp]

案内人 > 難波さんへ案内人からお願いがあります。既にご指摘がありますが、角張さんの論文を再度、熟読されて、正しい引用等をお願いします。 (2000/11/11(Sat) 07:44:07)[c4-002.actv.ne.jp]

リュウ > ashさんへ、おまえ角張だろ! (2000/11/11(Sat) 11:58:18)[d237169.ppp.asahi-net.or.jp]

案内人 > リュウさんへ、匿名による勝手な、推測による発言はおやめください。どうぞ、ご自分のホームページで好きなだけ発言してください。 (2000/11/11(Sat) 12:34:53)[c4-002.actv.ne.jp]

リュウ > 案内人さま お手数ですが↑削除してください (2000/11/11(Sat) 13:25:05)[d237180.ppp.asahi-net.or.jp]

リュウ > ashさま、案内人さますみませんでした、角張さんには後日謝罪します。上ともに削除してください。 (2000/11/11(Sat) 13:51:54)[d237186.ppp.asahi-net.or.jp]

案内人 > リュウさんへ、不具合があり、上手く削除できません。申し訳ありません。 (2000/11/11(Sat) 17:31:10)[c4-002.actv.ne.jp]

リュウ > 自分が謝られる立場にいるとは思っていませんが、文字色のとおりです (2000/11/11(Sat) 18:00:31)[yamanashi0666-127154.zero.ad.jp]

ash > 私は角張氏ではありません。 (2000/11/12(Sun) 02:07:05)[tkscc-01p23.ppp.odn.ad.jp]


[221] 難波氏に共感する者だけに残念です 投稿者:うささぎ 投稿日:2000/11/11(Sat) 02:53:52 [global-user.toshima.ne.jp]

思い余って初めて投稿します。私は文学部の教師ですが考古学には門外漢で、ご自分の専門以外の領域にも積極的に参入し、ときに推測に基づくにしては断定の口調がいささか激しすぎるかなとは思いつつ、難波さんが提出されつづけているまさに忌憚のない厳しいご意見を拝読するのを毎回楽しみにしてきた一人です。私も角張淳一さんの論文は事件発生後すぐ一読、いや3回読み直し、その圧倒的な説得力と、慎重かつ大胆な論旨の進め方と筆致に大いなる感銘を受けましたが、素人にはわからない専門用語も頻出するので、考古学者の知人に詳しく説明してもらってようやく理解できるようになった部分もいろいろあります。しつこいようですが私は難波さんをすごい人だな、敵が何人できようと一向にきにしません、という一貫した態度も見上げたものだと思ってきました。しかし今回の角張論文の一部にせよあまりにも根本的な誤読を目の当たりに見せ付けられると、「科学における捏造の歴史」にお詳しく、今後も諸分野の学問の状況にも目を配りつづけていただきたいものだと思ってきた私の期待が、もしかしたら空しい結果になってしまうのではないかという危惧を抱かざるを得ないのです。この掲示板で発言している人の多くは考古学関係者でしょうから当然角張論文については前から熟知しているでしょうが、私と同じような素人が角張さんの文章を読まずに難波さんの方を先に読むようなことがあれば、それがいかに「好意と共感」に基づいて書かれたものであっても、考古学者やその予備軍の方々が憤慨するのももっともですし、そもそも角張さんがショックで寝込んでしまうのではないでしょうか。もう一つ心配なのは難波さんがご自身の専門分野で偉い先生であるだけに自信をもって、敢えて問題発言をされていて、それを楽しみにしている人間もいるにもかかわらず、あまりに舌鋒が鋭くなりすぎて、管理者の判断で発言が削除されてしまうような事態を招くことを心配しています。さぞお気を悪くされたと思いますが、私の心からのお願いに耳を傾けていただけることを祈っています。

PS もうひとつやはり批判の対象となっている人も含めて、人間個人の基本的尊厳に関わることですから名前の引用に際しては誤記を避けるよう、送信前にチェックをお願いできたらと存じます。たとえば藤森理事長といわれても少なくとも私には誰のことなのか見当がつきません。


[223] 素人の素朴な質問 投稿者:ヒューヒューポーポー 投稿日:2000/11/11(Sat) 06:07:55 [pl091.nas112.ota.nttpc.ne.jp]

藤村氏の一連の大発見に心踊らせていた素人です。

議論(?)が盛り上がっているところ大変申し訳ありませんが、素人の素朴な質問にお付き合いいただけたらと思います。

今後、藤村氏が関係した遺跡・遺物は検証されるそうですが、それはどのような方法によるものなのでしょうか?

何故この様な質問をするのかというと、今までは藤村氏の不正に対し大学者達が見抜くことができなかったわけですがそれでは今後誰が検証するのでしょう。角張氏のように冷静に分析しそして公開できる誇りのある研究者はこの日本に何人いるのでしょうか。

藤村氏と共に行動してきた方達には資格も能力もないのではないかと私は考えます、藤村氏の大発見を信じていた研究者や私のような素人も同様に資格も能力もあるわけがありません。

さて資格も能力もある方がいたとします、どのように検証するのでしょう。石器の製法でしょうか?石器の年代測定でしょうか?地層の年代測定でしょうか?、石器の製法ならほとんど縄文時代のものですよね、石器の年代測定ならそれが難しいので騙された訳ですし、地層の年代測定にしても石器が藤村氏の埋めたものかそこにあったものかが真贋の差なので関係は薄い、いったいどうすれば検証できるのでしょう。

もしも有効な検証手段がないようならば、藤村氏の過去の業績を全て抹消すべきと私は考えます。そうでもしない限り再発防止は無理でしょうから。

それともう一つ質問ですが藤村氏の不正は本当に2つの遺跡だけなのでしょうか、こちらの質問は推測でもかまいません藤村氏の自白を信じる信じない両論を期待いたします。

信じない派はいつから不正をしていたかもお願いします。

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トラ > よくわかんないけど、石器自体について言えば、理化学的な年代測定からは難しいんじゃないの。蛍光X線かなんかで産地分析すればってひともいるけど、それも決め手にはなんないでしょ。どんなに離れていても持ちこんだんだって言い張ればいいんだから。やっぱり製作技法かなあ。 (2000/11/12(Sun) 00:23:56)[cs51317.ppp.infoweb.ne.jp]

ash > 熱ルミネッセンスについて調べなおしたところ、試料の条件が1)石英や長石を含み、2)約500℃以上で加熱され、3)試料全体が加熱されていること(参考『考古学のための年代測定学入門』古今書院,65頁)と条件が厳しいため、石器の年代測定は難しいようです。 (2000/11/12(Sun) 02:31:07)[tkscc-01p23.ppp.odn.ad.jp]

ash > マスコミ報道によれば、調査記録の確認、関係者からの聞き取り、再発掘が検証方法として挙げられており、前ニ者は既に行なわれているようです。 (2000/11/12(Sun) 02:46:46)[tkscc-01p23.ppp.odn.ad.jp]

ash > 検証者は、今のところ、文化庁の調査チーム、各自治体の教育委員会であるようです。 (2000/11/12(Sun) 02:49:04)[tkscc-01p23.ppp.odn.ad.jp]

ヒューヒューポーポー > トラさん、ashさん早速のレスありがとうございます。石器自体の年代測定は本当に難しいようですね。調査記録の確認ですが記録する行為に藤村氏の関与が無かったことを祈るだけですね。 (2000/11/12(Sun) 03:43:24)[pl021.nas112.ota.nttpc.ne.jp]

ORI > 考古学にも、医薬品の毒性試験なんかでやられているGLP (Good Laboratory Practice) のようなものが必要ですね。これも、最初から意図してねつ造する人には、無力なのですが。 (2000/11/12(Sun) 13:32:01)[nttoska06113.ppp.infoweb.ne.jp]

早傘 > GLPのご説明を御願いします (2000/11/12(Sun) 15:43:50)[b142135.ppp.asahi-net.or.jp]


[224] びっくりしたなあもう 投稿者:トラ 投稿日:2000/11/11(Sat) 07:57:00 [cs51218.ppp.infoweb.ne.jp]

難波さんの反論を見て驚きました。私も他の方も上高森をはじめとする一連の「発見」を肯定しているわけではありません。私自身は限りなく黒に近い灰色だという心証をもっています。また、石器の自作疑惑自体を否定しているわけでもありません。しかし、藤村氏が「そこに無かったものを埋めた」と「石器を自作した」ということは論理的に関連がないということにお気づきになりませんか。

私は藤村氏が個人的に収集した遺物のなかから適当なものを選んで埋めた可能性が高いと考えています。個人がそのような収集品を所有していることはありえないとお考えのようですが、ご自身が引用した角張氏の論文にもそうした収集家のことがふれられていませんでしたか。

 どうか「出土を捏造した」ということと「自作した」ということを混同しないようにお願いします。


[226] 一罰百戒か? 投稿者:makoto-s 投稿日:2000/11/11(Sat) 14:32:05 [ppp11-078.din.or.jp]

 初めての書き込みになりますがよろしくお願いします。

 「旧石器ねつ造事件」について反響が大きいことや藤村氏の関わった発掘調査に対して疑惑がもたれるのはやむを得ないことではあります。

 しかし、感情的にこのねつ造事件を糾弾してもなんら生産性はないような気がします。

 現在わかっているのは「宮城県・上高森遺跡第6次」と「北海道・総進不動坂遺跡第3次」の調査でそれぞれねつ造が行われたということだけです。

 前期旧石器すべてが疑惑になっていたとしてもすべてがねつ造ときまったわけではありません。現に藤村氏に対して否定的な竹岡氏自身も「藤村氏が関わってない遺跡で確実な前期旧石器があることを確認している」と朝日新聞社の取材に対して答えています。

 「北海道・下美蔓西遺跡」についても50万年前〜10万年前の地層から出土した石器を「50万年前と断定」してしまったことが問題視されているのであって出土した石器そのものが「ねつ造」されたと断定されたわけではありません。

 何が問題なのかをきちんと把握しないと単なる感情論になってしまいます。

 それでは「岩宿遺跡の発見」を認めなかったことと同じことが繰り替えされてしまいます。

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子泣き親父 > でも、年代の検証をしないで古い年代のほうへ持っていこうとする強引さが見え隠れします。1サンプルでも年代測定を行っていればよかったと思うんですが。「道内最古の遺跡で原人の遺跡であることは間違い無い」と、記者発表資料に記載されていたらしいですよ。 (2000/11/12(Sun) 23:50:27)[myzcc-02p65.ppp.odn.ad.jp]

大学生 > たとえば報道発表用の資料で「50-60万年前」と記載したら記事には60万年前と出てしまいます。研究者の間では常に年代の「根拠」を重視しているはずで、今回の下美蔓が未測定で、東北の前期の遺跡との類似から見通しを述べたに過ぎないと捉えられていたはずです。 (2000/11/13(Mon) 03:23:36)[sendai-ppp-210-253-120-250.interq.or.jp]

子泣き親父 > 「50-60万年前」と記載したら記事には60万年前と出てしまうとのことですが、そんな書き方をさせないように説明する必要があったのではないかとも思いますが(これは、記者の資質にもよりますが)。この辺のところを喧しいくらい説明しておかないとまずいとも思います。 (2000/11/13(Mon) 07:55:51)[myzcc-01p58.ppp.odn.ad.jp]


[227] 旧石器とは?_ 投稿者:ゆう 投稿日:2000/11/12(Sun) 03:15:02 [p28-dn03gobou.wakayama.ocn.ne.jp]

はじめまして。
角割さん論文ももちろん知っていましたが。
正直何時新聞ネタになんやろなぁ、って思っていました。
さて、問題は、何故?昨日掘った土がわからなかったんでしょう?
わたしは、少なくも、10年掘ってます。
昨日掘った土かどうかは、解ります。
梶原氏は現場で実際掘って見られたそうですが、土の色が違うと感じただけで、堅さは堅かったと。
中世掘ってても、縄文掘ってても。
昨日掘られた土かどうかはわかります。
例え、作業員さんが、掘りすぎをごまかそうとしても。
何故、梶原さんはわからなかたんでしょう?
そこを聞いて見たいですね。

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ash > 私の周りの人も言ってます。まさかわからなかったとは。 (2000/11/12(Sun) 03:54:47)[tkscc-01p23.ppp.odn.ad.jp]

ORI > もちろん、梶原さんは認めないでしょうが、わかってて利用しただけですよ。 (2000/11/12(Sun) 07:39:30)[nttoska06113.ppp.infoweb.ne.jp]

makoto-s > 掘り出した土を使って、細かく砕き念入りに踏み固めればわからなくなると思います。 (2000/11/12(Sun) 12:14:21)[ppp11-005.din.or.jp]

早傘 > 現場に出ておられるなら実験あるのみでしょう (2000/11/12(Sun) 15:42:19)[b142135.ppp.asahi-net.or.jp]

makoto-s > 旧石器時代のローム層では経験はありませんが、弥生時代以降であれば経験済みです。なお、それは遺構ではないかと判断し、調査を始めた結果、植物の根の痕跡などであったために、埋め戻すなどしたものです。時折、自分で埋めたことも忘れしまって再度掘ってしまうこともあるので埋め戻しする際にはビニールなどその時代にはあり得ないものを入れてから埋めています。 (2000/11/12(Sun) 22:19:11)[ppp11-134.din.or.jp]

北條芳隆 > この件については、ほんとうに疑問です。私も学生の頃から掘り過ぎ箇所を「ポンコツ」と称して埋め直すことを何度もやりましたが、騙すほうが困難なくらい、明瞭にわかってしまいます。細かく砕いたとしても、ベースの状態に限りなく近づけるにはとても1時間程度の所用時間では困難に違いないと思います。半裁したら、たちどころにわかるはずなのですが。 (2000/11/13(Mon) 00:11:01)[tokushima-061.seikyou.ne.jp]

子泣き親父 > これは、現地に行って実際に土を触らないとわからない問題だと思います。現地の土質を知っておられる方はおいでではありませんか? (2000/11/13(Mon) 00:46:44)[myzcc-02p65.ppp.odn.ad.jp]

makoto-s > 新聞記事によれば「上高森遺跡第6次」では「石器埋納遺構」等は半裁せずにほってしまったようです。埋め直しに地山を削った土を使い、水などを使わずに丁寧に少しずつつき固めていけば....区別が付かなくなります。誤解のないように書きますが、これはあくまで掘り過ぎミスのあった部分を埋めるということであって今回問題となっているような「ねつ造」とは違います。念のため。 (2000/11/13(Mon) 00:47:23)[ppp11-162.din.or.jp]

大学生 > 埋納遺構もその他の遺構も半裁しています。新聞に出ていたのは完掘の状態でしょう。 (2000/11/13(Mon) 03:16:25)[sendai-ppp-210-253-120-250.interq.or.jp]

早傘 > 出典は確認の必要がありますが、梶原さんが自分で掘った遺構について、半截せずに掘ってしまったと述べていた記事があったと記憶しています (2000/11/13(Mon) 07:04:09)[b142212.ppp.asahi-net.or.jp]

bambi > 朝日新聞では、11月10日の朝刊のようです。http://www.asahi.com/paper/special/sekki/001110a.html (2000/11/14(Tue) 09:09:19)[cse4-1.nishinomiya.mbn.or.jp]

大学生 > 11月10日朝日新聞読みました。梶原氏の掘った遺構についてはこのとおりと思います。 (2000/11/16(Thu) 02:55:27)[sendai-ppp-210-253-121-143.interq.or.jp]


[228] 訂正と再論 投稿者:難波 投稿日:2000/11/12(Sun) 21:31:19 [konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

まず、「[219]疑惑をまとめます(2)」における文章には、ご指摘のように角張論文の誤読がありました。誤読した箇所は、武蔵野台地のローム層に関する部分です。角張さんは、「本物の旧石器なら地殻運動のために、上下になって出土するのが普通であり、フラットに出土することはまずありえない」という自説を論証するために、関東の例を出されていた。これは私は、「堅い地面のあるところでは藤村氏の石器は上下に出土する」と読み間違ったものであり、ここに慎んでお詫びし、「疑問の第3」の節における、第一パラグラフの最後の「しかし奇妙なことに」以下の3行と、第二パラグラフの「ところが東北と」で始まる行以下の2行を削除します。このHPでの過去の記載は削除できないそうなので、皆様の手元の控えの方を削除していただくか、以上の5行はなかったものとして、今後の議論をお続け下さい。

 そのほかの箇所は、削除や訂正の必要を認めませんし、全体の論旨についてもまったく変更の必要性を認めないことを再度ここに表明します。

 私は難波紘二といい広島大学総合科学部に勤務しています。広大のHPには「研究者総覧」というのが掲載されており、そこに生年月日、地位、学歴、職歴、メールアドレス、研究業績が掲載されています。私はいかなる批判を行う場合にも、一切匿名ではおこないません。また私の意見はあくまで私個人のものであり、所属する組織や団体の意見ではないことをお断りしておきます。また私は、職業的地位や学会に占める権威にもとづいて、自分の意見を押し通そうという意図はまったくありません。私の発言により生じる結果の責任は私個人が負うべきものと考えています。

 私が「考古学の素人」であるという理由で、私の意見を軽んじたり、拒否反応を示す考古学関係者があるようなので、以下に考古学の専門家の意見を掲載します。

まず考古学の泰斗森浩一同志社大学名誉教授の意見。

「発掘した場所から、石器が必ず出ることは、常識では考えられない。発掘された石器が、地層の年代より、かなり新しい形をしているのも変。中には、縄文時代のものとしか思えないものもあった。それに、石器は地層から上下に出てくるものなのに、彼(藤村)が掘ると、まとまって水平に出てきた。それでも、出土した地層を年代測定して、『何十万年前の石器』と発表される」(週刊文春11/16号)

「旧石器の専門家はなぜか東北に多いのだが、そもそも一緒にいた研究者たちもこれまで何をしてきたのかと思う」(週刊新潮11/16号)

つぎは札幌学院大学の佐倉朔教授の意見。(岩石の専門家?)

「石器の年代が正確に特定できるのは、地層が段々と年代的に堆積していて、石器に使用による熱痕がある場合であって、そうした石器が検証されているのは古くてもせいぜい3万年前までぐらいだ」(週刊新潮11/16号)

ついで、この人はどの程度考古学の専門家かわかりませんが、東京都の文化課主任(学芸員)小田静夫氏の意見。

「(秩父の」小鹿坂(遺跡)にしても、あそこで出た石器はみな東北にしかない石なのにそれを秩父原人フィーバーの中で“東北から原人が移動してきた証拠だ”などと言って済ませてしまっていた)(週刊新潮11/16号)

最後は匿名(恐いんですね)のある大学教授。

「小鹿坂遺跡から発見された石器には、頁岩(けつがん)といって、東北地方の日本海側でしか採れない石が含まれている。原人は、言葉を持たなかったことが世界の定説なのに、五十万年前に、原人どうしが頁岩を物流させたとは考えにくい」(週刊文春11/16号)

 裁判では「疑わしきは罰せず」が原則です。しかし学問の世界では、「疑わしきは採用せず」が鉄則です。

従って、藤村氏が関係した発掘のデータはすべて一旦却下して、もしも関係者が復活を望むのであれば、「まがうことなき本物の証拠」をあらためて提出した時点で、学会が検討すればよいことだと思います。

 科学の鉄則に照らすと、東北大学グループが過去20年間くらいに行った発掘調査のうち、「前期・中期旧石器時代」関係の業績は、一旦ほとんどを却下する必要があるだろう、それが「疑惑をまとます」という小論の中で私が主張したポイントです。

 「石器の埋蔵を行った」ということと「石器を偽造した」ということとは、前者の行為に後者が必然的に内包されると言う意味での、論理関係はありません。私が主張しているのは、犯罪者は時間とともに大胆になり、堕落していくというパタンがあり、さらに公表されている事実の中に、「集めた本物の縄文石器を埋蔵しただけ」という主張と矛盾するところがあり、従って「石器自体を捏造した」疑いがあると、主張しているのです。私の文章も、二度三度とよく読んでほしいものです。

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早傘 > ご自身で2度3度読んでいただきたいですね。この発言にすら「地殻変動」なんて言葉が出てきてあきれてしまいます。 (2000/11/12(Sun) 22:30:08)[b142132.ppp.asahi-net.or.jp]

早傘 > 失礼、「地殻変動」ではなく「地殻運動」でしたね。どちらにせよなぜ「地殻」なんて言葉が出てくるのやら。 (2000/11/12(Sun) 22:32:10)[b142132.ppp.asahi-net.or.jp]

岡安光彦 > 佐倉先生は人類学者です。 (2000/11/12(Sun) 23:45:39)[rt.ctktv.ne.jp]

岡安光彦 > 小田静夫さんが、どの程度の考古学の専門家か分からないで発言してるんですか?もう少し基本的なことを学んでから発言された方が建設的な議論ができるとおもうのですが。都合のいいところだけ拾い集めて発言するのは、困ったものですね。 (2000/11/12(Sun) 23:50:48)[rt.ctktv.ne.jp]

子泣き親父 > 週刊誌の記事は見開き2ページとか、せいぜい4ページといった字数の制限がありますので、インタビュー等の引用も、恐ろしく舌足らずなものになりがちです。森浩一先生のインタビューも「・・・石器は地層から上下に出てくるものなのに・・・」の前後がずいぶん欠落しているように思えるのですが。同じ遺跡で複数の層から石器が出土し、ほぼ層理面に対して水平に出土する層と上下が滅茶苦茶に出る(要するに面的に出ない)層とが混在する遺跡もありますが。しかし、上下に動いている層のほうが普通でしょう。いつでも100%水平に出てきたというのなら疑問ですが。 (2000/11/13(Mon) 00:06:13)[myzcc-02p65.ppp.odn.ad.jp]

案内人 > 小田静夫さんには「黒潮圏の考古学」(http://www.ao.jpn.org/kuroshio/index.html)というホームページがあります。そこに有名な-「前期旧石器」時代研究批判-という論文のPDF ファイルが掲載されています。 (2000/11/13(Mon) 00:06:22)[c4-002.actv.ne.jp]

子泣き親父 > 私、文春見てないんですが、これもそうです。「・・・頁岩(けつがん)といって、東北地方の日本海側でしか採れない石が含まれている。・・・」頁岩なんて、日本中どこでもありますよ。地域によって特徴的な、「何とか頁岩」なんてのはあると思うのですが。そういうところを注意して読まないと、とんでもないことになると思います。 (2000/11/13(Mon) 00:15:25)[myzcc-02p65.ppp.odn.ad.jp]

ash > だから現在検討にはいっているのでしょう?各地で一旦藤村氏の成果が続々と留保にまわされているのをニュースで聞いたことないのですか? (2000/11/13(Mon) 00:19:46)[tkscc-02p21.ppp.odn.ad.jp]

ash > 「公表されている事実の中に、「集めた本物の縄文石器を埋蔵しただけ」という主張と矛盾するところがあ」るなんて指摘を難波氏の発言に見た覚えがないのですが?それが根拠なら提示してください。 (2000/11/13(Mon) 00:26:14)[tkscc-02p21.ppp.odn.ad.jp]


[229] 縄文の石器ってそんなに多いのですか 投稿者:うささぎ 投稿日:2000/11/12(Sun) 22:37:27 [global-user.toshima.ne.jp]

 

難波さんの投稿に対する下記の反論に関連して、考古学の専門家ではなく、この道を目指しているわけでもない一素人の立場から質問します。ご説明いただけば幸甚です。

>上高森の石器を実際に手にとって見た竹岡氏が「縄文の石器」と言っているのに、何言ってんの? (中略) 本物の縄文の石器を使っても捏造は捏造です。だいたい、何十点何百点の石器を自作するより採集したのを使った方が楽でしょ?

(1)藤村氏が「自分のコレクションから選んで埋めた」と告白した石器は計100点弱です。石器のコレクターがアマチュア間に数多く存在することは聞いていますが、「選んだ」ということは全体ではもっと沢山所有していたことになりますが、縄文時代の石器ならばこの数でも何ら驚くには値しないものなのでしょうか。

(2)これからは仮定の話になるのですが、素人考えながら藤村氏の関わった他の一連の遺跡から出土した石器に関しても、少なくとも「灰色」の扱いしかできないように思います。これらも合わせると全体では約1000点となるはず(少なくとも500よりは1000に近い)ですが、縄文石器ならば1000点持っていてもおかしくないものなのでしょうか。もちろん最終

もしくは発掘した石器の私物化が許されるのかどうかという法律上の問題もありますが、私が知りたいのはこれほどの数の「本物の」縄文石器の私有が可能性としてあり得たかどうかです。

(3)もしそれがあり得ない、あるいは「常識では考えられない」のであるとすれば、難波さんの推測しておられるように、石器自体が自作のものである可能性が高いと考えざるを得ないのではないのでしょうか。

上高森と総進不動坂以外はシロだと判断されている方はこうした推測自体が許しがたく思われるかもしれませんが、現時点で「灰色」あるいは「クロに近い灰色」と判断されている考古学関係者の方々からご説明いただければ幸いに思います。

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うささぎ > 「最終」は「採集」の誤変換です (2000/11/12(Sun) 22:39:27)[global-user.toshima.ne.jp]

トラ > おそらく東北・北海道で、万のオーダーの剥片石器を所有しているコレクターは、たいへんな数になるんじゃないでしょうか。東北および北海道南部の縄文遺跡には、そのような石器の破片がそれこそ、売るほどひろえますよ。 (2000/11/12(Sun) 23:09:21)[cs51624.ppp.infoweb.ne.jp]

うささぎ > トラさん、有難うございました。議論の前提となるそうした基本的なインフォメーションが欲しかったのです。 (2000/11/12(Sun) 23:13:07)[global-user.toshima.ne.jp]

トラ > 藤村氏がコレクターだったかどうか知りませんが、「調達」することはいくらでもできたと思います。 (2000/11/12(Sun) 23:18:14)[cs51624.ppp.infoweb.ne.jp]

ヤギ > 「発掘した石器の私物化が許されるのかどうかという法律上の問題もありますが、」・・・ この問題に言及すると、民間の考古学愛好家、研究家の活動が萎縮してしまいます。現実的には遺跡の発見は、地元の愛好家による採集が重要な決め手になるのですから。現状では研究者、行政が日本中くまなく分布調査できるわけではありませんから。 (2000/11/12(Sun) 23:36:37)[user098.smn.enjoy.ne.jp]

うささぎ > >ヤギさん、有難うございました。切通しなどの露出した地層断面からの「採集」と、チームを結成して本格的な発掘調査に入ってから後とでは、根本的に事情が異なるのかと、漠然と想像していたのですが・・・・ (2000/11/12(Sun) 23:44:40)[global-user.toshima.ne.jp]

ash > 藤村氏が発見した石器すべてが縄文時代の石器と指摘されているわけではありません。また数が多ければ多いほど自作するのが大変になります。自作するにしろ、原料となる石を集めなければなりません。道端に落ちている石を使うわけにはいかないのです。原料の石をどうせ探すのなら、本物の石器を探し集める方がずっと楽だとは思いませんか?自作だと、原料の石の収集と自作の二度手間になりますが、本物の場合、採集だけで済みます。藤村氏が昨年まで発掘と仕事づとめの二足のわらじをはいていたことを考えれば、自作する時間があったかどうか大いに疑問ですね。 (2000/11/13(Mon) 00:05:04)[tkscc-02p21.ppp.odn.ad.jp]

岡安光彦 > 先日、盛岡に行った際にも、拾おうと思うなら、いくらでも拾えますよ、と言われました。 (2000/11/13(Mon) 00:06:36)[rt.ctktv.ne.jp]

早傘 > 袖原+中島山 および 上高森 の「接合」資料は、僕の印象では、つい最近、石器製作に熟達していない人間が円礫を叩き割ったように見えます (2000/11/13(Mon) 00:12:08)[d238028.ppp.asahi-net.or.jp]

うささぎ > >ashさんにも心から感謝致します。中島山遺跡と袖原3遺跡から出土した3点の石器の接合の件が頭から離れないので、「大半は自作だったのかな」と思いがちだったのですが、納得することができました。あったとしても「一部」にすぎないのですね。 (2000/11/13(Mon) 00:12:34)[global-user.toshima.ne.jp]

早傘 > 僕は石器には詳しくありませんので、上の文の引用はご遠慮ください (2000/11/13(Mon) 00:19:39)[d238028.ppp.asahi-net.or.jp]

うささぎ > 早傘さん、岡安さん貴重なお時間を割いていただき本当に有難うございます。難波さんと考古学関係者諸氏の議論が「過激でしかも不毛」なものになりつつあるのを危惧し、沈静化を目指して口を挟んだだけの素人ですから、これだけのお返事を皆さんからいただけただけで十二分に満足です。 (2000/11/13(Mon) 00:25:40)[global-user.toshima.ne.jp]

大学生 > 早傘さん、中島山と袖原の接合資料は、それなりの剥片剥離技術をもって割られていると考えられます。大きいほうの剥片はスクレイパーとして加工され使用されています。小破片は大きいほうの剥片を剥離した際に節理(転石などによる石材の潜在的な割れ目)によるものです。上高森の接合資料(おそらく玉髄のコアと剥片のことと思いますが)は、石の上などにおいて叩き割ったものと思われます。玉髄は非常に固い石材で、更に出土したものは不純物の筋が通っていて石器製作には適さなかったようです。石材を叩き割る行為は剥片剥離においては最終手段です。叩き割ることで石材に新たな打面が形成され、剥片剥離に新しい糸口となることがあるからです。 (2000/11/13(Mon) 03:06:51)[sendai-ppp-210-253-120-250.interq.or.jp]

うささぎ > 一門外漢の質問がきっかけでこのような、多くの人が関心を向けている問題に向けての建設的な議論への方向転換ができるならば私の喜び、これに過ぎるものはありません。 (2000/11/13(Mon) 03:32:35)[global-user.toshima.ne.jp]

早傘 > 大学生さん 中島山例が剥片剥離技術を持って割られていること了解です。上高森例は現物を見たことがあります。 (2000/11/13(Mon) 06:56:53)[b142212.ppp.asahi-net.or.jp]


[230] 匿名ですが 投稿者:トラ 投稿日:2000/11/12(Sun) 23:02:29 [cs51624.ppp.infoweb.ne.jp]

難波さんの反論を私なりに整理すると

  1.実名での発言に対して匿名で反論・批判するのはアンフェアである。

  2.「学問的権威」に寄りかかって批判するのもアンフェアである。

  3.自分への批判は、自分が「考古学の素人」であるからだろうが、これもアンフェアだ。

  4.藤村氏が関与した発掘調査については、検証が終わるまで、「却下」せよ。

  5.石器の出土を「捏造」する輩は石器の「偽作」もしかねない。ということになるのかと思います。

  1について:匿名に対する批判は、甘んじて受けますが、匿名については様々な事情があるのでお許し願いたいと思います。ただ、このような場での発言を実名に限ればこうした掲示板は成り立たないのではないかとも思います。

 

  2・3について:少なくとも私は、難波さんが考古学の素人であることとそれに起因する論文引用・解釈の誤りを批判したつもりはありません。そのような事を問題にするとこの掲示板が「専門家」だけのものになってしまうと考えたからです。ですからあくまでも論理があいまいだという主旨で発言してきたつもりです。

  4について:結論からいうと私も同意見です。また、おそらくそうなるでしょう。

  5について:繰り返しになりますが、私は石器偽造疑惑を否定していません。むしろもっともなこと」としています。今後調査されるべきでしょう。

 前回の書き込みで、わたしの事件に対する立場について「限りなく黒に近い灰色」と表明しました。難波さんが、自分を批判するものは、「捏造自体を認めず藤村擁護をしている」と誤解されているのではないかと思ったからです。

 難波さんは、[210]率直な感想で、自分の発言が「事件の徹底究明と再発防止につながれば」とされていました。現在のやりとりは、難波さんが望む「事件の徹底究明と再発防止」を業界人に促すという方向には向かっていないようで、残念です。


[231] 専門家の意見 投稿者:難波 投稿日:2000/11/12(Sun) 23:06:09 [konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

出張中の新聞に載っていた専門家の意見を紹介します。(共同通信社配信)

小田静夫(東京都教育庁文化課、主任学芸員):「藤森氏の行為は発掘捏造というより遺跡自体の捏造というべきだ。多くの遺跡が実は幻だったという可能性も否定できない」

白石太一(国立歴史民俗博物館副館長):「「藤森氏がかかわった遺跡には(教科書では)言及できない。『日本の旧石器で見つかっているのは三万年より新しいものがほとんどだ』という表現に変更し、日本史の針を五十万年以上巻き戻すべきだ」

吉村作治(早稲田大学教授、エジプト考古学):「『日本の考古学はそんなにひどいのか』と海外の研究者から間違いなく言われる」

小田氏の意見は、基本的に角張論文と同じ主張のように思えます。

白石氏は「疑わしきは採用せず」という学問の基本を主張しています。

それと週刊新潮11/16号は、毎日のスクープの内幕を報じていて、藤村に関する「(確度の高い情報」が今年の5月に毎日新聞東京本社編集局に寄せられ、その結果、本社が「旧石器遺跡取材班」を編成した。このチームの目的は、「取材」と見せかけて、藤村の行動を徹底的に追及し、捏造に関する「決定的証拠」をつかむことだった。

このために関係支局から敏腕記者が選抜され、特別取材班に組み込まれた。そこで藤村がどこの遺跡にでかけても、いつでも監視できる体制が作られていた。このうち北海道の総進不動坂遺跡では北海道本社報道部の記者により写真撮影に成功し、上高森遺跡では仙台支局の記者によりビデオ撮影に成功し、捏造のはっきりとした証拠をえることができた。

10月22日の段階で、捏造ははっきりしたが、10月27日にこの捏造品を「70万年前のもの」と発表するのを確認し、11月4日に藤村に対する独自インタビューを行い、ビデオを見せて、本人の自白をまって、よく11月5日に全国に報道した、ということです。

裁判でないから証拠のない箇所について、藤村を「有罪」にはできない。しかし「データそのもの」は彼がかかわった全国186箇所の遺跡のデータは、全部無効です。科学では「疑わしきは採用しない」という鉄則がある、というのはそういうことです。

関係者諸子よ、「全部が黒と証明されたわけではない」などと弁明するのは、いまさら未練がましい。日本の考古学が科学の一員にとどまろうと望むのなら、きっぱりと疑惑のあるデータを捨てなさい。それが名誉回復の第一歩です。

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うささぎ > お願いですどうかご正確に。藤森ではなく藤村です。 (2000/11/12(Sun) 23:19:02)[global-user.toshima.ne.jp]

neo > 白石太一ではなく太一郎だとおもいますが。 (2000/11/12(Sun) 23:48:37)[d2fc2a-053.tiki.ne.jp]

岡安光彦 > 難波さんは理系の人のようですが(間違っていたらごめんなさい)。理工系の世界では、引用や用語など、もう少し正確さが求められませんか。人の名誉回復の前に、ちょっと杜撰すぎるように思えるのですが。そんなレベルで通用する世界ってありますか? (2000/11/12(Sun) 23:58:26)[rt.ctktv.ne.jp]

neo > リンクたどって角張さんの論文を紹介して「私もそう思う」って言うくらいなら誰にだってできるよなぁ・・・。正確な知識と理解もなく新聞記事等からの拾い読みを羅列するだけの発言を読んでも、いくら専門外とはいえ少なくとも学者さんの発言とは思えないくらい稚拙な印象を受けてしまう。推測と憶測は違います。それではただの野次馬です。 (2000/11/13(Mon) 01:04:09)[d2fc2a-053.tiki.ne.jp]

大学生 > 「きっぱりと疑惑のあるデータを捨て」ることが今必要なことでしょうか。真実までも捨てられることになならにでしょうか。考古学を知らない人(謙虚さも、知ろうとする態度も見えないと言う意味で)の発言にはいい加減うんざりします。いつ誰が「名誉回復」なんてつまらない言葉を口にしましたか? (2000/11/13(Mon) 02:47:53)[sendai-ppp-210-253-121-73.interq.or.jp]

うささぎ > 余計なことですが私も全くの素人なので無責任な野次馬にはなりたくないと思い、良く書けていそうだと思った中村浩『考古学で何がわかるか』と田村晃一/合田芳正『考古学探訪の基礎用語』を買ってきてにわか勉強をしているところですが、どちらも非常にためになります。話は飛びますが、難波さんの「捏造をする者の大半は常習犯であって<魔が差した>ということはまずない」という以前のご発言は、私の専攻分野でもまさにその通りですので、おそらく正しいだろうと思っています(論文の盗作に<魔が差した>結果であるのが多いのと好対照です)。しかしいかんせん今の段階で決め付けてしまうのはいかにも拙速です。論理の飛躍が大きすぎるのです。個別的な事例から全体を断罪するようなご発言が繰り返されれば、「正義の直言」であっても誰からも相手にされなくなってしまうようになるのは避けられません。 (2000/11/13(Mon) 03:10:23)[global-user.toshima.ne.jp]


[232] 最近の書き込みを読んで 投稿者:さかいひろこ 投稿日:2000/11/13(Mon) 00:09:27 [p84bd9e.tokyjkp3.ap.so-net.ne.jp]

考古学のイラストをかいたりしている、まんが描きです。

最近の書き込みを読みながら考えたことをいくつか投稿しようと思います。

難波さんが書いている、石器の上下について思ったことですが、じつは13年くらい前、私は茨城県ひたちなか市武田遺跡群の発掘調査の作業員でした。そのとき旧石器(後期)も見つかっていたので、どんな方法で調査されているか、また遺物がどんなふうに見つかってくるかなんとなくわかります。

その現場では、平安時代や古墳時代の住居跡を掘っている時にその覆土の中に旧石器遺物が含まれる時、住居跡の調査が終わってからさらにロームを掘り込んで旧石器の調査をしていました。

関東ローム層は上がソフトローム、下がハードロームとよばれていたと思いますが、角張さんの書いているように、直に手で移植ごてなどで削っていくと「けんしょう炎」になってしまうくらい「堅い」地層でした。

その層をジョレンという道具でかんなをかけるように平らに剥いでいくと、カチッという音がして遺物がみつかります。その位置から遺物が動かないように竹串で目印をたてて(遺物はそこに置いたまま)周りをまたけずっていきます。そうして、その調査区から何十点、何百点かの石器や石器をつくったときのかけらがみつかったのですが、出てくる高さはバラバラです。でも、出てくる地点は平面的にある程度まとまっているし、いくつかの石器は接合できるので同じ時にちらばった破片だということがわかります。

たぶん大昔、そこでヒトが石器を作った時は平らな地面だったのに、わたしたちが石器の破片を発見するときは上下バラバラになってみつかる。

この、 同じ面にあったはずの遺物が上下から見つかるという後期旧石器ではふつうにみられる現象をインボリューションというみたいです(角張さんの文によると)。

で、これは地殻運動ではなくって「石器の上下運動は、どうやら地層堆積後にも起こる様々な地質現象の結果であるようだ。長年の間土に埋もれたモノは、埋もれている間に、埋まった状態とは違う位置にきてしまう」ということのようです。

そういうことがあるので上高森などで同じ穴の底から仲良く並んでみつかるのは、たしかに何か変に思えます。

で、後期旧石器の場合と前期や中期の場合は、出方が違うってことなのかなあ。そのうち友人の旧石器研究者に聞いてみようと思っていたのでした。

もしかすると そういう風にみつかったという事実を前に

どうしてそういう状態で見つかるのか、不思議な現象だ…とはとらえていてもまさかねつ造とは考えられなかったということなのかもしれません。

また ゆうさんの言うように、私もふつう掘り返した土ってすぐわかると思います。ただ、光坊さんが「2万年前のクギ」で書いている、大学生が真顔で ロームに光坊さんがいたずらで埋めたクギを掘り出して「大発見だ!」とやったとすると、ロームは粘性が強いからすぐに固くしまったりして分かりずらいのかなあ…と思ってしまいます。

難波さんが述べられている「藤村氏が押圧剥離で自作した石器を埋めた可能性」ですが、これも想像ですが、いろいろな記事を読んでみると、たぶん藤村氏はかなり「石器を見つける」のが上手かった人なのではないか…と思うのです。

ロームの露頭をそれこそ何十回、何百回と通っているのではないかと思います。それは、ただ石器を見つけるのが好きだから…。(あくまで想像です)。

考古学者は、子どもの頃考古学少年だったひとが多いので、石鏃とか土器の破片とか段ボールに何箱もコレクションしている人がいます。

それは露頭などをくまなく歩き回り、畑などに落ちているものを拾ってくるのです。

石鏃の数だと千個くらいざらに集めている人がたくさんいると思います。

そういう風にただただ石器が好きで、縄文時代の石器、また前期旧石器の石器を何百も持っていたとしてもあまり不思議ではないと思うのです。

もちろん自作したかどうかは調べてみないとわからないことです。

その可能性がまったくないわけではないと思います。、

私はなんとなく彼は「つくる」より「見つける」ことが好きなんじゃないかなと感じました。

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makoto-s > 考古学遺物の贋作は多く、それに対する判別は、注意をしている研究者は多いと思いますが、遺跡そのものをねつ造されるというのは極めてまれであり、まして複数の人間がかかわる発掘調査でねつ造が行われるというのは考えにかったわけです。それとても言い訳にしか過ぎないのかもしれませんが.... (2000/11/14(Tue) 01:34:38)[ppp11-050.din.or.jp]

さかいひろこ > makoto-sさん、どうもありがとうございます。わたしも「ねつ造してなんの意味があるのか」という鎌田さんの言葉のように、こんなことがおこるとは…というのが正直な感想です。 (2000/11/14(Tue) 19:24:28)[p84bdb9.tokyjkp3.ap.so-net.ne.jp]


[233] お礼 投稿者:難波 投稿日:2000/11/13(Mon) 10:16:38 [konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

案内人さん、小田静夫さんの人類学雑誌94-3, pp325-361,1996の情報ありがとうございました。pdfファイルをダウンロードしました。

面白いことに共著者のキーリー氏が書いたと思われる英文抄録は、日本語の本文と文体が全然違い、鎌田、岡村の研究は、"flawed data"であり、その研究態度は"unethical"であると明言しています。

これは欧米の常識から言うと、東北大学グループの研究は「ねつ造であり、科学者として許し難い」と公言したということです。

つまり本来は、1996年に今日の事態が生じていなければならなかった。

これに対して、彼らは何と反論したのでしょうか。あるいは考古学会はどういう対応をしたのでしょうか?

ご教示いただけますか。

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うささぎ > そもそもこの小田さんたちの論文が分野違いの『人類学雑誌』に掲載されたのは、どの考古学専門誌にも載せてもらえなかったからだと聞いており、当然強い圧力がかかったものと推察しております。しかし噂だけではこころもとない。より正確な事情をご存知の方がいらしたら、私もぜひご説明いただきたく存じます。なぜこの段階で援護射撃が起こらなかったかについても。 (2000/11/13(Mon) 11:02:28)[global-user.toshima.ne.jp]

トンビ > Furthermore, sensationalizing these very controversial finds in the press is unethical. というのは、 (2000/11/13(Mon) 11:38:55)[canal.wslab.ntt.co.jp]

トンビ > 「したがって,このように不確実要素を多く持つ宮城県の「前期旧石器」問題を,真剣に議論することなく,あたかも真実であるかのように宣伝,報道する行為は研究者として厳に慎むべき態度と考え,」に対応する英語なので、あまりニュアンスに差はないと思います。 (2000/11/13(Mon) 11:41:40)[canal.wslab.ntt.co.jp]

トンビ > 本筋から外れた反論を招かないためにも、正確にお願いします。 (2000/11/13(Mon) 11:42:43)[canal.wslab.ntt.co.jp]

難波 > この英文は、「さらにこれらきわめて争論にとむ所見を新聞に扇情的に発表するのは、不道徳である」と訳します。この学部には英語のネイティブスピーカーが沢山いますから、何なら英文の評価を求めてもよいです。 (2000/11/13(Mon) 12:45:03)[konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

難波 > 「所見」(findings)ではなく、「発掘物」(finds)でした。訂正します。 (2000/11/13(Mon) 13:01:12)[konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

ORI > 論文発表は1996年ではなくて1986年です。難波先生の揚げ足とりではありませんので悪しからず。 (2000/11/13(Mon) 13:46:05)[nttoska02037.ppp.infoweb.ne.jp]

難波 > えー、1986年。ホントだ、まさか14年も疑惑を放置していたなんて。考古学会はどうなってるの! (2000/11/13(Mon) 13:54:32)[konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

ORI > どうして、こんなスロッピーで疑惑の多い研究に税金である科研費が採択されたのか、ちょっと理解に苦しみます。考古学協会推薦の人が科研費採択の可否にかかわってるんでしょ?。 (2000/11/13(Mon) 14:38:20)[nttoska02037.ppp.infoweb.ne.jp]

うささぎ > 英文アブストラクトでも日本語抄録でも「縄文時代の遺物と考えられる資料が旧石器時代品として公表され(てい)る」ことへの批判がなされ、さらに日本語抄録においては石器の水平の出土状況に対する疑問も呈されていますが、石器もしくは遺跡自体の「捏造」は示唆もされていません。行間を読んでも辛うじてという程度です。難波さんの揚げ足を取るつもりではないのですが、細部が少しでも不正確だと後の議論に差し障る可能性が高いので敢えて指摘させていただきます。 (2000/11/13(Mon) 15:05:26)[global-user.toshima.ne.jp]

うささぎ > 難波さんが、小田さんたちが公言したとしているのは石器や遺跡ではなく「研究の捏造」でしたね。失礼しました。訂正致します。 (2000/11/13(Mon) 15:21:43)[global-user.toshima.ne.jp]

難波 > いや、訂正の必要はありません。"flawed data"とは「欠陥だらけのデータ」という意味で、"fraud"(虚偽、詐欺)に比べ、少し程度が軽いです。私の言い過ぎでした。 (2000/11/13(Mon) 16:11:51)[konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

ORI > 難波先生、私も最初はびっくりしたんです。fraud と flawed を勘違いするとこでした。日本人は、rとlの発音に鈍感なものですから、1986年段階で fraud だったらえらいことですよ。今回の毎日のビデオ証拠で fraud が証明されたのだと思います。 (2000/11/13(Mon) 17:33:27)[nttoska02037.ppp.infoweb.ne.jp]

ash > あいかわらず、引用がなっていませんね。"flawed data"なんて言葉、"Abstract"中にないんだけど?(苦笑) "unethical"も研究態度ではなく、"sensationalizing these very controversial finds in the press"についてのみ使われているんだけど? (2000/11/14(Tue) 01:25:34)[tkscc-01p36.ppp.odn.ad.jp]

makoto-s > 「前期旧石器」に関して言えば「発見当初」から「疑い」はありました。しかし、当初は出土した物が「石器」ではなく自然に割れた「偽石器」、出土地点は川等により流されて堆積した物、というのが小田氏の主張であり、近年の竹岡氏・角張氏の批判は、藤村氏による「作為」です。「小田氏」と「竹岡氏・角張氏」の主張は「宮城県の多くの旧石器遺跡」を否定する点では同じであってもその主張は大きく違うようです(小田氏論文の要約、角張氏の批判文は読みましたが竹岡氏の論文は読んでいないので、断定は避けます) (2000/11/14(Tue) 01:27:24)[ppp11-050.din.or.jp]

ash > 小田氏らの論文がなぜ考古学系の雑誌に載らなかったのかは、知りません。私の記憶が確かならば、論文集や研究会の会誌を除いて、例えば『考古学雑誌』や (2000/11/14(Tue) 01:30:05)[tkscc-01p36.ppp.odn.ad.jp]

ash > 『考古学研究』などで本文が英文の論文を見た覚えがありません。 (2000/11/14(Tue) 01:32:05)[tkscc-01p36.ppp.odn.ad.jp]

早傘 > 人類学雑誌へ掲載するために英訳したと考えるのが素直ではないでしょうか。 (2000/11/14(Tue) 05:40:47)[d238072.ppp.asahi-net.or.jp]


[234] 質問:上高森遺跡本年度出土の石器数 投稿者:bambi 投稿日:2000/11/13(Mon) 14:29:04 [cse4-23.nishinomiya.mbn.or.jp]

新聞、インターネットに情報を頼らざるを得ない一般人です。

11月5日の毎日新聞では、藤村氏は「今年の調査で出土した

石器埋納遺構6カ所と最下層の仮E層から出土した石器9点のうち6点、

それと37層上面から出た石器22点のうち21点を埋めた。」と

言われていた。その時点で、本年、上高森遺跡で発見された石器の

総数が、分からなかったのですが、

11月6日の毎日新聞で、 石器埋納遺構6カ所にあった石器35点すべてと

埋納遺構外で発見された30点中26点、計61点が工作されたのがわかったと

書かれていました。つまりこの時点で出土石器の総数は65点と判断しました。

しかるに、11月11日(土)の日経夕刊に

11月10日のまでに、改めて数えなおしたら出土ねつ造石器は

65点になった。「単純な数え間違いが原因」との梶原洋(東北旧石器

文化研究所理事・東北福祉大教授)氏の談が載っていました。

本年、上高森遺跡から出土した石器数は何点ですか?

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さかいひろこ > 毎日新聞の報道では(Yahooに載っている)、調査期間中出土した石器は69点だそうです。 (2000/11/13(Mon) 16:12:55)[p84bdbd.tokyjkp3.ap.so-net.ne.jp]

さかいひろこ > http://news.yahoo.co.jp/Full_Coverage/Archaeology/の 11日付け毎日で「第6次発掘調査は10月20日から11日間行われた。今月5日に県庁で行った会見で同研究所は、石器65点が出土し、うち61点の発掘がねつ造だったと発表していた。しかし、10日になって数え直したところ、石器は全部で69点あり、うち65点の発掘がねつ造と分かったという。 ] (2000/11/13(Mon) 16:15:41)[p84bdbd.tokyjkp3.ap.so-net.ne.jp]

bambi > さかいさん、ありがとうございました。毎日新聞のサイトばかり見て、Yahooの方は見ていませんでした。単純な数え間違いって、梶原、藤村、鎌田3氏も気づかなかったのでしょうか、学生だっているはずですし…。出土物の管理がいいかげんなのでしょうか?でも、ねつ造されていないとされる石器が4点あって、良かったです。 (2000/11/13(Mon) 17:09:55)[cse6-36.nishinomiya.mbn.or.jp]

うささぎ > ただし捏造以外の4点が本当に人間の手で作られた「石器」なのか、単に自然に割れただけの石の断片なのかがこれから問題になってくるはずです。現にそのような趣旨の専門家の発言をすでにどこかで目にしました。 (2000/11/13(Mon) 17:22:44)[global-user.toshima.ne.jp]

難波 > 岡村道雄「日本旧石器時代史」(雄山閣、1999,p61)によると宮城県の前期旧石器(原人が使ったもの)は、約800点だそうです。もちろんこれには今年のものは一切含まれておりません。 (2000/11/13(Mon) 17:35:39)[konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]


[235] メールアドの訂正 投稿者:難波 投稿日:2000/11/13(Mon) 17:27:08 [konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

私のメールアドレスはkonanba@hiroshima-u.ac.jpです。上のものは訂正不能なのでそのままになっていますが、abの間にnが抜け落ちています。

広島大学では、教職員も学生もメールアドレスをもっていて、大学と自宅からアクセスを認められています。また使途の限定はありません。どうぞ「公私混同」と思わないで下さい。

ついでに森内閣の「IT革命」構想は、この大学が含まれる地域を地盤とする中川前官房長官が学長の進言を受けて、「サメの脳味噌」しかない首相に吹き込んだものだ、と言われていまして、本学は国からずいぶん特別予算をもらっているようです。


[236] 教えて下さい 投稿者:難波 投稿日:2000/11/13(Mon) 18:00:55 [konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

藤村新一、鎌田俊昭、梶原洋、横山裕平:上高森遺跡第4次調査についてー世界最古の石器埋納遺構・日本最古の石器群. 考古学ジャーナル、No.440: 22-24, 1999という論文(というか短報)を、文学部考古学教室に行ってコピーしてきました。

大変な論文です。

「上高森遺跡の第4次調査により再び日本最古が更新された。前・中期としてはきわめて珍しい石器製作の痕跡が最下層の石器群で発見され、原人の石材利用と石器供給、剥片剥離活動、移動の頻度などに新たな視点をもたらすことになった。4カ所の石器埋納遺構が発見されたことになる。原人段階でのこのような遺構は世界ではじめてだが、原人の行為の多様性や抽象的なものを具現化する能力、言語能力などに関する重要なデータとして今後世界的に注目されるであろう。etc, etc.」

 これが本当なら、Natureの特集号が出ます。ところでこんな重大な発見を彼らはどうして英文にして、NatureやScienceに投稿しなかったのでしょうか?英語は他人に書いてもらえばよい。そういう商売すらあります。

 ほんとに不思議です。どなたか考古学関係者の方、説明してくれませんか?

 「新聞記者が嘘を書いた」という説明はもう通りませんね。簡単なものでも文章になって残っているのだから。

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ash > 誰が「「新聞記者が嘘を書いた」という説明」しているのですか?出典を明記してください。 (2000/11/14(Tue) 01:37:01)[tkscc-01p36.ppp.odn.ad.jp]

大学生 > 確かNatureに上高森遺跡が紹介されたことがあったはずです(詳しくは知りませんのではっきりとは言えません)。ともかく梶原氏は語学に堪能で世界各地の研究者と面識があります。1999年秋には国際シンポジウムを開催して研究成果を世界に向けて公開しています。 (2000/11/16(Thu) 02:40:06)[sendai-ppp-210-253-121-143.interq.or.jp]


[237] 小田・キーリー論文抄録 投稿者:難波 投稿日:2000/11/13(Mon) 18:52:42 [konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

学会の和文誌、英文誌のレフェリーをつとめている経験から、同じ著者のものでも和文誌では歯切れが悪く、英文誌では簡潔に論理的に述べられる傾向があるのを知っています。

 そこで上記論文の英語抄録とその和文翻訳(私訳)を掲載します。語調の鋭さをみて下さい。

LETTER TO THE EDITOR: A Critical Look at the Palaeolithic and "Lower Palaeolithic" Research in Miyagi Prefecture, Japan

Shizuo ODA and Charles T. KEALLY

Abstract: After talking to the principal investigators, OKAMURA and KAMATA, and a thorough study of the relevant publications and the lithics themselves, we have concluded that no proven artifacts of human origin predating 30,000 B. P. exist in Miyagi prefecture. The claims of OKAMURA, KAMATA. and some other Miyagi archaeologists that they have discovered a "Lower Palaeolithic" there are based on flawed research and are dubious claims. The artifactual database for the Miyagi Palaeolithic is extremely small and much of it has been picked out of road and field cuttings. Several obviously Jomon artifacts are being called Palaeolithic, the oldest lithics are probably not artifacts, and the dates being assigned to the geological strata by the archaeologists disagree with the actual age measurements published by the dating specialists. Furthermore, sensationalizing these very controversial finds in the press is unethical.

宮城県の旧石器及び「前期旧石器」時代研究に対する批判

小田静夫、チャールズ・T・キーリー

(「人類学雑誌94-3」1986, pp.325-361)

(抄録)主任研究者である岡村及び鎌田との会談及び関連した出版物と石器それ自体について完全な調査を行った結果、我々は宮城県においては3万年以上前にさかのぼる人類に起因することが証明された人工産物が存在するという証拠はない、という結論がえられた。「前期旧石器時代」を発見したという、岡村と鎌田ならびに他の何人かの宮城県の考古学者の主張は、欠陥だらけの研究に依拠したものであり、いかがわしい主張である。宮城県の旧石器時代の人工産物のデータベースは極端に少なく、その多くは路上であるいは野原を掘削した際に、拾われたものである。明らかに縄文時代の人工産物のいくつかが、旧石器時代のものとされており、もっとも古い石器は恐らく人工産物ではなく、これらの考古学者たちが地層にあてはめている年代は、地質年代学の専門家が公刊している実測による年代測定値と一致していない。さらにこれらきわめて争論にとむ発掘物を新聞に扇情的に発表するのは、不道徳である。

 コメントは控えます。

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うささぎ > [路上であるいは野原を掘削した際に、拾われたものである。 (2000/11/13(Mon) 21:40:35)[global-user.toshima.ne.jp]

うささぎ > 「路上であるいは野原を掘削した際に、拾われたものである」と難波さんが訳した部分(picked out of road and field cuttings)の本当の意味は同論文の日本語抄録にあるとおり「「丘陵、道路、畑などの地層断面からの採取品であり」ではないでしょうか。つまり「発掘調査」の結果多少ともまとまった形で出土したものではなく「たまたま」採集されただけにすぎない点に注目を向けているわけです。cuttingという英語のこの意味の用法は「主に英」と辞典には記されているのをみると、キーリ氏はイギリス、カナダもしくはオーストラリアの研究者かもしれません。それと考古学では「人工産物」という言い方はせず「人口品」という熟語をartifactに対応させるようです。 (2000/11/13(Mon) 21:47:51)[global-user.toshima.ne.jp]

うささぎ > 人口品は人工品の誤変換です。悪しからず。 (2000/11/13(Mon) 21:50:16)[global-user.toshima.ne.jp]

難波 > うささぎさ訂正はご指摘ありがとうございました。"cuttings"は文脈から考えると「切り通し」のことですね。訂正します。「考古学特有の用語」については、学生に「日本では分野ごとに英語の訳語が異なる。例えばconstantが化学では、常数となり、数学では定数となり、場合に (2000/11/13(Mon) 22:52:06)[konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

難波 > よっては率となる(円周率circular constant)。こんなアホなことに脳細胞を使うのはやめて、英語で憶えなさい」と言っていますので、悪しからず。 (2000/11/13(Mon) 22:55:56)[konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

岡安光彦 > artifactはふつう遺物と訳します。 (2000/11/13(Mon) 23:15:58)[rt.ctktv.ne.jp]

岡安光彦 > ただし、人が手を加えたということに留意する場合、人工遺物という、あまり語感のよくない言葉を当てる場合もあります。 (2000/11/13(Mon) 23:20:26)[rt.ctktv.ne.jp]


[238] 脂肪酸測定と年輪年代学 投稿者:難波 投稿日:2000/11/13(Mon) 20:30:16 [konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

京大系の考古学者、佐原真と田中琢の共著「考古学の散歩道」(岩波新書、1993)を読んでいたらこの二つは、1979年にドイツにいた佐原真が日本に手紙で知らせ、田中琢が脂肪酸分析の方は最初にはじめたそうですね。年輪年代学は光谷という人が受け持った。

意外に日本導入が遅かったのですね。1974年に米国各地の博物館や遺跡を見て回りましたが、年輪年代法でほとんどの遺跡で正確なdatingが行われていた。

で、ナウマン象については、こう語っている。

佐原:1986年には宮城県の馬場檀A遺跡の石器からナウマン象の脂肪酸がみつかったし、弥生人の墓からでた剣先が埋葬したのではなく、体に突き刺さっていたいたのだということがわかった。

田中:いまでている結果がすべて正しいかどうか、いくつかの問題点ものこっているけれども、方法としてきわめて有効であることは否定できんと思う。

1980年頃にはじめて、7年後に旧石器時代のナウマン象の脂肪酸が同定できるというのは私にはちょっと信じられない。他の国で旧石器から絶滅動物の脂肪酸を検出したという報告はあるのでしょうか?

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難波 > 田中さんは、こうも言っています。「学問は20代からせいぜい30代である、それからあとは、ごまかし方がうまくなるだけだ」だからこのひとは考古学をやめたんでしょうね。 (2000/11/13(Mon) 20:42:48)[konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

岡安光彦 > 憶説の好きな人ですね。田中琢の何を御存知ですか。 (2000/11/13(Mon) 23:22:05)[rt.ctktv.ne.jp]

> お邪魔いたします。藤村氏は、ポリ袋に入れた石器を素手でつまんで埋めていましたが、「脂肪酸分析」で石油成分や手の脂を抽出することはできないんですかね?「ナウマン象」のときは、こうした混乱を避けるため、石器を土ごと掘り出して研究施設に送ったそうです。素人考えですが、捏造の有無はまさに現在の問題であるだけに、何らかの識別手段があってよさそうなものだと思うのですが。 (2000/11/14(Tue) 02:14:18)[otip-64.biwa.ne.jp]

makoto-s > 拓さんへ 出土した直後ならともかく取り上げる時やその後の調査で人の手に触れまくっているはずですから難しいでしょう。割れ口の風化の度合いが科学的に検査できれば識別できる可能性が出てくるとは思いますが。 (2000/11/14(Tue) 02:23:10)[ppp11-218.din.or.jp]


[241] なぜですか? 投稿者:fay 投稿日:2000/11/14(Tue) 00:41:06 [morcd-01p81.ppp.odn.ad.jp]

難波さんという方は次々といろいろな新聞・雑誌記事、論文などを読み、その都度いろいろなご意見を述べられているようですが、その都度何かしら間違いや思い違いをしておられるように見えます。

次々と情報を入手されるのは結構なのですが、熟考されてからご意見されたほうがよいのではないでしょうか。「的はずれな批判をする人がある」と言う前に、あなたのお話に的はずれなところがあることを知るべきです。だからみなさんからの批判がたえないのだと思います。「文学部の考古学の出身」だとなにか問題でもあるのでしょうか。なにか一方的にしか考えられていないように思えてしまうのですが。

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人類学学生 > 1目でケアレミスとわかる間違いを指摘して、他人の意見の揚げ足を取ることより、少数意見を無視して排除してきた挙句に捏造だった考古学学会の体質を問題にしてください。 (2000/11/14(Tue) 00:56:40)[omiya-ppp-210-253-104-194.interq.or.jp]

人類学学生 > 私は未だ趣味程度の知識量ですが、反論を締め出した挙句の結果として信頼度を失うのは当然の結果と考えます。反論が出ることが健全な証と思ってます。 (2000/11/14(Tue) 01:11:11)[omiya-ppp-210-253-104-194.interq.or.jp]

fay > 揚げ足取りのつもりはさらさらありません。ケアレスミスを云々言っているわけでもありません。書き手の本質を捉えて批判されているように思えないのはわたしだけでしょうか。 (2000/11/14(Tue) 01:15:10)[morcd-01p95.ppp.odn.ad.jp]

makoto-s > 「論理的な批判・反論」ならば真摯に受け止めるべきでしょう。しかし、難波氏の「反論」には「憶測」や「感情」に基づく部分が見られるために反発を招いているのだと思います。 (2000/11/14(Tue) 01:19:50)[ppp11-050.din.or.jp]

うささぎ > 人類学学生さんの焦燥感もしくは絶望感は、私にもある程度理解できるような気がしています。下美蔓西遺跡の年代推定の杜撰さが報道された時には自分も驚き呆れましたから。しかし「学会(協会)」の体質自体を問題にしろと言われても、この掲示板への投稿者の多くは考古学関係者ではあっても「大御所」や「権威」ではないはずですから、どう良心的に対応しようとしても答えようがない場合が多いのではないかと推測しています。「一体どうなっているんだ、説明してもらおう」ということならば文化庁か文部省に正式に書面で質問を出すのが筋ではないかと素人なりに考えております。 (2000/11/14(Tue) 01:29:47)[global-user.toshima.ne.jp]

人類学学生 > 難波さんの基本姿勢に賛同しているだけです。fayさんへの反論でもありません。せめてここだけはまともであって欲しいと考えただけです。 (2000/11/14(Tue) 01:40:46)[omiya-ppp-210-253-104-194.interq.or.jp]

ash > 難波氏の言説は「反論」になっているのですか?今回の騒動にかこつけて憶測や間違いにもとづいて誹謗中傷しているようにしか見えないんですが? (2000/11/14(Tue) 01:50:14)[tkscc-01p36.ppp.odn.ad.jp]

うささぎ > これまでの一連の投稿でのご発言を検索してみてash さんが非常に高いレベルの研究者であることが改めてわかりました。ただ難波さんに対する対応の際だけ「売り言葉に買い言葉」という止むに止まれぬ事情があるにしても、言葉遣いや態度が急変してしまうのが残念に思います。もし難波さんの議論の荒さやそれを支えている文献の誤読の多さがその原因だとすれば、しばらく静観してみるという選択肢もあるのではないでしょうか。誤読と憶測の飛躍に関する批判はashさんが自分でも不愉快な思いをしつつ敢えてなさらなくても、他の信頼できる考古学徒の方が必ず対処してくれるはずですから。 (2000/11/14(Tue) 02:11:09)[global-user.toshima.ne.jp]

人類学学生 > ashさんへ、そこまで悪意があると考えたくありません。fayさんへ、謝罪致します。返信ではなく通常の書き込みにするべきでした。 (2000/11/14(Tue) 02:31:24)[omiya-ppp-210-253-104-194.interq.or.jp]


[242] 毎日新聞 投稿者:難波 投稿日:2000/11/14(Tue) 09:14:31 [konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

事件発覚から10日目とあって今朝の毎日は、特集記事を2面全部を使って組んでいますね。これは買う価値があります。私は事件発生から毎日を追加購読しています。世界的大事件なので、経過をきちんと見守りたいと思っています。他紙は朝日、読売はだめ、日経が少しまともか。朝日は記者の捏造事件はつぎつぎ起こるし、「サイアス」は廃刊を決めるし、完全にダメ新聞になりましたね。読売はナベツネの独裁だし。毎日に頑張ってもらいたい。

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makoto-s > 質問  「アメリカで見た年輪年代」と「東北学院大学助教授との近しい関係」の発言が削除されているようですが、そのことについて難波さんが触れられていないのはご自身で削除されたからですか? (2000/11/14(Tue) 18:11:11)[ppp11-085.din.or.jp]

難波 > makoto-sさん、私は一切の発言を自らは削除しておりません。 (2000/11/14(Tue) 19:18:26)[konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

案内人 > 「東北学院大学助教授との近しい関係」は、憶測に基づいて、なにかをあおり立てるような意見だと判断したので削除しました。 (2000/11/14(Tue) 19:25:56)[c4-002.actv.ne.jp]

makoto-s > 「近しい関係」についてはわかりました。では「アメリカでは見た年輪年代の普及」の発言は? (2000/11/14(Tue) 19:44:26)[ppp11-116.din.or.jp]


[243] 教科書だけではない 投稿者:難波 投稿日:2000/11/14(Tue) 12:04:30 [konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

今年の春東京国立博物館で買ってきた「ガイドブック 日本の考古」(東京国立博物館、1999)を開いていたら、松浦宥一郎という人が「1.日本文化のあけぼの」(pp18-24)という章を書いていて、そこに以下のような記載があります。

「日本列島も中国と同様、今から約60万年前に最古期の人類が生存していた痕跡を示す遺跡が、東北地方の仙台市、古川市周辺で数カ所発見されました。発掘調査の結果、日本人の祖先たちが作った最初の道具である石器が出土しています。」

「宮城県仙台市、古川市周辺で3万年前をさかのぼる座散乱木、馬場檀、中峯などの前期・中期の遺跡が相次いで発見されました。その後、さらに50~60万年前の前期にさかのぼる高森遺跡、上高森遺跡が発見され、ハンドアックス(握斧)、クリーパー(鉈状石器あるいは直刃斧)などの定型化した石核石器が出現したので、前期の文化の存在は確定的になりました。この時代はモンゴロイドの祖先とされる中国の「藍田原人」や「北京原人」の時代に相当するので、日本にも「原人」が生息していたと思われます。」

 ここは文化庁の管轄なので、岡村道雄がお墨付きを与えたのでしょうね。国が正式にこういう本を出して売っているのだから、講談社だって信用しますよ。出版社だけを責められないと思う。

 たぶんこの手の公的出版物はもっとあると思う。訂正や削除が必要なのは教科書だけではない。

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難波 > このp21には「上高森遺跡」での「石器埋納」の出土写真がカラーでありますが、残念ながら上部の土が全部掘られている。しかし画像解析すれば偽だと証明できるかも知れない。 (2000/11/14(Tue) 12:10:47)[konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]


[244] 槍先の煤 投稿者:難波 投稿日:2000/11/14(Tue) 12:57:44 [konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

朝日グラフ編「古代史発掘1996~1998 新遺跡カタログVol.5」(朝日新聞社、1999)のp150に北海道総進不動坂遺跡で出土した10万年〜4万年前とされる煤のついた斜軸尖器のきれいなカラー写真が載っています。

 この煤の付き方をみると、少なくとも4万年以上地表や地中で、風化作用にさらされたものとは、とても思えない鮮明さですね。石器を固定していた道具の幅は約7ミリで、ボールペンの軸くらいの細いものです。その形がきわめて鮮明に写し出されている。

 またとてもこんな細いものでは、「槍先」の重さを支えきれない。

それにフォーク状の柄先なら、石器の先端部から柄先までの距離が、両面とも等しくないと、バランスがとれない。

ところがこの「槍先」では、加工面が極端に短く、非加工面が長い。

 これは「偽造」された疑いが濃いですね。

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難波 > 骨などの硬いもので支え、それを火中に投じたとすれば、火は骨の下まで回るから、煤がつき鮮明な陰影になりません。たぶんこれはローソクのような火力の弱いものであぶっています。 (2000/11/14(Tue) 13:11:25)[konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

難波 > それともうひとつ気づきました。幅7mmの柄先で槍先を固定するには、革ひものようなもので縛る必要があり、これだけ鮮明な陰影なら、それが残るはずなのに、残っていない。つまりこれはピンセットのようなものでつまんで、煤を出す炎にかざしており、間違いなく偽造です。 (2000/11/14(Tue) 16:53:28)[konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

大学生 > 火を受けた石器は理化学的な年代測定が可能なことは広く知られています。難波さんのおっしゃるような方法で偽造したらすぐにばれることぐらい誰だって知っていますよ。 (2000/11/16(Thu) 02:21:59)[sendai-ppp-210-253-121-143.interq.or.jp]

大学生 > ただし、この測定では石器に直径7ミリほどの穴をあける必要があり、考古学者としては非常に勇気のいることです。分析結果も誤差が大きく幅がありますが、少なくとも前期旧石器であるか否かの判断は間違いなく出来るということです(12日秩父市で開かれた前期旧石器フォーラムにて年代測定学の長友恒人教授が発言)。上高森遺跡も火山灰層の年代測定にだけ頼ってきたわけではなく、同様の分析方法で上高森遺跡で過去に出土した石器が分析されています。幅がありますがおおむね50万年前との測定結果が発表されているようです。 (2000/11/16(Thu) 02:29:24)[sendai-ppp-210-253-121-143.interq.or.jp]

大学生 > 前期旧石器フォーラムは11日でした。 (2000/11/16(Thu) 02:30:13)[sendai-ppp-210-253-121-143.interq.or.jp]


[245] 毎日の記事 投稿者:トンビ 投稿日:2000/11/14(Tue) 13:04:42 [canal.wslab.ntt.co.jp]

今日の毎日の記事では、完全な証拠を握られたことについてしか認めない藤村氏、藤村氏の捏造の告白を受けた瞬間、非常に不可解な反応を示す鎌田氏の姿が浮き掘りになっていましたね。

他の遺跡が捏造なのかどうか、ご破算にするのかどうか、

直接の関係者ではない我々がここで議論してもみのりはないでしょう。

新たな事実を持っているわけでもないし、我々がご破算と決定しても影響力があるわけでもないのですから。

その点、憶測かどうか別にして、難波氏を中心に巻き起こっている議論は踏みこみすぎていて、かえって不毛な展開になっていると思います。

ただ、我々は、今回の事態をどのように受け止めるのがリーズナブルなのか、その意見を交換することはできると思います。茶飲み話に過ぎない、と言われれば、その通りですが。

論点を、他の遺跡の信憑性、ということに絞るとして、難波氏と論争されている方々は、

(1)それは現時点では確証がないので云々できない

(2)信憑性が揺らいでおり再検証が必要

(3)再検証するまでもなく、捏造されている可能性が高く、遺跡としての価値を失った(再検証しても良いが、しなくても結論は見えている)

(4)再検証は困難であり、遺跡の価値の評価はできない。   

のいずれのお考えなのでしょうか。この点で難波氏と意見が一致しているなら、今行われている議論は枝葉末節であり実益が乏しいと思います。

また、意見が一致しないなら、この点に絞って議論されたらいかがでしょうか。

引用の問題はありますが、読む立場で言えば、考古学関係者の方々が、ほとんど本質論に立ち入らずに、引用について論点を集中させて防御に走っている印象を受けます。

私の立場は(3)、(4)の中間で、再検証は非常に困難、ただし、今朝の毎日の記事を読む限り、あらゆる遺跡で捏造を行ってきた心証が極めて強い、というところです。

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難波 > トンビさんに基本的に賛成です。ただ「ねつ造研究」の専門家からいわせてもらうと、「ねつ造はなかった」という証明は不可能です。これは「悪魔の証明」といって原理的に不可能なのです。だから研究者は「疑われたら最後だ」ということを知ってほしいと思います。 (2000/11/14(Tue) 13:17:05)[konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

makoto-s > 私は(1)と(2)の中間です。藤村氏が発掘調査に参加し、前期旧石器が出土した遺跡については「疑惑」はそうとう濃いと思います。しかし、単に藤村氏が関わったからすべてねつ造だ、と断定するのも学問的ではありません。 (2000/11/14(Tue) 20:04:08)[ppp11-116.din.or.jp]

ヒューヒューポーポー > 素人がこの掲示板を読んでいくと、だいたいトンビさんと同意見になるのではないでしょうか。私の立場は(3)です。 (2000/11/14(Tue) 20:31:39)[pl056.nas112.ota.nttpc.ne.jp]

トラ > わたしは(2)と(4)の立場をとります。再検証は、結果 (2000/11/14(Tue) 22:31:56)[cs51645.ppp.infoweb.ne.jp]

トラ > 再検証は、結果(資料が信頼に足るものかどうかという点の)どうあれ再検証によって@「捏造」の経過が明らかとなり、今後の再発防止に役立つA資料の信頼性が検討されることによって、学問的に何が問題だったか明らかになるからです。わたしは知りたいのです。この事件がひとりの不心得者と能力不足の研究者によって引き起こされた「特殊」な事件なのか。考古学にたずさわるものすべてが当事者になる可能性のあることなのかを。 (2000/11/14(Tue) 22:38:27)[cs51645.ppp.infoweb.ne.jp]

大学生> 私も(1)と(2)の中間です。すべての考古学関係者のために早急な再検証が必要と思います。 (2000/11/16(Thu) 02:18:26)[sendai-ppp-210-253-121-143.interq.or.jp]


[246] 鎌田の役割 投稿者:難波 投稿日:2000/11/14(Tue) 14:12:51 [konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

今朝の毎日の報道で、鎌田俊昭が梶原教授の大学の先輩で、グループの現地(仙台という意味です。関係者はもう一人東京にいる)リーダーであることがはっきりしましたね。

人間は予想もしない自分に不利な情報を突きつけられた場合に、まず「否認」し、否認しきれない事実であるとすると、つぎに「怒り」を露わにします。これは実験心理学が証明したことです。

ところが鎌田には、「否認」はあるが、「怒り」が見られませんね。これは彼が僧籍にあるため人間ができているとみるより、「知っていた」からだと解釈するのが妥当でしょう。

自分で知っていたことなら「怒り」はでてきません、「悔やみ」に直結するのです。

 それと「毎日」はもっと真相を知っていますね。考古学会の自己反省の機会を与えるために、待っているのだと思います。

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案内人 > 今朝の毎日新聞を購入し読んで見ましたが、鎌田氏と梶原氏が同窓生であるとの記事が何面にあったのか、確認できませんでした。先ほど、2人の考古学関係者に電話で確認をしましたが、2人は同じ大学の出身では、ないとのことです。きちんと事実に基づいた発言をお願いします。 (2000/11/14(Tue) 19:48:21)[c4-002.actv.ne.jp]

難波 > すみません。文部省の研究者名簿を確かめず、「おれたちの学者声明にもかかわる。梶原君を呼ばないと」という鎌田氏の発言から、短絡的にそう解釈してしまいました。「上下関係がはっきりした」というだけでした。「梶原教授の大学の先輩で」という文言を削除します。あとは (2000/11/14(Tue) 20:16:30)[konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

大学生 > 鎌田氏は明治大学、梶原氏は東北大学の出身です。それから、「関係者はもう一人東京にいる」と言う発言は、具体的に誰を指しているのでしょうか。 (2000/11/15(Wed) 02:44:06)[sendai-ppp-210-253-121-183.interq.or.jp]

ash > おそらく文化庁の岡村氏のことでしょう>大学生さん (2000/11/15(Wed) 06:32:23)[tkscc-01p02.ppp.odn.ad.jp]

ash > で、その実験心理学の出典は何ですか?>難波氏 (2000/11/15(Wed) 06:35:42)[tkscc-01p02.ppp.odn.ad.jp]

ash > 仮に「人間は予想もしない自分に不利な情報を突きつけられた場合に、(中略)つぎに「怒り」を露わにします。これは実験心理学が証明したことです。」が事実だとしても、「「怒り」が見られ」ないから「知っていた」は導けません。簡単な論理ですよ?>難波氏 (2000/11/15(Wed) 06:44:39)[tkscc-01p02.ppp.odn.ad.jp]

大学生 > う〜ん、岡村氏が東北歴史資料館時代は一緒に調査をしていたでしょうが、岡村氏が東京にいってからはそれほど密に連絡を取り合う関係ではなくなっていると思います。難波氏の言う「グループ」がどの程度の範囲を指すものかは知りませんが。少なくとも現在は調査団には関係していません。 (2000/11/16(Thu) 02:12:21)[sendai-ppp-210-253-121-143.interq.or.jp]


[247] 再現性について 投稿者:難波 投稿日:2000/11/14(Tue) 14:50:58 [konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

私は病理学が本来の専門で、かつては病理解剖を行っていました。これは一種の発掘ですよ。病理医が技師と二人で、あるいは技師なしで一人で病死死体を解剖し、死因、余病、治療効果の判定を行う。誰も見ていないからねつ造しようと思えばいくらでもできる。一回きりの行為で、「再現性」はまったくない。しかし私の知る限り病理解剖の捏造事件は一件も報告されていない。

それは「記録」が完ぺきで、それは病理学関係者にすべて広く公開されているからです。学会に「一例報告」を行い、それが学問的に貴重なら、かならずその病気の専門家が、記録のコピー、標本、臓器の一部の分与を請求してきます。嘘があればその段階でばれてしまう。

藤本強「考古学の方法」(東大出版会、2000)を読むと、やはり考古学でも記録の重要性は何度も何度も懇切丁寧に、その方法まで詳しく、述べられています。この点では、考古学と病理学の方法に変わりはない。

しかし東北大学グループの仕事を見ると、明らかにずさんで、第三者の検証ができないようになっている。この理由としては、私には以下の二つしか思いつきません。

 1)ねつ造しているので、第三者検証ができにくいようにしている。

 2)考古学のイロハもわからない程度に、研究者として質が低い

私に批判をされている考古学の方、これ以外の理由がありましたら、この質問だけには、まともに回答して下さい。

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makoto-s > 一般に考古学は、「現地踏査」→「発掘調査」→「整理調査」→「調査報告書刊行」→「研究・批判」という流れになっています。俗に「整理調査期間は発掘調査期間の3倍かかる」といわれ、発掘調査完了後かなりたってから調査報告書が刊行されるケースがほとんどです。また、旧石器時代遺跡の場合、出土した石器の大半を実測し掲載する必要があるためかなりの時間と経費がかかります。現に私の居住する市のある旧石器時代遺跡の調査報告書は関係者の努力で調査終了から16年目にしてようやく報告書刊行にまでこぎつけました。 (2000/11/14(Tue) 18:16:26)[ppp11-085.din.or.jp]

makoto-s > 「発掘調査」は「病理学」でいえば「解剖」にあたり、「記録」は「報告書」といえるでしょう。「報告書」をいつの時点で出すかというのはいろいろあって一律ではありません。たとえば同じ遺跡数年に渡って数次の調査をする計画であれば、最終発掘が終わってかわった何人かにより判断し新聞発表されたわけです。多くの旧石器時代研究者はまだその「報告書」も「現物」も目にしていないでしょう。 (2000/11/14(Tue) 18:22:31)[ppp11-085.din.or.jp]

makoto-s > また、一般に現地の発掘調査費用については割合に都合がついても「整理調査」「報告書」についてはなかなか予算が付きにくいのが現状です。特に「学術調査」になるとそもそも予算そのものが少なく、関係者が身銭を切って調査報告書を刊行するケースもあります。 (2000/11/14(Tue) 18:25:50)[ppp11-085.din.or.jp]

makoto-s > 現在の考古学発掘の問題点としては「充分な検証作業を経ないまま新聞発表してしまう」ということが今回の事件であきらかになったと思います。しかし、充分な検証作業を経た上で公表すればいいのですが、そうなると遺跡の現場は埋め戻された後でそれこそ検証も見学も出来ないことになります。むずかしいところです。 (2000/11/14(Tue) 18:28:10)[ppp11-085.din.or.jp]

難波 > 現在日本では、年間5万件弱の病理解剖が、約2000人の病理医により行われています。仕事量は考古学者とあまり変わらないのでは。解剖結果は1年後に病理学会に要旨報告され、2年後にデータベースとして出版されます。 (2000/11/14(Tue) 19:27:43)[konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

makoto-s > 「旧石器時代」でいえば、出土した石器をすべて超音波洗浄機で洗い、一点一点番号を書き入れ、接合関係を確認し、1点ずつ実測図を作成、それを版下にし、遺物の写真撮影をして報告書を作成します。これを1人の人がそれだけ専従でやれば1年くらいで報告書を刊行できるかもしれませんが。病理学解剖と発掘調査では内容にかなり差があり、単に比べることは出来ないと思いますが。 (2000/11/14(Tue) 19:48:40)[ppp11-116.din.or.jp]


[248] GLPとORI 投稿者:ORI 投稿日:2000/11/14(Tue) 16:20:25 [nttoska07114.ppp.infoweb.ne.jp]

考古学分野の Integrity を保証するために、医薬品などの毒性試験で用いられているGLP (Good Laboratory Practice) 的なものが、必要なのでしょうか。これは、1970年代に米国で医薬品の毒性試験のねつ造が問題となり、FDA が製薬会社などの毒性試験などに定めたものです。これは、すべての生データを第三者 (QAU)が、Audit して、最終報告書(論文)と生データが一致することを保証する方法です。難波先生が言及した病理学の記録や「考古学の方法」は、考え方はGLP と同じだろうと思います。また、[212] と同じ発言ですが、今回の事件から、米国のPHS (Public Health Service) の ORI (Office of Integrity) のような組織が日本にも必要なのでしょうか。米国では生命科学分野でScientific Misconduct が多いので、これに対処する ORI ができました。政府から研究費をもらっている研究に対して、科学の警察(検察)の役割をするところです。知人から聞いたのですが、知人の大学(名前をきけば誰でもしってる米国の有名大)の隣の研究室でORIにガサ入れされたされたそうですが、まったく、警察そのものだそうです。http://ori.dhhs.gov/ を訪問してみて下さい。難波先生には「ねつ造研究」の資料として大変に興味深いと思います。すでに御存知かもしれませんが、その時はあしからず。

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ORI > ORI (Office of Research Integrity)と訂正 (2000/11/14(Tue) 16:22:28)[nttoska07114.ppp.infoweb.ne.jp]


[249] 原人の人口 投稿者:難波 投稿日:2000/11/14(Tue) 18:30:19 [konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

ash > はあぁ〜〜(嘆息) あのさ、「原人の人口密度」っていったいいつどうやってわかったの?そんなの根拠にしないでよ。それと、第一と第二は言ってること同じでしょ?読解力ない人だね。 (2000/11/10(Fri) 23:35:30)[tkscc-02p11.ppp.odn.ad.jp]

小山修三さんの推計によれば(もっとも本人の話だと、「いさかか結果が一人歩きしている感がある」と反省していましたが)、縄文時代前期の東北6県の人口密度は100平方キロメートル当たり29人です。これを基にすれば、この時期の東北6県の人口は、わずか19,343人です。また宮城県には2,111人しか人がいない。

これが縄文時代初めの人口であり、50万年以上前の「前期旧石器時代」とてもこれだけの原人人口があるとは思われない。多くてその半分、少なければその1/10でしょう。

つまり宮城県全体で1000人から200人くらいが、いくつかのバンドを形成して、今日の宮城県をさまよっていた。人口密度にすれば、100平方キロあたりわずか14人から3人です。

その半分が石器を製作・使用したとして50万年間の延べ使用者数は1億人から1000万人です。それが年間5個の石器を作ったと仮定して、宮城県における製作総数は、5億から5000万個になります。それが県内に均等に分布していると仮定すれば、1平方メートルあたりの分布数は、686個から68.5個ということになります。

理論的には50万年の地層の中に、これだけの旧石器が含まれていることになります。

従って、わずか1平方キロ程度の宮城県の発掘面積において、800個の旧石器が出土することは、ありえないことではない。

私の直感的な計算が間違っていました。「原人人口からみて云々」の発言は、根拠にならず、お詫びして撤回いたします。

参考文献と数値:

佐原真、都出比呂志(編):「古代史の論点1 環境と食料生産」(小学館、2000)p57

東北6県の面積:66,700平方キロ

宮城県の面積:7,284平方キロ

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岡安光彦 > 興味ある指摘だと思います。ただし小山さんの人口推定の根拠の一つが遺跡地図あり、これには相当なバイアスがかかっているのであくまでも一つの参考にしかなりません、また、石器の生産が年間5個ということはありえないでしょう。 (2000/11/14(Tue) 22:11:52)[rt.ctktv.ne.jp]

ash > なぜ遺跡地図にバイアスがかかっているかというと、現在の発掘のほとんどが行政発掘、つまり公共工事にともなうものだからです。例えば、高速道路や新幹線などの路線に遺跡が集中し、それ以外のところは遺跡が希薄だったりするのです。 (2000/11/15(Wed) 02:50:00)[tkscc-01p02.ppp.odn.ad.jp]


[250] 文化庁 投稿者:トンビ 投稿日:2000/11/14(Tue) 18:42:07 [canal.wslab.ntt.co.jp]

宮城県が、「民間団体の調査の不始末のために税金を使って調査するつもりはない」という見解を表明した翌日に、文化庁が補助するということになりましたね。

このニュースを読んで、考古学の置かれている状況がなおさら深刻に私には思われてきました。

深刻、といっても、非常に次元の低い深刻さです。

言うまでも無く、文化庁には藤村氏に近い岡村道雄氏がいますね。

我々は、学閥、人脈、政治によって歴史が改竄されかかっている現場にいるのではないでしょうか。

みなさんはどう思われますか?

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makoto-s > 単純に「財政難」の可能性があります。現に文化庁側の予算額はある程度あっても県が財政難であるために補助事業費の総額が制限される例すらあります。そもそも改竄しようとするならば「再調査」をしないと思いますが。全国的な問題であるから文化庁が調査に乗り出す、ということではないでしょうか。 (2000/11/14(Tue) 19:52:30)[ppp11-116.din.or.jp]

難波 > トンビさん、私もmakoto-Sさんと同意見です。この事件はあまりにも巨大すぎて、岡村さんが個人的にもみ消しできるようなものではないと思います。 (2000/11/14(Tue) 20:09:36)[konanba.ias.hiroshima-u.ac.jp]

子泣き親父 > というか、国際問題でしょう。捏造は確かにあった。しかしこうなった以上、捏造と非捏造を明らかにする責任が国としてあるんじゃないでしょうか? (2000/11/14(Tue) 23:53:59)[myzcc-02p17.ppp.odn.ad.jp]


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