【民芸館】......全国郷土玩具の旅


京都府篇(5)ー2

----KYOTO----



県(あがた)神社の子育て人形
 暗闇祭りで知られる宇治市の県(あがた)神社で授与品(土人形)。祭神は木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)。

八幡のかんざし
 八幡市、石清水八幡宮(男山の八幡宮)へ正月に参道の露店で売られていましたが、いまはほとんど見かけられません。竹串の先に、稲穂、白矢、竹柄杓、鳩、鶴、などの飾りがついています。

山崎のいのしし(大山崎町)■
 JR山崎駅近くの雑貨店の「真田成功堂」(真田四十三さん)で販売されています。
 この地方を舞台とした歌舞伎「忠臣蔵:山崎街道」に登場する「猪」にちなんで、明治時代かから作られていました。一時、廃絶。戦前に聞法寺の住職、広小路裕信さんにより復元。昭和20年、同氏、他界されて、再び廃絶。その後、郷土玩具研究家の奥村寛純さん等により復元され、「真田成功堂」に置かれるようになりました。

宝積寺の御神器・打出・小槌
 大山崎町の宝積寺の授与品の珍しい護符。打出(木の棒で、半分が螺旋状に刻まれています)と小槌が「御神器」と書かれた紙に包まれています。




紙鯉
 八幡市の 石清水八幡宮(男山の八幡宮)の5月15日の大祭に「紙鯉」が売られます。70cmほどの和紙製。
この鯉を、長煩いの病人の布団の下に敷くと、床ずれしないといわれています。
現在の製作者は、中村民子さんで、祭礼以外のときでも、連絡すれば入手は可能です。
 中村民子:八幡市八幡土井町129 TEL:075-981-4713

茶の木人形
 お茶の名産地としてしられる宇治市に、古くから伝えられる「茶の木人形」があります。何度も廃絶説が流れましたが、「泉園銘茶本舗」で命脈を保っています。
 この人形は、茶の木の古木を利用した「茶摘女」の木彫人形です。自然木を使うので、その形や大きさは一定せず、かなり高価ですが、風雅な人形です。

廃絶の男山八幡宮の諸玩具
 作品の収録はできなかったのですが、かっては「男山八幡宮の諸玩具」といわれるほど、いろいろの郷土玩具があり、参道の露店などで売られていました。今はその多くが廃絶してしまいました。そのうちの主なものを記録しておきます。
◯土鳩。5cmほどの磁器製。雌雄一対。(鳩は八幡宮の使いとされています)
◯豆鳩。1cmほどの磁器製。数十個を紙箱に入れて売られました。
◯鳩笛。戦後もしばらくは石清水八幡宮で授与されていました。
◯開運守刀。白木の木太刀。「八幡宮」の焼印が押されています。
◯楠鳩。楠の一刀彫。
◯鳩土鈴。鳩鈴。
 


---京都府、第5回...終り---


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(1998.3.15掲載)

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