背後霊の不思議
背後霊の不思議―あなたの運勢を開く
「こうすれば健康と富と成功が得られる」

M・H・テスター(著)
近藤 千雄(訳)
〔平成18年〕新版 2006年4月1日
発行所 潮文社

目 次
まえがき
第1章 なぜ病気になるのか
第2章 健康へのカギ
第3章 心霊治療家の仕事

第4章 生命の源にプラグを差し込め
第5章 成功へのカギ
第6章 財運を招くコツ

第7章 本当の財産とは
第8章 満ち足りた人生を送るには
第9章 知恵を働かせるコツ

第10章 性生活の偏見をなくそう
第11章 質問に答える
 第1節 悩みや病気は何かの罰でしょうか
 第2節 〝最後の審判〟は本当にあるのでしょうか
 第3節 まじめな生活を送れば報われるでしょうか
 第4節 神の存在を信じますか
 第5節 宗教をどう思いますか
 第6節 自分以外の者への責任はどこまで負うべきでしょうか
 第7節 食生活はどうあるべきでしょうか
 第8節 酒やたばこはどうでしょうか
 第9節 人間には自由意志というものがあるのでしょうか。それとも運命がキチンと定められているのでしょうか
 第10節 私も死後生き続けるでしょうか
あとがき
訳者あとがき

まえがき
古来いずこの国でも〝早寝早起き〟の徳が説かれている。お国柄によってさまざまな意味が込められているのであろうが、とにかく早く床につき、グッスリ寝て、翌朝早く目が覚めれば気分は爽快だし、昨日の疲れもとれようし、イヤなことも、すっかりとは行かないまでも、ずいぶん忘れさせてくれる。

こうなれば仕事もはかどることだろうし、万事が調子よくいくに違いない。これを西洋のことわざでは、「早寝早起きは人間を健康に、裕福に、そして懸命にする」と言っているが、まさにその通りかもしれない。

ところが世の中には早寝早起きのできない人がいる。早く床についても、なかなか寝つかれない人がいる。いくら寝ても寝たりない人がいる。こうしたこともまた事実である。あなたはいかがであろうか。

人間だれしも人に好かれたいと思うし、よい人だと言われたいし、役に立つ人間でありたいと思う。また仕事の上で成功したいと願い、金銭上の悩みから解放されたいと思い、生き甲斐を感じたいとも思う。そしてまた、かりに悩みごとが生じても、それを立派に自分で解決できる人間になりたいと思うものである。

本書はそうした願いや欲望をかなえさせる方法を説いたものである。病める人、悩める人には希望を与え、失敗した人には成功への秘訣を教え、無知なるが故に過ちを犯している人には知識を授けてあげたい。いわば人生のブループリント(青写真)を用意したつもりである。

といって、ただ単にブループリントを用意しただけではない。そうしたさまざまな不幸の原因、つまりなぜ病気になったのか、なぜ失敗したのか、そこで、どうすればその原因が取り除けるか、どこをどう修正すればよいのか、といった点についても説いてある。

そうした私の処方箋を忠実に実行していただければ、必ずや健康で快適な生き生きとした人生を手にされるであろうことを自信をもって断言する。

かく言う私は一介の心霊治療家である。一日およそ二十人から三十人の患者を治療しているが、その九十九パーセントまでが医学的に〝不治〟とされている人たちである。

歩けない人、ものが言えない人など、医学から見放された人が私のもとに来ては杖を置いて帰り、「ありがとう」という言葉が言えるようになって帰って行く。そうした人たちからの感謝の手紙を週に何十通も受け取っている。

そうした治療家としての体験を通して、私は人間および人生について普通では学べないものを数多く学んだ。いわば患者が私に教えてくれたわけである。

病気になる人には病気になるような一つの型がある。その型にはまらないようにさえすれば病気は避けられる。また過去のそうした誤った型から脱して首尾よく健康を回復した人は、単に健康だけでなく、必ずそれ以外の何物かをも獲得してくれる。

すなわち人生に落ち着きと自信を取り戻し、現代生活の複雑さに耐えていけるだけの抵抗力といったものを身につけてくれる。

こうして心身の病を治療できる私が、それを未然にふせぐ方法を知っていても不思議はないであろう。私は本書で、自信をもってそれを説いている。病気に代わって健康を与え、無知に代わって知識を授け、それを基盤として快適で生き甲斐のある人生を築いてもらうべく、いろいろな角度から説いた。

「ではあなたはいかなる方法で治療するのか」そうお聞きになるかも知れない。

実は私自身は何もしないのである。私はただ、患者に手を当てがって精神を統一するだけである。すると、辺りに遍在する心霊的生命力が私を通じて患者に流れ込む。ただそれだけのことである。

いわば私はラジオであって、アナウンサーではない。健康も成功もその生命力の波長にダイヤルを合わせさえすればよいのであるが、不健康な人はその生命の流れを日常生活におおて何らかの形で阻害してるのである。

では、その障害とはどんなものか。そしてどうすれば自分でそれが取り除けるか。それは本書をじっくり読んでいただけばわかっていただけるはずである。