1998年
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<先月の本>

先月の★★★★★は、宮部みゆきの「クロスファイア」と、ハイアセンの「虚しき楽園」。
「クロスファイア」は、もういかにも宮部調の話で、「理由」がちょっといまいちだった私にとっては、マンネリと言われようと宮部みゆきはこうでなきゃと思ったのでした。

「虚しき楽園」は、久々翻訳ものの超おすすめ。フロリダへ新婚旅行の最中に台風に遭ってしまい、人生を大きく狂わされるお話。変な登場人物が笑わせてくれます。結構感動ものに弱い私としては、珍しく「可笑しい」を評価しました。

★★★★の中からおすすめは、坂東眞砂子の「旅涯ての地」を推薦。最初の第1章がちょっと読みづらかったので、★をひとつ減らしましたが、★★★★★にしようか迷った本です。考えさせられることも多く、しかも楽しめるお話でした。カバーも青かったですし(笑)。

今月の作家は、鈴木光司さんです。この人が大ブレイクしたのが、ホラーとして名高い「リング」だったものですから、ずっと敬遠していたのですが、読んでみるとホラーというより、ファンタジーの方だったんですね。文章に品があって、しかもストーリーが面白い。特にデビュー作の「楽園」、よかったです。この作家さんの特徴として、「ある意志に左右される運命」というテーマが強く感じられます。その「意志」が、ある時は遺伝子だったり、過去の強い思いだったり・・・これ以上書くとネタバレになるのでやめておきますが、ときどき、この人運命論者なのかなあと読んでて思いました。実を言うと私も結構そういう考え方をするので、親近感を覚えたのかもしれません。いずれにせよ、鈴木光司は、わたしの「刊行されたら買ってしまう作家リスト」のひとりになりました。

<先月の私>

先月は、ようやく仕事も落ち着き、大分余裕も出てきました。先月は運がよかったのか、何故か試写会を2本も当ててしまいました。「ドクター・ドリトル」と「のど自慢」です。

「ドクター・ドリトル」は題名の通り、あの有名な童話「ドリトル先生」を原案としたファミリー向けのコメディー映画。「ドリトル先生」という題名と、ドリトルが医者であること、そして動物と意志疎通ができることだけが原作と同じで、それ以外は全然関係ありません。動物たちが話すと、なんでこんなに面白いのでしょう。かなり笑えました。

「のど自慢」は、10年ぶりくらいに観る邦画です。ど田舎(栃木の方、ごめんなさい)に、NHKの「のど自慢」がくる!という笑いあり、感動ありのこちらもファミリー向けの映画。なんだかそれほど感動を狙っているとは思えないのに、思わず涙が出てしまういい映画でした。日本映画もまだまだ捨てたもんじゃないですね。どちらも12月に公開です。

先月は、お金を出しても映画を見にいきました。「トゥルーマン・ショー」。これ、いいですよ。あちこちで宣伝されているので、あらすじは不要でしょう。面白いです。結構混んでいるようですが、並んで観る価値はあるのでは。

そろそろ正月映画も封切りされる時期で、これからの映画は楽しみですね。私の大好きなハリソン・フォードの映画も面白そうですし、国際映画祭のオープニングだった「アルマゲドン」も見に行かなくては。もちろんブラッド・ピットの映画は観にいきますよ(^^)。映画を観に行くと、予告を観させられて、それをさらに観に行ってしまう。もう映画界の思う壷ですね(^^;。