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「インターネット国試質問」

平成10年2月の のページ

平成10年3月13日版

(質問 境界型人格障害・非定型精神病)

今回の質問は精神科の範囲です。うつ病には「思考の制止」、 精神分裂病には「思考の途絶」などキーワードがありますが「境界型人格障害」「非定型精神病」では どのような言葉がキーワードになってくるのでしょうか?

両方とも概念が少しよくわからず難儀しております。

よろしくお願いいたします。

(98/ 2/10 02:17 奈良県立医科大学、6年Sさん)

(97/2/10)

「境界型人格障害」では同一性障害、不安定性、衝動性、抑うつといった 要素が尊重されています。

「同一性障害」とは「友達と気持ちが通じ合えない」、 「孤立感」、「友人に嫌われている」などとして現われます。「不安定性」とは 「感情が不安定で夜になると母親をつかまえて泣きわめく」などです。 「死んでやる」と包丁を持ち出すのは「衝動性」です。
「国試合格テープ講座」でも解説しておきましたが 第91回国試F32の症例をしっかりと吟味しておいて下さい。
DSM−3にこの用語が採用されてからはかつて重視された 「ストレス下で生じる一過性の精神病」という意味合いの 重みは少なくなりました。
キーワードは「同一性障害」、「不安定性」、「衝動性」、「抑うつ」で いかがでしょうか。

「非定型精神病」は精神分裂病、躁うつ病のいずれにも分類しがたい 「変質精神病」や「辺縁精神病」などの独立した数種の疾患のことを言います。
これらは発病が急激で、多くは一過性ないし周期性の経過をとり、 予後は比較的良好であることを特徴とします。 無為、自閉などの人格的欠陥を残さず、疎通性は良く 幻覚や妄想があっても多少の意識障害を伴っていることが少なくなく 発病に多くの精神的身体的契機が認めらるのも特徴です。

キーワードは「急激な発症」、「一過性または周期性の経過」、「疎通性良好」、 「予後良好」、「意識障害」、「精神的身体的契機」くらいで いかがでしょうか。

精神科領域では「S:不安神経症」と「T:うつ病」が必修D問題高頻度疾患(大項目14)に 入っています。丁度昨日(2月11日)、この2つの疾患についてテープの収録を終えました。 本日は祝日ではありますが全国各大学、予備校のテープ聴講生の方への発送準備に発送部は大忙しです。 精神科は定義などが難しいですが、必修問題として出題されそうな点をわかりやすく 自分の臨床経験をまじえて解説しておきましたので よかったら「必修問題対策テープの第8巻」聴いてみて下さい。

はじめまして。

私は、広島大学の学生です。

肝細胞癌の治療について質問させていただきたいと思います。

3個以内で大きさ3cm以内の微小肝細胞癌に対しては、PEITを施行すると、 year noteにも記載されておりますし、実際、今年度の模試にも、何度か出ている様です。

しかし、PEIT施行後の長期予後が不良というデータが最近出てきたということを、 ポリクリ中に肝臓の専門の先生に伺いました。

そのため、最近では、PEITの適応は、1.0〜1.5cmの単発、高分化の肝癌のみとなり、 現在では、むしろ、MCN(マイクロ波凝固療法)を用いるようになってきた、と伺いました。

実際の臨床現場ではこの辺りはどの様に理解されているのでしょうか。

また、国試で、肝細胞癌の治療について出題されたら、どの様に解答すればよいのでしょうか。

ご多忙の中申し訳ありませんが、ご教授頂ければ、幸いです。

(98/ 2/ 2 22:25 広島大学、学年不明 Uさん)

(97/2/3)

ポリクリで肝臓ご専門の先生に教わられたとおりです。

「マイクロウエーブ療法」(PMCT:percutaneous microwave coagulation therapy)とは マイクロ波照射により組織自らが熱を発生(誘電加熱)し蛋白凝固壊死を起こさせる治療法です。

一定の範囲内は確実に壊死に陥らせることができますので 電極が腫瘍内に到達しさえしておれば確実性が高いです。

「経皮的エタノール注入療法(PEIT)」に比べても隔壁や腫瘍の性状に関係なく、 確実な壊死を得ることができます。

PEITは東大の小俣先生たちのグループでは 10cm以上のものや数も10個以上のものにも試みられ素晴らしい成績を上げられ 私たちもびっくりしたものですが、最近ではさらに確実な方法が出現してきました。

まさに日進月歩の領域ですので国家試験にはかえって出題されにくいところです。 PEIT、PMCTいずれも国家試験に出題されたのを私は見たことがないですが見落としているでしょうか。 模擬試験の問題は私のところに校正が回ってきた中にはありませんでしたがもし回ってきておれば 「出題の可能性低し」として「ボツ」にしていたかもしれません。

国試では「禁忌」だけは念のため覚えておかれてはいかがでしょうか。

PMCTの禁忌としては「ペースメーカーが植え込まれている患者」、 「電極の挿入角度が鋭角になる場合」があります。 PEITとPMCT両方の禁忌として「難治性腹水」、「肝不全」、「易出血性患者」などがあります。

禁忌肢についてのページへリンク

ご多忙の中、質問に対してお返事を頂きましてありがとうございました。 とても参考になりました。 また、よろしくお願いいたします。

勉強方法について

今、5年生ですが回りのみんなが勉強を始めているのに自分は全くしていません。

さらに今まで勉強をしていなかったためかなり遅れています。 ベッドサイドでも怒られっぱなしです。

この1年でなんとか国試に受かるようにテープで勉強したいと思います。 僕の場合どのような勉強をしたらいいのでしょうか?

( 98/ 1/25 23:30 T大学、5年 Rさん)

(97/1/26)

ホームページ御来訪ならびにメールをありがとうございました。

ホームページの「国試に関する質問と解答集」にも一度答えたことがあると思いますので ご覧になって下さい。このページの一番下の検索ができるページに入って「勉強」 というキーワードで検索をかけて見て下さい。多分出てくると思います。

私としましては医学評論社のチャート内科学を夏休みまでに5巻読み終わってほしいと考えています。 「今まで勉強をしていなかったためかなり遅れています」とのことですがチャートに関しては 全く心配は要りません。読んでもらえればわかりますがほとんどの事柄が中学生レベルに書いてあるのです。 それでもどうしてもわからない言葉が出てくるようでしたら医歯薬出版の「最新医学大辞典」を 横に置いてその都度調べるようにされてはいかがでしょうか。この辞典に出てこない言葉は たとえ理解できなくてもそれほど国試では減点になりません。

続いて夏休みに外科、産婦人科、公衆衛生もやり始めます。アプローチシリーズが最も信頼がおけます。 なぜかというと相当数の専門家に毎年解説を書いてもらっている「医師国家試験問題解説書」を かなり参考にして編集してあるからです。私の解説した個所などはほとんど同じ記述のところも多いです。

もっと細かく、例えば産婦人科はコンパスが良いなどという情報はその都度流しますので ご相談をお寄せ下さい。時間があれば各科表にでもしてホームページ上に挙げたいとも考えています。

秋からはマイナーというふうに広げていかれてはと思います。

カセットテープは4−5月ころまでに基本を、6−9月、10月に第92回の問題を解 きながら実戦的な勉強を、その後は必修D問題や禁忌肢など直前情報などを流すような計 画を立てています。

大体週1巻をお送りしますので受験生活のリズムを 付けたり生活の張りを保つのに利用されてはいかがでしょうか。既にかなりの5年生の方 が毎週続けて聞いておられますので「思い立ったが吉日」始められるようお勧めします。

1巻2000円ですので年間約10万円の予算がかかるのが玉に傷です。 手作りのテープを整理したり発送したりで人件費その他から今のところ リーズナブルなぎりぎりの価格というのが現状です。

有効に使ってもらったために国試浪人をしなくて済んだというような方、 あるいは 「学生時代から実際の臨床の話を聞きながら勉強できたので医者になってからも役に立った」 と言って下さる方にとっては 10数万円というのは安く済んだと喜んでもらえるのではないかと思っています。

お金が大変になればもちろん途中で止められるのも自由にしてありますし 購入を強要するようなご連絡を入れたりしたことはありません。 しかし、いままでのところ連続購入を途中で止められた方はいらっしゃらないのは 不思議でもあり、ありがたいことでもあります。

ご予算に合わせてコースをお選び下さい。

カセットテープに関する情報はホーム ページ上でどんどん新しくしていきますので時々はご覧になっていて下さい。入会されれ ば毎週のテープとともに国試に関する新しい情報は入り次第お送りしています。

ではまた、ご質問はどうぞご遠慮なく。

これ以前の質問の答えは次をご覧になっても結構ですが 一番下のコンテストページ(このホームページを分かりやすく応援して下さる方のページです。) が見やすいと思います。

・98年1月の質問と回答のページ
・97年12月までの質問と回答のページ
・97年4・5月分の質問と回答のページ
・97年1月分の質問と回答のページ
・96年12月分の質問と回答のページ
・96年10月分の質問と回答のページ
・96年9月分の質問と回答のページ
・96年8月分の質問と回答のページ
・それ以前にお寄せ頂いた膨大な質問と回答集のページ

をご覧下さい。



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