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富士山方面とは反対側となる 北西方面を見やれば、 お馴染みの南アルプスの山々が 未だ白い頂を輝かせているのが見える。
まずは悪沢岳の真っ白な姿、 その左には荒川岳(中岳、前岳)が少し顔を出し、 さらに左には青薙山の後ろに 赤石岳がこれまた少し姿を見せてくれている。 |
そしてさらに、 赤石岳の左には、 聖岳が真っ白く大きな姿を見せており、 続いて 聖岳の左には上河内岳が
意外と形の良い姿を見せてくれて、 少々驚かされる といった感じである。
いつまでも飽きない光景だが、 こうして思い出の山々を眺めていると、 以前 光岳から聖岳の縦走を試み、
天候の悪さに止めてしまったことが大変悔やまれる。 |  |
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10時53分、 山伏山頂を出発し、 大谷嶺へと向かう。
山伏までの登りでは、 雪は全くといって良いほど 残っていなかったものの、 山伏頂上を下り始めると、
残雪が所々に現れた。 量は少ないものの、 結構 腐っていて足がズボッと入ることが多々ある。 この先が
少々心配になってきたところ、 たまたま大谷嶺の方からやって来た3人組とすれ違ったので、 状況を聞いてみると、 この先雪はほとんどないとのこと、
安心してドンドン下る。 |
3人組に聞いた通り、 その後ほとんど雪は現れず、 どんどんペースが上がる。
下り始めてから25分ほど経って振り返れば、 形の良い山が見える。 あの山は恐らく山伏なのであろう。 あまりにドンドン下ってきたので、
あまり地形を考えなかった。 従って山伏なのか一寸自信がない。 |  |
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若干のアップダウンを繰り返しながら進むと、 樹林越しに大谷嶺が見えてきた。 しかし、 まだその全貌、
そして大谷崩は木の枝に隠れて良く見えない。
と 思ったら、 いきなり樹林が切れ、 目の前に荒々しく崩壊が進む斜面が現れた。 斜面の崩壊によって、
山が徐々に削られているといった感じである。 あと数十年も経てば、 目の前に見える稜線は 砂の山が崩れるように なくなってしまう。
そんな思いを抱かせる凄まじい光景であった。 |