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御座石を過ぎ、やがて露岩混じりの道に変わる。
周囲の樹木は密度を増し、鬱蒼とした原生林の中の登りとなる。
ガスは相変わらずだが、時折 日が差すのがありがたい。空を見上げれば、青い空が時々現れる。
しかし、おかしな天気で、雨もパラつくから面白い。
やがて、前方上部に岩場が見えてきた。長い登りもようやく終了らしい。
青空が見えている間に頂上に着きたいものである。 |
岩の隙間を通り、
ついに薬師岳の頂上の一角に飛び出した。時刻は 10時48分。
風化した花崗岩の灰色、黄色がかった砂地、ハイマツの緑、青い空、
ドンドンわき上がってきて流れていくガスの白色と、素晴らしいコントラストの情景が待っていてくれた。
長い苦労の後、こういうことが待っているから山は堪らない。 |  |
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今回も薬師岳頂上の独り占めであった。
風は強く、時折雨が混じるものの、一方で青い空が時たま顔を出す。砂払岳の向こうは雲海が広がり、残念ながら
富士山は見えない。
すぐ向かいにあるはずの 北岳は完全に雲の中、
先日の北岳山頂からの眺めとは大変な違いだ。
それでも、全部がガスに覆われているわけではなく、観音岳方面への縦走路が時折ハッキリと姿を見せる。
百点満点とは言えないが、とにかく頂上独り占めで最高にハッピーである。 |
振り返れば、
時折ガスが切れて観音岳とそこへと続く尾根が姿を現す。大変気持ちの良い眺めである。
ただし、風が強いので、ジッとしていると体温を奪われる感じである。岩陰に身を隠し、昼食にする。
この後、雨が本格的に降らないことを祈るばかりである。
前回は地蔵岳到着後、
大雨で大変であった。 |  |
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腹ごしらえを終え、出発しようと観音岳の方を見やれば、もう青空は消え、ガスの中。
但し、またガスが流れ、姿を現す可能性は高いようだ。前回よりは格段にコンディションが良い。
20分ほど薬師岳山頂で休憩した後、11時9分観音岳に向けて出発。 |