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12.カカシの夏休み 13.ビタミンF 14.さつき断景(文庫改題:星に願いを) 15.リビング 16.隣人(文庫改題:世紀末の隣人) 17.口笛吹いて 18.セカンド・ライン(文庫改題:明日があるさ) 19.流星ワゴン 20.熱球 |
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かっぽん屋、小さき者へ、きよしこ、トワイライト、哀愁的東京、お父さんエラい!、きみの友だち、小学五年生、なぎさの媚薬4 |
くちぶえ番長、青い鳥、永遠を旅する者、オヤジの細道、ブランケット・キャッツ、ブルーリバー、ツバメ記念日、僕たちのミシシッピ・リバー、少しだけ欠けた月、サンタ・エクスプレス |
とんび、気をつけ、礼。、希望ヶ丘の人びと、ステップ、再会、十字架、きみ去りしのち、さすらい猫ノアの伝説、ポニーテール、峠うどん物語 |
さすらい猫ノアの伝説2、空より高く、また次の春へ、ゼツメツ少年、赤ヘル1975、一人っ子同盟、どんまい、はるかブレーメン |
●「半パン・デイズ」● ★★ |
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2002年11月
2000/01/05 |
題名の「半パン・デイズ」とは、小学校時代のこと。 スメバミヤコ/ともだち/あさがお/二十日草/しゃぼんだま /ライバル/世の中/アマリリス/みどりの日々 |
●「カカシの夏休み」● ★★ |
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2003年05月
2000/06/08 |
人生の中盤に至ると、これまで信じて頑張ってきたことが、ふと疑問に思えてくることが
あります。本当にそれで良かったのか、その結果として今の自分は幸せなのか、と。 「カカシの夏休み」の主人公は、生徒からカカシと綽名される小学校教諭。証券会社が倒産してタクシー運転手をしていた友人が事故死したことから、昔の同級生4人が再会することになります。故郷がダムに水没してから皆頑張って生きてきたのですけれど、実情は各人それぞれに苦闘している、といった状況。そんな時、主人公が皆に提案したことは、故郷を見に行こう
ということでした。 カカシの夏休み/ライオン先生/未来 |
●「ビタミンF」● ★★ 第124回直木賞受賞 |
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2003年07月
2000/09/12 |
「ビタミンF」という題名は、本書に収録された7篇を総括するものです。人の心にビタミンのように効く小説があったって良い、そんな重松さんの思いを
込めて書かれた一冊とのこと。 ゲンコツ/はずれくじ/パンドラ/セッちゃん/なぎさホテルにて/かさぶたまぶた/母帰る |
●「さつき断景」● ★ |
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2004年02月 2008年12月 |
1995年から2000年まで、毎年5月1日という設定の下に、主人公3人の人生風景をそれぞれ断片的に描いた作品。
1995/1996/1997/1998/1999/2000 |
●「リビング」● ★★ |
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2003年10月 |
夫婦、親子、友人等、暮していく上で普通にあるような人間関係の様々なシーン、それを重松さんは12の小品に描いています。 となりの花園−春/いらかの波/千代に八千代に/ミナナミナナヤミ/となりの花園−夏/一泊ふつつか/分家レボリューション/となりの花園−秋/YAZAWA/息子白書/隣の花園−冬/モッちん最後の一日 |
●「隣 人」● ★☆ |
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2003年12月
2001/03/16 |
重松さん初のルポタージュ作品。 夜明け前、孤独な犬が街を駆ける/nowhereman/ともだちがほしかったママ/支配されない場所へ/当世小僧気質/桜の森の満開の下にあるものは・・・/晴れた空、白い雲、憧れのカントリーライフ/寂しからずや「君」なき君/「街は、いますぐ劇場になりたがっている」と寺山修司は言った/熱い言葉、冷たい言葉/年老いた近未来都市/AIBOは東京タワーの夢を見るか |
●「口笛吹いて」● ★ |
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2004年03月 |
勝ち負けにこだわる子供世代と、こだわるまいとする大人の世代。それが対照的に描かれている短篇集。
さりげない日常生活における味わいある物語、というのが重松作品の特徴であり、勿論素晴らしいのですが、このところ短篇ばかりなので物足りなさを覚えます。長篇をじっくり読みたいところです。 口笛吹いて/タンタン/かたつむり疾走/春になれば/グッド・ラック |
●「セカンド・ライン−エッセイ百連発!−」● ★★ |
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2005年04月 |
まず言っておきたいことは、えっ!と驚くような装丁のエッセイ集であること。 新聞紙を切り出して所々色をつけ、本の形に綴じあげたという如き代物。読むのを止めようかと思った程なのですが、実際読み出すと、この装丁が何とも内容に似つかわしい。そして、持つ手によく馴染むのです。 本書は重松さん初のエッセイ集であり、コラム、書評、文庫解説、自作のこと、更に過去のこと、そしてフリーライターとしてずっと歩んできた事々が、雑然と収録されています。その雑然さに、この装丁は見事に溶け合っているのです。 そして、雑然と書かれているが故に、重松さんと向かい合ってその話を聞いているような居心地の良さ、楽しさを感じるのです。作家、フリーライターという以前の、生の人間としての重松さんが伝わってくるような思いがします。それにしても、家族問題等を多く題材にし、優しげな印象を与える重松さんが、受賞前後等を始めとしてあんなにも荒れる人だったとは、思いもよらなかったなぁ。 中上健次、篠田節子等、多くの作家が本書中に登場しますが、中でも印象に強く残ったのは“男性自身”シリーズの故・山口瞳さん。(山口さんの本が無性に読みたくなりました) 重松清ファンには、是非お勧めしたい初エッセイ集です。 |
●「流星ワゴン」● ★★ |
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2005年02月
2002/04/04 |
重松さん、久々の長篇小説。 ストーリィがどうの、テーマがどうの、という前に、とにかく切ない作品です。 そんな切なさは、本作品の登場人物だけでなく、現代に生きる人々が皆それなりに抱えているものかもしれません。本作品には、そんな普遍性を感じます。 |
●「熱 球」● ★ |
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2004年12月 2007年12月
2002/04/17 |
家族の問題もありますが、故郷とはどういったものか、ということを語った作品であると思います。 主人公は38歳。勤務先の大幅な方針転向に失望して辞表を出し、東京から故郷に帰って来ます。一人っ子で母親が死んだばかり、父親が一人で残っている、という状況。故郷に戻るのはちょうど頃合いだったのかもしれません。 しかし、妻はボストンに留学中。小学五年生になる一人娘のみ連れて戻ってきます。このまま故郷に残るのか、東京にもどるのか、優柔不断というくらいにはっきりしません。
田舎町の料簡の狭さを嫌った気持ちは今も変わらない。そんな主人公もいつしか故郷のぬくい居心地の良さ、懐かしさに浸っている。 |
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