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3.8フィートの週末 4.海を呼びもどす 5.道順は彼女に訊く 6.私の風がそこに吹く−恋愛短篇セレクション 花− 7.白い指先の小説 8.恋愛は小説か |
●「頬よせてホノルル」● ★★★ |
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1990年08月 1990/09/16
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読む前から、この題名に魅せられていました。 ラハイナの赤い薔薇:恋人との朝食、
ドライブ。マウイ島へ行こうとする自由さ、快さ |
●「さっきまで優しかった人」● ★★☆ |
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1985年06月 1988年09月 1990/11/03 |
洒落たラブ・ストーリィ、ハード・ボイルド風な文章。日本が舞台とはとても思えない、
ハワイこそが似合うようなエキゾチックなストーリィ6篇を収録した短篇集です。 とくに魅せられたのは、次の3作。 「一等星の見える窓」:裕子に電話をかけ続けるが、彼女はなかなか出ない。その時間を潰す為に矢沢は次々と女友達を電話に呼び出す。美也子、佐知子、彩子。そして、スナック・ユウコに入り、小百合と話す。漸く、裕子にアパートで辿り着き安堵する。そこまでの雰囲気がなんとも素敵。 「ムーンライト・セレナーデ」:佐藤は都会から逃れ、付き合っている女友達との別れをドライブ旅の途中で行っていく。真紀子31歳、幸子26歳、再び真紀子。そして、弘子21歳、彼女は怒って泣いていただけ。そして、逃れ出た先で知り合う女性は由梨江。洋画の洒落たワンシーンを集めたという感じです。 また、表題作の「さっきまで優しかった人」の印象も鮮やかで、いつまでも忘れられず、胸のうちに残っています。 恋物語のたどる道/さっきまで優しかった人 /一等星の見える窓/きみはただ淋しいだけ/右の頬に触れる指さき/ムーンライト・セレナーデ |
●「8フィートの週末」● ★★ |
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1983年06月 1990/11/04 |
夏子はトライスターで沖縄と思われる島を訪ねる。博昭というサーファーの青年に会う為。3年前、彼は夏子の前から姿を消し、サーフィンの為ハワイ、カリフォルニアを転々としていた。3日間の休み。それは夏子が博昭を追い、博昭の生活を共有する時間です。 |
●「海を呼びもどす」● ★★ |
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1989年02月 1993年01月 1999年09月 1991/08/01 |
最初、面喰うものがありました。南の島、日本離れした生活感、
そんなイメージが片岡さんには強かったのですが、本ストーリィは日本の普通の大学生活。 |
●「道順は彼女に訊く」● ★ |
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2001年11月 1998/02/11 |
5年前に突然失踪した美人OL。 登場する女性の誰もが素敵な女性である、というのは不自然このうえないことなのですが、そこから醸し出される雰囲気はきわめて快いもの。 |
●「私の風がそこに吹く−片岡義男
恋愛短篇セレクション
花−」● ★ |
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一日の仕事が終わる/熟睡する女性の一例/私の風がそこに吹く/ある種の素敵なことがら/プールに活ける花/彼がいる場合、いない場合/彼女、三十五歳、独身 |
●「白い指先の小説」● ★☆ |
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2008/07/30
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片岡作品独特の雰囲気が好きで以前はよく読んだものですが、最近はすっかりご無沙汰していました。 収録されている4篇とも、小説家を目指す4人の女性を描いたストーリィ。 元々片岡作品に登場する女性は、いつも美人で素敵な女性ばかりなのですが、それは本書においても変わりません。 本を買いにいった/白い指先の小説/冷えた皿のアンディーヴ/投手の姉、捕手の妻 |
●「恋愛は小説か」● ★★ |
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2012/07/12
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相変わらず洒落ていてスタイリッシュな、片岡義男さんならではの短篇集。 卵がふたつある/恋愛は小説か/午後のコーヒーと会話/すこし歩こう/大根で仕上げる/そうだ、それから、マヨネーズ/割り勘で夏至の日 |
「ミッキーは谷中で六時三十分」 ★★☆ |
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2014/06/20
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片岡義男作品の魅力を知ったのは、「頬よせてホノルル」「さっきまで優しかった人」等の、洒落て日本離れした感覚をもたらす短篇集。でもそれらは同時に、私とは違う世界の出来事という思いも感じさせるものでした。 東京のあちこちの街を舞台にした短篇集。特徴的なのは、そこに至る経緯、そしてその後の展開への予想が完全にシャットアウトされていること。即ち描かれているのは、今、このひと時だけです。 これまで片岡義男作品を読んできて良かった、という思いを本書から引き起こされます。ファンとしてはとても嬉しい一冊。 |