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1.実さえ花さえ(文庫改題:花競べ−向嶋なずな屋繁盛記−) 2.ちゃんちゃら 3.すかたん 4.先生のお庭番 5.ぬけまいる 6.恋歌 7.阿蘭陀西鶴 8.御松茸騒動 9.藪医ふらここ堂 10.眩(くらら) |
残り者、落陽、最悪の将軍、銀の猫、福袋、雲上雲下、悪玉伝、草々不一、落花狼藉、グッドバイ |
輪舞曲(ロンド)、白光、ボタニカ、朝星夜星、秘密の花園、青姫 |
●「実さえ花さえ」● ★★ 小説現代長編新人賞奨励賞 (文庫改題:花競べ−向嶋なずな屋繁盛記−) |
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2011年12月
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江戸は向嶋で種苗屋“なずな屋”を営み始めた新次とおりんの若夫婦を描いた時代小説。 市井小説というと人情ものという連想が浮かびますし、ましてや町人の若夫婦が主人公となれば市井の出来事あれこれがストーリィの中心と思うもの。 本作品も確かにそうなのですが、新次とおりんのどちらが主人公とも言いかねますし、そのストーリィの中心題材と言えば、やはり種苗屋、花師の仕事そのものなのです。 文庫背表紙の紹介文に「江戸市井の春夏秋冬をいきいきと描く傑作“職人小説”」ありますが、まさにそのとおり。 最初こそ些か硬いところがあるかなと思ったものの、ストーリィが順調に進み始めてしまえば、もう気になることなし。 細かい部分では、善良なる登場人物に対してその運命は厳し過ぎるよなぁと思うこともあるものの、ストーリィ運びはしっかり出来上がっていて、デビュー作としては驚くべき完成度という評価も当然のことと感じます。 登場人物は新次とおりんの他、2人の元に預けられた「雀」ことしゅん吉9歳。夫婦喧嘩が絶えない大工の留吉とお袖、なずな屋に目をかけてくれる太物問屋の隠居=上総屋六兵衛、その孫で変わり者の辰之助。それら人々と関わる中で様々な出来事が起こりますが、花師として新次の覚悟が問われるのは、因縁ある理世との再会部分。 新次がかつて修行したのは、江戸城お出入の植木商=霧島屋。理世は、その霧島屋主人の六代目伊藤伊兵衛の跡取り娘で、新次と競って修行した仲だったという次第。 江戸市井小説に加えて江戸時代の“お仕事小説”という趣向が、本作品をきりりとした男前に仕上げています。 時代小説好きの方にお薦め。 1.春の見つけかた/2.空の青で染めよ/3.実さえ花さえ、その葉さえ/4.いつか、野となれ山となれ/終章.語り草の、のち |
2. | |
●「ちゃんちゃら」● ★★ | |
2012年12月
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江戸は千駄木にある庭師の「植辰」一家を背景に、元浮浪児の職人=ちゃらが作庭に、そして江戸市中を騒がす事件にと活躍する爽快時代小説。 浮浪児だったちゃらを拾ってくれたのが、植辰のちょっととぼけた親方=辰蔵。辰蔵の“空仕事”という言葉に惹かれて一途に修行を重ねてきたちゃらも、今はいっぱしの職人に。 辰蔵の一人娘で男所帯を切り回すお百合に、腕の良い福助、風来坊のようだが石組に見事な腕を発揮する玄林と、植辰ファミリーはいつも賑やかで和気藹々と楽しげです。 しかし、その江戸に突然、古法に則った作庭指南を謳う嵯峨流正法=白楊なる者が現れ、植辰の仕事には困難が続出。さらに白楊は何か辰蔵に含むところがあるのか、植辰は苦境に追いつめられます。 嵯峨流正法を名乗る白楊とは一体何者なのか、そして果たしてその目的は? 高い樹上で軽々と身を躍らす主人公=ちゃらの、庶民的な怪男児といった風のキャラクターが魅力なのはもちろんですが、お百合との息が合ったコンビぶりも楽しい。 そして、作庭の薀蓄を聞くことも楽しい限りです。 後半は、前半から一転して悪計を企む白楊との対決ストーリィへと展開しますが、それでも本作品が庭師職人たちの気風の好い、爽快な時代小説であることに何ら変わりはありません。 それにしても朝井まかてさん、本当に楽しい時代小説を書いてくれるものです。その点では米村圭伍さんと共通するところがあるようです。これからの朝井まかて作品が楽しみです。(^^)v 序章.緑摘み/1.千両の庭/2.南蛮好みの庭/3.古里の庭/4.祈りの庭/5.名残りの庭/終章.空仕事 |
●「すかたん」● ★★ | |
2014年05月
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生き生きとしたところが魅力の市井もの時代小説。 市井ものというとまず江戸が舞台ですが、本作品の舞台は大阪。そこが本作品の注目点です。 主人公の知里(ちさと)、夫である美濃岩村藩藩士=三好数馬の大阪赴任に伴い江戸から大阪にやってきたものの、その夫は呆気なく1年で病死。婚家からは追い出され、大阪に知り合いはなく、兄夫婦が継いだ実家に援助を求めることもできず、仕方なく手習い所で働こうとしたものの、幾つも失敗してクビばかり。 困り果てていたところ、ひょんなことから青物問屋の河内屋に上女中として住み込み奉公することになります。 河内屋といえば、天満青物市場の頭取を務める大物問屋。そのお家さん(女主人)である志乃は、何から何まで知里に手厳しい。 果たして知里、志乃のいびりに負けず、この河内屋でやっていけるのか? 江戸とは全く異なる言葉づかい、風習が息づく大阪の町。そんな舞台が珍しく、かつ楽しい。 また大阪らしく、食べ物がストーリィの中で大きな位置を占めています。知里が勤めるのは青物(野菜)問屋ですし、知里自身食べることが大好きで、美味しいものを食べる時何とも幸せなそうな表情をする、というのが登場人物皆からの定評。さらに、本ストーリィで起きるトラブルも、青物絡みです。 何と言っても主人公である知里のキャラクターが愉快。元々は江戸の饅頭屋の看板娘。おきゃんな江戸町娘らしい言葉がついつい飛び出してしまうところが、柔らかな大阪言葉の中にあって絶妙のアクセントになっています。 知里以外にも、母親から「すかたん」呼ばわれしている河内屋の跡取り息子=清太郎、そして志乃、その他の登場人物もみな適材適所で各々に良い味を出しています。 大阪市井ものというと富樫倫太郎「堂島物語」がありますが、同作品は経済小説という性格が色濃いため、市井ものと呼ぶにはちょっと遠い。したがって私にとっても大阪という舞台は新鮮でした。 江戸市井ものにちょっとマンネリを感じている時代小説ファンに、お薦めの一冊です。 1.ちゃうちゃう/2.まったり/3.だんない/4.ぼちぼち/5.ええねん/6.しんど/7.ほな/8.かんにん/9.おもろい/10.すかたん |
4. | |
●「先生のお庭番」● ★★☆ | |
2014年06月
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“お庭番”というと幕府に仕えた忍びのことかと思いますが、本書におけるお庭番は、長崎は出島のシーボルトの元で薬草園の園丁を務めることになった熊吉のこと。 出島へ職人の派遣を求められた長崎の植木商=京屋、弟子たち皆が嫌がったことから回りに回ってその役目は、15歳の小僧である熊吉に押し付けられます。しかし、実はその熊吉、蘭語を学ぶことができるかもしれないと、その押し付けに胸を躍らせていたという次第。 それから4年間に亘る、熊吉とシーボルト、その愛妾である滝、ばたびあ人の召使=おるそんとの穏やかで愛しい日々が描かれていきます。 何より熊吉とシーボルトを結び付けたものは、日本の花木、そして自然の美しさを限りなく愛で、その美しさを故国に伝えたいと願うシーボルトの深い思い。その思いに応えようと、熊吉は真摯に薬草園の世話に励みます。 日本の花木、自然の美しさを世界でも貴重なものとして認め合い、それを世界に広めたいと願う2人の間に流れる同胞感には、美しく、そして格調高いものがあります。 しかし終盤、シーボルトはやはり日本人ではなく異国人なのだと感じられることが起こります。世に言うシーボルト事件、その前後のこと。 終盤は史実通りゴタゴタした展開となっていますが、だからこそ平穏だったシーボルト邸での暮らしが印象的、そしてその格調高い雰囲気には忘れ難いものがあります。お薦めしたい時代小説の佳品です。 ※なお、シーボルト帰国後の滝・以祢らが辿った道は厳しい。吉村昭「ふぉん・しいほるとの娘」をお薦めしたいところですが、それはあくまで本書とは別の物語です。 |
5. | |
●「ぬけまいる」● ★★ | |
2014年12月
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もう若いとはいえない年頃になった幼馴染の女子3人が、伊勢神宮へと抜け詣りの旅をする東海道中記。古くは十返舎一九「東海道膝栗毛」を思い出しますが、そこは現代的な道中記、女3人の個性と活力、友情に溢れたユーモラスな時代小説に仕上がっています。少々講談的なところは米村圭伍作品を連想させますが、こうしたユーモア時代小説は朝井まかてさんとしては初めての筈。朝井さんの領域の広さが感じられて、ファンとしては今後がますます楽しみになります。 一善飯屋の娘=お以乃、自分の才覚で実家を日本橋に表店を構えるまでに引き上げたお蝶、貧乏浪人の娘で譜代御家人の元に嫁いだお志花、3人揃って「猪鹿蝶」とかつては近所を賑わせた元娘たち。 悶々としていたお以乃の処に怒り心頭で飛び込んできたお蝶、さらに訳有りで家を出て来たらしいお志花が加わり、思いがけず3人だけで伊勢神宮への抜け詣りに旅立ちます。 抜け詣りとは、家族らに何も知らせないまま伊勢神宮詣りに出掛けることを言うらしい。したがって、夫や子供、店のこともほったらかし。現代的に言うならば出奔という言葉が相応しい。 仲の良い幼馴染3人といっても、各々気性も異なれば現在の境遇も異なります。それ故の諍いも度々ですが、旅に出てみれば楽しさもあり、ハプニングに見舞われ立ち往生したりと、賑わしく、そして愉快なことこの上ありません。 時代もの熟女版チャーリーズエンジェルとはいかないまでも、3人のユーモア、友情に加えて江戸時代の旅情緒がたっぷり楽しめる時代ものエンターテイメント。 男性読者より女性読者の方がより楽しめることと思います。お薦め。 |
6. | |
「恋 歌」 ★★☆ 本屋が選ぶ時代小説大賞・直木賞 | |
2015年10月
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明治の世、歌塾“萩の舎”を主宰して上流・中流家庭の多くの子女を弟子とし、樋口一葉と三宅花圃の師として知られる歌人=中島歌子が本書の主人公。 江戸の宿屋=池田屋の跡継ぎ娘として育ちながら、恋した相手の水戸藩士に嫁ぎ、水戸天狗党の乱に巻き込まれて過酷な投獄生活も送ったその半生を描く、長編歴史小説。 ユーモアを交えた作品の多かったこれまでとまるで一線を画すように、本書は吉村昭ばりの堂々たる歴史小説。 裕福な商人の跡継ぎ娘でありながら、登世は自らの恋を貫き水戸藩士に嫁ぐ。しかし夫の林以徳は水戸天狗党の志士。やがて起きた天狗党の乱に心ならずも巻き込まれ、その身を投じます。 そしてそれは水戸藩士による尊皇攘夷運動というに留まらず水戸藩の内乱へと拡大し、敵対側によって登世ら妻子らも投獄、処刑と過酷な運命に見舞われます。 天狗党の乱については吉村昭が「天狗争乱」という作品に書いていますが、本書はちょうどその乱を裏側、女性の視点から描いた作品と言って良いでしょう。自身には何の咎もないのに夫たちの行動に殉じることとなった妻子らの、悲惨な運命とその悲しい思いを見事に描き出した秀作。投獄中の日々を描いた部分はまさに圧巻です。 最後は思わぬ事実が明かされるという展開が待っていますが、重要なのはその事実ではなく、そこに込められた登世=中島歌子の強い想いに胸打たれる思いがします。まさに鎮魂歌と言うべきでしょう。 とくに女性読者にお薦めしたい歴史小説の力作です。 序章/1.雪桃/2.道芝/3.星合/4.草雲雀/5.青鞜/6.八雲/終章 |
7. | |
「阿蘭陀西鶴」 ★★☆ 織田作之助賞 | |
2016年11月
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「好色一代男」「好色五代女」「世間胸算用」などの浮き世草子で知られる井原西鶴を、その全盲の娘=おあいの視点から描き出した時代小説の佳作。 おあいが9歳の時母親が死去、2人の弟は間もなく他家へ養子に出され、おあいのみが父親である西鶴の元に残ります。 全盲とはいっても母親からしっかり躾けられていたおあいは、同い年の女中を話し相手に料理、裁縫と家事をきちんとこなしていきます。 そんな家事達者なおあいからすると、父親の西鶴は俳諧師と名乗りつつ、人に良い恰好しばかりでいい加減なところ多々あり、なんでこんな人と母親は一緒になったのだろうと不思議に思うばかり。父親に対するおあいの目は、前半、相当に批判的です。 しかし、西鶴と2人長く暮らす内、いつしかあおいは父親が秘めている自分への想いを徐々に知るようになります。時期を同じくして西鶴、俳諧を捨て読み物書きへの道を進み始めます。おあいがそんな西鶴の背中から見い出したのは、一見軽薄そうに見えながら実は父親が抱えている真摯な思い。 おあいが、父親=西鶴が抱える自分への深い思いに気づいていくのに足並みを合わせるようにして、その書こうとする物語を通じて父親の真実味にも気づいていくというストーリィ。 父娘の情と絡めて井原西鶴という人間の真実味を描き出そうとしているところに本作品の妙があります。 そうした趣向自体も素晴らしいのですが、何よりも読んでいて楽しい、とんとんストーリィを読み進んでしまう、というところが朝井まかて作品の魅力です。 父娘の物語と、西鶴という人間ドラマとのコラボレーション、この味わいは、読んでいて本当に嬉しい限り。 |
8. | |
「御松茸騒動」 ★★ | |
2017年09月
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尾張藩江戸定府の若侍=榊原小四郎、19歳。算術得意で我こそは俊才、いずれは出世して尾張藩名誉回復のために尽力したいと自負しながら用人手代見習いに精励している日々。 それなのに突然、国許で足軽並みと言われている御松茸同心への左遷辞令。 悄然として一人国許に移りますが、慣れない山歩き仕事に、自分の才覚をどう使えばいいのか気持ちは空回りするばかり。 そのうえ、御山守の役目を務める権左衛門の孫娘=千草には、生真面目、堅物と嘲笑され“きゃた郎”と呼ばれる始末。 そんな小四郎が、やがて山に魅せられ、新たな遣り甲斐、生き甲斐を見つけ出していくという、青年武士の成長ストーリィ。 武家ものにして舞台が城下町ではなく、山に設定されているところが何とも魅力。 現代日本における都会から地方(農林業)への回帰という課題にも通じているところが心憎い。 また、前半でまさに俗物といった観のある小四郎が、やがて青年らしい実直さを身に着けていく展開も爽やかです。 なお、脇役となりますが、亡夫の親友であった中年侍=“三べえ”を別にして女性二人の存在が楽しい。一人は小四郎の叔母であり継母である稲、もう一人は千草。 本作品の面白さの中に、「ちゃんちゃら」に共通するやんちゃぶりが潜んでいることが見逃せません。 爽快で楽しい、朝井まかてさん、この辺り上手いよなァ。 |
「藪医 ふらここ堂」 ★★ |
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2017年11月
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怠け者で藪医者と近所で評判の小児医=天野三哲とその娘であるおゆんの父娘を中心に、押し掛け弟子となった幼馴染の次郎助、その両親で水菓子屋の角屋を営む金蔵・お安夫婦、取上げ婆として名高いお亀、薬種問屋手代である佐吉と勇太の父子といった面々が常に集まり、和気藹々と賑やかで楽しい時代物連作ストーリィ。 中でも、いつも人を喰ったような言動を振りまいて本性をちっとも現さないといった観ある三哲に、婆さんと呼ばれる度に「婆さんて言うな」と怒り声を上げるお亀婆の存在が、お見事。 この2人、人生経験においては群を抜いているといった風で、存在しているだけで中々に見応えがあります。 なお、題名の「ふらふこ」とは、父親三哲が幼いおゆんに作ってやった、前庭にあるぶらんこのこと。 本ストーリィで描き出されるのは様々な親子の姿です。 小児医故に、駆け込んできた患者側における親子のいろいろな問題点も描かれますが、それだけでなく三哲とおゆんの父娘、次郎助とお安ら親子、佐吉と勇太の父子と、幅広く親子関係を描いていきます。 それと同時に、子側(おゆん・次郎助・勇太)の成長もきちんと描いている作品であることを見落としてはいけません。 大勢の登場人物が集ってひとつファミリー的ムードを醸し出している作品は「ちゃんちゃら」以来のように感じます。 和気藹々とした人の繋がり&子の成長を描いた連作ストーリィ。朝井まかてさんはこうした楽しみを読者に与えてくれる処が、巧いですね。 1.藪医 ふらここ堂/2.ちちん、ぷいぷい/3.駄々丸/4.朝星夜星/5.果て果て/6.笑壺/7.赤小豆/8.御乳持/9.仄仄明け |
「 眩 (くらら)」 ★★☆ 中山義秀文学賞 | |
2018年10月
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江戸時代の女浮世絵師、葛飾北斎の三女=お栄、画号:葛飾応為の生涯を描いた時代小説。 応為の現存する作品は少ないそうですが、父親の北斎をして「美人画にかけては応為に敵わない」と言わしめたのだとか。 そのお栄、絵を描くが全て。いわゆる女のたしなみなど全く頭になく、常に父親で師でもある北斎の傍らで絵を描き続け、一部を代作することも多かった、とのこと。 どういった作品になるのかと予想もつかぬまま読み出した本書でしたが、一つ一つの章がそのまま北斎とお栄父娘の画業におけるステップとなっていて、実に区切りが良い。 そのためストーリィ展開のテンポが実に小気味よく、また中身が判り易く、そして読み易い。その辺りが朝井まかて作品の良さなのだなァと改めて感じた次第です。 そして主人公のお栄、絵を描くことにひたむきで、無欲。生き方は極め付けに不器用ですけれど、その姿勢はいつも変わることなく真摯です。 父親の傍らで絵を描くことが当たり前のことと思っていて、自分の名声など考えることもない。 そんなお栄の姿には、強く惹き付けられると同時に、応援したくなる気持ちを抑えられません。 ひたすら絵を描きたいという自らの本能的な思いに、忠実に生きた女絵師の生涯を描いた作品、傑作と言って間違いありません。 なお、表紙絵は応為の代表作のひとつ「吉原格子先之図」。 読み進むのと並行してこの絵を眺める度、応為への愛しさが込み上げてくるのを禁じ得ません。 お薦め! 1.悪玉踊り/2.カナアリア/3.揚羽/4.花魁と禿図/5.手踊図/6.柚子/7.鶯/8.冨嶽三十六景/9.夜桜美人図/10.三曲合奏図/11.富士越龍図/12.吉原格子先之図 |
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