タイトル

- Last Modified '04/12/04 -

これまで発売されたゲーム機は、主流・亜流含めて数多とありましたが、こと入力デバイスということになると、ファミリーコンピュータが採用した十字キー+A,Bボタンに尽きるといえるのではないでしょうか。もちろん、ボタンの数が増えたり、アナログスティック仕様になったりと変化はしてきていますが、大元は変わらないような気がします。

本機は、スタイラスによる入力というシステムを組み込んだ意欲的なハードです(スタイラス自体は色んなところで使われているので革新的な技術ではない (苦笑))。はたして、それが吉と出るのか凶と出るのか現時点では分かりませんが、とりあえず初めて触ってみての感想を書いてみたいと思います。 (詳しいスペック等は公式ページをどうぞ)

GBAとの比較(閉じた状態)

まず蓋を開く前にGBAとの大きさを比較してみましょう。角がとれた台形のような形をしているGBAに対し、ディーエスはほぼ長方形に近いので大きくかさばるような印象があります。ただ、横から見ると上の画面のパーツ(蓋の方)は左右に向かって傾斜が作られて薄くなっており、また全体の厚さ自体も(たしかに厚みはあるんですが)GBAより若干厚みがあるかな?程度に収まっているので、持つのにそれほど苦労することは無いでしょう。ただ、外に持ち歩く場合にはカバンか専用のポーチに入れた方が無難かもしれませんけどね(少なくとも子供の手には大きすぎるような気はする)

大きさもさることながら重量もかなりあります。公称値はGBA-SP のほぼ2倍の275g。実際に手にとってみただけだと、それほど重いと感じることは無いのですが、両手でしっかりグリップして持つならともかく、基本的には片手で本体を持って、もう片方の手でスタイラスを使ってプレイするというスタイルになると思うので(外で遊ぶ場合ね)、長時間の使用はチョット辛いかな?という気がします。屋内で遊ぶ時は机の上に置いて遊べば問題ないんですけどね。昔は単3電池4本つっこんだモノクロの初代ゲームボーイ(ディーエスとほぼ同じくらいの重さになるはず)を色んなところに持っていって遊んだもんですけどねぇ。やはり一度楽なことを覚えてしまうと元には戻れないというか苦労したくないというか (苦笑)

GBASPとの比較(開いた状態)

さて、ではいよいよ蓋を開けてみましょう。GBA-SPと同じく、特にロック機構は付いていないのですぐに開きます。ヒンジは結構硬くそう簡単にヘタることは無いと思いますが、まわるメイド・イン・ワリオのように激しく本体を動かすゲームが出てきたらどうなるかは分かりません(現に私のGBA-SPは若干ヘタれ気味 (苦笑))。もっとも、GBA-SPのほぼ2倍の表面積(≒体積)のディーエスを振り回すのは無茶(というか、そんなソフト作る所は無いだろう)という気もしますけどね。しかし、この姿を見ると本当にゲーム&ウォッチ(マルチスクリーン)(→ディーエスと一緒に撮ってみた)を思い出すなぁw

十字キー、A,B,X,Yボタン、L,Rボタン

蓋を開くとまず目に付くのが液晶が2画面あること・・・なんですが、とりあえず画面については後述するとして操作系について先に見ていきましょう。スタイラスをメインに使うディーエスですが、従来の入力デバイスをバッサリ捨てたわけではありません。それどころか、GBA ですら見送られたX,Yボタンまで装備され、まるでスーファミミニを出すと言わんばかりです (ぉぃ)。まぁ、それは冗談として、さすがにこの筐体に中に全てのボタンを配置するのは困難だったらしく、ボタン自体はチョット小さめになっています。ただ、A,B,X,Y各々の間隔が結構広いので同時に押してしまうようなことも無く、またGBA-SP と同じくスイッチ式のボタンなのでクリック感があり(本体の薄型化のためにペコペコになったGBA-SPと違いボタンのせり出し部分が大きいように感じる)押した時の反応は悪くありません。L,Rボタンも、旧型 GBA と同じくらいの大きさになっており窮屈な印象はありません。また、ソフトによってはA,B,X,Yを十字キー代わりにすることも出来るので(ソフトの中で対応しなければなりませんが)左利きの方がスタイラスと十字キーを併用するようなゲームをプレイする場合もある程度は負担が軽減できるとのこと。個人的にはあまり複雑な操作系のゲーム(メトロイドとか)はプレイする気が無いので恩恵に預かることは無さそうですが、ボタンが増えることで色々な利用方法が広がるというのは良いことだと思います。


実際に持つとこんなカンジ

さて、肝心のスタイラスですが、本体裏側に収納されています。取り出す時は、本体の背面からスライドさせて取ります。本体の実装率(というかカートリッジスロットとか充電池内蔵部とか)の関係なのか、縦方向に収まる程度のスタイラスなので、かなり短く細いです(というか、コレじゃつまようじ (苦笑))。小学生くらいなら問題ないかもしれませんが、私のようなイイ年した大人だと鉛筆を持つようなカンジではなく、つまんで持つというカンジになってしまいます。
さわるメイド・イン・ワリオのように、どちらかというとオーバーアクション気味のゲームなら良いのですが、ZOO KEEPER のような決められたエリアを上手くタップ&スライドする細かい(&素早い)操作を要求されるゲームだと、スタイラスの持ち方でかなりゲーム性が変わってきます。

ぺんとぴあと標準のスタイラス

そこで私は昔palmというPDAを使っていた時に買ったぺんとぴあというのを使っています。小さく見えますが、金属製なので重みがあり標準のスタイラスより若干太くグリップも良いつくりになっています。これを使ってプレイするのと、標準のスタイラスを使ってプレイするのとでは操作性にかなり違いが出てきます。宮本茂氏の話では「綿棒でも大丈夫」とのことですが、操作性はあまり良くない(タップするのは問題ないけどスライドとかの反応があまり良くない)なのでお金に余裕のある人はPDA用のスタイラス(ボールペン付とか結構売ってる)を買って使ってみると良いでしょう。まぁ、そのうち HORI無駄に凄いスタイラス(誉め言葉です、念のため (笑))を作ってくれるかもしれませんけど。


スタイラスストラップ

標準のスタイラスとは別に、親指にはめて?使う丸いプラスティックが付いた特殊な仕様のストラップがついていて、これを使って遊ぶことも出来るのですが、親指で画面を覆ってしまうので、タッチパネルに触って直接キャラを動かすようなゲーム(特にアクションパズルのように小さいキャラを正確に動かすようなモノ)だと画面が隠れて遊びづらい(というよりも事実上無理)という欠点があります。メトロイドのように、あくまで主観画面は上で、十字キーとタッチパネルを併用するようなゲームだと威力を発揮しますが(スタイラスを持つよりも安定した持ち方が出来る)、それ以外の場合はあまり使うことは無いかもしれませんね。でも、これも結構他の会社から様々な色や形のモノが出てきそうな気はします(そういや、ギター用のサムピックが使えるかもしれないな・・・ハードピックだと画面に傷がつきそうだけど (ぉぃ))


セレクトとスタートボタン

ボタン類でちょっと気になったのが、セレクトとスタートボタン。今まではハードが代わるたびに大きさや位置が変わっていたものの基本的に十字キーとA,Bの間、しかもそれらよりも下の位置に配置されていたのですが、今回はA,B,X,Yの上に配置されています。ディーエスのソフトは当然、ハードに合わせた仕様でソフトを作るでしょうけど、GBA のソフトで遊ぶ場合、従来左手で押してたスタートやセレクトが右手で押すようになって違和感を覚えることがあるかもしれませんね。RPGのメニューとか結構使うボタンだと思うので、その手のゲームをする人は戸惑うかも(ディーエスだとステータスやメニュー画面とかは、2画面のどちらかに出しておけるから使う機会は少ない?!)


電源ボタンと充電ランプ

セレクト&スタートボタンの対称の位置に電源ボタンがあります。従来の GB および GBA とは異なり、プッシュ式のボタン(従来はスライド式)になっています。私の本体だけかもしれませんが、クリック感が硬めなので間違えてチョット触ってしまったくらいでは電源が入ったり切れたりすることがないのは良いですね。あと、本体の蓋を閉じただけでスリープモードに入るようになっているのは便利です(GBAはボタンを押したり、メニューから操作してスリープモードに移行しなければならなかった)。電源、充電ランプも本体手前にあり、蓋を閉じた状態でも見ることが出来るので、スリープ状態なのかどうかも一目瞭然です。ただ、裏を返せば蓋を閉じて電源を切ったつもりになっていたのに実はスリープになってただけで、いつのまにかバッテリ残量が0になってしまっていた、という不慮の事態が起きる可能性もあります。ランプの状態は常にきちんとチェックしましょう、ということですね。


マイク端子 マイク

そうそう、電源、充電ランプを見て思い出した。本体手前の左側にはマイクが付いています。ハードに標準で付いてるとなるとファミコンのIIコン以来かな?まぁ少なくとも家庭用ゲーム機としてはあまりメジャーな入力デバイスでは無かったと思います (笑)。このマイクは当然音声認識に使うわけですが、さわるメイド・イン・ワリオきみのためなら死ねるのように息を吹きかけて操作したり、大合奏!バンドブラザーズの様に鼻歌を入力すると楽譜が出来上がるとか、色々な使い方がされています。今のところメインというよりは補助的な使い方が多いですが(まぁ機構的に仕方ないですが)、そのうちカラオケとかも出てくるかもしれませんね。まぁ、個人的には「ハドソ〜ン!」が再現されたら言うことナシなんですけどね (笑)
ちなみに、本体手前右側にはマイク端子(=四角い端子。隣の丸い端子はヘッドフォン端子)が付いていて、将来的には周辺機器でマイクが出る可能性もあるとか・・・こりゃ本当にカラオケマシンか、あるいはピカチュウげんきでチュウの再来か?!


ステレオスピーカー

音関連で続けると、上画面の両側にスピーカーが並んでいます。従来のGB,GBAではモノラルタイプでしたが、見ての通りステレオタイプのスピーカーになっているので、ヘッドフォンを繋がなくても広がりのある音が楽しめます(バンドブラザーズ、最高!)。ちなみに従来のGBAソフトもステレオで再生されるので、GBA-SPでヘッドフォンを使ってなかった人(モノラルでしか聴いてなかった人)の中には音の良さに感動する人がいるかもしれませんね。ちなみに、音量は本体手前のスライド式のヴォリュームで調整できるので、周りに迷惑をかけない音量で楽しみましょう。どうしても音が気になる場合には、本体手前右側に付いているヘッドフォン端子を使いましょう。


ロゴと警告文表示

さて、それではそろそろ電源を入れて画面を見ることにしましょう。電源を入れると起動音とともに、上の画面にはNintendo DSのロゴが表示され、下の画面には使用上の注意事項(警告)が表示されます。画面に警告文が出るのを見たのはバーチャルボーイ以来かもしれない (笑)。初期設定のままだと、この画面のあとにメニュー画面が現れます(=マニュアルモード起動)。そのメニューから本体のオプション設定でオートモード起動に設定すると、本体に挿しているカートリッジによってディーエスのソフトが起動したり、GBAのソフトが起動したり、何も挿していなければメニューが起動する、といった風に動作が異なります。個人的には、マニュアルモードで不便は無いし、後述するピクトチャットはこのメニュー画面から起動するので初期設定のままで使っても支障はないと思います。ただ、オートモード設定でも電源を入れる時にボタンを組み合わせて操作すればメニューは開けるので「俺は電源入れたらすぐにゲームしたいんだ!」という人も心配無用です。


メニュー画面

これがマニュアルモード時に起動するメニュー画面です。上画面には時刻とカレンダーが表示され、実際に操作するのは下の画面になります。中央上部がディーエスのソフト起動、下がGBAのソフト起動、中央左がピクトチャット起動(ピクトチャットについてはソフトウェアのレビュー参照・・・たいしたこと書いてないけど (苦笑))、右がDSダウンロードプレイの開始(GBAのワンカートリッジ対戦よろしく、ディーエスでは無線通信で相手にプログラムを転送して一つのカートリッジで複数の人間が楽しむことが出来る機能がある)になっています。見てのとおり上の画面いっぱいを使って時計とカレンダーを表示しているので、本体を開いたままにして卓上時計代わりに使うことも可能?!時計はアラームも設定することが出来るのでかなり使えますが、カレンダは本当に日付を表示するだけなのが物足りないところ。簡易的はスケジュール機能(記念日の設定とか予定のある日はマークを付けておけるとか)があれば良かったと思うのですが、まぁゲーム機にそれを求めるのは筋違いかもしれませんね (苦笑)
あとチョット気になったのがバックアップで、特にマニュアルに記述が無かったのですが、充電池以外にバッテリが搭載されている様子が無く、充電池の容量が空になった場合に時刻や日付がリセットされてしまわないか心配です(まぁ通常はコンデンサなんかをバックアップ用に使うはずなんで大丈夫だと思いますが)。どうぶつの森みたいなゲームだと時間や日付が狂ってるとゲームが成り立たないですからね(まぁわざと変える人も居るみたいですけど (笑))


メニュー画面のアイコン

メニュー画面からは時刻設定の他にユーザー設定を行うことが出来ます。設定できるのは、ユーザーの情報(名前、生年月日、自己紹介などのコメント)、メニューなどの表示言語の設定、画面の表示色の設定、起動モードの設定、GBAのソフトを使用する時に上下どちらの画面に表示するかの設定など、カテゴリごとにアイコンが表示されひとつひとつ個別に設定していきます。ただ、ここで問題なのがアイコンが何を意味しているのかパッ見て分からなかったこと (苦笑)。WindowsやMac OSなどマウスでアイコンをクリックするシステムの場合、アイコンの上にポインタを乗せるとバルーンヘルプが出てきて何のアイコンなのかが説明されるのですが、タッチパネルだとそういう訳にはいかないのでアイコンを見ただけで判断しなければなりません。そういう意味では変に凝ったアイコンにするのではなく、文字メニューにしてもらった方がスッキリして良かったような気がします。あと、メニューの設定項目を一つでも変更すると、そのつど強制的に電源オフされるのが煩雑です。1個だけ設定を変えるだけなら良いですが、まとめていくつかの項目を変更したい時に何回も電源をオンオフするのは面倒でした(まぁ一度設定してしまえばそうそう変えるようなモノではありませんけどね)


GBAソフトを上下二画面のそれぞれで表示して比較

さきほどGBAソフトで遊ぶ場合に上下どちらの画面に表示するか設定出来ると書きましたが、実際にGBAソフト(GAME&WATCH GALLERY 4)を使って、上下の画面それぞれに表示した場合の違いを比較してみました。下の画面はタッチパネル仕様になっているため表面に特殊な加工がされており、そのぶん若干ザラついて見えるのですが、ゲームに支障をきたすようなレベルではないと思います。逆に上の画面は綺麗なんだけどちょっと映り込みが多くて見にくいんじゃないかと思ったり (苦笑)。ただ、GBCGBAに比べればバックライトの効果も含めて十分見やすくなっていると思うし、画面自体が暗いというよりはソフトの作り方自体が悪い(GBAソフトはディーエスを前提に作ってないから仕方ないけど)のであって、これだけの画面で文句をつける人は贅沢すぎるというかPSPの画面見てもケチつけるんじゃないかと思っちゃいますね(いや、本当に)。ちなみに、細かいデータを書くと解像度は256×192pixel、26万色表示可能とのこと(GBAは240×160pixel、32000色)。今時のケータイとかPDA、あるいはPSPに比べると見劣りはしますが、あくまでゲーム機としてみた場合はこれくらいあれば十分じゃないかなあと思う私はミニゲームとかパズルしか遊ばないヌルゲーマーです (苦笑)


視点移動が大変かもしれない

ちなみに、このページや雑誌の記事などではゲームの画面が並んで表示されていますが、実際にはこの画像で分かるくらい物理的に結構離れています。下がメイン、上にはパラメータ表示、のようにあくまでサブ画面的な使い方をするなら良いのですが、頻繁に上下の画面を見ながら操作するようなアクションゲームはかなり疲れそうですね。もちろん、そういうデメリットを承知で逆にそこに面白みを持たせたゲーム(昔のゲーム&ウオッチのマルチスクリーンの最高傑作オイルパニックとか)が出てくる可能性もありますが、現状は・・・。個人的にはTouch!DSで遊んだボンバーマンの多人数プレイが良い感じだったんですが(画面の連結部分が土管になっていて各々の画面に気を配っていないと、いつのまにか罠を仕掛けられてやられちゃったりして (苦笑))、それでもやっぱり自分の動かしているキャラのいる画面に集中しちゃったりしてしまうので、遊ぶ方も作る方も試行錯誤が続いていくのではないか、という気がしています(試行錯誤だけで終わらなければ良いんですが・・・)


GBAソフト用スロット

で、そんな試行錯誤を続けていくのはさすがに厳しいと思ったのか、あるいは別の試行錯誤の道を増やそうとしたのか (笑)、ディーエスでは GBA のソフトで遊ぶことが出来ます。任天堂の当初の発表では「ディーエスとゲームボーイは別のラインである」ということだったので、SFCにおけるスーパーゲームボーイ、N64におけるゲームボーイアダプタ、GCにおけるゲームボーイプレーヤーと同じような位置付けになるのかな(据え置きのハードと違ってあとから拡張するわけにもいかないから最初から内蔵したというカンジ)。もちろん、今までのソフト資産を活かすというのはユーザーにはありがたいことだし、実際問題として任天堂自身もそういった層をターゲットにしていると思いますが、あくまで補助的な仕様だというところには注意しなければなりません。特にGBA用の外部通信コネクタが無いので通信の類は一切出来ないのが大きいですね(一番大きなターゲットのポケモンで交換や対戦が出来ないし、CARD_e+も使えない)


GBAとDSの連動構想

ただ、こういった使い方以外にディーエス用ソフトと連動させて遊ぶ、ということも考えられているようです。現にポケモンダッシュポケモンエメラルドを同時に挿すと、新しいコースが増えたり、きみのためなら死ねると過去のセガのGBAソフトを同時に挿すとメニューに出てくる女の子の衣装が変わったりとか・・・結局は補助的な使い方になってますけどね (苦笑)。まぁ高次元の連動ということを考えるとソフトの開発コストとかスケジュールの調整とか色々と難しいところがあると思うので主な活用方法としてはこういったものが今後も続くとは思いますが、昔PSでリリースされてた「読み込ませたCDによって違うモンスターが生まれる」(モンスターファームだっけ?)みたいなカンジで、GBAスロットに挿入したカートリッジによって違うキャラクタを呼び出すことが出来るゲームみたいなモノが出来ないかなあと密かに期待してたりはします。

まぁそういった理由もあり、スロットを設けることがそれほど大きなコスト増にならないのであれば全然問題無いと思うんですが、もし、このスロットを削ることで1万円くらいまで定価が落とせるならそっちの方が良かったかなぁ、と個人的には思ってたりします。ちなみに、GBA用カートリッジスロットが設けられているのは本体前面部ですが、何もソフトを挿入していない状態だとポッカリと口が開いた状態(特に蓋などは無い)なので埃とかが心配かも。小物(ディーエス用のカートリッジくらいしかないけど)を収納しておける引出しみたいなモノが出てきて欲しいところです(HORIなら作りそう (笑))


DSソフト用スロット

さて、肝心のディーエスソフト用のスロットは本体背面部に付いています。カートリッジスロットは最近のケータイやデジカメのメモリに採用されているプッシュオフ式(押し込んで挿入、外す時はもう一度押すと飛び出してくる)で、結構キッチリ押し込まないとカートリッジは飛び出てこないようになっているので故意に電源オン中にカートリッジを押して取り出そうとしない限りは危険性は少ないと思います。挿入した状態では中でロックがかかっており引っ張っただけでは抜けないようになっていますし、少なくともWonder Swan のように、カートリッジがほとんど剥き出しでロック機構も無くちょっとした拍子に外れてデータが飛んだ、などという悲劇は無いと思います。まぁ、欲を言えばデジカメと同じようにスロット自体を外蓋で覆うようになっていれば良かったと思いますが・・・ちょっと手間とコストがかかりそうですね(というか乱暴に扱わなければ良いだけの話だろう>私)


カートリッジの大きさ比較

ディーエスで採用されているカートリッジはSDメモリより一回り大きいくらいのサイズで非常に小さいです。しかし性能自体は逆に良くなっており、このサイズでありながら1Gオーバーの容量を記憶させることが可能だそうです(まぁ、実際にはコスト的な話からしてそんなに大容量のメモリは使わないでしょうけど)。デジカメとか使ってると、こんなカンジで表面上に端子が見えるようになっているメモリは特に珍しくもないんですが、任天堂のソフトは今までカートリッジの箱の内側に端子が隠れるようになっていたので(おそらく子供が直接端子に触れたりしないように考慮してのことだと思いますが)ちょっと驚きでした。もっとも、表面上剥き出しになっているように見えるだけで実際にはスリットの内側に収まっており、よほど乱暴に指を押し付けたりしない限りは端子に触れる心配は無さそうです。ちなみに後ろに写っているのはディーエス用のソフトのパッケージです。CDジャケットとほぼ同じサイズなので(厚みは全然違うけど)、オーディオラックに一緒に収納できるのが良いですね。あと、説明書が大きく作れるので見やすい・・・はずなんだけど逆にあまり厚い説明書は作れないので今までと大差なかったりします (苦笑)。個人的に、従来までは同じGBソフトであっても箱の大きさが違ったり、また海外版などはそもそも箱の形状自体が違ってたりして整理するのが非常に大変でした(ダンボールの中に入れる時もテトリスみたいに頭を使った (笑))。今後は出来るだけソフトのパッケージは統一していって欲しいものですね。


電池とアダプタ

ここまで色々と見てきましたが、最後に電源関係についてチェックしましょう。バッテリはGBA-SPと同じく専用の内蔵充電池です。公称では6時間から10時間ほどの連続稼動が可能となっていますが、おそらくバックライトを使わないとか省電力で使った場合の値でしょうから実際にはもっと短いのではないかと思います。特に通信機能を使った場合の消費電力は大きいのではないかと思います(パソコンで無線LAN使ってる経験上)。まぁケータイでも実際の通話やメールなんかは数時間しか使えないという話もありますのでとりわけ短いということではないですが、そのうち携帯充電器とか外部バッテリが売り出されるかも・・・って、ただでさえ重たい本体の他にそんなモノ持ち歩く人は居ないか (苦笑)。まぁ、私なんかは部屋で使うのがメインになると思うのでACアダプタ繋ぐことが多くなると思うのですが、持ち出すことが多い人はこまめに充電するようにした方が良いですね。ちなみに、同梱されているACアダプタとGBA-SPのACアダプタは形状がちょっと違うだけで使用することが出来ます。据え置き機ではACアダプタの流用は当たり前(バーチャルボーイですら流用できた)だった、というかGBみたいにコロコロと外部電源の仕様が変わる方がどうかしてたと思うんですが、余計な周辺機器で部屋が散らからないようにこれからも流用できるモノは流用していって欲しいですね。


バックライトの切替

あと、バッテリの駆動時間に絡んでくる話ですが、液晶が2画面あるだけでも消費電力が高いのに各々にバックライトが付いているのだから更に消費電力が増すのは火を見るよりも明らかでしょう。そこで当然バックライトを消すことが出来るようになっているのですが、GBA-SPにあったバックライトのON/OFFボタンがディーエスには付いていません。先ほどのメニュー画面の左下隅を見てもらうと電気のマークがあると思うのですが、それでバックライトのオンオフを切り替えるようになっています(上下の画面のバックライトが同時にオンオフされます)。ソフトによっては、オプションメニューの中にバックライトのオンオフを入れているものもありますが(直感ヒトフデなど)、そういったメニューが用意されていないソフトでは、あらかじめメニューでバックライトのオンオフを切り替えなければなりません。GBA-SPだと部屋の明るさや状況に合わせて即座に切り替えることが出来て非常に便利だったのですが・・・。あと、一度メニューからバックライトをオフにしても電源を切ってしまうと設定が無効になってしまうらしく、次の起動時にはバックライトがオンの状態になってしまいます。まぁ私自身は基本的にバックライトは常時オンの状態で遊んでいるので問題無いといえば無いのですが、バッテリ残量が気になる時とかバックライト点けない方が見やすい明るい場所とかでは消しておきたいと思うだろうし、そんな時に簡単にライトの切替が出来ないとイラつくだろうなぁ、と (苦笑)


歴戦の勇者勢ぞろいw

巷にはスタイラスを使ったPDAが溢れているし、銀行のATMや駅の券売機もタッチパネルを使ったものがほとんどを占めています。パソコンの世界でもタブレットPCというのが一時鳴り物入りで登場したのですが、その後の状況を見る限りあまり一般的に浸透しているとはいえません(というかハッキリいって誰も使ってない)。というのも結局キー入力が主体となるパソコンにおいては、キーボードを使った方が入力が速く済むからです(もちろん、キー入力を考えない=ブラウジング目的ならタブレットPCもかなり有用ですが)。それと同じで、ゲーム機においても入力デバイスが確立しており、とりわけ十字キーとA,Bボタンというのは昔から確固たる地位を築いてきました。そのスタイルを築いた任天堂が自らそのスタイルを捨て(まぁ正確には十字キーもA,B,X,Yボタンもあるので完全に捨てた訳ではありませんが)スタイラス+タッチパネルという別の入力デバイスによるゲームの世界を模索しようとしていることにディーエスの真の価値があるように思います(個人的に2画面ってのはメインではないと思っていて、それは縦長なり横長なり大きな画面にしたり解像度を上げることで別のウインドウを開くなどの代用案も考えられるからです)

ここでいう模索というのは単に目新しいアイディアをさがすというだけに留まらず、操作系や表示を変えることで従来のゲームでも遊びやすく出来るのではないか?ということを検討実施していくことも含んでいます。そして、それは作り手だけでなく、遊ぶ側もそういう姿勢を受け止めることが重要だと思います(とかく新しいハードが出ると、新機能を使っていなければダメみたいな風潮がありますが、機能だけ使って内容はクソというカンジではまったく意味が無いのは言うまでもないですから)。特にディーエスの場合はスタイラスや2画面を使ってなければクソ!みたいな風潮もみられますが、ボンバーマンみたいに操作は普通だけど、無線通信による今までに無い多人数プレイが可能という点がウリのゲームもあったりする訳です(マリオカートなんかも同様のことが言えるでしょう)

いずれにせよ、バーチャルボーイのように模索しっぱなしで終わらないようにして欲しいと願うばかりです (笑)

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