特許庁長官は、審査官に特許出願を審査させなければならない。
2 審査官の資格は、政令で定める。
第139条第1号から第5号まで及び第7号の規定は、審査官に準用する。
特許出願の審査は、その特許出願についての出願審査の請求をまって行なう。
特許出願があったときは、何人も、その日から七年以内に、特許庁長官にその特許出願について出願審査の請求をすることができる。
2 第44条第1項の規定による特許出願の分割に係る新たな特許出願又は第46条第1項若しくは第2項の規定による出願の変更に係る特許出願については、前項の期間の経過後であっても、その特許出願の分割又は出願の変更の日から30日以内に限り、出願審査の請求をすることができる。
3 出願審査の請求は、取り下げることができない。
4 第1項又は第2項の規定により出願審査の請求をすることができる期間内に出願審査の請求がなかったときは、この特許出願は、取り下げたものとみなす。
出願審査の請求をしようとする者は、次に掲げる事項を記載した請求書を特許庁長官に提出しなければならない。
特許庁長官は、出願公開前に出願審査の請求があったときは出願公開の際又はその後遅滞なく、出願公開後に出願審査の請求があったときはその後遅滞なく、その旨を特許公報に掲載しなければならない。
2 特許庁長官は、特許出願人でない者から出願審査の請求があったときは、その旨を特許出願人に通知しなければならない。
特許庁長官は、出願公開後に特許出願人でない者が業として特許出願に係る発明を実施していると認める場合において必要があるときは、審査官にその特許出願を他の特許出願に優先して審査させることができる。
審査官は、特許出願が次の各号の一に該当するときは、その特許出願について拒絶をすべき旨の査定をしなければならない。
審査官は、拒絶をすべき旨の査定をしようとするときは、特許出願人に対し、拒絶の理由を通知し、相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えなければならない。ただし、第17条の2第1項第2号に掲げる場合において、第53条第1項の規定による却下の決定をするときは、この限りでない。
審査官は、特許出願について拒絶の理由を発見しないときは、特許をすべき旨の査定をしなければならない。
査定は、文書をもって行い、かつ、理由を付さなければならない。
2 特許庁長官は、査定があったときは、査定の謄本を特許出願人に送達しなければならない。
第17条の2第1項第2号に掲げる場合において、願書に添付した明細書又は図面についてした補正が同条第3項から第5項までの規定に違反しているものと特許をすべき旨の査定の謄本の送達前に認められたときは、審査官は、決定をもってその補正を却下しなければならない。
2 前項の規定による却下の決定は、文書をもって行い、かつ、理由を付さなければならない。
3 第1項の規定による却下の決定に対しては、不服を申し立てることができない。ただし、第121条第1項の審判を請求した場合における審判においては、この限りでない。
審査において必要があると認めるときは、特許異議の申立てについての決定若しくは審決が確定し、又は訴訟手続が完結するまでその手続を中止することができる。
2 訴えの提起又は仮差押命令若しくは仮処分命令の申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、裁判所は、査定が確定するまでその訴訟手続を中止することができる。