非常に安定なときの気温変動「静流、乱流、波動」
大気の安定度リチャードソン数 Ri が1以上になるような夜間、高度数m以上で
気温の乱流変動が無くなった静流状態となる。それより下層はRiが小さく乱流
状態であり、それらの境界の高度付近では「間欠乱流」の状態となる。上層の
静流層の平均風速は下層の乱流層の平均風速より強く、それらの境界面では波
が砕ける「砕波」が生じる(Kondo et al, 1978)。
その結果、気温の時間変動を見ていると、ある時間帯は静流に、別の時間帯は
乱流的な変動をする。
このような特殊な現象は観測していてはじめて気づき、感激するものである。
参考文献
近藤純正、1982:大気境界層の科学.東京堂出版、pp.219.
近藤純正(編著)、1994:水環境の気象学ー地表面の水収支・熱収支ー.
朝倉書店、pp.350.
Kondo,J., O.Kanechika and N.Yasuda, 1978: Heat and momentum transfers under
strong stability in the atmospheric surface layer. J.Atmos.Sci., 35, 1012-1021.