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12.レガシィの8ナンバー取得記(前編)

このページでは、 実際にディーラーから新車で購入したレガシィを 「放送宣伝車」 として 
登録するまでの様子を説明します。改造ショップ や 8ナンバー登録代行業者には頼らず、
自分の足で機材を用意し、自分の手でセットし、自分の判断で登録するまでの手記です。
※このページは、平成13年10月1日以前に有効だった旧・構造要件に基づいた内容です。

 
●1998-02-06:新製 ●1998-03-29:写真追加 ●1998-08-14:スピーカーの欄に写真と解説を追加  
●1998-11-12:全面見直し&加筆 ●1998-11-24:WEB内リンク追加 ●1998-11-28:本文など見直し
●1999-02-13:更新(加筆) ●1999-03-28:本文や背景など全面見直し ●1999-04-28:ページ追加に
よる内部リンクの追加 ●2002-01-11:更新(表記統一、画像&レイアウト変更)                

■ は じ め に ■

ここでは、私が平成8年式レガシィワゴンGT−Bを特種用途自動車(=放送宣伝車)として 新車登録するまでに苦労した点や注意点、その他 気がついた点について述べていきます。どうぞ最後までよろしくお付き合い下さい。

一般に、8ナンバーに限らず車を登録するためには、その使用目的に応じた構造要件を満たしていなければなりません。私の場合、当初はレガシィを 「キャンピングカー」 で登録する予定でした。しかし実際には 「放送宣伝車」 での登録としました。というのも、レガシィを購入する前に、あらかじめキャンピングカー登録に必要な備品(ベッドやシンクなど)を自作しておくつもりだったのですが、それらが完成する前に、注文していた車(GT−BのMT・ロイヤルブルーマイカ・タンデムサンルーフ付き)がディーラーに配車されてしまった(!)からなのです。                   

つまり、私の都合(備品の完成待ち)のために、いつまでも車をディーラーに放置して迷惑をかけておくわけにもいかず、キャンピングカーとしての新規登録は間に合わなくなってしまったと判断したわけです。そこで急きょ、同じ8ナンバーとして放送宣伝車での登録にチャレンジすることに計画変更しました。これなら、登録に必要な備品も比較的短期間で用意できるのではないか? と考えたからです。
  

■ 前編その1・構造要件の検討 ■

まず最初に行ったことは、果たしてレガシィワゴンが本当に放送宣伝車としての構造要件(法律で定められた条文の内容)を満たすことができるボディ形状であるか? についての確認です。確かに世の中には、カローラバンやアベニールの8ナンバー改造車は存在しますが、レガシィの8ナンバー車なんてほとんど皆無です。わずかにあるのも、雑誌の広告などで見かける「キャンピングカー仕様(高額な改造キットを載せたもの)」くらいです。

そこで 「放送宣伝車の構造要件」 について色々と文献を調べてみました。結論から書くと、レガシィワゴンでも「放送宣伝車」としての資質があることが分かりました。構造要件については、その条文の全文を別ページに独立させて書いていますので、そちらをご覧下さい。
(→ 「放送宣伝車の構造要件」のページ )

それによると、一番の焦点は 「後部座席+荷室」 の合計面積の半分以上 を放送関係の設備として利用できるかどうかにかかっている・・・ということが分かりました。確かにここまでは分かりましたが、レガシィを 「放送宣伝車」 として8ナンバー登録(恐らく前例がないでしょう)すること、しかも業者さんではなく個人でチャレンジする(恐らく日本中でも私が最初で最後かも?知れません)ため、構造要件の取り違いなどの無いよう、さらに十分な吟味を重ねて実際の準備に移りました。
 

■ 前編その2・実際の準備 ■
私が放宣車登録の際に用意した機材や部品は、以下の通りです。

  (1).車外スピーカー
  (2).荷台設置用スピーカー&ボード
  (3).FMマイク&FMラジオ
  (4).ターンバックル(スピーカーボードを荷台に固定する金具)など

(1).車外スピーカー
放送は車室外に対して行われるものですので、テールゲートを開けなくても放送音声が外部に聞こえなければなりません。そこで外部SPをボディに固定します。私の場合は、市販ステーを利用してブラケットを作成し、ルーフレールに直接固定(クランプ)しました。

ルーフレールに固定設置(常設)
ルーフレールに固定  拡大図

他の88ユーザーやその手のショップによると、ボンネットの中とか牽引フックに固定してもOKとなる場合があるようですが(例:三菱RVRなど)、やはりルーフキャリアを組んで、そこにSPを設置するのが一番確実な方法であると思います。この車外SPは、継続審査(車検)の際にもチェックされます。車外SPの詳細(スペック、固定方法)については、こちらのページをご覧下さ(→ 「装備の一覧/フォトギャラリーその1」のページ )。

(2).荷台設置用スピーカー&ボード
荷台に放送機材としてのスピーカーを設置します。サブウーハーでもOKです。当初は荷室空間を大きく利用したスピーカーBOXを設置しましたが、これだとあまりにも実用性に欠いているため、いくつかの試作段階を経て現在はスバル純正オプションの KENWOOD製サブウーハー と、家にあったBOSEのスピーカーを組み合わせたものとしています。

荷台へのスピーカー設置風景 その後、実用スペースを拡大 現在、トリム化で外観向上
新車登録前の状態 サブウーハーをスバル純正(KENWOOD)に交換 トリム化により見栄え向上
新車登録直前の荷室の状態。
ディーラーの駐車場を借りて、
持ち込んだ放送機材を荷室へ
設置します。もちろん自分で。
載せるだけではダメで、フロア
に固定することが重要です。
この当時のスピーカーBOXは
自作の物なので、少々大げさ
で、かさばっています。    
その後、サブウーハーを純正 
オプションの KENWOOD 製に 
交換。ちなみにメインデッキは 
KENWOOD 製(レガシィ・リアル
フォーカス・サウンド・システム)
です。荷室左右にも BOSE の 
小型スピーカーを設置しました。
これで荷室が充分に広がり、 
実用上の不満はありません。 
平成10年7月現在の荷室。
ユーザー車検を受けるため、
外観の向上を狙いスピーカー
ボードをトリム化した。念のた
め、法律の条文に「難燃材」
の使用規定がないか調べた
  が、放送宣伝車では規定なし。
これでようやく人様にお見せ
できる状態になったかな? 

スピーカーを設置する際の注意点は、次の点です。SPは荷台に直接置くのではなく、90cm×100cmほどの大きさ(←これはレガシィの場合です。車種により必要最小面積は異なります。)のボード上に設置するのです。そしてそのボードを、ボルトなどで荷台に確実に固定させるのがポイントです。これは、そうすることによってボード自体が設備と見なされるので、結果として面積要件をクリアすることになるからです。このへんのノウハウについては、改造ショップではなかなか教えてくれないのではないか・・・と思います。皆さんもひとつのアプローチ例として、参考にして下さい。なお、具体的な荷室の様子については 「フォトギャラリーその2」 のページで解説していますので、そちらをご覧下さい(→ 「装備の一覧/フォトギャラリーその2」のページ )。

(3).FMマイク&FMラジオ
要するに自分の声をスピーカーから出せるようにすればいいので、FMマイクで飛ばした音をFMラジオで拾い、それをアンプで増幅したものをSP端子に出力させることにしました。まずアンプ付きFMラジオについては、あらかじめ先代レガシィセダンRSターボ(今回登録しようとするGT−Bの前に、私が乗っていた車)のオーディオユニットを取り外してキープしておいたので、それを利用します。カプラー(コネクター)のピン配列については、すでにレガシィ(BC&BF)用の電気配線図集をディーラーから購入していたので、それを参考に必要部分のみ「ギボシ」で分岐させました。

次はFMマイクです。さすがにFMマイクまでは持っていなかったので、まずはディスカウントストアへ直行です。準備費用をなるべく安くあげたいからです。ところが残念なことに、ディスカウントストアでは何故か高価なオーディオ用のマイクしか置いてありませんでした。次に、家電専門店へ出向きました。しかし、ここでも8000円〜10000円もする高価な多機能型マイクしか取り扱っていませんでした。私が欲しいのは、単純に音声をFMに変換して飛ばすだけのトランスミッター機能さえあれば充分なのです。

そこで最後に、自動車用品店に足を運びました。2台一組2000円〜3000円前後で販売されている、ハンディータイプのFMマイク(トランシーバー)がありますよね。「高速道路やスキー場へのお供に」とか「渋滞中、仲間の車との交信に」などという宣伝文句で販売されているものです。送信時はそのマイクをサンバイザーなどに挟んで使用し、受信はお互いの車のFMラジオを使う・・・というタイプのものです。確か「FMトーキー」とか「わいわいトーク」などという(?)商品名だったように思います。今回は電波の到達距離が多少短くても差し支えないので、これを2000円ほどで購入しました。実際には1個でも足りるのですが、2個一組の値段でも、こちらの方が前述の高級(?)マイクより、はるかに安上がりです。また、この手の商品を本来の使い方(クルマ2台での送受信)で使用した場合に、果たしてうたい文句どおり本当に実用に足るだけの送信性能を有するのかどうかを試してみたかった・・・ということもあり、結局購入に至りました。放送設備詳細(スペック、固定方法)については、こちらのページをご覧下さい(→ 「装備の一覧/フォトギャラリーその3」のページ )。

(4).ターンバックル(スピーカーボードを荷台に固定する金具)など
前述のSPボードは、走行中の振動などでズレることのないよう、しっかりとフロアに固定されていなければなりません。そこで 「?」字型 のフックやターンバックルなどの固定金具が必要になります。幸いレガシィの場合は、荷台の四隅にカーゴフックが標準装備されているので、フロアに穴あけなどの加工は不要です。このカーゴフックを利用して、ボードがターンバックルを介してフロアに締め付けられるよう調整します。

ここまでくると、車両側での必要な改造はほぼそろったと言えるでしょう。最後にDC12V電源が必要(FMラジオやマイクを駆動させるため)ですが、レガシィの場合は荷室にカーゴソケット(12V電源)が標準装備されていましたので、そこから拾いました。改造の必要も無く、非常に便利でした。


以上が、私の用意した放送機材になります。ちなみに、これら機材のセッティングはすべてディーラーの駐車場(のジャマにならないところ)で行わせていただきました。後編は、実際の検査場での登録手続きや、検査官とのやりとりについて書きます。トラブル(?)への対応なども紹介しますので、そのまま続けてご覧下さい。
 
  

 
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(参考)レガシィ8ナンバーのユーザー車検体験記 その1 ・ その2 ・ その3