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8.放送宣伝車の構造要件('01/10 改正前)

前のページでは、「キャンピングカーの構造要件」 について述べました。
ここでは、「放送宣伝車の構造要件」 について簡単に解説しましょう。 
これは法律の条文そのものですから、これがすべての元になります。 
私(HP管理人)のレガシィも、放送宣伝車での登録となっています。  
 
※このページは、平成13年10月1日から施行されている新・構造要件をカバーした内容にはなっておりません。

●1999-04-28:更新、 ●2000-02-02:更新、 ●2001-11-05:レイアウト他変更  

■ 放送宣伝用自動車の構造要件('01/10 改正前) ■

 
『放送宣伝用自動車の構造要件/自技第257号 平成7.12.28』

 特種用途自動車等の車体形状である放送宣伝用自動車は、
次の各号に掲げる構造上の要件を満足するものとする。
  

1 車室、荷台等に次に掲げる放送を行うための設備(以下「放送設備」という。)
  又は商品等を展示するための設備(以下「展示設備」という。)を有すること。

(1)放送設備 放送設備は、次の各号に掲げる基準に適合すること。
  
@ 車体の外側に確実に固定された拡声器により、 
車室外に放送できる設備を有していること。 
 
A 放送のために備えられた放送機器は、走行中の
   振動等により移動することがないよう車体に確実
     に固定され、車室内において操作可能であること。
(2)展示設備 展示に用いられる設備は 走行中の振動等により
移動することがないようボルト等により車室、荷台
等に確実に固定されていること。         

 2 運転者席(運転者席と並列にある座席を含む。)を最大限に利用した状態 
  で運転者席の背あての後縁(背あての角度は設計標準位置とする。)から
   前方にある範囲を除く車室及び荷台の面積のうち、放送設備又は展示設備
   及びそれらの設備を利用するために必要な場所の占める面積(座席の占め
   る面積及び物品積載設備の面積を除く。)の合計が2分の1以上あること。


以上が条文ですが、この中で注意すべき点はやはり「2」の項目です。これは簡単に言うと、「後部座席+荷室」 の合計面積の半分以上を放送関係の設備に使いなさい、ということです。例えば後部座席よりも荷室の面積の方が小さい車(例えば軽乗用車や日産SRV、マツダデミオなど)では、荷室を全て放送設備に使ったとしても、「後部座席+荷室」の合計面積の半分に達しないため、多分NGとなることでしょう。このような車でどうしてもOKとさせるためには、2人乗り化(乗車定員の変更)になってしまうと思います。荷室の寸法から考えると、レガシィクラスではOK、インプレッサクラスではギリギリか? という感じになると思います。
  

■ 資料・現行法('01/10〜)施行前の改正案 ■

2001-11-05:更新(一部追記&削除)
2000-02-02:更新(構造要件改正案の情報を追記)
 
上で述べた構造要件は、2001年9月末まで適用されていたものです。現在では、2001年10月から施行されている新・構造要件が適用されています。実はその新・構造要件が施行される前に、運輸省(現・国土交通省)が検討していた改正(案)が一定期間、WEB上で公開されていました(パブリックコメントも同時に募集されていました)。参考までに以下に記載しますが、実際に施行されている現行の構造要件とは、大きく異なっていたことが分かります。

〔改正内容(案)〕 ※(注):施行するに至らず、ボツとなったもの
 
 特種用途自動車とは、主たる使用目的が特種である自動車であって、その目的遂行に必要な構造・装置を備える次の1、2又は3のいずれか1つに該当するものをいう。

   1  官公署等で使用する専ら緊急の用に供するために必要な特種な構造・装置を有する自動車
   2  使用者の事業が法令等で特定でき、その特定した事業を遂行するために必要な特種な構造・
      装置を有する自動車
     特種な目的に専ら使用するために必要な特種な構造・装置を有する自動車

 特種な目的に専ら使用するため、以下の(1)から(4)の区分に示す車体形状毎に別途定める構造上の要件に適合する設備を有しており、かつ、その床面積が運転者席(運転者席と並列の座席を含む)を除く客室の床面積及び物品積載設備の床面積の合計面積の2分の1以上である自動車
 
   (1)  特種な物品を運搬するための特種な物品積載設備を有する自動車
   (2)  乗員等を輸送するための特種な乗車設備を有する自動車
   (3)  特種な作業を行うための特種な設備を有する自動車
   (4)  その他特種な設備を有する自動車

     1) 車体形状      キャンピング車、放送宣伝車
     2) 構造上の要件  
使用目的遂行に必要な特種な設備を有しており、かつ、車体形状毎に
                 別途定める構造上の要件に適合する設備を有する自動車

車体の形状:放送宣伝車
構   造   要   件
 
※(注):施行するに至らず、ボツとなったもの

企業等において、業務内容等の情報を広く提供するために専ら使用することを目的とした自動車であって、次の1又は2のいずれかに掲げる構造上の要件を満足しているものをいう。

1  放送を行うための設備(以下「放送設備」という。)を有する自動車は、次の各号に掲げる構造上の要件を満足していること。
 
 ただし、当該自動車の使用者が営利を目的としない団体又は営利を目的としない活動を行う者であり、当該自動車の車体の両側面に当該使用者の所属する営利を目的としない団体の名称又はこれに類する表示がなされている自動車にあっては、(1)、(4)、(5)及び(6)の要件を満足していればよい。

(1)  車室には、放送設備を有すること。
(2)  放送するための者の用に供する座席を有し、かつ、この座席の座面から上方に1,000mm以上の空間
   を有すること。この場合において、放送するための者1人分の用に供する座席の部分は、特種な用途
   のための設備とする。
(3)  放送するための者の座席は、運転者席(運転者席と並列の座席を含む。)以外の客室内に設けられて
   いること。
(4)  車体の外側に固定された拡声器により、車室外に放送できる設備を有すること。
(5)  放送設備は、車室内において操作可能であること。
(6)  物品積載装置を有していないこと。

2  商品等を展示等するための設備を有する自動車は、次の各号に掲げる構造上の要件を満足していること。

(1)  商品等を展示するためのケース又は棚(以下「展示設備」という。)を有し、かつ、展示設備の床面への
   投影面積は1u以上であること。
(2)  展示設備は、車室の外側から容易に見える位置に備えられていること。

 なお、自動車の車体の外表面は、この場合の展示設備には当たらないものとする。ただし、物品積載装置であった床面に、展示設備を側方から容易に見えるように固定的に設けた場合は、当該部位は車体の外表面とは見なさないものとする。

(3)  展示設備には、商品等が媒体として固定されていること。
(4)  車体の外側に固定された拡声器により、車室外に放送できる設備を有すること。
(5)  放送設備は、車室内において操作可能であること。
(6)  展示設備が車室内にある場合には、展示商品等を見るための者の車室内への出入りのため、次の
   寸法等を満足する乗降口が当該自動車の右側以外の面に1ヶ所以上設けられており、かつ、通路と
   連結されていること。
     ア 乗降口は、有効幅600mm以上、かつ有効高さ1,600mm以上あること。
     イ 通路は、有効幅300mm以上、かつ有効高さ1,600mm以上あること。
     ウ 空車状態において床面の高さが450mmを超える乗降口には、一段の高さ
        が400mm(最下段の踏段にあっては、450mm)以下の踏段を備えること。
     エ 乗降口に備える踏段は、滑り止めを施したものであること。
     オ ウの乗降口には、安全な乗降ができるように乗降用取手及び照明灯を有すること。
(7)  物品積載装置を有していないこと。

留意事項
・ 放送宣伝のための必要最小限の道具等を積載するための装置は、この場合の物品積載装置に該当しないものとする。

これを読むと、ある特定の条件(※)を満たさない限り、放送宣伝車にすることのできる車種が非常に限られることになったであろうと推測されます。つまり、車両選択の自由度が極端に狭いです。
(注):条件=該自動車の車体の両側面に当該使用者の所属する営利を
        目的としない団体の名称又はこれに類する表示をすること

実際にはこの(案)は(案)のままで施行されずに終わりましたが、そのエッセンスは現行法にも活かされているように思います(なお、現行法の紹介については、紙面の都合上割愛させていただきます)。
  

 
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