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がんを明るく生きる-前立腺癌の末期から生還した伊藤勇のサイトのホーム

末期癌より生還した伊藤勇への相談の手紙とその返信

その33
前立腺癌の再燃におびえています。自然退縮した人は他にいますか?

Kさんより
私は、各種検査のあと生検によって前立腺癌との確定診断が下されました。骨転移を起こしているのでホルモン療法以外には治療法がないことを知らされ余命宣告まで受けました。こんな私からしますと、骨転移まで起こされていたにもかかわらず、明るい生き方によって癌の自然退縮にまで至られた伊藤様のホームページは大きな希望の星で、熱心に読ませていただいております。

通常、ホルモン療法は3年程度続けると癌に耐性ができ、再燃してしまうこと、再燃癌には決定的な治療法が存在しないことから、ホルモン療法を受けている患者さんは私も含め、再燃におびえて生きているところがあります。

再燃を起こすことなく自然退縮された方はホームページで見る限り、伊藤様以外には松井清氏がおられるだけで、お二人は例外中の例外なのだろうと思ってしまうのですが、骨転移まで起こしてしまった方の中で、ほかにもこのような方はいらっしゃいますでしょうか。

また、前立腺癌が再燃してしまってから、「いずみの会」その他患者の会で共に泣き共に笑いはげましあう交流の中で支えられ、再燃癌を克服ないしは善戦されていらっしゃる方は何人かいらっしゃいますでしょうか。

もしそういう方々がいらっしゃるようでしたら、私も「いずみの会」などの患者会に入会し、この病気と闘って行きたいと願っております。なにとぞよろしく御教示お願い申し上げます。

その33
伊藤勇 より

Kさんへ
お便り拝見しました。心よりお見舞い申し上げます。
定年直後の病気発症は、よくある事です。原因として、長い間の気付かないストレスや、生活習慣の乱れが、ホッとした頃に身体に現れて来るのは確実に云える事です。いかに身体に無理をかけていたかが伺えます。

私が入会しております「いずみの会」及び「がんの患者学研究所」に於ける前立腺癌の患者さん同士の交流会では、80%〜90%は、診断された時にはステージD2で、骨転移が大半です。手術、放射線、抗がん剤もあまり効果なく、女性ホルモン療法で進行を抑える事になるのですが、90%位の方は腫瘍マーカーは劇的に下がり、正常値になる事があります。

しかし、癌の悪性度検査で、低分化、中分化の診断の場合は、6ヶ月〜2年位で、肺などへ転移が進む確率が高いようです。高分化の場合ですと、ホルモン療法だけでも、5年から10年・・と割合と元気な患者さんも多いようです。従って、再燃は自己免疫力の強弱、遺伝体質、生活習慣、ストレスが複雑に関係するものと思われます。

名大の医師によれば私のようなケースは、1000人に一人かな?という話でした。

癌患者の会に入って、一番大きなメリットは、癌の話がオープンに話せる事で、孤独感が無くなる事、お互いの情報交換が出来る事等々でしょうか。
ストレスは最大の敵です。独りでは無い事を実感しながら、みんなで助け合い、支えあって、生きている喜びを噛み締めながら、心身のリラックスに努め、無我執の境地で、お過ごし下さい。

よい結果をご自身で生み出される事を心から願っております。

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