「草野球の窓」

第93章
「チーム作り」

 草野球チームを結成しようとし、まず苦労するのが人集めだ。次に頭を悩ませるのがチーム作りである。まず、誰を投手にするかだ。投手の経験者がいればいい。しかし、投手経験者がいない場合どうするか。

 長期的には肩が強く、速球を投げることのできる者を投手候補として育成すべきである。一般的には、球速だけはあっても、コントロールがなく、セットポジションも牽制球もどうやっていいか分からない場合が多い。制球力は一朝一夕には身につかない。ピッチングフォームが固まっておらず、フォームの基礎となる足腰が弱かったり、腕や手首の使い方が不安定であるためだ。指導者がいればいいが、いない場合には沢山投げて自分でいい投球をした時の感覚を体で覚えていくしかない。これには時間がかかる。しかし、途中であきらめてはならない。5年位かけるつもりで努力しなければならない。

 短期的には速球は投げられなくても、制球力のある者を投手とすべきだ。ストライクが入らないと野球にならない。また、ド真ん中に投げても常に打たれるとは限らない。緩い球でも丹念にコーナーを投げ分けることができれば思ったほど打たれないものだ。

 投手が決まったら、次は捕手だ。捕手は肩が強く、元気があり、球を怖がらない人がいい。野球を知っている者がいれば尚いい。頭がよくて、緻密な配球を組み立てられる者なら尚更好都合である。ただ、捕手は冷静でなければならない。ファイト満々すぎて、すぐカッカする者は向かない。

 投手と捕手が決まればあとは比較的楽だ。内野は遊撃と二塁手、外野はセンターに上手な選手を当てる。チームによっては、二塁手よりも三塁手の方を重視する場合も多い。三塁に打球がよく飛ぶチームでは三塁手の方を重視してもよい。但し、三塁手に比べ、二塁手の打球処理はフライ、ゴロ、ゲッツー、牽制、中継などはるかに難しい。少しレベルが高いチームでは、二塁手の方を重視することが一般的だ。

 守備が一応固まれば、次はチームカラー、あるいはチームとしてのコンセプト作りだ。「守備を固めて四死球、敵失、犠打をからめ、最小得点で勝つ」「打順の上位に打てる選手を集めてとにかく打ち勝つ」「とにかく塁に出て走り回る」・・などなど、チームとしての特徴をどこに求めるかは重要な選択となる。レベルの高いチームなら、相手や戦況に応じて何でもできる。しかし、若葉マークのチームは自分たちの特徴を出した戦い方をする、あるいは自分たちの土俵の中に相手を引きずり込むことが勝利への唯一の道となる。チームカラーは当面のチーム作りの目標であり、チームをまとめる求心力となる

これ、ゆめゆめ忘れることなかれ。  (平成11年1月17日掲載)



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