今回も読者からのご質問に答える。
確かに二塁手や右翼手に守備力のやや劣る人を置いているチームがある。こんなチームに対しては当然右狙いである。だが、そうでなくても右打ちは重要である。 外角球、変化球、左投手の攻略は原則的には右打ちである。
「原則的」と述べたのは、人によっては非常にリストが強くて外角球や外に逃げる球でも引っ張って強い打球を打つことができる。もし、リストが強い選手がいれば、無理して右打ちを心掛ける必要はない。マグワイヤー選手などはとてつもなくリストが強く、外角速球でも引っ張ってホームランにすることができる。 右打ちをしようとしてもできない人の多くは、内角球と同じようなポイントで打っているし、球が当たる瞬間すでにバットヘッドがグリップと同じ位置、または前に出ている。このため打球に力が乗らず、いわゆる「引っかけ」状態となり、ボテボテのサードゴロとなることが多い。緩い球が打ちにくいのも同じ理由だ。球を待てずに引っかけるためだ。外角を想定した素振りとフォームチェックをまず行う。トスバッティングでその成果を確認する。右打ちができない人のトスは打球が投手正面に返らない。 ヘッドを遅らせることができるようになれば、内角寄りの球を右方向に打ったり(解説者は「おっつける」と表現する)、内角一杯の難しい球をセンター方向に打ち返すことができる。解説者が大好きな、いわゆる「センターを中心とした」打ち方である。今シーズン限りで引退する落合選手の打法がその典型である。あの歳まで高打率を残せたのも右打ちの技を持っていたからである。 右打ちをマスターしたら、貴方の打率は大きく伸びる。 これ、ゆめゆめ忘れることなかれ。 (平成10年10月31日掲載)
【幹事補足】 しかしながら、「引っかけ」問題は右打者と左打者とでは重要性が事なることに留意しなければなりません。走者二塁の時、右打者の引っかけは最悪ですが、左打者の引っかけは最低限走者を三塁に進めることができます。 |
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