第81章
「速球を打つ」

 読者からのご質問である。速球が打てない。マシーンで速球を打つ練習をすべきか、やはり投手の投げる球を打たないとダメなのかでチーム内の意見が別れている。速球を打てるようになるにはどうしたらいいかという内容である。

 マシーンの良い点は、一定の球速の球が同じコースにくるため、タイミングを掴む練習には適している。130km/hの速球にタイミングが合うまで打ち込むことができる。
 しかし、実際の投手が投げる球は同じ速球といってもスピードが少しずつ異なるし、コースも異なる。しかも、変化球も交えてくる。マシーンで練習したのと同じコース、同じスピードの球がたまたまくれば打てるかもしれないが、マシーンのように正確に投げる投手はいない。

 では、投手が投げる球を打ったほうがよいのか。チームに速球を投げ込むことのできる選手がいれば、その球を打てばよい。が、チームにそれができる選手がいないというのが実態であり、だからこそ速球派投手に出会うと打てない。

 速球を打つのは難しい。故に、投手にとって最大の武器になる。何故難しいのか。バットが振り遅れるから詰まったり、さらに振り遅れがひどくなると空振りしたり、バットを振り始める前に球が通りすぎてしまう。したがって、いかにバットを振るスピードを上げるかが鍵となる

 マシーン練習、投球での練習、どちらも正しい。が、両方とも必要十分条件ではない。基本は素振りを繰り返すことである。毎日、100本以上素振りをしていればバットスウィングのスピードは上がってくる。
 次に、以前述べたように最短距離でバットを振ることだ。多くの打者は、ミートポイントまでに無駄な動作(バットを動かしてタイミングを取るくせがある人は振り始めが遅くなる;脇が締まっていない人はバットの軌道が大きくなる、など)をしていることがある。素振りとフォームチェックが最低限必要である。素振りとフォームチェックの効果をマシーンで確認するとよい。ドン詰まりだったものが、徐々にミートできるようになる。
 試合で打てるようになるには投手の投げる球を打つ練習も欠かせない。速球投手がいないならば、マスコットバットなど重いバットを使うとよい。重いバットではバットスウィングのスピードが遅くなるのは当たり前である。それでも、バットが振れていればミートすることができる。無駄なバットの動きがあると、重いバットでは緩い球でも打てない。

 毎日素振りを行っていると、手にまめができ、破けて痛い。それでも休まず続けているとまめが固まってくる。そしてまた、まめができ、固まる。掌がごつごつになる。速球が打てることの証であり、勲章でもある。

これ、ゆめゆめ忘れることなかれ。  (平成10年10月25日掲載)



前項に戻る 「まるドの目」メニュー 次項へ進む


草野球カレンダーチーム名簿リーグ名簿チームリンク集スポーツ安全保険草野球資料室草野球フォーラム
人材募集「まるドの目」「くまの穴」「草野球の科学」「マネージャーの声」「拝啓 新興チーム様」トップ