読者から、最近二塁手を任されるようになったが、難しくてどう動いてよいか分からないというご質問がきた。二塁手は「内野の要」と言われ、難しいポジションである。比較的イージーゴロの多い三塁手とは異なり、ボテボテのゴロ、一・二塁間や二・遊間を抜けるようなゴロ、ライトやセンターとの間に上がった小飛球、一塁手後方の小飛球など1試合で4〜5回も打球処理機会がある。さらに、ゲッツー、盗塁捕殺、走者の牽制、外野からの中継、その他状況に応じたベースカバーなどその動きは複雑で、多岐にわたる。だから、それまで他のポジションを長年やってきた人でも、初めて二塁を守る場合、ぎこちない動きしかできないのが普通である。
走者がいない場合は深めに守る。二塁手の守備範囲は広いので、深く守っていないと打球に追いつけない。さらに、外野との間にフラフラっと上がった小飛球や一塁手後方への小飛球への対応もできなくなる。投手からすれば、打ち取ったはずの小飛球がヒットになってしまうこと程がっかりするものはない。 走者がいる場合は、浅め(ベース間を結ぶ線の少し後ろ)に守る。言うまでもないことだが、ゲッツー、盗塁、バント処理で飛び出した一塁手のベースカバー、走者の牽制などに対応するためだ。ゲッツーで難しいのは二塁ベースへの入り方だ。一般的には左足でベースを踏み、そのまま左足を軸に体を一塁方向へ回転させると同時に、右足を一塁方向へステップしながら送球する。これは、外野側へ体を倒してスライディングする人が多いためだ。この時注意すべき点は、ベースの外側、すなわち三塁寄りを踏むことだ。一塁寄りを踏むと、スライディングしてくる走者と交錯して危険である。盗塁に対しては、遊撃手が入り、二塁手がカバーする場合とその逆の場合がある。どちらがベースに入るかは遊撃手と打ち合わせておかねばならない。ベースに入る場合は、二塁ベースのセンター方向の角を跨ぎ、捕手からの送球をベースの一塁側にタッチする。走者の動きに惑わされると、タッチをかい潜られる場合がある。 ここで述べたのはあくまでも基本動作であって、実際には教科書どおりにはプレーは行われない。予想外の走者の動き、捕手や内野手からの送球のズレ、外野手が打球を後逸してしまった場合など応用動作が必要になる。基本動作の習得、さらに応用動作への発展は練習を積み重ね、体で覚えていくしかない。練習時間が少ない場合には、レベルの高い相手チームの二塁手の動き、あるいはプロ野球や高校野球の試合を球場に行って観戦するとよい。球場に行ったら二塁手の動きを追うのだ。打球が飛んでこない時の動きが特に重要である。テレビは打球を追うだけで、各野手がどんな動きをしているかは分からない。 これ、ゆめゆめ忘れることなかれ。 (平成10年10月19日掲載) |
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