「草野球の窓」

第64章
「挟殺プレー」

 子供のころ、路地裏の狭い通りで「挟みっこ」をして遊んだものだ。鬼ごっこ感覚で、電柱の間をゴムボールを持って追いかけたり、追っかけられたり。あの頃の挟みっこは楽しかった。
 しかし、今草野球でひとたび挟殺プレーを見るとハラハラしてしまう。そして、思ったとおり、せっかく釣りだした走者を生かしてしまうことになる。

挟殺プレーで大事なことは、原則として元の塁に走者を追い詰めること、そしてベースカバーを忘れないことの2点だ。
 例えば、一・二塁間で挟殺プレーが生じた場合、走者を一塁ベースへ追い込む。そうすれば、例え間違いがあっても元の鞘に納まる。二塁ベースに追い込むと、暴投すれば走者を二塁に生かしてしまうからだ。この時、ボールのやりとりが長引くと、どこかで誰かが暴投する確率が高まる。すばやく決着をつけるように心掛けなければならない。

  一・二塁間の挟殺では、一塁カバーは一塁手と投手、二塁ベースは遊撃手と二塁手でカバーする。ライトは一塁ベース後方、センターは二塁ベース後方へ移動する。もし、一塁からの送球が暴投となった場合、走者は三塁へ走るかもしれない。走者が走れば、二塁後方でカバーしたセンターは三塁へ送球する。この球がそれた場合を考え、捕手とレフトがカバー態勢に向かう。本塁が空くので、一塁手が本塁カバーに走る。

 二・三塁間の場合は、二塁のカバーは遊撃手と二塁手、三塁は三塁手と投手がカバーする。レフトは三塁後方へ、センターまたはライトは二塁後方をカバーする。走者が本塁まで走る場合を考え、捕手と一塁手は本塁をカバーする。

 三・本間では、三塁を三塁手と遊撃手が、本塁を捕手と投手または一塁手がカバーする。当然、レフトは三塁後方に移動する。

 走者が二人の場合も原則は同じである。前の走者を元のベースに追い込む。但し、挟殺プレーが2ヵ所で発生するから、自分はどこのベースカバーに行けばよいか分からなくなる。その結果、一つの塁に何人も野手が集まり、別の塁には誰もいなくなることがある。例えば、一・二塁に走者がいる場合、もし挟殺プレーとなれば自分はどこに行くのか前もって考えておくのだ。ボケッとしていると混乱してしまう。走者二人が同じベース上にいる場合は、前の走者に占有権がある。だから、例えば二・三塁で三塁走者が挟まれている間に二塁走者が三塁まで達したら、野手は球を持ったまま三塁走者を三塁ベースに追い込めばよい。そして、三塁上にいる二塁走者にタッチするのだ。

 逆に走者はできるだけ長い時間挟まれて粘る。すると、暴投の確率が高くなるし、後ろの走者を前の塁へ進塁させることができる。

これ、ゆめゆめ忘れることなかれ。  (平成10年7月5日掲載)



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