第47章にて、Japan Times 紙に日本の高校野球に対する10件の改善提案が載っていたことを紹介した。高校野球のみならず、草野球にとっても検討すべき11番目の提案をしたい。それは女子選手を正式に認めることだ。一部の高校では女子選手が男子に混ざって練習していると聞く。練習試合には出場可能だろうが、高野連は認めていないので、公式試合には出場できないし、メンバー登録もできない。
女子を認められない理由があるだろうか。確かに体力的には男子より劣るだろう。しかし、男子でも体力のない選手は大勢いる。女子でも中学や高校で運動部に属していた人達はそれなりの体力を持っている。男子でも160cm そこそこの選手がいる一方、女子でも170cm を越える選手は珍しくない。特にソフトボールの経験者であれば基礎技術を持っているので、あとは練習を積んで球の速さや打球の伸び方、変化球などに慣れるだけだ。何年か前、明治大学野球部に米国の女子選手が入部したことが話題になった。殆ど活躍出来なかったようだが、男子選手と同じ練習メニューをこなしたという。やってできないことはないのだ。 野球グランドの横にあるテニスコートでは、男性と女性が一緒にプレイをしている。これを横目でうらやましそうに眺めるのは私一人ではなかろう。女子選手がいれば若い男子選手ががんばるし、若い男子選手が増えれば女子選手も増える。そうすれば、草野球はもっと面白く、かつ楽しいものになるだろう。 高校野球には伝統の重みに加え、どこか暗く、悲壮なイメージがつきまとっている。しかし、女子選手が認められれば、明るさ、華やかさが加わり、高校野球が一層活性化される。その中で優秀な選手がプロ野球に入り、そこそこ活躍するようになれば、尚一層人気も高まる。あるいは、女子の甲子園大会があったり、女子のプロ野球リーグがあってもよい。
草野球は野球が好きな者が集まって、野球を楽しめばよい。プレーをする上で必要なルールと安全が守られ、まぎらわしさ(ユニフォームがバラバラといった)を防ぎ、公平性を守ることが出来れば、誰でも出場でき、楽しむことが保証されなければならない。野球が好きな女性、やってみたい女性、あるいはソフトボールの経験者などどんどん参加するがよい。
これ、ゆめゆめ忘れることなかれ。 (平成10年3月24日掲載)
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