スピードスケートで清水選手が金メダルの快挙をなし遂げた。日本人の誰もが清水選手は金メダルを取るものだと期待していただけに、相当なプレッシャーを感じていたことであろう。そのプレッシャーを跳ね返しての金メダルだからすごいことだ。インタビューの中で彼はこう答えていた。
「プレッシャーを楽しみました。」 草野球でも相当のプレッシャーを感じることがある。強豪チームと対戦し、相手を抑えてくれるはずだというチームメイトからの期待を一身に受けたエース、1点も与えてはならない状況で、何とか抑えてくれるはずだという期待を受けてリリーフに出た投手、一打逆転の場面で、何とかしてくれるはずだという期待を背負って打席に入る4番打者など、監督やチームメイトからの期待が大きいだけにそれがプレッシャーになる。だが、そうした期待に応えてくれるのがエースであり、4番打者なのだ。 期待に応えるためには、プレッシャーを克服しなければならない。色々なプレッシャー対処方法があるだろう。だが、「プレッシャーを楽しむ」という克服法は始めて知った。どういうことなのかもう少し詳しく聞いてみたいが、恐らくはこう推察する─ ―自分は金メダルを取りたい。どうせ金メダルを目指すなら、皆に注目され、期待される中で目指した方が、やり甲斐があるし、カッコいいではないか―
もし、この推察が当たっているなら、我々も大いにプレッシャーを楽しもうではないか。 ・・といったように、プレッシャーを楽しみ、味方にすれば自分の力を十分発揮できる。エースや4番打者は勿論、そうでない人もプレッシャーを楽しめばよい。チャンスで打順が回ってきたら、周りは頼む、ヒットを打ってくれ、次打者につなげてくれと期待する。このプレッシャーを楽しむのだ。実際、プレッシャーの中で周囲の期待に応えることが出来た喜びは、言葉では言い尽くせないほどの快感だ。こんな時こそ、野球をやっていて本当に良かった、面白いと感じる。こんな快感が度重なると、野球の面白さにどっぷり漬かり、この快感を味わいたいがために、練習を積むようになる。 「プレッシャーを楽しむ。」
これ、ゆめゆめわすれることなかれ。 (平成10年2月26日掲載) |
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