「草野球の窓」

第36章
「グランドコンディション」
〜その1〜
 平成10年を迎えたとたんの1月8日、関東地方は2年ぶりの大雪に見舞われた。こんな時でも高校サッカーの決勝戦が行われた。雪の日は黄色と黒色のボールを使用するとは知らなかったが、それはともかくグランドコンディションのいい時に戦わせてやりたかった。
 草野球では雪に見舞われることはまずないが、悪コンディションの中で試合を決行することはよくある。今回はそんな場合の注意点を述べよう。

 。小降りの雨なら大会などは決行される。当然のことながら球が濡れて暴投しがちである。ロジンバッグやタオルをポケットに入れておき、少なくとも手の滑りを防ぐ。その上で、送球に際しては球をしっかり握り、低めに投げる。ワンバウンドやショートバウンドの球はファーストも処理可能だが、高くすっぽ抜けた球は捕球できないためだ。ゆとりをもって球をしっかり握るためには、守備位置を普段より浅めにすることを勧める。また、グランドは当然軟弱になり、打球のスピードも遅くなる。飛球の飛距離も晴天の日よりは短い。浅めの守備位置は雨天の鉄則である。

 攻撃側はバントを多用するとよい。守備側が失策を招く確率が高いためだ。また、途中から雨足が激しくなり、雨天コールドになる可能性があるため、常に先制点を取り試合をリードすることを心掛ける。普通、序盤戦でスクイズをやることは少ないが、雨天コールドを考えるなら初回からスクイズをすることは有効である。さらにグラブやバットも濡れると使いづらいため、雨にかかりにくい場所に保管する。草野球ではまともなベンチなどない場合が多いことから、椅子の下や木の下などに保管する。

 。春先や台風一過には強風の中で試合を行うことが多い。飛球、特に高く上がった飛球は風に流される。何でもない外野飛球が風に乗ってホームランになったり、逆にホームラン性の大飛球が押し戻されてしまう。内外野ともに常に風の強さと向きに注意し、風を計算した守備をする。バッテリーも風を味方につける配球を心掛ける。追い風なら直球が有利だし、向かい風なら変化球のキレがよくなる。それでも、風に流されてヒットされた場合には仕方ないとあきらめる。いつまでも「ついていない」と悔やむことは決してプラスには働かない。
 また、目にホコリが入り目を開けていられないことも多い。特に、コンタクトレンズの選手は辛い。汗拭きタオルとは別に清潔なタオルを用意しておく。

 雨も風も敵味方の区別なく公平である。雨や風の影響を最小限に抑え、逆に利用することによって、ツキを招くことができる。

 これ、ゆめゆめ忘れることなかれ。



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