「草野球の窓」

第35章
「カバーリング」

 カバーリングで走者の進塁を防ぐことは、一見地味であり、スコアブックにも記録が残らないことが多い。しかし、記録に残らない好プレーである。カバーリングには大きく分けて3種類ある。

 第一は、飛んでくる打球に対するもので、例えば二塁ゴロなら、センターとライトがカバーリングに入る。この種のカバーリングは最も基本的なものであるし、守っている方も本能的にカバーリングに入れる。

 第二は、送球に対するカバーリングである。例えば、三塁ゴロ、三塁寄りのショートゴロに対してはライトとセカンドがカバーリングにはいる。草野球では球場にフェンスなどないことが多く、ベンチの延長線を越えたらワンベースという特別ルールを採用することが多い。この場合だと、カバーリングしても送球が跳ね返ってこないから無意味になる。しかし、カバーリングの習慣をつけておかないと、大会などでフェンスのある球場にいくと動けない。
 問題は一塁ゴロに対するカバーリングである。必ず投手がベースカバーに入らねばならないのだが、草野球ではしばしば忘れがちになる。このため、ファーストは一・二塁間の打球に対して、思い切って飛び出せない。「頼む、セカンド、取ってくれ!」と心で祈りながらベースに入らねばならない。
 送球に対するカバーリングは走者がいる時といない時では異なる。バント守備の時は、ファーストとサードは投球と同時に飛び出すため、セカンドが一塁ベースカバーに入るが、打球がセカンドの前に飛んだら、セカンドが捕球し、投手がベースカバーに入る。したがって、投手は常に一塁ベース方向に走らねばならない。また、ダブルプレーを狙うときも、当然カバーリングは異なる。特に一・二塁間寄りの一塁ゴロの場合、ファーストはベースに戻れないため、投手が一塁ベースに入る。これを怠るためにダブルプレーが取れない。

 第三は、返球に対するカバーリングである。外野から三塁、あるいは本塁への返球に対しても投手がカバーに入る。返球がそれた時、直接失点につながったり、2点目、3点目につながりダメージが大きい。しかし、投手は投げることで頭が一杯で、こうしたカバーリングを怠り、自ら傷口を広げてしまう。
 さらに、草野球では怠りがちであるが、走者がいる場合、捕手から投手への返球に対してセカンドとショートが、牽制球に対する返球(例:ファースト→ピッチャー)などに対してはサードがカバーリングに入るべきである。捕手からの返球がそれて進塁されてしまうことがまれにある。

 カバーリングは急にやろうと思ってもできない。普段からの練習の積み重ねの結果である。

これ、ゆめゆめわすれることなかれ。



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