「草野球の窓」

第30章
「成 績」

 今シーズン最後の試合も雨で中止となり、納会に向けてチーム成績や個人成績をまとめる時期となった。普通、チームの勝率、投手の防御率、打者の打率、出塁率、打点、本塁打数、盗塁、三振数、守備率などルールブックにある公式記録については、どのチームも計算していることと思う(すでに第18章「スコアブック」で述べたように、正しく記録されていればの話であるが)。これらの成績を基に、納会で盛り上がることは大いに結構なことである。ただし、盛り上がるネタとしてのみならず、次年度に向けたチーム強化や個々人の弱点補強のためにも利用してほしい。そのためには、公式記録だけでなく以下の成績も計算してみることをお勧めする。

1) チーム得点率 = (チーム総得点)/(チーム総出塁数)
 個人の出塁率算出には敵失出塁は含めないが、ここでいう出塁は、敵失出塁も含める。チーム得点率は、走者をどれだけ得点に結び付けられたか、つまりチャンスをどの程度生かしきれたかを表す。チーム得点率が低いということは、残塁が多いことを意味し、攻撃方法を再検討すべきであろう。いかに走者を進塁させるか、進塁させた走者をどう得点に結び付けるかについて工夫を凝らす必要がある。

2) 進塁打率 =(自己の生死に係わらず走者を進塁させた打数)/(走者をおいた打席数+走者がいない場合の本塁打数)
 分子は、走者をおいての安打数、犠打数、四死球数(但し、例えば二塁に走者がいて得た四死球など走者を進塁させないものは除く)、内野ゴロでや外野フライで走者を進塁させたもの(これらは敵失によるものも含める)、走者がいない場合の本塁打などの合計となる。

 草野球においてチーム得点率を上げるためには、何らかの形で走者を進塁させ、敵失や犠打で得点しえる場面を沢山作ることが大切になる。つまり、各個人の出塁率が高く、かつ進塁打率が高いことが望まれる。打率は、好打者でも高々3割であるが、進塁打率は心掛け次第で5割以上とすることは可能である。極言すれば、二死で打席に立った場合以外、何らかの形で走者を進塁させる打撃は可能である。

 進塁打率の高い打者が実戦的打者であり、打率よりも進塁打率を上げることを目指すべきである。また、チーム全体でいえば、チーム得点率の高いチームがいわゆる試合巧者なのであり、チーム得点率の高いチーム作りを心掛けるべきである。

これ、ゆめゆめわすれることなかれ。



前項に戻る 「まるドの目」メニュー 次項へ進む


草野球カレンダーチーム名簿リーグ名簿チームリンク集スポーツ安全保険草野球資料室草野球フォーラム
人材募集「まるドの目」「くまの穴」「草野球の科学」「マネージャーの声」「拝啓 新興チーム様」トップ