「草野球の窓」

第16章
「サインプレー」

 草野球でサインプレーをやるチームは少ない。盗塁はいつでもできるし、バントしなくても転がせば進塁させることができる。こういうチームの一般的傾向としては、「勝つときは大勝、負けるときは大敗」である。しかし、チョット強いチームと対戦すると、手も足も出ない。

   何故か。

 単純に打ち、守っているだけだからである。
 強いチームに対しては、気迫を持ち、工夫を凝らした戦いをすることで、活路を見出すことはすでに述べた。「工夫を凝らす」ことの一つが「サインプレー」なのである。

 サインプレーといえば、バント、盗塁、エンドラン、それにスクイズぐらいと思っている人が大半であろう。しかし、一度サインがでたら、取消のサインがでるまで継続するというサイン、サイン直後の投球に対してのみ有効というサイン、1球待ってから実行するというサイン、エンドランもヒットエンドランとバントエンドランの2種類あるし、盗塁も単独と重盗の2種類ある。スクイズも3塁走者が投球と同時にスタートするスクイズとセーフティスクイズがある。ヒッティングとウェイティングのサインもある。これらを組み合わせれば多彩なサインが存在する。

 攻撃だけではない。バッテリー間のサインには、球種、コース、ストライかボールか、あるいはピッチドアウトといったサインは勿論、牽制のサインもある。投手が走者を全く見ていなくても、捕手の合図と同時、あるいは3秒間おいてから牽制球を投げるといったのもある。遊撃手や2塁手が捕手のサインをみて、外野手に伝達し、それによって守備位置を変更するというのもある。

 相手がサインプレーをしてくるチームだということが分かれば、ベンチ、バッテリー、野手は、何かやってくるかもしれないという警戒心を持つ。ただ打ってくるだけならば、それに対応した投球の組み立てを考えればよいし、野手もそれに備えればよい。しかし、何かやってくるとしたら、それをも考慮した投球の組み立て、守備体制を取らねばならない。このことでカウントが打者に有利になる、ヒットゾーンが広がるといった効果を生み出し、攻撃に幅をもたせる。少なくとも、相手に心理的な圧迫を与えることができる。

 このような「工夫を凝らした」戦い方が試合の流れを変え、チャンスを創出する。草野球ではそんなに複雑なサインを使わないが、初歩的なサインプレーだけでも効果は絶大である。

 これゆめゆめ忘れることなかれ。



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