「草野球の窓」

第14章
「名前負け」

 高校野球の続きである。地方大会の3回戦、4回戦となると、それなりに練習を積み、そこそこの投手がいるチームが強豪校と対戦する。強豪校と対戦したチームの特徴は、

名前の知られた強打者に対して、逃げの投球をして四球を出す、腕が縮こまり球威のない球を強打される。
打たれるかもしれない、走られるかもしれないという恐怖心から、内野手の動きが鈍くなり、弱小校相手では絶対出ない失策や記録にはならない失策をしてしまう。
走者があせって無理な走塁をしたり、牽制球で憤死する。つまり、自ら墓穴を掘り、安打数の差以上の得点差がついてしまう。

 草野球でも同じである。我がチームも強豪チームに当たると上記した特徴がそのままでてしまう。名前で負けているのである。或いは、1回の表裏の攻守で相手の実力を感じ、それが恐怖心に変わるのである。
 気を引き締めるのはよい。しかし、伸び伸びとしたプレーが出来なくなるのは恐怖心のためである。第7章ですでに「気持ちで相手に勝つにはどうするべきか」を述べた。気迫を持ち強豪チームに臨み、思い切った伸び伸びしたプレーをすれば僅少差で試合を進めることが出来る。そうすると、逆に強豪チームにアセリが生じ、ミスがでるようになる。

 U学院がK商業に「まさか」の敗退をした。しかし、テレビで観戦した限りにおいては、K商は気迫あふれる戦いであった。決して「U学院」に名前負けしていなかった。だから僅少差で試合が進行し、8回の決勝ホームランにつながった。U学院にしてみれば、ド真ん中に吸い込まれるように入ってしまった1球は大いに悔やまれることであろう。が、その1球がU学院のミスだったのである。そのミスを逃さなかったのはK商打者の気迫であった。勝負とはそういうものなのである。

 これ、ゆめゆめおろそかにすることなかれ。



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