News >「仕事日記」2008年10月


10月1日(水) ジャズ・ピアノ6連弾 名古屋
ソロコーナー:Let’s Face The Music And Dance
10月4日(土) トリオ 山口
Nothing From Nothing
Freedom Jazz Dance
Sayamambo
Naima
Love And Happiness
Spanish Key
Fire On The Bayou
You Hide Something
Harvest
On Fire
Mercy, Mercy, Mercy
10月5日(日) トリオ 大阪 ミスター・ケリーズ
新玉哲郎(B)
東原力也(Dr)
Falling In Love With Love
Girl Talk
Chase The Shade
Primavera
Summer Knows
On Fire
All The Things You Are

Hymn To Freedom
The End Of Season
Harvest
Hannnah
Recorda Me
10月6日(月) トリオ 境港 愛みなとタワー
 
10月7日(火) ジャズ・ピアノ6連弾 大阪フェスティバルホール
今年いっぱいで取り壊しになるという思い出のフェス。間に合ってよかった。中学二年生、ここでオスカー・ピーターソンを観たのがすべての始まりだといってもいい。連れてくれた叔父も今は亡くなり、恩師は入院中(ご家族がきてくれた)。
ソロコーナーはいつもの自分縛り(ミュージカルスタンダード)をはずしてHymn To Freedom。少年の自分があの時の3階席に見えるかと期待したがそれはなく、アンコールの時にわざとの幻影くらい。なにかの映画で聞いたセリフ「あの席からここ(ステージ)まで40年かかりました」とMCしてみたがまるで受けず残念。
10月8日(水) 国立音楽大学講義
楽曲徹底分析その2 Bolivia
テレビドラマ打ち合わせ 六本木サンライズスタジオ
田村正和さんがピアノを弾くドラマの打ち合わせ。どのくらい本人の手を使い(つまり練習してもらい)どのくらいダミーでいくのか。先ず僕の手はダミーにならぬことがお会いした瞬間に判明。すらりとした実にきれいな手をしてらっしゃるんである。それよりなにより、服装から物腰、会話に至るまで一部の隙もないんである。痺れてしまった。スターである。
あぁこの人のために僕にできることがあったら何でもしてあげよう。いや、何か一つでもこの人が喜んでくれることで僕にできることがあったらどんなにか幸せだろう、と思わせるものが確かに備わっている。酔ってみたいがために自分で持ち上げてもいるのだが。
10月9日(木) 鑑賞 ミス・サイゴン
今度ご一緒する笹本怜奈さんのステージを見ておくべし、ということでスケジュールをあわせてみて驚いた。あんなに長期間(多分まるひと月以上)公演があるのに、僕の行ける日で彼女の出る日が1〜2か所しかないのだ。ダブルキャストならぬクアトロ、4人のキムが交互に出るというのだからさもありなん。
本田美奈子さんで観た時よりも味わえた。楽しみ方が少しはわかってきたかも知れない。
10月11日(土) 国立音楽大学補講
2コマ分の補講日だったが、各クラスひとりずつしかこなかったので、90分の個人レッスン。トランペットとピアノ。個人レッスンといってもひたすらセッションをするだけ。結局はそれが一番じゃなかろうかと最近思っているところ。僕自身、誰かに色んな話を聞くのも十分ためになるけれど、実演に関しては実演を通じた実感で成長したんだしね。
二人揃って「今日はラッキーでした」と言ってくれたことで、こちらも甲斐あり。
志ん朝いごくを見る会
今日はいよいよ「文七元結」。随所で涙が出るのはいいとして、「え、今?」というところで自分の意志とは違う所からこみあげて来るのが不思議だった。あとから思うに、泣ける場面はそれなりに自制が来聞いているところを、ふっと笑いで救いの手を出される、そのタイミングのよさでこちらの気の緩み〜溢れる涙までコントロールされてしまっているのではないか。
10月12日(日) 鑑賞 オペラシティリサイタルホール
ソプラノ二人の会。バックはチェンバロ・ピアノ・ダブルベースが二本、あと一人が何だったか忘れた。とにかく変わった編成でチャレンジブルな内容と編曲。
秋山先生と会う。お弟子さんも紹介していただいてワインをいただきながらオーケストラ談義が愉しい。
10月13日(月) ジャズ・ピアノ6連弾 サントリーホール
大阪を経て今日で完成形を見るの趣あり。ステージに向かうメンバーに微塵の不安もない様子が頼もしい。通常のセッションやバンドなら、緊張感の欠如から慣れ・淀みへの移行を警戒すべきところだが、この大所帯がここまでの高みにこれたのをしばらくはいい気にならせてもらってもバチを当てないでほしいものである。
10月14日(火) 国立音楽大学ピアノレッスン
 
10月15日(水) 国立音楽大学講義
ジャズで使う色んなエスニックリズム。
と言っても、ボサノバ、サルサ、アフリカン、レゲなどの僕から見た、浅いながらも一般的なリズムパターンの提示と実演。20人程のリズム遊びはなかなか楽しかったが、去年の今福さんを呼んでのサンバスクールみたいなのを、各項目でできたら楽しいのに。サルサに塩谷哲、とかね。
ジャズと落語 秋の会 目黒ブルースアレイ
たこへい:金銘竹 <<< 紋別でかけてたネタ。二回目なのでよくわかった。
正蔵:巌流島 <<< 師匠が志ん朝バージョンに痺れたネタとのこと。とてもよかったが、客席に中尾彬さんと志乃さん(志ん朝の姪)のご夫妻がいるので(前回に続き)「やりにくいなぁ、もぅ」とぼやくことしきり。
彬さんは正蔵さんのことを「こぶ平ちゃん、こぶ平ちゃん」とさんざん読んだ後に「こりゃ失礼。正蔵師匠だったよな。とんだ肖像権の侵害だ」、、、ハナからの仕込みの感あり。
10月16日(木)
午前:青山劇場にて北九州芸術劇場の音楽打ち合わせ。台本を見ながらピアノを弾き、かなり具体的なところまで詰める。
午後:初台にて北海道コンサートのリハーサル w/牧千恵子(Vln)
夜:川崎ミューザにて来年のオルガンコンサートの打ち合わせ w/松居直美さん他。

近年まれな、目まぐるしい一日だった。一昨年くらいから、打ち合わせだろうがリハーサルだだろうが、一日ひと項目、と決めてスケジュール調整をしているのだがここへきて昔ながらの詰め込みが増えている。要注意。
10月17日(金) デュオ w/野田晴彦 目白 椿山荘 チャペル
毎日新聞が年に何度か開催する音楽フェスティバル。牧山純子さんのバンドに大槻カルタ君など顔なじみがいて驚きと喜び。香西かおりさん、木下伸市さんなど懐かしい顔ぶれも。
野田君は一年以上ぶりだが、随分と笛が上達していた。曲の良さは相変わらず。アイリッシュものが特に良い。大谷亮介も来てくれ、野田の大阪大学時代の学友・下田さんとともに、55歳同年、しかも出身地まで同じ4人で飲む。新宿の大谷の行きつけのバーで大阪弁まるだしの笑い声も愉し。
10月18日(土) ジャズ・ピアノ6連弾 甲府 山梨県民文化会館
ソロコーナー。今日の僕は「Early Autumn」正蔵師匠との秋の会のために和田さんに資料をもらって仕込んだ曲。覚えにくいのとアドリブ展開が作りにくかったので歌詞を覚えてみたらうまくいったのだった。塩谷哲が「ナイス!」と声をかけてくれた。嬉しい。

サントリー後の緊張の緩みを戒めていたのが杞憂に終わりひと安心。なんといっても山下さんの揺るぎないモチベーションが大きい。
ラプソディ・イン・ブルーでの塩谷のアドリブが常人の到達不能な世界になっていく。彼の和声感覚はやはり天才的。バッハのインベンションをリハモナイズした若かりし日の譜面を国府弘子が浚っているのを複写してもらう。発想の一端でも窺えれば。
10月19日(日) 鑑賞 コシファントゥッテ 国立音楽大学大講堂
筋立てに無理がある。
芝居がユルい。
字幕が面倒。
全部のセリフが歌(ただしこれは原語がわかれば納得するのだろうし、チェンバロに乗ってのレスタティーボというのも悪くない)
などなど気になるところは多いが生のオーケストラでモーツァルト。これは無条件に素晴らしい。バレエと同じくストーリーを把握した上でディテールを味わうように鑑賞できれば楽しめるようになるのだろう。
10月20日(月) ドゥ・マルシェ 岩見沢
先月正蔵師匠ときた会館の小ホール。ピアノソロ(枯葉)では山下洋輔、アンサンブルでは塩谷哲が乗り移ったようなプレイになってしまうを楽しむ。周りには迷惑。ツィゴイネルワイゼンはちと荒れ模様で反省。
10月21日(火) オフ@岩見沢
このたびのゆるいスケジュールを利用して笹本怜奈に関するDVDを予習。先ずは「ルドルフ」。劇場で観るのとは違い随分長く感じる。
夕方より某氏宅にてバーベキューパーティ。満点の星に感動。この感動は芸能芸術とはまったく別の場所に来ている、まではわかる。何を感じているのかはわからない。それでいいのだ。そこから先の対処は芸術(最近の流行りではコンテンポラリー・ダンス)と同じでいいのだろう。つまり、敢て言葉にせず。いつかコトリと腑に落ちる日が来る。来なくても、豊かになっていることに変わりはない。
10月22日(水) ドゥ・マルシェ 北広島??中学校
駅前の花ホールは柿の時からのお付き合い。小原君とのDUOやM's。M'sの時はM's展まで開催していただき、思い出深し。この度はその花ホールからの出前コンサート的なものの由。
中学校の講堂でアップライトピアノもよく響き、ソロコーナーはリクエストにして「Take The A Train」どうも山下洋輔が入ってしまう。伴奏では塩谷哲のフランス和声に偏るし、困ったものだというよりはマイブームを楽しんでいる観有之。
ミー・アンド・マイ・ガール観る。こちらは伝統的なボーイミーツガールでタップなど踊りもふんだんにあって僕好み。
札幌まで送ってもらって留萌の漁師の息子が産地直送でやっている居酒屋。ストップ、と言うまで乗せ続けるイクラが小粒で実にうまかった。
塩次伸二氏の訃報届く。19日0時過ぎとのこと。山岸とのDUOアルバムやウエストロードのビルボード公演大成功があったのがまだしもよかった。それに闘病入院ではなくて、ツアー中での急死というのもブルースマンとしてはかっこいい、とでも思わないと。ただ、どこかのサイトで読んだ葬式でのホトケの様子に涙を誘われる。残されたものの心中を思うとやりきれないものがある。
古沢さんのセッションで山岸と友達になり、ウエストロードの新作に参加。メンバーそれぞれと交流を深めるうちにホトケと別バンド「クレイジー・ブギ・ナイト」を結成。ジロ吉を中心に10年ほども続いたかな。その間ポンタボックスが売れたりアレンジャーで稼いだりもしたけれど、ジャズマンなら当然だが以外に不得意な人の多い“ブルース系”が曲がりなりにも弾けるようになったのはウエストロード(especialy 山岸・仏・塩次)のおかげなのである。そこからジョニー吉長、加部正 義ひいては竹中にまでセッションの輪は広がるわけで、伸ちゃんの死はあらためて佐山雅弘史の一時代をも区切ったのだ。
10月23日(木) オフ@札幌
ベガーズ・オペラ観る。長い!3時間半。劇場だと平気なのにDVDだとちと辛い。当り前か。志ん朝の会も20人以上で観るからいいもんな。それはちょっと違うか?しかし一人の部屋だと煙草も吸えるし、グルーミングなど何かと用事もできるのでいいかも知れぬ。が、それが逆に長く感じる要因かも知れぬ。
狭間に勧められた二曲。レスピーギ(ローマの松)とチャイコ(4番)をスコア聴き。4種類ずつの音源を聞き比べつつ勉強しているのだが、チャイコはバーンスタインがレスピーギは秋山先生(広島交響楽団!)がいいようだ。オザワとカラヤンは無条件にカッコイイ演奏。朝日奈先生は重厚。いずれにせよ狭間の言っていた通りオーケストレイションが視覚として入って来る。彼女はいい先生。

苫小牧から二か月前に引っ越してきた「ビー・フラット」訪問。一緒に行ったプロデューサーが明日の打ち上げをここにする、というので焦ったが、マスターの松本さんは元寿司屋さん。いまでも毎日河岸へ行くというのでひと安心。
10月24日(金) ジャズ・ピアノ6連弾 札幌キタラホール
噂に違わぬ立派なホール。とにかく気持ち良くてずっと弾いていたくなる。ソロはAutumn In New York 。札幌はNYと同じ緯度なのだ。

マリーアントワネット観る。これは笹本怜奈さんの場面の抜粋。今時の(ウエストサイド以後、ロンドンに一旦主導権が移ってからの)ミュージカルの傾向と楽しみ方がわかってきた。
10月25日(土) 移動日
札幌から千歳空港が思いのほか遠いのを忘れていた。トランジットの2時間待ちも外国旅行の時はなんでもないのに羽田だとどうも間持ちが悪い。高松について空きっ腹のままレクチャー。こちらは国府弘子・小原孝両君との3人で。国府の進行、小原の解説など実に堂に入ったものである。突っ込んだ質問なども出て楽しく過ぎる。

「じんすけ」という焼肉屋。どれも美味いがレバ刺が絶品。うどんの有名な所に小原君と行ったが、出汁もおでんも少々甘かった。
国府・塩谷・島健がたむろしているというので、マジックバーに合流。大笑いであった。
10月26日(日) ジャズ・ピアノ6連弾 高松サンポート
キタラの素晴らしい音響の後なので気持ちを戒めていたのだが、どうしてどうして、独特のソリッドなアンサンブルから楽曲の新しい側面も発見著しい。年内は今日で終わり。スタッフとの打ち上げも楽しかったが、席上でお礼の時間がとれずにちと残念&失敬してしまった。またもやマジックバーに行ってしまった。
10月27日(月) 
帰るばかりの余裕の持てる一日であるはずがなにやらぼんやりする。祭りの後の寂しさなのだな。

岩見沢で知り合ったヒロミちゃんがスタッフをしているという青山のクラブへ。DJイベントだというので楽しみにしていたら、例のレイブミュージックが大音量で流れる中何台ものモニターテレビにイラストが動くばかりで誰も出てこない。集まったおしゃれな男女はてんでに喋っている。不思議に思って店の者に訪ねると、この状態がDJイベントなのだそうだ。早々に退散。
10月29日(水) 国立音楽大学講義
ブラス・ジャズ。アンサンブルと個人芸は両立するのか?
アート・ペパー・プラス・イレブン
Three Views Of A Secret
Above Horizons
トイタタ(フロント・ページ)
など聞きながらプチアナリーぜとクールからの流れを考察する。
10月30日(木) 笹本怜奈コンサート打ち合わせ
一部はダンスを中心にした“ショー”二部はミュージカルの名曲集的な“コンサート”ピアノを使いながらの選曲〜編曲方針を詰めていく作業は楽しい。
この演し物のためにこのところミュージカルを観に通ったりDVDをいっぱいみたりしながらいまいちピンとこないものを感じていたが、僕はウエストサイド以前のタイプのミュージカルとショー(こちらは時代を問わず)が好きなことがはっきりわかった。それと、ミュージカル界独自の仕事の進み方。フォッシー好きの玉野さん、アステア好きの和田さんと意気投合するのもむべなるかな。
10月31日(金) 映画ジャズ祭打ち合わせ 和田誠事務所/森野亜古リハーサル
 

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