News >「仕事日記」2008年4月


4月2日(水) 国立音楽大学 新規生徒顔合わせ
図書館を初めて本格利用してみる。武満徹のスコアを借りることまで出来。同曲のCDも可能。そこに入っている他の曲(黛敏郎、外山雄三など)についても名曲辞典より解説のコピーを取れる。
4月3日(木) JAZZ CHRONICLEリハーサル ミューザ川崎シンフォニーホール
松島啓之欠席。代役の○○クンが松島タイプで可笑し。
4月5日(土) 鑑賞 山下洋輔ソロ 第一生命ホール
MCが多いのに驚き。600人ファンの集いの感有之。ソロパフォーマンス及び主役としてのスタンスのとりかたなど自らを省みることしばし。
4月6日(日) デュオ w/永井”ホトケ”隆
Blues After Hour
Route 66
Beautician Blues
A Little Bit
What A Difference A Day Make
Big Leg Woman
Tell To Me
Stormy Monday
It’s Really
Nobody Knows Me
Baby What You Want Me
Same Old Blues
Tuttie Fruttie
Flip , Flop , And Fly

ホトケとのライブは何よりも気が置けない。リラックスして昔通りプラス近年の成長をぶつけていく。永井リクエストの岡江久美子さん来てディレクターの喜多川君らと楽しく飲んでいると和田誠さん現れ、嬉しい驚きで飲んでるうちに島健夫妻がこちらは偶然に(たまたま通りかかって最近顔も出してないので)来店。大いに語り連弾もする。10年以上ぶりの山岡美樹も島田歌穂も歌う。来る和田さんの誕生日祝いを約して午前4時解散。
4月7日(月) ガラコンサートリハーサル 台場フジTV湾岸スタジオ
バンド音合わせ1時間の後、一人30分の歌手合わせ。気の抜けない時間がどんどん経って行くのが心地よい。書いた譜面のチェックとピアニストとしての演奏。指揮者の鈴木織衛(オリエ)さんの力量に負うところ多し(ほぼ全部?)編曲者や作曲者も現場で指揮者に渡した後は指揮者が音楽監督だろう。僕は尋ねられることに決定を与えるだけ。このテの現場はヒエラルキーというか役割・責任分担がはっきりしていて好きである。
4月8日(火) ガラコンサートリハーサル 台場フジTV湾岸スタジオ
新妻聖子の曲解釈について議論あり。ディベイトがあって、双方しばらく譲らず(主役と指揮者のどちらが音楽解釈の決定権があるか、というバーンスタイン〜グールドのエピソードを思い出す)プロデューサー判断となる。音楽監督(僕)は棄権。これはこれで良い事件。
JAZZ CHRONICLEリハーサル ミューザ川崎シンフォニーホール
三木俊雄音楽監督の下、てきぱき、、、とはせず、まったりと進行するのだが、時間どおりにしっかり仕上がるところがさすが。
4月9日(水) JAZZ CHRONICLE ミューザ川崎シンフォニーホール
いいメニュー、いいメンバー、よくわかるプログラム解説。MCの聞き取りにくさに多少クレームありながらも、これは汎用に足るコンサートメニューではないだろうか。
山岡潤のアカペラが天国的によかった。
4月10日(木) 観劇 SHOW店街組曲 東京芸術劇場中ホール
同じタイトルで別のストーリー、今回は作詞家(阿久悠)に焦点を当てたカタログミュージカル。こういうのは菅野こうめい、さすがにうまい。中山さんも真琴さんもスキルアップしていた。今年のバンドは鈴木和夫クァルテット。自分の作ったテーマ曲を他人様のバンドで聴くのも愉。
4月11日(金) ガラコンサート 舞台稽古 青山劇場
新妻聖子歌う“Light In Piazza”のピアノパート弾けず朝練してから10時の現場入り。きつい。(クラッシック以外では)久々に所見で読めない譜面が今回は二曲あって愉。
それにしてもテンポのピンポイントというのがミュージカルものではきつい。皆さん今日はガラとはいえ、何か月も歌い込んで来た曲ばかりだから、随所のアゴーギグも含めて体に染みついているのだ。1〜2回のリハーサルで汲み取って指揮棒一本でオケをリードする指揮者というのはやはり偉い。僕はなりたくない。
4月12日(土) ミュージカル・ガラ・コンサート
パーカッショニストに萱谷君という人が参加している。この人が凄い。
そもそもクラッシックやミュージカルにおけるパーカッションという役割(略して“クラパー”)は、ポピュラー(これも死語か?)におけるそれ(ラテン・パーカッションと呼ばれる。略して“ラパー”、、、とは言わず単に“ラテン”「ラテンさん」などと呼ばれることもあり、当人はあまりいい気もちのものではないらしい)とはおおいに異なり、主だった使用楽器だけでも、ビブラフォン、シロフォン、チューブラー・ベル、木魚、ツリ―・ベル、スタンド・シンバル、合わせシンバル等々、セッティングを見るだけで夜店が広がっているよう。
そして、ティンパニー!今回驚いたのはこのティンパニーの技。今陽子歌うところの“Good Morning Baltimore”の元音を取材していたらやたらティンパニーが使われている。通常この楽器は演奏持続中に音を合わせるのが困難なために、主音と属音くらいに合わせておいて(これまた通常2台用意される)その音が使える場所で出番が来るように編曲されるのだが、この楽曲では音の数にして7つ。それも歌の展開(ミュージカル・チューンは大げさな割に時間短いので展開が早いのだ。
シャンソンもそうですね。“私の人生”なんて曲の作りも歌詞もごく大仰な曲が2分半だったりする)にあわせて次々にチューニング変えを行いながら、強弱のニュアンス(ティンパニーはこれが重要)をヒットさせていく、なんてことができるのだろうか、今どきのことだからシンセサイザーに割振るべきか、などと迷いながらもパーカッションの譜面に書きいれておいたのを、萱谷名人がなんなく見事にこなすので驚いた。この人、前回はドラムパートで参加していたのだ(今回のドラムは松山修)から、その教養と技術(そして音楽性は)両ジャンルを横断しているはずであり、オケピットは名人芸職人達の寄り合い長屋であることだ。
4月13日(日) ミュージカル・ガラ・コンサート
ロビー打ち上げのあとの恒例(のはずの)二次会の話が誰からも出ないので、プロデューサーの砂田氏におねだりして連れて行ってもらう。誰彼と声を掛けるのだが誰も参加せず、まぁそれはそれで深い話などしていたら、今陽子さんから電話あり。合流してくれた。
ジャズやポップスからミュージカルの世界へ来て見て、僕は何かと戸惑う事が多いのだが、ピンキーとしてはどうなんだろう?と水を向けると、アニ諮らんや(この“あに”の“あ”はパソコンにはないのですね。山だか口を冠にして登を下に付けるのだが。漢字制限には本当に苛つく。“ら致”と書かれて“拉致”の事だとわかるのに時間がかかる)彼女こそ日本のミュージカル黎明期にその任を一手に受けていた元祖・日本のミュージカル女優なのであった。しかしそこは女優さん。高平さんや砂田さん、はたまた和田さんらに聞くような当時の社会情勢や、業界事情ではなく演じた役や、共演者思い出、エピソードなどの話題が次から次へと出て楽しませてもらった。
近々の共演を約して別れたところへ、島健から電話。下北沢レディ・ジェーンで合流。新妻聖子の天真爛漫について大いに花が咲き、果てはお婿さん選び。勿論我々が頼まれもしないのに勝手に品定めするのであるから聖子ちゃんにとってもやり玉にあげられる諸芸能人にとっても迷惑至極な話であるが、酒の話題で居合わさぬ人々の棚卸ほど面白いものはないことも、これまた確か。お詫びのしるしに、どこで何を言われても文句はいいませぬ、というところか。
4月14日(月) 伝兵衛レコーディング 平塚フリースタジオ
午前二時の街角
始発列車
いつものズブロッカ
コーヒールンバ
いずれもダビング。
4月15日(火) ジャズ批評 インタビュー 表参道ビクター洋楽部
いつの間にかラジオでも雑誌でもインタビューに答えるのに本心をすぱりと言えるようになっているのに驚いた。何かを捨てられたのだろうか。それとも何かを得たのだろうか。
4月16日(水) 国立音楽大学 第一回講義
今年はハードバップから初めて、今に至るジャズの掟を発生・発達的見地からの解説をした上で過去と未来を往復し、後期に向かうほどその振幅が大きくなる、という方法を取ろうと思う。今日は基本のジャズ史を俯瞰して終わり。
4月17日(木) コンサート鑑賞 塩谷哲ソロ 代々木公園 白寿ホール
ドビュッシー的世界が限りなく美しい。この響きのいいホールで自在に楽しく遊ぶ様子に好感。山下さんと同じくMCがファン向け、というところにまた自らを省みること深し。

島健と気合わせたので楽屋を訪ねると松永貴志と初対面。連れだって代々木八幡の七福(焼き鳥)で話すうち国府弘子も誘うと、梅ヶ丘でなら、というので電車に乗ろうとするも人身事故で不通。島健が奇跡的に拾ったタクシーで到着するとなんと駅前のコンビニで国府は待っていた。羽田健太郎さんの話などで国府・松永盛り上がる。
4月19日(土) 講演鑑賞 和田誠質問箱 青山ブックセンター
いつも色んなお話を伺って勉強になっているが、大勢の前でのお話には直接だと出てこない話題も多く、改めて人生の師だとの感を深める。ここのところの迷いにも答えが出たような気がした。

○スタイルはどうやって確立したのですか
 > 確立していません。
○同業者に嫉妬することはありますか
 > ありません。自分が一番だとは思っていないから。
○どうやって単純な線で似せるのですか
 > ほんの1mmくらいの差で似るポイントがあるんです。
○アイドルはいますか
 > ベン・シャーン“I Want Peace”“Hunger”(タブロー画)
   スタインバーグ“All In Line”
○お薦めの映画
 藪睨みの暴君
 霧の中の針鼠
 摩天楼を夢見て
 アパートの鍵貸します<<<社会人一年生なんですが何かためになる映画は?との問いに応えて、「ためになる、ならないという発想はあまりないけれども、勤め人の悲哀がよく出ていた」との答え。それってお薦めの逆ではないのか?。
4月20日(日) DUST 浜松・ハーミットドルフィン
ヤマハのG3なのだがよく手入れされていて弾きやすい。ソフトペダルに多少の難はあるが(移動距離にズレ)動きを少なくすることで解消。高音部が軽鳴りするが、生音(マイクなし)で演奏したのでカバーできる。聞きながらマスターの壇さんが演奏を聞きながらスケッチのように書きとめた文章が素晴らしく、伝兵衛はHPのキャッチコピーにするとのこと。壇ふみさん兄弟とは遠い親せきになるというマスターは快く「川内康範先生のようなことは申しません」

DUST
充分にJAZZであり、
たっぷりとBLUESであり、
まぎれもなくFOLKであり、
そしてそんなジャンルの壁を一気に吹き飛ばしてしまう程、
圧倒的に“伝兵衛”なのである。

場所を変えての打ち上げでいただいた日本酒が大変おいしかったが、チェイサーのお水が特別なもので、日本酒を飲んでる時にいつも出てくる動季が全くない。これは公表できない種類の情報らしいのでここまで。
4月21日(月) DUST 洲本・ジョルジュ
夜走りで辿り着いた大和屋旅館でたちどころに就寝したのは午前4時だが、僕だけは道中寝ていたので自然に目覚めると9時半。コンビニで水でも買いに、と出かけてみると映画館のポスター。毎朝10時20分の回だけ洋画“ライラの冒険”というので人に訪ねつつ到着して見ると20分前。目の前の喫茶店でモーニングサービスをいただいてギリギリに入場すると技師があわてて映写室に駆け込む。贅沢にも僕一人のための上映となったのだった。いい気分。

ちぃちゃん・ユウクンと3人で魚増でお昼。あなご天ぷら、刺身4点盛り(たい・まぐろ・さより・ぶり)あじフライ、うなぎ蒲焼。うなぎが当店一番ウリだというが、どうしてどうして流石に洲本。いずれおとらずおいしく頂いた。打ち上げにタコと玉ねぎをたっぷり用意したのでそれまでは我慢令が出て烏賊のてんぷらにしたらこちらはちと残念な結果。
ライブの休憩中にもずくと新玉スライス。これだけで十分来た甲斐はある。打ち上げのたこてんぷらは禁止令を出すだけのことはあった美味しさ。玉ねぎのてんぷらがここまでうまいというのが実際に口にしながらも信じられない。僕はてんぷらではレンコンとイカが好物なのだが、蓮根の品の良さと南瓜のふくよかさを足して二で割らないどころか食感は疑いなく上回って天国的。
4月22日(火) DUST 大阪(船場)淡路町バー
パラダイスカフェ
コーヒールンバ
ウエスが聴こえる
湘南Rainy Blues
椰子の葉陰
始発列車
午前二時の街角
嘘が八個
さまようペリカン
Traverin’
いつものズブロッカ
あと一杯
またしてもHi-Way
4月23日(水) 国立音楽大学 第二回講義
アート・ブレイキー“モーニン”を解説・分析。成瀬翼が作成したジャズ地図を配る。
デュオ w/林家正蔵 目黒・ブルースアレイ
今後の展開が楽しみになるような良いスタートだった。
”流石にこれは成立しないだろう”と思いながら演奏していた最後のTpコーナーも、DVDを観たところ、実は哀愁というか思い入れみたいなものだけは師匠のラッパから出てはいて、これはこれで僕の忘れがちなところをピンポイントで彼は表現しているような気になった。つまり僕に足りないところを彼が補っているわけで、これはある意味助け合っているわけだ。それ以上に驚くのは林家正蔵という人はそういうあたり、芸のありようを客観視する視座を持っているということだ。その上で、一切の言い訳や弁解はしないところに筋金を感じる。
4月24日(木) コンサート鑑賞 松本淳一 ティアラ江東小ホール
「熱情」はすごかった。ベートーベンがもともとオケで書いたのかというくらいによかった。平部やよい作曲(今年のコンサートのための書き下ろし。同時発表曲は僕の「輪郭」)メビウス・サークルも、改めて聞けて全体像がやっとつかめてみると、良くできた曲、というも憚られるほど素晴らしい曲だった。

なんて続けてると他人の曲ばかりのようだけど、松本の自作群がなんと言ってもよかった。ソロコーナーでの曲の数々は、ジャズ演奏では作りにくい構築性(キース・ジャレットだったら苦も無く作るんだよなあ)でこそ浮き出てくる心象風景を感じて羨ましくも思い、僕も作品ぽいものに手を染めようかと。でも今は井上との「DUOのための12の調性による習作」を作り終えたばかり。早速湧き出た次のアイデアは「DUOのための12の調性によるブルース」。

後半に固めて演奏された弦楽クァルテットとの作品群はとても僕好み。それぞれタイトルの付いた5曲を演奏する間に3回MCを入れていたが、通して聞いてみたい。ひとつのまとまった室内楽作品として成立するだろう。

今年(去年?)の卒業生ばかりというクァルテットの演奏能力の高さにも目を見張った。レベルというのはどんどん上げるものなのだなぁ。譜読みの精確さがデジタルな感じがしたのだが、全員パーフェクトピッチなのかも知れない。

国立音楽大学が4月から始まったのに合わせて、毎週図書館から日本の現代作曲家のCDとスコアを借り出してコンテンポラリーへの理解を深めようとしているのだが、武満・黛・外山(雄三)などいずれも意欲も技術もオリジナリティも、相当なところに日本は既に来ていたのだなぁと改めて思っているところへ、今週のテーマ、芥川比呂志の都会っぽさ、洒脱感と似た匂いをを松本の弦楽作品に感じた。才能と言い、意欲と言い、ずっと注目していたいアーティストである。
4月25日(金) 浜崎航クァルテット 名古屋・ラブリー
浜崎航(Ts)
島田剛(B)
黒田和良(Dr)

Dead Zone
P-Bop
たまゆら
My Heart
Suspent
Surf The Turf
Persona
Basically
Chase The Shade
Harvest
Over The Rainbow

始まる前の食事に“久富”。いまは場所も変わって“串焼きラブリー”。ついビールを飲んでしまう。初合わせだというのに意志に弱いことだ。島田の音色が抜群によかったのがブルース。黒田の抑制の利いたドラミングと相俟って至福の時間。力也と清水興もそうだが、ベースとドラムがハマると時間経過そのものが芸術、というか喜びになる。Dead Zoneは作曲者として理想形に近くなった。
4月26日(土) 浜崎航クァルテット 四日市・Vee Jay
Dead Zone
P-Bop
たまゆら
My Heart
Suspent
Surf The Turf
Persona
Basically
Chase The Shade
Harvest
Over The Rainbow

たった二日目だが、良くできた面子というのはこういうものだろう。サウンドが確立に近い。同じ構成で進行するのも、演奏のこなれ方にはいい方法。最低限のリハーサル時間の設定もいい方向に働き、浜崎はバンドリーダーとしてもクールである。
4月27日(日) コンサート鑑賞 新交響楽団 東京芸術劇場
シューマン「交響曲一番」
シェーンベルク「ベアリスとメリザンド」(ゴートの気持ちに重点のある作曲らしい)
横山幸雄のゴールドベルク変奏曲を東京文化会館小ホールで聞こうとしていたのだが、完売との報せに急遽変更。それにしても昼夜二公演で夜の部に残席僅か、というのはすごい。“羨ましい”という感情を久しぶりに味わったかも知れぬ。飯森泰次郎の情熱的な指揮でアマチュア(と知って驚いた)の老舗がぎゅうぎゅうと鳴らすのが楽しかった。参加できるならティンパニをやりたい。
落語鑑賞会
ゴールドベルク変奏曲、夜の部を諦めたのは、夜帯でこちらの先約があったから。先約と言っても定員に達していたところへ突然のキャンセルが出たのを幸い、無理に参加させてもらったのだ。志ん朝を3題。レアネタかも知れないので(何せ当方門外漢)詳しくは省略するが、感動した。3つめが終わった時には、大笑いももらい泣きもしないのに涙がうっすらと浮かんできたのがわかって焦った。心が震えたのを、頭が後から追いかけて理解する、という、本物の感動を久々に味わった
4月29日(火) デュオ w/井上陽介
“12の調性によるピアノとベースのための習作”というのを、書きましたねぇ。見事に。
思い起こせば3か月前に、この日のセッションをDUO(浜崎と大坂が空いていないので)でも敢行しようと決めたと同時に湧いたアイデア。名手井上陽介とがっぷりできるのなら普通のセッション(も相当良くなるはずではあるが)ではなくスペシャルなコンサートにしたい、と考えたのだった。名古屋滞在から電車移動で函館・佐呂間、という行程がもっとも効率が良かったが、それにしても12曲の順番作曲(F>Bbm>Eb、という風に4度ずつ上がりながらメジャーとマイナーが交互)は楽しかった。Cメジャーだけは“In Your Quiet Dream”を流用。客受けには委細構わず(実は最近の僕のテーマだったりする)Bjから6曲を一部、Fから6曲を二部、そしてアンコールは演奏曲の中から再演を選ぶという本来のアンコール・スタイル。気持ち良かった。

演奏の出来に関しては判断不能。これがまた新境地で僕には心地良いのだが、どうなんだろう。
4月30日(水) 国立音楽大学 第三回講義
チャーリー・パーカー
参考レコード
〈1〉オン・サヴォイVol.1
〈2〉ウイズ・ストリングス
〈3〉マッセイ・ホール

〈3〉でまず熱気に触れてもらい、リズム・チェンジの話やミンガスのエピソードなど。
〈2〉の中から“エイプリル・イン・パリス”を細かく分析して到達系、充足系、装飾系などメロディライン(ほぼイコールアドリブ法)について考察。
〈1〉 では“ビリーズ・バウンス”に絞って、ビバップベースラインの確立の早さ(スイングバンドとのあまりの違い)に注目したり、ドラミングとしてはまだ“ハネ”が強い、など。またメンバーであるマイルス・デイビスの演奏に、既にクールジャズやハードバップの手法が表れている点などにも注目。これは僕にとってもこの度の聞き込みでの新発見だった。
こういう事があると先生業(僕は先生修業と呼んでいるが)も悪くないと思える。研究発表を熱心に聞いてくれる学生諸君がいる、という形が美しい。某大学では望めない(国音では得られない別の楽しみが勿論あるのだが)。
セッション 立川ジェシージェームス
蓮見アキオ(Gi)
泉幸敏(B)
昨年の土佐、クラちゃん絡みで知り合った蓮見氏との約束。学校帰りのセッション。ベースとトリオになったので“プリ・バップ・グルーブ”のレパートリィを何曲か。泉君は丹波笹山出身。ネタ的にはよく聞いていたが、丹波笹山人を初めて見た。僕と同系統の顔に見えたのは思い込みか。

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2008年