桜桃の実の盛り われら歌わん
陽気な小夜鳴鳥 ひやかし屋の鶫
みな浮かれ騒がん
洒落男たちは見境なし
恋人たち 陽の光の下 露に愛を交わさん
桜桃の実の盛り われら歌わん
ひやかし屋の鶫 この時とばかり口笛をふかん
桜桃の実の盛り いと短かければ
みな きそいて摘まんとす
その耳飾りのごとき実を
桜桃の実 恋人のスカートの上のそれ あたかも
葉かげに落ちし 血の雫
桜桃の実の盛り いと短かければ
みな 珊瑚の耳飾りのごときその実 摘まんとす
汝 桜桃の実の盛りとなるに
恋の憂いを恐れなば
洒落男らをば避けるべし
我 つらき痛みを恐れる者にあらじ
我 つゆも苦しみを蒙らぬ日を過ごす者なり
されど 汝 桜桃の実の盛りとなるに
ふたたび恋の痛みに苦しまんか
桜桃の実の盛り 我かわらず恋す
恋心胸に秘めし季節
傷心をかかえし季節
乙女らはわが運命の女神ゆえに わが誠をささげしが
乙女らから受けしわが苦悩は 永久に朽ちることなし
桜桃の実の盛り 我かわらず恋す
恋心秘めし 思い出を胸に