My Weekly Journal/第1編集室/時事対談/時事対談・2009/派遣村から難民村へ |
<2008・派遣村から・・・/2009・難民村へ = 過疎地に集結!>
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〔人間の巣〕 /過疎地に集合!
旗印 /自給自足社会の建設!
極楽浄土のインフラ建設
プロローグ | 2009. 9.13 | |
No.1 |
〔1〕 2008/派遣村から・・・
2009/難民村=自給自足大地への集結! |
2009. 9.23 |
No.2 | <グローバル世界/グローバル市場経済の・・・後退へ!> | 2009. 9.23 |
No.3 | < 難民村=自給自足社会の立ち上げ・・・労働市場の激変!> | 2009. 9.23 |
No.4 | 〔2〕 大自然と共に生る/ 集中から分散へ! | |
No.5 | <マスコミ、企業モラルの崩壊・・・ を、どうするか! > | |
No.6 | <太平洋メガロポリス・ベルトに国民が集中・・・その危険性!> |
「星野支折です... “2009/総選挙”が終わり...はや立秋ですね。すぐに冬の季節が忍び寄って来ます。新 型インフルエンザは、夏から流行が始まり、じきにピークにさしかかるのでしょうか。ワクチンも心 配です。新政権のもとで、スムーズに、公平に、国民に接種できるよう、願っています...」
「さあ...“2009/総選挙”で...歴史的・政権交代が実現しました... 民主党/新内閣がいよいよスタートです。官僚組織の改造も、これから始まります。“国家OS (Operating System/基本ソフト)”を、“最新版=Windows Vista 〜 Windows 7”のレベルにする なら、“リセット/・・・OSのバージョンアップ”は不可避になります。 つまり...“全官僚/全行政組織を・・・ 一時解雇/電源OFF” にし...フォーマット... “新・行政回路にバージョンアップ” です。いつまでも、“レガシー・システム(旧・年金ソフト)”や“MS −DOS(Windows 以前のOS)”では、格闘すること自体が徒労です。また、膨大な作業になります。そ れがいかに無駄な作業かは、パソコン時代の私たちには、一目瞭然ですね。 高度・情報化時代の“目的遂行システム”の改編は...“OSのバージョンアップ”がトレンド(す う勢)です。新しいソフトを準備し...電源OFFは60秒以下...“各種・行政アプリケーション”も、 必要に応じて...あるいは、定期的バージョンアップで対応します。これは、“目的遂行システム” であれば、当然の措置です...パソコンと同じですね...」 「うーん... でも...長い間の因縁対決で、あえて一戦交えたいわけでしょうか...気持ちは分かります が、それはすでに、官僚の陣地に片足を取られているのかも知れません。小骨が無数に発達し てしまった官僚組織は、ハモ料理のように、“細かく切断/細かくリセット”するのが最適です。 ええ...鱧/ハモという魚は...ハモ科の海産の硬骨魚です。体形はウナギ型で、鱗はあり ません。このハモを料理するには、必ず“骨切り”が必要だそうです。薄刃のハモ切り包丁/骨切 包丁で、1ミリよりやや大きいぐらいに切り刻みます。 その際、皮は切らず、骨と肉だけを切断するそうです...この“骨切り”した後は、天婦羅(てん ぷら)にしても美味しいですし、ハモ・シャブシャブにしても美味しいそうですね。バリエーションは、 自由自在だそうです。関西の夏のスタミナ料理ですね...」
「ふふ... こう説明している私は...実はまだ、一度も食べたことがありません。でも、関西では“湯引き したハモ”が、スーパー・マーケットにも並んでいるそうですね。私はグルメ(食通、美食家)ではない のです。食べ物には淡白な方です。申し訳ございません。 でも、民主党・議員の方々は...これから官僚組織を料理するなら、是非、“骨切り”を賞味し てみるべきでしょう。肝心なことは、ハモ料理は、必ず“骨切り”が必要だということですね。官僚 /行政組織も“骨切り”をし、官民格差を解消していくことが、社会再生の第1歩だと思います。 ともかく...“官僚組織/行政組織/・・・目的遂行システム”の再生・活性化は...“OS(基本 ソフト)をバージョンアップ”し...バグ(虫/プログラムの欠陥)や、ウイルスや、ガン細胞を排除すること です。クリーンアップの後で、“最新版=Windows Vista 〜 Windows 7”をインストールで す。 こうすれば、日本全国の行政システムが、“最新版・OS”で、スイスイと動き出しますね。非効 率の方が人間的でいいなどという公務員もいるかも知れませんが、それは国民/市民が満足し ていればの話です。“最新版・OS”は、国際機関でも、ぜひ導入して欲しいものです...」
「ええ...くり返しますが... 行政組織というのは、軍事組織と同じように、“目的遂行システム”です...つまり、国家/社 会/家庭などの“存在の器”の中にある...“目的追求組織/目的遂行システム”なのです。 会社/企業システムも...国家/社会の中の、産業という“目的遂行システム”です。でも、そ こは、住処(すみか)ではないということですね。“社会システムの生み出した果実”を、回路の要所 で、“独り占め”されては困るわけです。そんなことのために、社会があるわけではありません」
「現在の... “日本社会の衰退” は...ほとんどが、国家/社会の中の“目的遂行システム”を私物化し、 特権意識を持ち、そこを住処(すみか)と勘違いしてしまっているために、起こっています。そのため に、国家/社会全体が、壮大な機能不全を起こしているわけです。 公共放送・NHKの場合もそうです...“本来の公共放送の使命・・・民主主義の牙城/日本文 化の守護神”を放棄し...“国民の浄財”を集めながら...そこを自分たちの住処としてして、“好 きなコト”をやっています。 そのために...“国家の屋台骨/・・・建国以来の慣習法”が大混乱に陥っています。イザ、と いう時に、“日本社会のスタビライザー(姿勢安定化装置)”が、まるで機能していなかったということに なります。 この意味では...民放テレビ・新聞をはじめとする、マスメディアも同罪です。“日本社会のスタ ビライザー”がその役目を、かなりの部分を放棄しています。そして、社会的公器を私物化し、日 本文化を漫才化してしまいました。 NHKをはじめマスコミは、漫才や落語を社会化していますが...こうした“お笑い”は、あくまで もワサビであり、薬味なのです。メインディッシュ(主菜)になるものではありません。ところが、メイン ディッシュの方も、叙勲や勲章、公費助成などを眺めていると、空洞化してきているのでしょうか。 うーん...政治家の質の低下も言われます。地方行政組織なども、いまだに裏金が横行して いますね。もちろん、“玉石混合”なのですが、国家・社会・文化がすさまじい速度で、動脈硬化/ ガン化/壊死を起こし...発狂寸前の状況...のようです...」
「さあ...こうした状況ですが... ともかく...“2009/総選挙”で...政権交代が起こりました。国民の期待は、最高潮に高 まっています。民主党/社民党/国民新党には、是非、頑張って欲しいと思います。 発生する様々な難問は...〔人間の巣/未来型都市/千年都市〕...で引き受ける用意が あります。“我田引水”になりますが...30年後、50年後、100年後、1000年後を遠望し、〔人 間の巣のパラダイム〕の活用を、お願いします...」 帳尻は〔人間の巣〕で吸収します! 「秋月茜です... “2009/総選挙”...で、歴史的な大勝利をした鳩山・民主党代表は...2020年までの 温室効果ガス・削減目標を、“1990年比・25%”に引き上げると明言しました。私たちは、これを 歓迎します。 さらに高い目標値であっても...“地球温暖化対策”の王道...〔人間の巣/未来型都市/ 千年都市〕は、余裕をもって吸収可能です...また、この方向なら、“脱・原発”も可能です。 したがって...海外からの“排出権の買い取り”などは論外です。それならば、〔人間の巣/ 未来型都市/千年都市〕を展開し...国民の安心・安全に答えるべきです。 一方、私たち〔国民/世界市民〕も...“文明のあり方/人間としての生き方”...の選択 を迫られています。“競争社会/マラソン人生・・・便利・速い・豊富”というパラダイムを続けるの か...それとも、“スローフード/スローライフ・・・古き良き時代へ回帰”を選択するのかです」
「さあ、新政権・発足も...秒読みの段階ですが... 麻生・首相が、3か月前に発表した削減目標は、“1990年比・8%”というものでした。これは、 IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)が示した...“2020年に/1990年比・・・25〜40%の 削減が必要”...という、科学的判断に遠く及ばないものでした。 したがって、今回の軌道修正は、歴史的・政権交代にふさわしいスタートになりました。産業界 /財界の人々は...“にわかには信じがたい・・・荒唐無稽だ・・・国益に反する”...などと 反発していますが、“何が先にあるべきか”を考えて欲しいと思います。 “現在のままでは・・・地球環境が激変し、人類文明を維持できない!”...という、IPCC の警告が、まず先にあるということです。“景気”だの、“産業活動が維持できない”だの、“生産 拠点を海外へ移す”だのは...“既得権確保のエゴ” に他なりません。全て承知した上での発 言でしょうが、もっと大局的な展望に立ち...文明の道を選択して欲しいと思います」
「いずれにしても... 私たちは...“行き過ぎた競争・・・市場経済原理” ...からの“撤退準備”をしておくこを、 “=強く警告=”して置きます。このことでは、《危機管理センター》 の里中響子さんの方から も、 【警告1号】 が出されていますね。私の方からも、“重ねて警告”しておきます。 現在のグローバル経済/グローバル世界は...様々な因子によって...まもなく、カタストロ フィー・ポイント(破局点)に突入します。 “人口爆発”、“科学技術文明の暴走”、“地球温暖化”、“気候変動”、“食糧危機”、“感染症パ ンデミック”と...どのコースも、それぞれが絡み合い、破局点へ向かって確実に沈んいます。し かも、どのコースも、完璧な回避策はありません。 でも...私たちのシミュレーションでは...これら全てを、劇的に回避できる手段が追認されま した。つまり、〔人間の巣/未来型都市/千年都市〕の展開で、これら全ての破局コースが、 V 字型回復し...〔超安定=自給自足型・農業社会〕へ、クロスしつつ、回復していくコースです」
「いずれにしても... “反グローバル化/・・・文明の折り返し”は...いよいよ不可避の状況になってきました。 “価値観が劇的に変化”する時代が、近々到来します... その...“21世紀/大艱難時代”に備えて...今こそ、“万能型・防護力”/〔人間の巣〕 を、全国展開/世界展開を開始する時です...これは、早い方が、いいということです...」
〔1〕
2008/派遣村から・・・
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バラックを建設! 難民の受け入れ! 衣食住の安定化! (土地、難民によって、規模の分散化・・・)
病院・福祉・防御
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農産物の加工工場の建設・・・ (/仮設工場) 自給自足社会の始動 ・・・ 家具調度類を自主生産・・・共同作業場の設置 医療施設、衛生施設の整備
集落の多面的機能の拡充
場所の選定/ボーリング調査・・・ 基盤工事の開始
ハードウェアー/ソフトウェアー
の研究成果の導入
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花見/海水浴・登山/収穫祭/運動会/文化祭・・・
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<グローバル世界/グローバル市場経済 ・・・の後退! >
=赤い彗星>/所長の片倉正蔵です...これまで、〔人間の巣〕の考察に当たっていました。 最後に登場したのが、《人間の巣/意識・情報革命の遠望》ですから、2年ぶりということに なりますか...この間、〔人間の巣/未来型都市/千年都市〕の考察の方も、相当に進んだも のと自負しています... “2009年/・・・秋・・・/緊急対処”として...〔人間の巣〕が急展開する機運となって来ま したので、急きょ、登場することになりました。表題にも示してあるように...“2008/派遣村 から 〜 2009/難民村=自給自足大地への結集!”ということですね。 具体的なスケジュールも、上のスクリーン・ボードに簡潔にまとめておきました。“日本人=国内 難民”としては、“一日千秋”の思いだと思いますので、全て早急な展開になっていると思います。 これは、とりあえず方向性を打ち出すもので、叩き台として使って欲しいと思います。
さて...このメモだけというものなんですから...いつものように、〔人間の巣〕の周辺状況の 状況も、少し話して置きましょう...」 「どうぞ...」支折が、スッ、とコーヒーを脇の方に置いた。 「や、どうも...」片倉が、ゆっくりと頭を下げた。 「さて...」片倉が、コーヒーを配っている支折の背中を眺めながら言った。「いよいよ...鳩山・ 新政権がスタートしたわけですねえ...しかし、国民生活は、いよいよ切迫してきました...
仕事もなく...居場所もなく...将来展望もない...“日本人=国内難民”が急増しています。 また、当面の居場所はあるにしても、深刻な状況の人々を加えれば、実質的な生活困窮者は全 国民の相当の割合にのぼるのではないでしょうか。まさに、未曾有の大混乱です...
このような状況下では...多少の資産があっても、たちまち激動の波に呑み込まれてしまうで しょう。目先の地位/目先の資産などは、“文明史上最大/21世紀・大艱難(だいかんなん)”の前 では、何の役にも立ちません。 “地球温暖化/海洋相転移”の前では、社会的・既得権などは、“あまりにも小さな保身”でしか ありません。つまり、意味がないということです。産業界の人々/経済学者の人々も、1段上の広 い視野からの発言が必要ではないでしょうか。最近は、“発言の空転/乖離”が感じられます」
片倉が、コーヒーの受け皿をそっと引き寄せた。カップに手をかける。開け放った<赤い彗星 ビル/3 Fインターネット・オープンルーム>の窓から、立秋の萩(はぎ)の風が吹き込んできた。 春の薫風(くんぷう)と共に、“人生において、無条件の幸福を感じるひと時”だった... “・・・こうした瞬間があるから・・・”片倉は、心の中でつぶやいた。“・・・あらゆる生命体は、そこ に生きている価値があると、本能的に感じるのだろうか・・・” 片倉が、窓の方を眺めながら、ゆっくりとコーヒーを口へ運び、それを飲み干した。
「私たちは...」片倉が、モニターに目をやり、話し始めた。「“グローバル経済・・・資本主義/市 場主義経済そのものが...時代的役割を終焉 しつつあるものと見ています。 巨大な資本の蓄積も...それが〔世界市民〕との乖離(かいり)おこれば...文明的価値がシフ トし、空洞化が起こるということです。現在は、こうした現象が、パラダイムシフトの中で起こってい ます。したがって、もう、元に戻ることはないと思われます。
そうですねえ...人々は、基本的に...資本・経済原理から離脱し...大自然との共生の生 活に回帰して行くと思われます。こうした自給自足生活には、巨万の富は必要ありません。これ は、かつて中世/ヨーロッパで起こった、ルネッサンスと非常によく似た、グローバルな社会現象 になって行くでしょう。
人々は、“人間性の本質”に目覚め...“スローフード/スローライフ”の中で...“存在の 覚醒”を深めて行くことになると思われます...かつて、確実に存在した、古き良き時代への回 帰です。これが、いわゆる、“文明の折り返し/反・グローバル化”であり、〔人間の巣〕の展開 となり、経済の縮小につながって行くわけです。
また、それが...高杉・塾長の言われるように...野性を超越した文明...“文明の第3ステ ージ/意識・情報革命”の、最初の関門になるのでしょうか...“原始・文明時代”を超え、“本格 的・ホモサピエンス文明”が、“言語的・亜空間座標”に記述されていくのかも知れません...
さらに、10万年、20万年と時代が進めば...ネアンデルタール人が姿を消したように、ホモ サピエンスもまた、姿を消して行くのかも知れませんね。そして、新たな新人類によって、この“言 語的・亜空間座標の・・・夢の地図”が、“古典=文明”として、継承されて行くのかも知れしれま せん...
さて...1つの/智慧のゲームですが...その進化は、依然として“器官の進化”から来るの でしょうか。それとも、“観念/意識の進化”から来るのでしょうか。ホモサピエンスに特徴的な、 “脳の外適応(/ホモサピエンスの脳は、膨大な未開発の広野が広がっている)”が拡大していくのでしょうか...
いや...ともかく、生命潮流の動因というのは...私たちのささやかな想像力で的中できるよ うな、生易しい世界ではないのでしょう。私たちは、眼前するリアリティー世界/自然界から、全て を学んでいるわけですが、常に驚きの連続です... つまり...本来がこういう世界だ...ということかも知れません...全てが、“想像を絶する入 れ子細工のような世界”だという、宿命なのかも知れません...」
支折が、片倉の脇の空になったコーヒーカップを片づけた。それから、みんなのカップも盆に載 せ、奥の事務机の方に運んだ。 「話を戻しますが...」片倉が言った。「そもそも... 〔日本国民/世界市民〕が、経済的に食えなくなり...自給自足生活へ舵を切れば...必 然的に、資本の原理は後退して行きます。生物体である私たちの最後の拠り所は、生態系の中 で、自給自足生活をするということですからねえ...グローバル経済は、必要物ではないという ことです。 しかし、世界市場/経済原理が一気に潰れてしまっては、世界が大混乱に陥ります。したがっ て、グローバル市場経済が、緩やかに後退していくのが良いのです。が、そうは言っても、現実に は、相当の衝撃を伴ってやって来るでしょう... グローバル世界/グローバル市場経済は、我々が思っているよりも、はるかに脆弱(ぜいじゃく) です。そして混乱は、常に弱者の側に、そのシワ寄せがやって来ます。したがって、その時のた めにも、〔世界市民〕は“万能型・防護力”=〔人間の巣〕を展開しておくことを、強く提唱します。
それ以外でも...“地球温暖化/気候変動”の下で...感染症パンデミックや、世界的/大 干ばつが発生すれば...世界経済は、容易に破綻するでしょう。重ねて言いますが、これは非 常に危険な状態と言えます。 こうした事態に備えるためにも...世界中で展開可能な...“万能型・防護力”=〔人間の巣〕 を、今のうちから準備しておくべきでしょう...」
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難民村=自給自足社会の立ち上げ・・・ /労働市場の激変!> 「ええと...」片倉が、顎に拳を当て、モニターを眺めた。「...さて... “難民村=自給自足社会”の立ち上げに際して...ここで、もう1つの側面を指摘 して置き、 後の考察につなげたいと思います。それは、現在の“日本人=国内難民”を、とりあえず、数十万 人〜百万人吸収していくことにより...“労働市場が激変していく”...ということです。
さらに...派遣やパートの“格差難民”も、“難民村=自給自足社会”に続々と参加して来れ ば...その影響は、“国家体制”をも揺るがすものになります。そうなると、大企業も含めて、深 刻な人手不足の状況が予想されます... さあ、皆さんの言っておられる...“21世紀・維新/始動!”...になります。〔明治維新〕 のような、社会体制の大転換の足音が近づいてきます。そして、“地球温暖化/海洋の相転移” の足音も、近付いてくるわけです。
さて、ともかく...こうなると、労働市場での待遇は劇的に改善されるはずです。むろん、こん な日本を見限って、海外へ出ていく企業もあるでしょう。それは自由です。そうした企業が存在し なくても、国民は食べていけるわけです... ただ、そうした企業にしても、現在のようなダイナミックな企業活動を、いつまで続けるのかとい うことです。いずれ、パラダイムシフトが起これば、空洞化して行くことになります。企業も資本も、 “人間性の解放”へ向かう国民を、いつまでも隷属化(れいぞくか)しておくことはできないということ です。
“地球温暖化/海洋相転移”、“気候変動”、“人口爆発”という...巨大津波が輻輳してやって 来る中で...発展・成長型/経済を、いつまで続けられるかということです... つまり、何が言いたいかといえば...これは、〔人間の巣のパラダイム〕へ移行していく、過渡 期の状況なのだということです。既得権を超え、できるだけ速く、〔人間の巣〕へ移行して行くこと が、大混乱を回避することにつながると思います。
ちなみに...現在の状況下で、“少子化対策”などは、どのような位置づけになるのでしょうか。 産業界/財界人の中には、“移民の導入”を公言する人もいますが...国民が自給自足社会で 安定化して行く風景ま中では...これは、そもそもが、おかしな話になります。
まあ、誰が...いまだに、“少子化対策”の旗を振っているのかは知りませんが...それにも かかわらず、人口は着実に減少していますねえ。日本は急速な高齢化社会が進行しています。 しかし、これは良い方向なのです。確実に、良い方向の流れに、乗っているということです。 日本は、とりあえず〔人間の巣〕を展開し...人口を半減し...世界の水先案内人にならなけ ればなりません...70億にも達する大型哺乳類の環境負荷は、それだけで限界を超えていると いうことです。しかも、その上でなお、CO2をバラまき、動力機械を縦横に走らせているわけです。
まだ、マスコミでは...“競争だ!/成長だ!/経済だ!”...と大騒ぎを展開していますが、 やがて、資本主義/自由主義/市場経済のダイナミズムは、大幅な後退期に入ると考えます。 あるいは...“破綻”...という形をとるのでしょうか。ともかく、有限の地球生態系の中で、この 種のダイナミズムは、その時代的役割を終焉 して行くでしょう...
私たちは、まさに...歴史の大転換点/その過渡期に生きているわけです。いずれにしても、 急速な高齢化が進む日本社会では...〔人間の巣/未来型都市/千年都市〕を展開するの が、最も良い、確実な方策と考えます。 その“万能型・防護力”に守られ...支配階級のない、自給自足農業のラクな暮らしが実現で きるのです。“万能型・防護力”は、年金や生命保険さえも無用のものにし、人間の生き方を、本 来の姿に開放するでしょう...」
〔2〕 大自然と共に生る/
集中から分散へ! 「ええ...」片倉が、椅子を少し回し、キイボードから手を離した。「津田・編集長、よろしくお願い します」 「はい、よろしくお願いします」津田が、髪を撫で上げた。 「“2009/総選挙”の方は、うまくいきましたね、」片倉が、口元を緩めた。 「そうですねえ...」津田が、口に掌を当てた。「政権交代はしましたが...まだ心配です...」 「はい...」 「何といっても.... 与野党は逆転しましたが...“政治は国民から乖離(かいり)したまま”です。国民は、政権交代 に浮かれて、“政治と国民との乖離”を忘れてしまってはいけません」 「そうですねえ...なにか、“政治が現実離れ”していますねえ...」 「はは...」津田が笑った。「何故か...そうなのです... 各党のマニフェストを見渡してみてもそうですね...“地球温暖化”のことや、“30年後の国家 の青写真”のことは、争点にもならなかったけです。とうとう、それで押し通してしまいました。まさ に、ここに、“現在の日本政治の姿が集約”されています。“国民は・・・政治に、完全になめられて いる”ということです...」
<マスコミ、企業のモラル崩壊・・・ を、どうするか! >
「ええ...」津田が言った。「少し...“大自然と共に生きる”というテーマから外れますが、つい でですから、一言、コメントして置きましょう...」 「あ...《編集長の一言》ですね...」茜が、微笑を作った。 「そうです...最近は、すっかりご無沙汰になっているヤツですが...ここでやって置きましょう」 「はい、」 「ええ... “政治の国民との・・・乖離”...そして、“官僚/行政組織の・・・モラル崩壊”...それから、 裁判員制度を始めた“司法の・・・トンチンカン”と...まあ、立法・行政・司法という国家・3権が 大変な様相になっています。全てが、連動してしまっているわけですねえ... しかし、〔日本国民〕は...さらに、“マスコミにも・・・一般企業にも・・・完全になめられている” という、現実があります。第4の権力といわれるマスコミが、これを真似をするのは当然なのでしょ うか。それにしても、“権力と対立するという牙”が、折れてしまったのでしょうか。なんとも、情けな い話です... ともかく...“公共放送・NHKの私物化・・・民主主義の牙城/日本文化守護神/慣習法 の総本山の放棄・・・権力へのすり寄り” は...国家・社会の“スタビライザー(姿勢安定化装置)”と して、機能しなくなっています。これをどうするかということが、1つです...」 「はい、」茜が、コクリとうなづいた。 「次に...“民放テレビの私物化=無責任報道・人権侵害・大衆文化の混乱”なども、ひどい ものです。 民放テレビや新聞も含めて、マスメディアは社会の公器なのです。また、経済原理ではなく、文 化の原理で動くというのが、国民から付託された暗黙了解事項であり、使命です。 つまり、“慣習法/不文律の法/社会的エキス”で動くという...〔日本国憲法〕をも超越した、 社会的使命があるわけです。砕いて言うと、“人間としての信頼感=勇気・勤勉・真心”などです。 法律化されていませんが、私たちがそのもとに社会を形成している、本質的なエキスの領域です ね...そこが、故意に、マスメディアによって破壊されてきているわけです...
しかし、そうした社会・上流域/司法・立法・行政・・・マスメディアの乱行に加え...社会・中流 域に位置する...“一般企業による・・・国民の蹂躙(じゅうりん)”も、ひどいものがあります。これは、 企業の経済活動が絡んでいるために、別の意味で深刻な状況でしょう。 まあ、いついも言っていることですが...玉石混合の状況です。全てが、粗悪な石ではありま せんが、全体として、動脈硬化を起こしているということです。立派な企業も、もちろんあるわけで すが、非常に悪質な企業もあります。 平気で、反省もなく、国民の蹂躙を、当然のようにやっているている企業もありますねえ...弁 護士を当て、リスク計算の上で悪事をやっている会社です。いったい、こんな企業と、個人/市民 /消費者は、どうやって戦えばいいかということです。指定暴力団と、個人で戦うようなものです」 「いや、その通りですねえ...」片倉が言った。「はは...ボス(岡田)も言っていました... 少し身近な話になってしまいますが、実際の具体例を交えて話しましょう...ボスは、インター ネットのホームページで、バナー広告をはじめて...そうですねえ...もう10年近くになるとい います...しかし、その仕事料金は、1社だけが、初回だけ支払ったにすぎません。 自分のパソコンを購入したものでさえ、そんなものは分からんというわけです。ボスは、“金を 払ってもらえないから、裁判する金もない”と言っていました。まあ、ボス以外にも、こういう経験を している人は、非常に多いのではないでしょうか。この種の問題は、構造的な国民弾圧になって いると思われます... ちなみに、ボスは...“バナー広告は、ホームページの機能の1つだ”と言っていました。だか ら、やめるつもりはないようですが...企業はそれを見越して、ロハ(無料=ただ/只/という漢字は、ロと ハの組み合わせでできていることから・・・)で押し通していると言っていました。ひどい状況です... 法務省は、こうした現実を、どう考えているのでしょうか...これでは、社会正義も経済活動も、 回転して行かないですねえ。ボスのケースは単純な悪事ですが、こんなことで戦うにしても、個人 と企業では、力の差がありすぎるのです。 データは、全て企業が握っているわけですが、個人にそれを“そろえて来い”というわけですね え...法律的にうまい手があるにしても、弁護士を使えば金がかかるわけです。そうかといって、 自分でそんな勉強をしていては、本来の仕事ができなくなります...」 「うーむ...」津田も、ニヤリと笑った。「それで... 裁判で負けたら、金を払えばいいということですか。その損得も計算済みの、悪事ということで すか...このズルさは、まるで、厚生労働省/社会保険庁なみですねえ...そこから学習した のでしょうかねえ...そういえば、薬害事件の訴訟でも、みんなそうでした。厚労省の側や、企業 の側が、データを出さないわけですね... 民主党・衆議院議員の福田衣里子(ふくだ・えりこ)さん/薬害C型肝炎訴訟の原告の...薬害事 件でもそうでしたねえ...これは、企業との小競り合いのような話ではなく、大きな話ですが、生 活権を侵害されるという意味では、同じでしょう... 新しく導入された、裁判員制度も、シックリとしないものを感じがしますが...それ以前に日本 の法治システムは、どこかがおかしいですねえ。“慣習法”が崩壊しているからでしょうか...」 茜が、コクリとうなづいた。 「そうですねえ...」片倉が言った。「ボスの場合もそうですね... 信じられないほどの、無法ぶりです...そうした悪銭で、衣服を買い、食事をし、子育てをして いるわけでしょうか...これでは、覚せい剤や麻薬を吸っているように、人間として失格ですね。 それ以上に、社会や市民・国民に迷惑をかけています...」 「まあ...」津田が言った。「全体の広がりを見れば...悪質企業というのは、暴力団などの比 ではないでしょうねえ...しかも、暴力団のような自意識も無いわけです。普通の顔をしているわ けですねえ...だから、なおおかしいわけです...」 「うーん...」茜が、顎に手を当てた。「自民党・長期政権が...こんな社会にしてしまったのでは ないでしょうか...加害者も、被害者という側面が見えますわ...誰でもそうです。 最近、犯罪が多発していますが、加害者である彼等も、こうした社会状況の被害者なのです。 もちろん、だからと言って、許されていいわけではありません。被害者の立場に立ってみれば、絶 対に、許されるものではないからです...」 「しかし、ですねえ...」片倉が、無造作にマウスを動かした。「ボスの場合も... 苦情やトラブルを申し立てる窓口が...非常に使いにくく設定されていることからも...企業 の体質が見てとれると言っていました。こうした苦情が多いからでしょう。そうした商売をしている からです。“問題解決をはかろうという意思”が、非常に希薄なのを感じると、ボスは言っていまし た...」 「そういう意味では...」茜が言った。「バナー広告/アフリエイト・システムの、根本的な見直し が必要なのではないでしょうか...システムに、欠陥がありますわ...しかも、法律家をそろえ、 “慣習法”を無視したやり方をしていますね... でも、これは、“ライブドア・・・村上ファンド事件”などで、国民としての方向性は、出ていると思 います。ホリエモンのようなやり方は、日本の社会では否定されたわけです。あ、私は、経済問 題の方は、あまり深入りしないようにしています。このぐらいにしておきましょう...」 「はは...」津田が、笑った。「いずれ、経済は縮小して行くということですか...」 「それもありますが...欲望のダイナミズムですから... ともかく...個人情報の漏洩や、有害サイトなどの問題も含め...“透明なネット社会の再 構築/OS=基本ソフトの、バージョンアップ”が、必要なのかも知れませんわ... 私たちは、官僚組織は、“リセット/バージョンアップで対処”することを提唱してきました。でも、 インターネット世界こそ、まさに、“リセット/バージョンアップ”が必要なのかもしれませんね。非 常に複雑で難しいことになると思いますが、やらなければ、“ゴミ”や“悪意”が、際限なく溜まって いくことになります。もちろん、悪質な企業は、一掃しなければなりません...」
「ともかく...」津田が、体を引き脚を組み上げた。「インターネットの中は、トラブルが多いですね え... 私たちは、“弁護士のような知識”を持つか、“ヤクザの武闘派”のようになるか、そんなことし かないのでしょうかねえ。仕事をして、金を払ってもらえないなど、異常な状態が横行しているよう です。まあ、民主党政権になったわけですから、この状況も一掃してもらいたいですね...」 「うーん...」茜が言った。「消費者庁が立ち上がります...」 「まあ、そうですね...」津田が、手をすり合わせた。 「社民党/福島瑞穂・代表が、消費者・担当大臣ですわ... 女性弁護士として、私の先輩格ですから、大いに期待しています。当然のことですが、“庁”か ら“省”へ格上げされるべきですね。思い切って良いスタッフを集め、“消費者/市民の砦”の、礎 (いしずえ)を築いて欲しいと思います」 「うーむ...」片倉が言った。「それで...ボスのようなケースも、取り扱ってくれるわけですか?」 「それは...」茜が、首をかしげた。「どうでしょうか... でも、個人経営の仕事は、企業ではないし、どちらかといえば、消費者の側ですわ。企業のコン プライアンス(法令遵守)を強く要求するという点では、やはり“消費者庁の仕事”ではないかしら、」 「じゃ...」片倉が言った。「やってくれると...?」 「うーん...とにかく、はっきり言えることは... 小さな無数のトラブルを、個人がいちいち裁判をやってるのは問題です。弁護士はもうかります が、費用の総額は膨大なものになりますわ。それから、ボスのように、“お金もなく、面倒だ”とい う人はお手上げです...」 「その通りですねえ...」片倉が、斜に構えてうなづいた。 「こうした場合は...」茜が、指を立てた。「いえ...この際... 消費者庁や公正取引委員会や通産省の指導で...“ネット社会にも・・・透明公正なシステ ム”を導入することを提唱します。子供でも独り歩きできる、透明なネット社会です。このままでは、 大混乱になってしまいますわ...」 「そうですね...」津田が、うなづいた。「民主党・政権になったのを機に...“ネット社会の再構 築=透明で顔の見える世界”...にして欲しいですね... すでに、“文明の第3ステージ/意識・情報革命”の時代に突入しているようです。情報世界は、 しっかりと整理しておく必要があります。“言論の自由”だけを野放しにすると、えてして社会は乱 れて行くようです。 名前を明示した世界にし...有害なホームページ、悪質な言動は、果敢に排除して行くべきで す。もちろん、悪事を平気でやる企業なども一掃するべきです。一方、良いものは、評価して行く べきです。それを執行する機関が必要ですが、様々なレベルで、投票するのもいいですね...」 「はい...」茜が言った。「それは、総務省の担当になるのでしょうか... ともかく、“福島瑞穂/消費者・大臣”には、大いに期待しています。初めての、国民の側/消 費者側の大臣になるわけですね。膨大な仕事が集中して来ると思います。最初に、“全体をデザ イン”することが、非常に大事になるかと思いますが、是非、頑張って欲しいと思います」 「はは...」津田が、天井を見て笑った。「馬力がありそうですから、大丈夫でしょう... ともかく、我々としては...〔人間の巣〕の全国展開/世界展開という...大目標があります。 “ネット社会の再構築”も、その“21世紀・維新”の流れの中で、土台から再構築することを考 えて欲しいと思います。 やがて、それが、“量子コンピューター”、“量子通信”という、次世代/量子情報化時代に切り 替わって行きます。そのつもりで、しっかりとした、“基盤的・情報ハイウェイ=新世界”を、準備し ておいて欲しいと思います...」 「はい...」茜が、うなづいた。
<太平洋メガロポリス・ベルトに国民が集中・・・ その危険性!>
「ええ...」片倉が言った。「さてと... 菊地良治さんは...< すか、今年の冬は...いよいよ大変だと思うのですが...」 「はい...」菊地が、片手でメモ用紙を抑えた。「ともかく、“2008年/派遣村” 以来、良くなっ た要素は何もありません。失業率も、ますます高くなっています。ただ、良いと言えるものは、津 田・編集長の言うように、“今から・・・多少なりの準備/希望の持てる備えができる”ということで しょうか...“2008年/派遣村” で、多少の経験も積みました...」 津田が、うなづいた。 「そうですねえ...」片倉が言った。「今年は、“都会/派遣村”ではなく、“過疎地/難民村”を 準備し、“未来へつながる新田開発/自給自足社会の基盤づくり”をやろうというわけですね、」
「現在...」菊地が、モニターを見ながら言った。「首都圏・メガロポリス/東京大都市圏(/東京都、 千葉県、埼玉県、神奈川県に及ぶ)は、範囲の定義が難しいわけですが、約3500万人あまりが居住し、 日本の人口の1/4 以上が集中していると言われます。 また、東海道・メガロポリスは...ええ...約5470万人の人口が集中していますが、これは 首都圏のような集中ではなく、東海道にベルト状に伸びています。この2つのメガロポリスは、ベ ルト状につながっているわけですが、合計すると、国民の3/4 が集中している状況でしょうか。 ええ、しかも...ご存じのように...首都圏をはじめ、東海道・東南海は巨大地震・予測地帯 と重なります。それゆえに、日本の大動脈/太平洋ベルト地帯は、非常に危険で脆弱な構造に なっています。国家戦略上でも、由々しき状況になっています。 私たちは、かねてから、《災害救助船隊/空中機動師団=構想》と共に、メガロポリスに〔人 間の巣型/災害対策拠点〕の展開を提唱しています。しかし、自民党政権下/国土交通省は、 それよりも高速道路の全国展開の方が、重要としてきたわけでしょうか。 <詳しくはこちらへどうぞ.....《メガロポリスに〔人間の巣型/災害対策拠点〕の展開を》>しかし...いよいよ民主党/新・政権に変わったわけですから、今度は期待できるのでしょう か。建設業界は不況と言われますが、こうした〔未来型都市/千年都市〕につながる将来展望 のある建造物なら、仕事はいくらでもあるはずです。 首都直下・東海・東南海の地震が、連動して起こった場合...文字通り日本は壊滅状態になり ます。こうした非常事態に備えるためにも、1極集中型のメガロポリスを分散し...人的被害を抑 えるために、〔人間の巣型/災害対策拠点〕を大胆に配置するべきです...」 「うーむ...」片倉が、うなった。「分散化の前に、脆弱(ぜいじゃく)なメガロポリスに、〔人間の巣型 /災害対策拠点〕で補強が必要ですか、」 「そうです... これは、緊急を要します。メガロポリスに、大型の〔人間の巣型/災害対策拠点〕を緊急に展 開するべきです。日本の国は、メガロポリスに人口が集中し過ぎています。これから、過疎地に 〔人間の巣〕を展開していくにしても、10年〜20年という過渡期がありますから、」 「そうですね... 一気に産業が空洞化するわけではないですからねえ...ただ、その間、太平洋ベルト地帯に、 巨大地震が起こらないことを祈りましょう。まあ、我々世代の目の黒い内には、そうしたものは見 たくはないですねえ」 「しかし...」津田が言った。「子孫のために、手は打っておかなければなりません... 財界人/経団連の連中などは、目先の利益/既得権の保護に躍起になっていますが、30年 〜 100年後の子孫のために、〔存在の器=未来型都市/千年都市〕を残して行ってやらなけ ればなりません。バーチャル金融の中に数字を残していくなどは、砂上の楼閣に等しいものです」 「ええと...」片倉が言った。「では、支折さん... 分散化の考察の方を、簡単にコメントしてください。過疎地への結集の方は、後でやりますか ら...グローバル化から反グローバル化/分散化...国内での1極集中の危険性から...生 命潮流における...分化のベクトル/多様性のベクトルについて...コメントをお願いします」 「はい...」支折が、ノートパソコンのマウスに手をかけた。「ええ... 人類文明は、“文明の第1ステージ/農耕・文明の曙” 〜 “文明の第2ステージ/エネルギー ・産業革命”までの間、ひたすらグローバル化と、必然的な1極集中化を歩んできたと言えます。 最初はごくゆっくりと道や航路を切り開き...そして最後は、航空輸送とインターネット、GPS(全 地球測位システム)で、軍事戦略まで一体化してしまいました。これではもう、戦争はできませんね、」 「まあ...」津田が言った。「戦争をできるのは、弱小国の贅沢といわれています。が、その実態 となると、悲惨ですねえ...」 「それと、テロですか?」 「そうです...現在の世界構造では、テロの根絶は難しいと思います。〔人間の巣のパラダイ ム〕になれば、克服できると私たちは見ています。また、通常兵器、大量破壊兵器/生物・化学・ 核とも、“万能型・防護力”で最も有効に対処できます...」 「はい...」支折が言った。「ええと...話を戻しますが... 人類文明は、有史以来、グローバル化/1極集中を進めて来ましたが...良いマイナスのエ ントロピーもあったわけです。フランス革命(/1789〜99年)に始まる、近代・民主主義運動です。し かし、それも、“文明の第2ステージ/エネルギー・産業革命”という巨大な科学技術のベクトル で、人間性の否定の方向へ流されてしまいました」 「それで...」菊地が言った。「“グローバル化の限界/文明の折り返し”で...また再び、“人 間性の復権”が浮上してきたわけですね。今度は、民主主義としてではなく、より深い所のルネッ サンスのように...」 「そうですね...」支折が言った。「ルネッサンスは...中世ヨーロッパにおける、“神の絶対支配 からの・・・人間性の回復”という側面がありますが...現在は、“物質主義/経済の絶対支配か らの・・・人間性の解放”という、側面を持つのでしょうか。 “スローフード/スローライフ”という言葉がそうですし、〔人間の巣のパラダイム〕という概念 も、“人間性の解放”につながっているものだと思います。 そして、私たちは現在...この日本において、“自給自足社会”/〔人間の巣/千年都市〕/ 〔極楽浄土/パラダイス〕を、建設しようとしているわけです。 【第1段階】として...“過疎地に集結しての自給自足社会”ですが...これは法律に触れる ことは何もありません。【第2段階】として...〔人間の巣/千年都市〕の建設ですが、これも技 術面での問題はないと思います。【第3段階】の〔極楽浄土/パラダイス〕の実現は...そこに 住むそれぞれの住人に委ねられることになりますわ...」
「ええ...支折さん、ありがとうございます。 次は、“政治決断”の問題ですね...“2009/総選挙”では、“すさまじい土砂災害”の中 で、日本社会のインフラの再構築は、争点に取り上げられなかったわけです。どの政党も、回避 していたわけです。さて、来年の参議院選挙でも、それを押し通せるかどうかです... ええ...ともかく、そのことに愚痴を言ってもしょうがないわけですが...そんなわけで、政治 的配慮がある場合と...それがない場合に分けて考えなければなりません。 政治的配慮がない場合は、“2008/派遣村” のように、“日本人=国内難民”が結集して、 “新田開発=新しい町づくり”で、〔未来型都市/千年都市〕の基盤整備をして行かなければ なりません。 次に、それを考察しましょう...」
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