
「ええ...軍事担当/大川慶三郎です...
国家が大混乱の折、日本の次期主力戦闘機が話題に上っています。“F22ラプター”
が有力とされていますが...これは軍事機密保持などの観点から...とりあえず、アメ
リカの方で、提供を見送ったようです...今後の展開に、注目しましょう...」
「ええ...
“F22ラプター”は、米空軍でも最新鋭のものです。非常に高価なものです。1機およ
そ250億円(米空軍への提供価格/150億円)とも言われています。しかし、そもそも、“覇権主義
の終焉/地球温暖化対策”が必須の今日、こうした最新鋭戦闘機が必要なのでしょう
か。
まさに抽象的な、ボンヤリとした“覇権競争”の中で、国家予算の無駄遣いが、惰性的
に進行しています。ここは、徹底した国民的議論が必要な時です。“ミサイル防衛構想”
も同様です。仮想的な“戦争ゴッコ”の枠の中で、莫大な国家予算が浪費されています。
また、日本列島においては...鉄の塊である大量の戦車や自走砲なども、別の意味
で、時代錯誤の存在になりつつあります。<自衛隊>の全戦力の抜本的見直しと、真
に必要な機動的能力の、再編成が必要となっています。
当然、それは...“米軍と一体化”するのではなく、“日本独自”のものとすることが基
本です。アメリカもまた、大きく揺れ動いています。ただ、アメリカに追随して行けばいい
という時代は、すでに終わっています。ここは、“日本独自の国際平和戦略”を描き、日
本国民をしっかりと守り抜いて行く、<自衛隊>であることが肝要です...」
「日本には現在...
“貧困対策”、“格差対策”、“食料の自給率向上”など、やるべきことは山ほどありま
す。まさに、それだけの、莫大かつ無駄な防衛予算を転換すれば、根本解決策/〔人
間の巣〕を、全国に展開することができます。
社会的予算も加え、総合的に考慮すれば...次期主力戦闘機/1機・・・250億円
の“浪費される資金”で...1つの〔人間の巣〕が、基盤整備できるかも知れません。数
千人の人口を、1000年間にわたって完全防御する〔人間の巣〕と、単なる“覇権競争”
のための次期主力戦闘機では、まるで比較になりません。
それほどの莫大な予算が...冷戦構造時代のままに、ボンヤリと惰性的に使われ、
“日米の軍需産業”に流入しようとしています。これは、今後進めなければならない、“地
球温暖化対策”の面でも、非常にマイナスになります。次期主力戦闘機などは、そもそも
不要物であり、人類文明にとっては重い負担になっているものです。
今、私たちは...こうした無駄な予算を転換して行くだけで...確実に、〔未来都市〕
/〔理想郷〕を、全国に展開できるわけです...ともかく、最も肝心なことは...
本当に、そんな“戦闘機”や“迎撃ミサイル”が必要なのか?
...ということです。
くり返しますが...日本の防衛予算は、東西冷戦構造が終結した現在、大幅な見直
しが必要です。冷戦時代のような、明確で強力な敵勢力が存在していない以上、大幅な
軍縮を行うべきです。
現在は、Tu95ベアやTu26バックファイアーなどの、ソ連邦の戦略爆撃機の姿はな
く、核搭載・原潜の影も、日本近海には存在していないわけです...あるのは、ただ、
北朝鮮の粗末な弾道ミサイルぐらいです...
それから...中国の軍備増強/米・中の覇権競争には...日本は“戦略的中立・
独自の国際平和戦略”へ、大きく“舵”を切るべき時です。“核廃絶”を叫び、“平和憲
法”を持つ国家としては、当然のあるべき姿です。そして、“新たな防護力”/〔人間の
巣〕は、“地球温暖化対策”としても、国際社会から歓迎されるはずです...
こうしたことを総合的に考慮すると、いよいよ日本は...“30年後を見据えた将来
戦略”...の中で、“文明の折り返し”へ向かって...“日本丸”の“舵”を、大きく切っ
て行くことが必須となります...いよいよ、正念場が来ています...」
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<次期戦主力闘機>

「ええ...
私は、当ホームページの軍事担当者なので...もう少し、次期戦主力闘機につい
て、専門的な話をしましょう...こういう話は、私も話としては嫌いではありません。男の
子は、冒険や戦いのストーリイの中で育つわけですから、科学の話、武器の話、勇敢な
話は、本来、好きなのでしょう...
しかし、私の微妙な立場はともかく、文明が“覇権主義時代”を越えて行くためにも、ま
た今後、そうした議論を深めて行くためにも...参考のために、少し専門的な話をしてお
きましょう...」
「日本の次期戦主力闘機としては...
“F22ラプター”だけではなく、“F35ジョイント・ストライク・ファイター”という話もあるよ
うです...“F35”は、“F22”のさらに後継機・機種ともなるもので、どうせなら、“F35”
の方がいいという話もあるわけでしょう...
ちなみに“F35”は、アメリカとイギリスが共同開発した機種です。“F22”と同様に、ス
テルス性能を持ちますが、スペック(仕様書)的には“F22”の方が優れているようです。た
だ、“F35”は、開発時点からJSF(Joint Strike Fighter)と呼ばれ、様々な状況で、汎用
性に富んだ設計になっています。中には、“ハリアー”のような、垂直離着陸型も存在し
ているようです。この能力は、滑走路がなくても、離着陸が可能というものです。
そもそも...この次期戦主力闘機の話は...現在の“F4ファントム”の後継機・機種
を選定するものです。2008年に、選定予定となっています。“F4ファントム”は、ベトナ
ム戦争当時の最新鋭戦闘機でした。したがって、この機体は、すでに相当に旧式となっ
ているわけです。確かに、部品供給などの面でも、すでに限界が来ている様子です...
<航空自衛隊>における、この後継機・機種には...すでに述べたように、ロッキー
ド・マーチン社等が製造する、“F22ラプター”と、“F35ジョイント・ストライク・ファイター”
が上がっています。
他には...ボーイング社の、“F15イーグル”、“F18ホーネット”も候補に上がってい
ます。しかし、これらは最新鋭機種というわけではありません。高性能バージョンになる
にしても、比較的安価に補充が可能ということでしょう。運用面では、部品の共通性もあ
ります。
“F15イーグル”について、もう少し詳しく言うと...“F15FX”ということですが...こ
の機種についても、極めて情報開示が限定されています。しかし、漏れ伝えられる所に
よれば、“F15Eストライク・イーグル”の高機動性バージョンではないか、と言われている
ようです。
ええ...“F18ホーネット”の方は...艦載機の印象が強いわけですが、いずれにし
ても騒音が激しいようで、日本向きではないという話です。それから、あと、欧州のユー
ロファイター社の、“ユーロファイター・タイフーン”も、候補に挙がっているわけですが、結
局、アメリカからの導入が、本命でしょう...」
「さて...
問題の“F22ラプター”ですが...本来この機種は、アメリカ空軍用に開発され、生産
されているものです...戦闘機としては、“F35”と同様に、第5世代と言われます。そし
て、おそらく、最高性能を誇るものでしょう。<航空自衛隊>でも、この“F22ラプター”
の導入が、支持されているようです。
1機の“F22”で...5機の“F15”を相手にできるとも言われていますから...その
能力の高さを、うかがい知ることができます。また、アメリカ主要艦艇との情報交換シス
テムである“リンク16”との連携もあり、選定面で有利とされています。
しかし一方...こういう戦術的・技術レベルでも...米軍と<自衛隊>との“一体
化”が進むわけで、日本側としては、きわめて複雑な問題が発生します...専守防衛/
平和国家として、“これでいいのか?”という“国家存立の問題”が、浮上します...」
「ええ...ともかく...
最初に述べたように...“F22ラプター”は軍事機密度が高く...“輸出することを考
慮していない”という、“強い意見”が、アメリカ国内にはあるようです。事実、法律でも、
輸出禁止となっています。また、イスラエルやオーストラリアからのアプローチも、拒絶し
ている経緯があるようです。こうしたことから、“日本への提供は見送り”ということになっ
たわけでしょう。
さらに、日本への提供に関しては、中国との関係悪化を懸念するという、別の要素も
あるようです。オーストラリア、台湾、韓国などへの、各種兵器の提供も、アメリカの世界
戦略の中で、総合的にコントロールされているわけです...
が、 しかし...“大いに売り込みたい”というのは...軍需産業の常道です...その
ための、売り込み工作も活発に行われています。それはまた、買い手の側も同様です。
そこで、日本の側の現状はどうかというと...久間・前防衛大臣がワシントン入りした
折、“F22ラプター”の導入で積極的なロビー活動を展開していることが、マスコミでも報
道されています。
一方、シーファー米駐日大使は...日本の次期主力戦闘機は、“F35ジョイント・スト
ライク・ファイター”と、“F22ラプター”の組み合わせで落ち着くことを望む...ともコメン
トしているようです...
したがって...今回の、最新情報である、アメリカ側の“提供見送り”の話は...こう
した話の一環ということになります...はたして、どのあたりに位置づけられるのかは、
まだ分りません...」
「ともかく...
日本国民としては...“30年後を見据えた将来戦略”...の中で、日本の空軍力
の主力装備の更新を、どのように位置付けるべきか...ここは、熟慮を要する所です。
どの選択が、希望の持てる未来社会へ続いているかを、明確に選択する時です。
“地球温暖化”が深刻な中で...無意味な“覇権競争”を...5年後、10年後、20年
後も、続けて行くことが可能なのかどうかです。また、もし、こんなことを続けていくとすれ
ば、人類の未来社会は、まさに暗澹(あんたん)たる、殺戮社会だということです。こうした殺
戮社会では、大量破壊兵器さえも、テロに使用されて行くということです...
私としては...ともかく、“核廃絶”、“軍縮”...そして、“覇権競争の終焉”を、強く
望んでいます...こうした、“20世紀の負の遺物”は、ここで完全に、断ち切っておくべ
きです。
“軍需産業/...死の商人”以外...真の意味で...〔極楽浄土/パラダイス〕を
望んでいない人など、たして地球上に存在するのでしょうか...日本の進むべき道は、
はっきりしていると思います...」
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<大艱難の時代//
越えなければならない山々・・・ >

「ええ...ついでに、もう少し話しておきましょうか...
時代は...20世紀から21世紀に入りました...いよいよ“大艱難の時代”に突入
です。私たちは、この“文明史的・大艱難の時代”を、乗り切って行かなければなりませ
ん...しかし、ここを乗り切れば、その先には再び、“人類文明の大きな安定期”がやっ
て来ます...まあ、これは高杉・塾長が言っているわけですが...私も、それは可能
だろうと思っています...
しかし、そこに行き着くには...“越えなければならない山々”が、幾つもあります。人
口問題や、地球温暖化問題、文明のパラダイムの問題、世界政府の問題等です...つ
まり、“文明の折り返し”ということになるわけですが...こうした問題は、全て連動して
います。
まず、当面する1つの山は...“大量破壊兵器の廃絶”と、“覇権主義の終焉”でしょ
う。平和を望む私たちには、ごく当然のことですが、しかし、それを望まない“軍需産業/
死の商人”がいます。そして、強大な“軍産複合体システム”が、“20世紀の残滓(ざんし)”
として、国家と重複して存在しているわけです...
これは、“巨大軍事組織”と、“巨大軍需産業”、そして“国家的意思”とが一体化した
システムです...この“軍産複合体システム”が、事実上、現在の人類文明を支配して
います。この、武力経済支配システムが、文明社会に波風を立て、富の寡占と飢餓を生
み出し、世界中に殺戮と戦場を創出しています。
紛争の種というものは...それぞれ、何処にでも存在するわけです。しかし、そこに
ジャブつくような武器を供給し、武力闘争を拡大させ、資源を収奪しているわけです...
そうした所では、武力闘争のための火力・機動力は、経済原理さえ成立すれば、無制限
に供給されます...まさに、武器市場の独壇場となるわけです...」
「ポスト・冷戦構造で1人勝ちになったアメリカで...特に、軍需産業が巨大化し、国家と
結びつき...まさに世界中の戦場をコントロールしています...
また現在、すでに...未来型兵器である、レーザー兵器/レーザー砲などの開発も
進んでいると聞きます。このような武器は、SF小説の世界のものと思っていたわけです
が、すでにそうした時代が到来しているようです。
仮に...こうした未来型兵器が実戦配備となった場合...戦略体系が一変すると言
われています。歩兵携行の小型化は、まだだいぶ先のようですが...それなりの規模
のものは、性能は着実に向上していると聞いています...また、他にも、遺伝子兵器な
ど、様々な未来型兵器の開発も、着実に進んでいるようです...
こうした武力経済支配システムと...未来兵器の開発を...放置しておけば...未
来永劫にわたって...人類文明と“戦争の悲劇”は、切り離せないものとなります。人類
文明の未来は、それこそ、憎悪と、戦争と、破滅へのストーリイとなって行きます...」
「こうした...
強大な“軍産複合体システム”が存続している限り...武器を消費する戦争が...将
来にわたり、世界のどこかで、引き起こされて行くわけです。また、“武器の闇市場”を通
し、テロ組織にも、無制限に流れて行くことになります。武器の存在そのものが、社会や
文明を、非常に不安定にしています...
“世界の武器市場”に供給されている武器は、むろんアメリカのものばかりではありま
せん。思いのほか、多彩な国々が、武器を公然と生産し、販売しています。日本のよう
に、“武器輸出・3原則”で拘束をかけている国は、むしろ例外と言えるのです。
しかし、いずれにしても、最大の武器供給国は、やはりアメリカでしょう...国家間で
の売買も、非常に盛んです。今回の、日本の次期主力戦闘機の話も、まさにこうした範
疇に入るわけです。戦争や“覇権競争”をあおり、大いに商売をしているわけです。
ええ...くり返しますが...こうした武器の大量にばらまかれた中で、アメリカの“軍
産複合体”の、世界戦略が展開しているわけです...アメリカが、銃社会であり、銃の
所持に肯定的であるというのも、まさにうなづける一面があります...
一方...中東の石油資源をめぐり...そして、キリスト文明と、イスラム文明の歴史
的対立から...“アルカイダ”等の国際テロ組織が、まさに過激な行動を引き起こしてい
るわけです。
“9.11/アメリカ同時多発テロ事件(/2001年9月11日)”のような...“無差別テロの
暴挙”は、絶対に許されるものではありません...しかし、その反動として、アフガン戦
争と、イラク戦争が引き起こされたわけであり...再び、多くの無辜(むこ/罪のないこと)の民
が、紛争の坩堝(るつぼ)に陥れられているわけです。これは、はたして、“正しい解決法”
だったのでしょうか。まさに、アメリカ/ブッシュ政権の歴史的判断が問われているわけ
です。
そして、この戦争には、もう1つ別の側面があるのです。これらの戦争の背後には、巨
大な軍需産業の戦争経済が、冷徹に機能しているということです。消費期限の迫った弾
薬やミサイル、その他の膨大な軍需物資を、戦場で大量消費し、新しいものに更新して
行くという、軍需産業の経済原理のベクトルが働いているわけです。
真偽のほどは分かりませんが...戦争を望んでいたと思われる軍需産業が...確
かに存在していたのです。かの地の、無辜の民衆が犠牲となり...また、アメリカ兵を
はじめとする多くの兵士が血を流す陰で、莫大な利益を上げている軍需産業が存在して
いるのです。こうした、“巨大な不条理な構造”は、今こそ、完全に断ち切るべきです。
実は...過去にさかのぼれば...奇跡と言われた、日本の急速な戦後復興も、朝鮮
動乱とベトナム戦争の、戦争特需が大きく貢献しています。しかし、現在の日本には、
“武器輸出3原則”があり、<自衛隊>も専守防衛ということで、“軍産複合体”としては
頭打ちの状況です...日本は、このスタンスを堅持して行くべきです。
一方...最大の“軍産複合体システム”をもつアメリカですが...こうした問題は、ま
ず、アメリカ国民自身が...“国家体制のあり方”として考えて行くべきことでしょう。現
在、アメリカも大きく変貌しつつあるようです。リベラルなアメリカ国民に、大いに期待した
いと思います...
ゴア・元アメリカ副大統領のように、“地球温暖化対策”に熱心に取り組んでいる人々
や、イラク戦争に反対している人々、それに銃社会に反対している人々も大勢いるわけ
です。そういう人々によって、“軍産複合体システム”が、民主主義によって解体されて行
くことに、期待しています。それ以外に、方法はないのではないでしょう...」
<まず・・・第1歩を・・・! >
「ええ...さて...
“地球温暖化”が、最大の課題である今日...“越えなければならない山”の1つに、
当然、この“地球温暖化”があります...全ての課題は、ここに収束して行くようです。
こうした状況下で...最新鋭戦闘機を購入することが...真に、国家・国民のために
なることなのか...あるいは、“核廃絶”、“軍縮”、“日本独自の国際平和戦略”へ、
“日本丸”の“舵”を大きく切るべきなのか...ここは、国民が真剣に考えるべき時です。
肝心の、日本の政治は...<2007・参議院選挙>の状況を見ても分かるように...
ほぼ完全に、機能不全に陥っています。また、長期的・将来展望というものを持っていま
せん。ただ、惰性で流れています。おそらく、このままでは、将来のことはなにも議論せ
ずに、ただ後継機・機種だけを選定...ということになるのでしょう...
行政も同様の状況です...まず、阿部・政権は機能していませんし...社会保険
庁、厚生労働省など、信用できるものではありません。農水省も、文部省も、任せて安心
というには、程遠い状況です。さて...当の防衛省ですが、“F22ラプター”で動いてい
る様子ですから、“軍縮”の方向では動いていません...
本来、こうした大事は、大・政治判断に類することです。したがって、ここは、私たち国
民が、しっかりと議論し、判断し、声を上げ、“世論”を形成し...大きく、“舵”を切って行
かなければなりません...
今...真に、日本に必要なものは、何なのか?
それは、〔人間の巣〕の展開だと思います...最新鋭戦闘機や、ミサイル防衛構想
にかかる莫大な費用を...〔未来型都市〕の建設に転換することです...それこそが、
“真の総合的防護力”になります。また、それこそが、“子孫への大きな遺産”となりま
す。そのことを、まず、大いに議論することから始めて欲しいと思います...
〔人間の巣〕は、第1級の“耐核シェルター”の側面を持ち...最新鋭戦闘機も、“ミサ
イル防衛構想”も、不要にします...それを不要にした上で...さらに、万能とも言える
防護能力を持ちます。こうした防護能力を備えた上で、私たちは“文明史的・大艱難の
時代”に、突入して行くべきです...」
<My
weekly Journal 軍事担当/大川慶三郎>