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                  “人間の巣”過疎地に集合  

           旗印  自給自足社会の立ち上げ         

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 トップページHot SpotMenu最新のアップロード                                    担当 : 津田 真 

       INDEX                                      

 プロローグ   2007. 4.10
 No.1  〔1〕グローバル化/地球温暖化/格差社会”・・・

   悲鳴!! 混乱の大津波からの脱出・・・<まず、スタンスの再確認>

2007. 4.10
 No.2  〔2〕悲鳴!!...緊急避難 2007. 4.10
No.3      <政治抜きの、国民大衆運動・・・・・ 2007. 4.10
 No.4  〔3〕 旗印 ...自給自足・コミュニティーの創出 2007. 4.10
 No.5     アーミッシュにみる自給自足社会の風景・・・> 2007. 4.10
 No.6  〔4〕 新しい社会運動の旗印  “ニュー・コミニュティー”の立ち上げ 2007. 4.16
 No.7      旗印 ・・・社会大衆運動  2007. 4.16
 No.8     <憲法改正 新憲法の起草 ・・・・・> 2007. 4.16
 No.9     <負け組の緊急避難・・・/若者の発起 2007. 4.16
 No.10     <〔極楽浄土〕における、新しい価値観・・・・・

       静かに参加しているスタンス・・・〔存在の覚醒・・・> 

2007. 4.16

               

 

  プロローグ                       

            

  支折は、正面インターネット・カメラが、カウントダウンに入るのを眺めていた。窓から見

渡す草原の中に、満開に咲いている山桜の灌木が何本か見える。空はどんよりとしてい

たが、淡い陽ざしがあり、だいぶ強い風が吹い渡っている...

  ふと...支折は、正面カメラのランプが青に移るのを確認した。そして、一呼吸を置い

て、作業テーブルの上で両手を結んだ。自分でも、この仕事に対して、だいぶ慣れてきた

のを感じていた。

 

「ええ...星野支折です!

  引き続き、新設のthink tank=赤い彗星・ビル3F/インターネット・オープン・

ルームからお送りします。

  日本の国は今、地方統一選挙参議院選挙のという、政治イベントの真只中にありま

す。でも、この政治風景の中に、この国の主権者/国民の、“選択肢が存在しない”感じ

がするのは私だけでしょうか...

  政治ショウの幕は上がりましたが、何所か、シラケています。これは東京都都議補

で、大量の無効票が出たということにも反映されています。政治全体が、“国民からの

乖離”してしまっているのが、最大の原因と思います。政治国民の間に、“真の心の通

い合い”が無くなってしまっています。

  政治/政治家そのものが、“国家や社会のお荷物”になって来ています。それは、“天

下り”でごねる官僚や、“公共の電波を私物化”している、公共放送・テレビ媒体も同じだ

と思います。その公的な職業的立場に、強い特権意識利権構造を確立しようとしてい

るからです。

  政治への不信は、長らく続いて来たことですが、国民から糸の切れた凧のようです。非

常にフワフワと、“重みのない存在”になっています。その一方で、国民からは“切実な悲

鳴”が上がって来ています。

  でも、政治は一向に民意”に答えたえず、“憲法改正”などの緊急でもない課題に貴重

な時間を浪費しています。当然...国民批判的な視線は、野党全体無策にも向け

られています...

 

  “堕落した政治への不信”...“天下りに象徴される行政への構造的な不満”...そ

して、“国家財政の破綻”は、緊急事態となっています。それに加え、“公共放送・マスメ

ディアの、国民に対する裏切り・弾圧”も、津波のように日常生活に押し寄せています。

  日本の社会システム、日本文化全体が...壮大なモラルハザードに陥っています。日

本の社会は、崩壊寸前の危機にあります。国民は、この状況からの“出口”を求めていま

す...そこで、私たちは、次の2つの“出口”を準備しました...

 

公共放送の解体・再編成!  

          (理論研究員: 秋月 茜...詳しくは、こちらへ )

A  緊急避難・過疎地でのニュー・コミュニティー  

   の立ち上げと、 〔人間の巣〕 の展開! 

                      (今から、私たちが考察して行きます...)

 

  私たちは、しばしば指摘しているのですが...未曾有の国家大混乱は、国家上流域

/司法・立法・行政・マスメディアモラルハザードに起因しています...それが、中流

域の企業社会、そして下流域の国民生活文化全般に流入し、その悪影響が反響して

いる状況です。

  しかも、原因を作った“上流域は勝ち組”となり、その悪影響を受ている“下流域は負け

組”となっているのも、大問題です。“下流域の負け組”では、すでに“経済生活がパンク”

し、悲惨な状況に陥っています。

  この不条理な社会構造から脱出するには、まさに〔明治・維新〕を越える、社会基盤全

般の改革が不可欠です。私たちは、主権者/国民の側から行う、〔21世紀・維新〕

“大改革の叩き台”を、ここに示そうと思います。国民主導で可能な、“社会の根本改革”

です。

  それから、ご承知と思いますが...私たちは、政治集団ではありません。思想集団/

頭脳集団です。したがって、考えることしかできません。でも、今回は、より具体的な方策

を示そうと思っています」

    index.1102.1.jpg (3137 バイト)夏美   

「ええ、白石夏美です...

  引き続き、支折と一緒に、進行役を務めさせていただきます。この、〔21世紀・維新〕

では、日本の特殊な国内事情に加えて、“地球温暖化対策”という、地球規模/文明規

の考察が不可欠の要素になります。

  それともう1つ...急速な少子高齢化社会を迎える日本は、はからずも、人類文明の

水先案内というポジションにあります。私たち日本国民の決断が、人類文明の方向性を、

大きく左右することになります。具体的には、“覇権主義の終焉”や、〔人間の巣の展

開〕の、先進的な実践ということが課題になります。

  したがって、これまでのように、“どこかの国の後について行く”ということは、全く通用

しない時代です。急速な人口減少社会ということでは、まさに日本はトップランナーの位

にあります。

  アメリカ中国覇権競争に便乗し、軍備増強などをしている時代ではありません。

和憲法のもとに、“日本独自の国際平和戦略”を展開し、生態系と協調した未来都

市/人間の巣〕を展開していくことこそ急務です。

  重ねて言いますが...この日本の大国家改造は、必然的に、“文明の折り返し”

“舵取り”となります...ホモサピエンス文明の運命を決する、文明史的な大改革になり

ます。人類文明が、さらに1000年の繁栄を続けることを祈り...そうした大局的な観点

から、〔21世・維新〕を進めて行きたいと思います」

  <片倉 正蔵>    関 三郎二宮 江里香wpe4F.jpg (12230 バイト)支折

「はい...」支折が、夏美の方に頭を下げた。「ええ...今回は、《軍事担当》大川慶

三郎と、《国際部》北原和也は、他の仕事のため、離れることになります。

  それから、高杉・塾長ですが...“文明の第3ステージの風景”で、コメントをいただく

のですが、所用で少々遅れて来るそうです。途中からの参加となりそうです...ええ、ま

だ到着していないわけですから、そうなります。

  そんな状況ですが、これまでオブザーバーとして参加していた、think tank=赤い

彗星片倉・所長と、関三郎さんに、本格的に参加していただきます。ええと、片倉・

所長、それから関さん、よろしくお願いします」

「どうぞ、よろしく...」片倉・所長が、作業テーブルに両手をつき、頭を下げた。

「ええと...」関三郎が、体を揺らした。「よろしく!私にとっては、〔人間の巣〕は非常に

面白いテーマです。やれることは、非常に多くありますね」

「頼りにしていますわ」支折が微笑し、一礼した。

 

  〔1〕 “グローバル化/地球温暖化/格差社会”・・・

         悲鳴!!!・・・ 混乱の大津波からの脱出  

               index.1102.1.jpg (3137 バイト) wpe4F.jpg (12230 バイト)  

          wpe44.jpg (7720 バイト)    wpe44.jpg (7720 バイト)    

<まず、基本スタンスの再確認・・・>   

 

「ええ...」支折が、自分のモニター・スクリーンに目を投げた。「私たちは、ご存じのよう

に、“地球温暖化対策”第1弾として、〔人間の巣の展開〕を提唱しています...

  また、最近...当ホームページの理論研究員/秋月茜さんが...“地球温暖化対

策”/文明の選択<第2弾>として、不要物・・・世界中の軍産複合体の昇華

を提唱しています...

  ここでは、そうした軍事関係のことではなく、私たちの生活の舞台が、〔人間の巣〕

移行することを中心に考察して行きます...私たちは、最終的には、〔人間の巣の世界

展開を想定しています。

  これは、文明の選択として、“間違ったものではないと確信!”しています...でも、

初の第1歩は、日本における“有志の皆さん”の、“ニュー・コミュニティーの創出”から始

まると、予想ています...その考察を、これから開始します」

「はい、」夏美が、支折を見た。「さっそくですが、〔人間の巣〕は、“自給自足/生態系と

の協調/脱・エネルギー時代”を実現するとしていますが...それは具体的には、どの

ようなものなのでしょうか?」

「はい...」支折がうなづき、津田・編集長の方へ視線を投げた。「津田・編集長、お願い

します」

 

「そうですね、」津田が、作業テーブルに右手を押し出した。「まず...

  これまでの、“文明の第2ステージ”である...“エネルギー・産業革命時代”からの

...これが、最大のテーマになります...

  それから、“文明の第3ステージ/意識・情報革命の時代”が、これから新展開するこ

とになります。生態系との協調/クリーン・エネルギーの時代というのが...大局的な流

です。当然、そうした中で、文明のスタイル価値観も、大きく変わって行きます...」

「つまり...」支折が言った。「自給自足/クリーン・エネルギーと言えば...昭和初期

の頃の日本の姿を彷彿とさせますが、そうした時代を想定すればいいのでしょうか?」

「そうです...基本的には、そうした風景でしょうか...

  その頃の、自給自足社会が、1つの手本にできます。村や町の在り方...鉄道や道

路の発達度合...慣習法のあり方...その間違いなく存在した良き時代へ、道を引き

返すこと...そして、学ぶことは、多いと思います...

  ただし、過去へ引き返すのではありません。その上で、未来社会・未来文明を、ダイナ

ミックに切り開いていく方向です...そこに、〔人間の巣〕と、“意識・情報革命”という

しい要素がプラスされます。

  したがって、単純に、昭和初期の時代回帰するのではないということです。回帰すべ

き所は回帰して、創造的未来社会を建設していく先に、〔極楽浄土〕という“夢”が膨ら

むわけです」

「はい...」支折が、うなづいた。

「繰り返しになりますが、〔極楽浄土/パラダイス〕ということを、もう一度説明しましょう」

「あ、はい...」支折が、マウスに手をかけ、津田の方を見た。

 

〔人間の巣〕は...

 基本的には、“高機能/半・地下都市空間”と、“周辺の自給自足農地”で構成されま

す。それ以外は、原則的に大自然へ還元してい行きます...したがって、治山治水

路交通網の保守管理公共施設や個人住宅の保守管理など...膨大な社会的コスト

いうものは、一切かからなくなります...

  恒久的かつ、頑丈〔人間の巣〕によって、自然災害は克服されます。〔人間の巣〕

内部は非常に安定します。また、保守管理の対象は、コンパクト〔人間の巣〕だけにな

ります。

  危機管理の対象である感染症対策や、短期・長期の気候変動への対処も、万全にな

ります。巨大な軍事力を維持するという膨大な無駄も、克服されます...むろん、喫緊の

課題である“地球温暖化対策”にも、究極的に対処するわけです。

  ええ...さらに...行政治安福祉等も、本核的にコンパクトにまとまって行くわけ

で、構造的に、非常に低コスト自給自足社会が実現します。これは、現実の生態系の

姿と、きわめて協調的な形式といえます...それゆえに、平和的に暮らしていけば、

常に楽で、安定した社会が、容易に実現できるということです...

  そこで...“人類文明史上の積年の夢/ホモサピエンスの理想郷”である、〔極楽浄

土/パラダイスの建設〕も、目前に見えて来るということです。スローフード/スローライ

...〔人間の巣〕に対して、強いアイデンティティーをもつ、〔極楽浄土〕の実現です。

  文化/生活全体を...慣習法をもとに、大きなリズムをもって演出していくのがいい

でしょう...ともかく、〔人間の巣〕というものは...これから数世紀もの長い時間をかけ

て、大きな変遷をたどっていくものと思います...

  私たちは、その“文明の第3ステージ”の、最初の基礎を...私たちの子孫のために、

残して行くことができるわけです。“文明の第3ステージ”は、さらに1000年は続くものと

思われます」

「はい!」支折が、コクリとうなづいた。

  〔2〕 悲鳴!! ... 緊急避難    

       index.1102.1.jpg (3137 バイト)  wpe4F.jpg (12230 バイト) 

「ええと...」夏美が、支折の方を見た。「私の方から...」

「はい」支折がうなづいた。「お願いします、」

「はい...まず...

  現在、日本の社会は、異常な状態にあります。“格差社会/新たな身分差別”が、非

常に強引な形で進行しています。公共放送・テレビ媒体も...野球芸能人マスメディ

自体に独占され...強引に押し付けられ...民主主義社会が、おかしくなりつつあり

ます...

  いわゆる“負け組”は...全く夢の持てない、奴隷のような状態に陥りつつあります。

“経済的”にも、“時間的”にも、“教育・子育て・将来の夢”に関しても、全てで押しつぶさ

...まさに“悲鳴”が上がり始めています」夏美が、支折の方を見た。

「はい、」支折がうなづいた。「本当に、そうだと思います...

  テレビ媒体も、理論研究員/秋月茜さんが言うように...確かに、おかしくなって来た

と思います...国民に対し、“お笑いタレント”“野球の話”など、軽薄とも思えるコンテ

ンツを、一方的に大量に、押し付け始めたように思います。こうした“国民・共通のテレビ

番組”というものは、国民文化の中で急速にその地位を失っていくものと思います。もう、

そうした時代ではないということですね。情報が非常に多様化しています...」

「はい、」

「また...多彩で...世界中に洪水のように溢れているニュースも、テレビ媒体では、

常に単調で、限定されたものになりつつあります...このままの状態では、テレビ媒体

国民から見捨てられて行くでしょう。改革しない限りは...」

「そうですね、」

「まだ、詳しい状況は不明ですから、なんとも言えないのですが、これは明らかに、

的に操作されています...でも、その哲学...意図している所が、どうもよく分らない状

です...」

「うーん...」夏美も、首をかしげた。「そうですね...

  ともかく...“様々な社会的弱者”は、この社会で生き続けて行くのさえ、非常に困難

になりつつありますね。莫大な資金が投入されている政治システムは、国民にとって、本

当に頼りになるのでしょうか?

  また、理論研究員/秋月茜さんが言っていることですが...主権者/国民が、“浄財

で運営を託している公共放送”は、“民主主義の牙城/日本文化の守護神”という役割

を、少しでも、果たしているのでしょうか?」

「はい、」支折がうなづいた。「まず...

  国民は、“真に怒る!”とともに、“戦略的な選択肢!”を持つ必要があります“負け

組”として押し潰されるだけでなく、この“状況を打破する戦略的な展望!”を、確実に手

に入れる必要があります」

「はい!」

「そこで...私たちは、〔人間の巣〕の展開を、その“戦略的な展望!”に当てはめてみ

ました。すると、この方程式は、見事な解答を出したように思います」

「そうですね、」夏美が、うなづいた。「“緊急避難的行動!”が、必要と思います」

「ええと...」支折が、作業テーブルの全員を見まわした。「まず...簡単に説明してお

きましょうか?」

「うむ...」津田が、うなづいた。「そうですね。その方が、分りやすいでしょう」

「はい、」支折が言った。「それでは...

  “緊急避難的行動!”ということで...まず、過疎地“旗印を立てます。そし

て、“自給自足農業/ニュー・コミュニティー”を形成する、受け皿を準備します。それか

ら、参加者を募り...“コミュニティーの社会基盤”を形成して行きます...

  次に、こうした小さな“ニュー・コミュニティー”が集まり、適当な場所に、〔人間の巣〕

建設していく手順になります...こうしたものが、現在の47都道府県の広がりで、それ

ぞれに形成されていく、社会運動になるのが望ましいと、私たちは考えています...

  当然...これには、その形成段階に応じて、各地方自治体も関与して来るわけです。

これは、以前に考察したように、過疎地における“有志・集団型”...地方の“自治体主

導型”...そして、都市近郊の“商業ベース型”等が考えられます...」 

                                              (詳しくは、こちらへどうぞ) 

「これは...」夏美が、髪に手を当てて言った。「現在、地方自治体が進めているような、

都市と地方の交流で、経済効果を上げるというようなものではありません...お金持ち

若い人だけが、地方へ移住し、悠々自適な生活ができる、というものではありません...

  現在のパラダイムの中では、経済効果という表現しかできないのでしょうが、私たちが

進めるのは、日本国内における/反・グローバル化”実践です。別の言い方をすれ

ば、“反・一極集中”です。したがって、経済的なパイプも、主要交通のアクセスも必要あり

ません...

  言い換えれば、地方での自給自足的社会を基盤とした、分散居住です...それで、全

体が、大きく発展していこうというのではありません。経済効果の話ではないのです。もっ

と大きな、文明戦略的な展開なのです。

  うーん...わかりやすく言えば...昭和初期の頃の社会風景でしょうか...まさにそ

うした、自給自足的社会までたち返り、〔人間の巣〕を展開していくことになります。

  編集長、こうした説明でいいでしょうか?」夏美が、津田に体をかしげて聞いた。

「まさに、その通りです」津田が、腕組みをした。「そして、その時は...各地方の自治体

も、そうした対応に備えると思います」

「はい!」夏美が、頬に笑窪を作った。

政治抜きの、国民大衆運動・・・・・ 

    index.1102.1.jpg (3137 バイト)        wpe7C.jpg (48861 バイト)   index.1019.1.jpg (2310 バイト)   wpe4F.jpg (12230 バイト)

「ええと...」支折が、マウスを動かした。「ともかく...

  現在の、“負け組”“緊急避難!”として動く場合は...過疎地における“有志・集

団型”という、選択になりますね...それと、地方の“自治体主導型”ですね...

  でも...出発点はどうあれ、最終的には全体を巻き込み、1つの大きな“文明形態の

流れ”となって行きます。“負け組”が、現在の社会体制から離脱していくわけです。“勝ち

組”は、自分たちだけで存立できるわけではありません。この社会運動の主役は、サイレ

ント・マジョリティー(声なき多数)だということです...」

国家戦略が...」関が、口を開いた。「これにどう対処するかも、1つのポイントですね」

「その通りです!」津田が、指をさした。「しかし、ここでは政治の視点は、横に置いておき

ましょうか...

  話が、政治的な利害対立になってしまいます。現在の政治は、国民から乖離し、こうし

大きな問題に対しては、著しく能力が欠如しいています。政治の場に話を持ち込んで

は、10年待っても、まさにラチがあかんでしょう。国民は、“緊急避難!”を必要としてい

ます」

「確かに...」関が、腕組みをした。「その光景が、目の前に見えるようですね...政治

抜きの、“国民的な社会運動”でも動きますね...やむにやまれず、五月雨(さみだれ)

動き、それが“燎原の火”のごとくに、広がって行くのがいいかも知れません」

「その通りです。そして、国民が動けば政治が動きます

「なるほど...今の政治は、まさにそんな状態ですね」

「本来は、逆なのですが、“政治が国家・国民のお荷物”となっている現状では仕方ありま

せん。官僚も同様ですねえ。“天下り”頭がいっぱいで、“国家・国民のお荷物”になって

います。ここは、地方の役人に、働いてもらうしかないでしょう。

  いずれにせよ、〔人間の巣〕が展開して行く段階で、中央官僚の仕事は、将来的には

非常に小さなものになって行きます。今問題になっている、公共放送マスメディアの役

割も同様です。地方の時代になり、さらに、〔人間の巣〕強力な中核となり、アイデンテ

ィティーの強い存在になります。

  おそらく、公共放送マスメディアも、〔人間の巣〕の単位で、運営されて行くことにな

ると思います。本来、1億2000万人も、一元的に管理されている必要はないのです。

でもやる以外に、そうしたメリットはありません」

「うーむ...」関が、体を揺らした。「スポーツ芸能にしてもそうですね。世界的なスケー

でのスポーツ芸能などというものは、本来無意味なものだと思います。それは、観客

スポーツ観客芸能であって、しかも器が大きすぎます」

「そうです。その通りです。

  世界記録などというのも、文字通り単なる記録でしかありません。オリンピック選手とい

う、非常に特殊化した人間の記録でしかありません」

「そのことに、世界中の人々が、しだいに気付き始めていますね。

  グローバル化というのが、実にシラケたくだらないものだと...それぞれの文化を、世

界中でかき回して...最初は面白いですが...結局、パレットの絵の具がかき混ぜられ

て、それが灰色一色になってみて...それが、なんてバカなことだったか分るわけです」

「ところで、」津田が、関の方に手を立てた。「石原・東京都知事は、2度目の東京オリンピ

ックを誘致すると言っていますが、あれは単なるノスタルジー(郷愁)です。すでにそうした、

グローバル化に夢を託す時代は終わっています。

  私たちは、そうしたスポーツ芸能の意味でも、〔人間の巣〕の単位がいいと思ってい

ます。そういう意味からも、適正人口〔人間の巣〕連結は、どのような形式かを考察

していく必要があります...

  まあ、一方で、“文明の第3ステージ/意識・情報革命”が、急速に展開していくわけで

すが、そこで、新しい価値観が必要になるわけです」

「なるほど...」関が言った。「そこが...強力な解放系システムというわけですね。それ

を、新しい価値観で制御する...」

「そうですね、」

 

「ええ...」支折が言った。「話を進めます...

  ともかく、国民から“悲鳴!”が上がり始めています。国民は、“緊急避難!”を必要と

しています。現在、非常におかしな流れが起っています...

  いずれにしても、莫大な年俸有名スポーツ選手であっても、観客があってこその

だということです。芸能人でも同じです。また、大企業にしても、一般消費者大量消

してこその、大量生産です...

  一方、“負け組”の、過疎地における“ニュー・コミュニティー”の創出は...何者にも依

存しません...競争社会から容易に脱落し、参加して行けるのです。過疎地での“自給

自足”は、社会的コストがかかりません。社会的弱者も、容易に受け入れ可能です。資格

となるものは、何も要りません...

  そして、並行して、恒久的〔人間の巣〕を建設していくわけです。そのための苦労

あるでしょうが、〔極楽浄土〕を建設して行くわけです...」

「はい、」夏美が、支折の方を見てうなづいた。

「重ねて言いますが、」支折が言った。「それなりの、人間的な苦楽はあると思います。

  でも、そこに“存在”することの、“命の自由”と、“人間のゆとり”があります...スロー

ライフで、独自の価値観を形成していけます。そこでは、“勝ち組”が存在しなくても、やっ

ていけるということです。その意味で、どちらが優位にあるかは、非常に明白です...」

「ええ、」夏美が言った。「これが、現在の、閉塞的な社会からの、“出口”ということです

ね。水と同じように、日本の社会全体も、自然にその方向へ流れて行くのではないでしょ

うか...」

「そう思います...

  ともかく、“地球温暖化”が差し迫っています。“短期・長期の気候変動”も、気にかかり

ます。そこで、“文明の折り返し”が急務となっているわけです。今更、軍備拡張を行い、

覇権競争を展開するなどは、時代錯誤というものです。

  鈍感な政治とは別に、私たち国民が主体的に動き新しい時代を切り開いて行く時

す...」

「はい、」夏美が言った。「これに、色々と肉付けし、具体的な課題を考察していくことにな

るわけですね、」

「そうです、」支折がうなづいた。「簡単に、概略を説明しました...」

 

  〔3〕  旗印 ...自給自足・コミュニティーの創出 

     自給自足 生態系との調和  ・・・  新たな価値観の時代・・・ 

       index.1102.1.jpg (3137 バイト)    wpe4F.jpg (12230 バイト)   index.1019.1.jpg (2310 バイト)       

「ええ、では...」夏美が言った。「まず...そうした自給自足社会を、現代において実

している、“アーミッシュ”という集団について...簡単に話していただけるでしょうか。

  これは、think tank=赤い彗星事務担当の、二宮江里香かさんにお願いし

ます

「はい...」江里香が立ち上がった。

「その前に...」津田が言った。「少し、説明しておきましょう...」

「あ、はい...」

「ええ...現代社会においても、こうした独自の理想郷というものを、実際に実現してい

る集団が存在するということです。

  “アーミッシュ”は、私たちのスタンス...“地球温暖化対策”“文明の折り返し”

〔人間の巣〕の展開とは...出発点も、思想背景も異なります。“アーミッシュ”には、

い歴史と、強力な宗教的背景があるからです。

  しかし、私たちも...宗教芸術学術科学技術スポーツ産業という...様々な

特色をもつ、自由で多様な〔人間の巣〕を想定しています。ただし、それが外部に悪影響

を与える軍事集団や、狂信的なテロ集団や、人権抑圧集団というのでは困ります。したが

って、“地域/国家/地球政府”による、一定の管理下に置かれることになります。もちろ

ん、“アーミッシュ”のような集団は、歓迎されるのだと思います...

「はい、」夏美が言った。「では、先進的“アーミッシュ”風景を、簡単に紹介していた

だきます。江里香さん、お願いします」

「はい、」江里香がお辞儀をし、メモ用紙を持って、スクリーン・ボードの横に立った。

 

  アーミッシュにみる、自給自足社会の風景・・・>  

 index.1102.1.jpg (3137 バイト)       

「ええ...」江里香が、緊張した声で言った。「“アーミッシュ”ここに示すように、アメリ

カ/ペンシルベニア州に居住する、キリスト教団の1派です。

  1つの地域社会を形成しています。電気自動車などを用いずに、質素な生活様式

保っているので有名です。日本でも、知っている人は、少なくないと思います...」

「はい...」夏美が、画像をスクロールした。果樹園で作業している風景を映し出した。

“アーミッシュ”は...」江里香が、メモ用紙を読んだ。「17世紀/1690年代...ヤー

コブ・アマンの改革で始まった、プロテスタント再洗礼派の1派です...その厳しい信条

ゆえに激しい迫害を受け、ヨーロッパを追われました。そして、自由の国/アメリカに行き

着きました。

  この人たちは...“従順”“謙虚”“質素”を、自らの生き方の基本としています。その生

活には、電気、水道、TV、電話、自動車を使いません。また、質素な服装をするなどして、

厳しい規律を守り、独特の文化を形成しています。

  20世紀初めには、5000人でした。現在は12万5000人となっています。ペンシルバ

ニア州/ランカスターを中心に、アメリカ、カナダ、南米、中米に、20ほどのグループが存

在しています」

「こうした人たちは、増えているわけですね?」夏美が、江里香に聞いた。

「そうです」

「はい。江里香さん、どうもありがとうございました」

「はい」江里香が、頭を下げ、席に戻った。

  〔4〕  新しい社会運動の旗印    index.1102.1.jpg (3137 バイト)      house5.114.2.jpg (1340 バイト)

       “ニュー・コミュニティーの立ち上げ

                 index.1019.1.jpg (2310 バイト)

 

「ええ...」夏美が言った。「いよいよ、“ニュー・コミュニティー”を立ち上げる、プロセスの

考察に入ります。

  ちらの方は...think tank=赤い彗星で、ロードマップを立ち上げてもらいまし

た。片倉・所長、お願いします」

「はい、」片倉が、作業テーブルに拳を置いた。「ええ...何度か、オブザーバーとして参

加しておりましたので、だいぶ全体作業の流れというものも分かって来ました。今回が、

〔人間の巣〕の考察の、初仕事となるわけですが、よろしくお願いします」

「お願いします!」津田・編集長が、モニターから顔を上げた。「大幅に、戦力増強になり

ます」

「はい、」片倉が、嬉しそうに唇を結んだ。

 

  旗印!・・・ 社会大衆運動          

            

「さて、まず...」片倉が言った。「日本社会は、構造的にどのぐらいが、いわゆる“負け

組”になるのでしょうか...8割ぐらいに達するのでしょうか...

  現在...日本社会は、“豊かな国”から搾取構造“格差社会の国”に変貌しつつあり

ます。戦後、占領軍によって“農地解放”が行われる以前は、やはり巨大な大地主“水

のみ百姓”が存在する、“搾取構造/格差社会”でした。今、日本は再び、別の形で、戦

前の“搾取構造/格差社会”に戻りつつあるようです」

「はい、」夏美が、うなづいた。

「この流れは、小泉・前政権で出現しました。アメリカ社会のように、富める者はより富め

るように敗者は徹底的に敗者にしたのです。そして、阿部・政権で、それはさらに進行し

ています。阿部・政権での、ノラリクラリとした“負け組対策”も、そうした大枠の中にある

わけです。

  この背景には、中国インドなどの経済的な急伸があり、日本の産業構造が急激に空

洞化したことがあります...日本は、成長社会から安定社会に移行しつつあったわけで

すが、そこに小泉・前政権“失政があったわけですねえ」

“失政ですか?」夏美が聞いた。

「そうです。“大失政でしょう...

  小泉・前政権は、安定社会ではなく、“戦前の格差社会”を作ることにより、大企業の利

を守りました。そのしわ寄せが、つまり“新・格差社会”を生み出したわけです。その

“勝ち組”の中に、1部の芸能界や、1部のスポーツ界を組み込みました。こうして、“新・

身分差別社会”が誕生したわけですね」

「本来、」夏美が言った。「社会システムが生み出した果実は、社会全体のものですね。

社会全体で、【富の公平な再配分】をすべきですよね。これは、【情報公開】【国民参

加型評価システム】と並んで、当ホームページの基本戦略になっていますが...」

「その通りなのです...

  この、チグハグな“新・身分差別”が、日本の伝統文化を非常に軽薄なものに変貌させ

ました。小泉・前政権は、非常に罪深いことをしました。更なる“失政と言えるでしょう。

総理大臣は、強大な権限を持っているわけですから、これは修正できたはずです。

  それを、あえてアクションを起こさなかったということは、故意であり、“失政といえま

す。“国家の舵取り”に関しては、それを任されている総理大臣全責任があります。たと

え修正が失敗しても、国民の納得する、政治的アクションは起こす必要がありました」

小泉・前政権は、一体、どうしたかったのでしょうか...“新・格差社会”を作りだし、

本文化を破壊するのが、本来の目的ではなかったと思うのですが、」

「そうですねえ...」片倉が、大きく息をついた。「やはり...

  “アメリカの子分になりたかった”というのが、当たっているかも知れませんねえ...

界規模で、“アメリカの覇権主義の片棒を担ぎたわけでしょう。これは、小泉・前政権

継承した、阿部・政権において、現在も鋭意進行中です...しかし、このこと自体が、

大な時代錯誤です。津田・編集長が言うように、まさに、“覇権主義20世紀の遺物”

す。

  阿部・政権も、国民生活を犠牲にし...莫大な国家予算を、湯水のようにミサイル防

(MD)構想に投入しているわけです。その成果が、日米共同開発中スタンダードミ

サイルであり、PAC・3ミサイルという地域防衛ミサイルです。これは、まさに電子玩具

上のものではありません。実質的な防衛能力など、ありません」

「あ、そうなんですか?」

軍事担当大川慶三郎さんが、言っていることですが...

  北朝鮮安価なノドンミサイルを、100発1000発と大量に射込まれたら、高価な精

密誘導ミサイルでは、対処しきれないでしょう。戦術的に優秀であっても、戦略的に負け

ては何にもなりません。こんなことは小学生でも分ることです。

  それも、100%空中で撃破できるわけではありません。まあ、これは、大砲の弾を空中

で相殺しようという技術なのです。あまり意味のない兵器です。こんなことに、何兆円もの

血税がつぎ込まれているわけです。

  何故、こんな玩具作りを、あえて推進しているかというと...軍需産業が膨大な利潤

あげ、関係者莫大な利権を配分しているからです。日本でも、軍産複合体を形成しつつ

あり、バーチャルな戦争を作り出しているわけです」

「うーん...」

「つまり...ミサイル防衛(MD)構想というのは、茶番なのです。逆に、覇権をあおってい

るのです。そして、その“覇権主義”は、“地球温暖化対策”急務な現在、まさに壮大な

時代錯誤だということです...あらゆることで、近い将来頓挫することは、目に見えてい

ます。あらゆる意味で、夢の無い国家戦略です...

  小泉・前政権“失政は、この壮大な時代錯誤にありました。また、“格差があって当

たり前”というのも大きな間違いです。現在の“格差社会”が、いいはずはありません」

「はい!」

「ここは、しっかりと総括しておかなくては、日本社会の復元はありません。厳しいようで

すが、小泉・前政権“失政“断”を下しておきます。“国家の舵取り”を大きく誤ったと

いうことです。これは、津田・編集長とも、青木・政治部長とも、合意していることです」

 

憲法改正 “新・憲法”の起草 ・・・・・> 

     index.1102.1.jpg (3137 バイト)      index.1019.1.jpg (2310 バイト)  

「うーん...」夏美が言った。「“前の戦争”を始めてしまったように...小泉・前政権は、

“国家の舵取り”を大きく誤ったということですね、」

「そうですね...」津田が言った。「これは、軽い話ではないのです」

「現在の、阿部・政権もそうですね?」

「そうです」津田が、深くうなづき、腕組みをした。「小泉・前政権継承し、さらに憲法改正

を行い、“憲法9条”空洞化しようともくろんでいます。

  憲法は...絶対に変えてはいけないというものではありません。しかし、急いで、強行

で変えるというようなものではありません。まして、“政治と国民が乖離”しているよう

な現状では、手をつけるべきではありません。政治主導で、憲法改正するなどは、言語

の事態です。

  また、現在の政治/政治家には...〔日本国憲法〕に手をつけるには...あまりにも

手が汚れています。小泉・前政権“失政でも分るように...また、阿部・政権もそれを

継承しているように、壮大な時代錯誤の中で、〔日本国憲法〕に手がつけられようとして

いるわけです。それゆえに、政治家の軽薄さが際立つのですが、ここは国民の冷静な判

が求められます」

国会は、学級崩壊を起こしていますよね...」

「そうです...

  重ねて言いますが...憲法改正は急ぐ必要はありません。〔明治憲法/日本帝国憲

法〕は、明治維新の混乱期が終わり、新生日本が立ち上がった時に起草されました。ま

た、敗戦後〔日本国憲法〕は、再び新生日本が立ち上がった時に、起草されました。

  したがって、今度の憲法改正も...〔人間の巣〕の展開が開始され...新生日本

本格的に立ち上った時が、最良だと考えます。そうした新生日本が立ち上った時に、

の若い人たちによって...高らかに、未来社会の建設に向かって、起草されるべきです」

「はい!」夏美がうなづいた。「現在の、ヌカ味噌をこねまわしているような国会では、ダメ

だということですね...ちゃんと、手を洗って(みそぎ)をして新しい衣に変えて...そ

れから...その段取りに入るということですね、」

「まさに、その通りです!」

 

「さて...」片倉が、マウスを動かした。「前置きが長くなってしまいました。初めての仕事

ということで、力が入ってしまいました。本題の方に入りましょう...」

「そうですね、」夏美が、頬に笑窪を作った。

“負け組の緊急避難!”ですが...

  これは、大きな社会運動に発展する可能性があります...むろん、真に国民がそう望

めば社会は必ずその方向に動くでしょう...これは、政治運動選挙活動とは別の、

社会の大衆運動の流れです...私たちは、その可能性を探り、考察を開始しました」

「はい、」

「それには、まず...地方の農村社会/過疎地での、“受け入れ態勢の構築”が先にな

ります。まず、過疎地“水が流れ込む池”を各所に作り、それから“水路”を作って、水を

引き込むわけです。

  現代日本人は、すでにかつての野性のたくましさを失っていますが...私たちの1つ

前の世代あたりは、まだ新田開発開墾というものを知っています。戦後の、“農地解

放”の後、盛んにその開墾が行われていたはずです。

  あるいは、北海道開発では、“屯田兵”などという言葉ももあったわけです。アイヌ民族

の土地を侵したという、別の側面もあるわけですが、ともかく開拓者精神というものがあり

ました...したがって、この社会運動も、そう目新しいものではないということです。

  社会が閉塞的になった時には、常に新天地を求め、開拓者精神が発揮されたものだ

す。これは、もっと大規模に行われた、新大陸への移住や、アメリカの西部開拓史なども

同じことです。

  そうした大先輩の御苦労を思えば、今回の21世紀初頭に進めようとている、過疎地

の再開発や、“ニュー・コミュニティーの新設”...それから、〔人間の巣の建設〕は、非

常に楽な、社会基盤の再編成です。テクノロジーや、動力もあり、洪水のような情報もあり

ます。

  しかも日本は、まだ先進的な工業国大国です。そのすべてを利用できるわけです」

「はい...」夏美が、うなづいた。

 

「そこで、まず...手順ですが...先ほど、支折さんが簡単に説明されましたが...

  “新しい社会運動の旗印!”というものが、最初に必要になります。これは、社会の

将来を担う若者世代に、立ちあがってもらう他はありません。若者が積極的に活動 し、

〔未来社会〕建設の基盤作りに立ちあがってもらいます。これが、この大衆運動の起点

になります。

  また、現在の格差社会の進行で、各世代優秀な人材が、巷に溢れています。そうし

た人材が、勢いよく流れこんで行く水路さえできれば、〔21世紀・維新〕は容易に進行し

ます...そして、〔人間の巣が展開していけば、現在議論されている、年金問題や、

療問題なども、全く別次元で、根本解決に向かうはずです...」

未来社会へ向かって、」夏美が言った。「国民が求めているのは、そうした根本的な解

決策だと思います」

「そうですね...」津田が言った。「いずれにしても...将来を担う若者〔人間の巣

の建設に、最初に決起することでしょう...“文明の第3ステージ”を展開して行くの

は、他ならぬ、現在の若者世代なのですから、」

「そうです!」片倉が、唇を結び、しっかりとうなづいた。「若者に、理想に向かって、大胆

に動いて欲しいですねえ。それが、若者の特権であり、また使命です。

  かつての若者は、学生運動に命を燃やしましたが、21世紀の若者は、“文明の折り

返し”で、頑張ってほしいと思います」

「はい...」津田が言った。「私たちは、“思想集団/頭脳集団”です。そうした“社会運

動”をする力は持っていません。私たちは、その戦略的な青写真を示して行こうと思いま

す」

  夏美が、コクリとうなづいた。

「これから、」片倉が言った。「団塊の世代が、大量に社会の第一線から退いて行きます

が...彼等が良きアドバイザーとして、流動性の波に乗るかも知れません。この団塊の

世代こそ、かつて学生運動をした世代です。学生運動で、政治を動かした世代です。どう

でしょうか、彼等は?」

「うーむ...」津田が、ゆっくりと脚を組み上げた。「そうですねえ...

  彼等は、ノウハウを持っています。そして、若者が覚醒すれば、この閉塞的な時代を動

かし、〔21世紀・維新〕へ持っていけると思います。いや、そうするしか、この壊れてしま

った日本社会を、救う道は無いのかも知れません。

  〔明治・維新〕も、下級武士の若者が指導した革命でした。若者が、若い感覚で、未来

社会を建設していくべきでしょう」

「そう思いますね、」片倉が、うなづいた。

負け組の緊急避難若者の発起  

       index.1102.1.jpg (3137 バイト)    wpe4F.jpg (12230 バイト)

「さて...」片倉が、モニターをのぞいた。「具体的に、話を進めましょう...

  まず...インターネット時代ですから、若いサムライが結集すること...そして、“旗

を掲げることは、比較的容易だと思います。人も集まるでしょう。こうした方面に、

才能を発揮する若者も、必ず出て来るはずです。将来の指導者が、続々と出てくることを

願っています。

  次に...受け入れ側過疎地の対策です。こちら側も、“旗印を掲げる必要があ

ります。閑古鳥の鳴いている、過疎地の自治体も、こうした“新しい人口”の受け入れに、

積極的に動いて欲しいと思います。その双方が合同し、“具体的な池と水路”を作りま

す。

  人口の流動が、緩やかなものか、激流のように流れるのか...それは、現段階では

予測ができません。不満が鬱積し、風船のように膨らんでいますが...現在は、過疎化

が進行しインフラが整備されている都市へ、人口がどんどん流入しています。これを

させる必要があるわけです。そのためには、“具体的な池と水路”を整備することが

となります」

「はい、」夏美がうなづいた。

「そこで、」片倉が言った。「まず...

  元気な若者が、自給自足社会の基盤整備を進めます。“ニュー・コミュニティー”基礎

を形成していきますまた、“スローフード/スローライフ”への価値観の転換を、実践して

もらいます。そうすれば、国民は水が低い方へ流れるように、地方へ逆流を始めます。

期的将来展望を考えれば、それが最良だからです」

「そうですね、」夏美が、自分のモニターを見た。「ええと...ニュースなどでご存じと思い

ますが...2003年のヨーロッパの夏は、観測史上最も暑い夏でした...

  この時、ヨーロッパでは...熱中症等で、2万人以上が死亡したと推定されています。

特にフランスでは、14800人以上が、異常な熱波死亡しています。日本とは、様々な

条件が異なりますが、温暖化/異常気象の流れは急加速しています...

  食料需給など、長期的展望を考えれば、早い段階から、〔未来都市/人間の巣

していた方が、はるかに安全だと思いますわ...また、感染症の世界的蔓延を考えれ

ば、少しでも早く、避難を開始する方が賢明です。それが、“地球温暖化対策”にもなりま

すわ」

「はい、」片倉がうなづいた。「そうですね...

  そうした、将来展望の保証があってこその、逆流です...ともかく、“負け組の緊急避

難/若者の発起”が、〔21世紀・維新〕という、大衆運動の起点となるはずです。それ

から、“自給自足型の農村/ニュー・コミュニティー”が成長して行きます。

  やがて、一定規模の人口が集まれば、学校医療機関等の、公共の施設も必要にな

ります。しかし、最終的な青写真は、恒久的〔人間の巣の展開です。単なる農村への

移住ではありません...そこのところは、効率的な準備と展開が必要です...知恵の

出しどころですね...」

「はい...ええと、」夏美が言った。「概要をまとめるために、少し質問していいでしょう

か?」

「はい...どうぞ、」片倉が、椅子の背に体を引いた。

農村の既得権は、どうなるのでしょうか?」

「うーむ...

  細かなことを言えば、既得権法律の縛りで、様々な問題が出てくるどしょう。しかし、

要は、この日本の大地は、現在生存している主権者/国民のものだというスタンスです。

あらゆる問題に、それは当てはまります。そうした方向で解決されると思います...

  コンパクトな〔人間の巣と、その周辺の〔自給自足農地以外は、全て大自然に還元

されて行くわけですね...後は、他の動植物たちとの共有の大地になります...既得権

という概念そのものが、やがて色あせて行くでしょう...」

「はい...」夏美がうなづいた。「“文明の折り返し/反・グローバル化”の流れになる

わけですから...国家体制も、中央集権ではなく、地方分権になりますね。そして、さら

〔人間の巣独立性が進むわけですね...

  ところで、片倉さん...〔人間の巣は、どのぐらいの人口規模がいいと思われるので

しょうか?それが連結し、どのぐらいの総合的交流人口がいいのでしょうか?」

「うーむ...

  それは、ご存じのように、これからの研究課題でしょう...社会工学の研究動向という

ものも、当然反映されるでしょう...それはおそらく、〔人間の巣第2段階での問題に

なると思います。

  そこで、私たちの進める第1段階では...かつての村や町のような、数千〜数万人

いった規模を考えています。皆さんが考えてこられたのと、まあ、同じですかね...

  ともかくそれで、かつては良好な社会が形成されていたわけですしかし、あまり小規

〔人間の巣乱立しても、閉鎖的なコミュニティーになってしまう恐れがあります。

また、膨大な人口と環境との協調性からも、効率的でもありません。したがって、第2段

ではある程度の規模〔人間の巣を創設し、それらが連結した、解放系システム

するのがいいでしょう。

  まあ、そのあたりのことは、最小単位の家族や、学校や、その他の社会集団の形態

で含めて、社会工学の精華を期待します。いずれにしても、今までの価値観...弱肉強

食/競争社会/経済至上主義ではないということです。それが、“文明の第3ステージ”

ということでしょう...」

「そうですね...」夏美が、髪を揺らした。「まず、若者たちには、実践的にやってもらうこ

とが、山ほどありますね」

「そうですね...しかし、ともかく、当面は“緊急避難!”です...

  そして、“ニュー・コミュニティー”の立ち上げ...それと並行して、〔人間の巣を建設

するというプロセスになります...自給自足農地の整備もありますし、やることは山ほど

あります」

「その、」夏美が、指をさした。「自給自足の方は、どのようになるのでしょうか?」

「そうですね...

  やはり、自給自足といっても、最初から全てが自給自足で納まるというわけではありま

せん。まず、食料の自給率日用雑貨単純な道具類自給率の向上です...家具・雑

農機具工具刃物などは、コミュニティーでの生産が可能です。最初は、そうしたも

のの給率を向上していきます。

  そして、重要なことは...もう一方の側面として、“文明の第2ステージ/エネルギー・

産業革命”から、“文明の第3ステージ/意識・情報革命”へのシフトがあるということで

す。高度な情報インフラや、個人的情報機材まで、自給自足するというのは不可能です。

何といっても、品質の問題があります。そうしたものは、工業製品の導入でいいと思いま

す」

「そうですか...」夏美が言った。「そういうことを得意とする、〔人間の巣が存在する

とに、なるのでしょうか?」

現実的な流れとして、そうなるでしょうね...農業は食糧ということで、万人が必要なも

のとして光を当てています。どの〔人間の巣も、食糧の自給自足を大前提としますが、

余力として、様々な文化活動産業活動社会管理活動をします。

  また、そうした産業を運営して、国家予算ということになるかも知れません。あるいは、

特産物リゾート地の運営ということもあります。これまでの経済原理/競争原理での運

営ではなく、節度ある提供というものが必要になります。つまり、文明社会全体を、デザイ

していくことになります...それが、行政デザイナーとしての、政治の仕事になるのか

も知れません」

「うまく、維持できるでしょうか?」

「これまでも、計画経済というのは、社会主義体制下で経験しています...

  その良い面を生かすということですね。いずれにしても、昭和初期のような、自給自足

社会の風景が手本になります。そうした時代は、旅行も、珍しい食べ物も、ふんだんに享

受できたわけではありません...抑制的な、節度ある中に、楽しみもあるのです。質素

な中に、たまに廻って来る、祭りの楽しさがあるのです...」

「うーん...そうしたものを、デザインし、演出していくということですね」

「そうですね...話を戻しますが...

  しばらくは、現在の社会体制の中で...そうした高度・情報機材/高品質・工業製品

が調達されることになります。文明の折り返し/文明のパラダイムシフト”の中で、そ

うした科学技術の資産は、当然、受け継がれて行くでしょう...

  そうしたレベルの問題も、これから考察していかなくてはなりません」

「そうですね、」津田が、うなづいた。「しかし、“文明の第3ステージ/意識・情報革命”

シフトしていくにしても、人間の好奇心/探究心が止まるということはないでしょう。その

手段となる、科学技術の開発は、そうした〔学究的な人間の巣進んで行くのでしょ

う...

  しかし、そうした所でも、野菜家具・雑貨などは、自給率を高めていくということでしょ

うか...まあ、競争社会ではないわけですから、こうした所にも、いろんな人が集まって

来てもいいわけです。いろんな雑事を手伝いながら、しばらくの間、興味本位で見学して

いてもいいわけですね...」

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「そうした...」関が、津田の口調をまねて言った。「研究分野に...興味を持つ人の

値観によって、続けられていくのでしょうね...

  〔専門分野の人間の巣が創設されれば、価値観の多様性もグンと進みます。学問

も、それぞれの価値観の中で進んで行くのだと思います。それが、生態系にも見られる、

多様性の姿だと思います」

〔人間の巣にとって、」夏美が、関に言った。「高度な情報インフラは、どうしても必要な

ものなのでしょうか?」

初期段階では...」関が、顎に指をあてた。「社会管理として必須でしょう...十分に

〔人間の巣特殊化していけば、それぞれの価値観に任せればいいと思います。たと

えば、“アーミッシュ”のような、TV電話も使わないという、価値観の集団もあるわけで

すからね。

  しかし、初期“反・グローバル化”推進段階おいては、“文明の第3ステージ/意

識・情報革命”は、“情報の高度化”によって、“物流や人の移動”低減化できます。そ

効果がなければ、〔人間の巣の初期段階〕においては、非常に淋しく感じるでしょう。

  人や物むやみに移動しないこと...交通網を極力制限すること...これが、“地球

温暖化対策”には、基本的に重要になります。感染症などの問題も、莫大なエネルギー

消費と、空間移動が原因なわけです。これを、スローに、そして量的にも、絞る必要があ

るのです。それには、情報量を高めることでしょう」

「そうですね...

  それから...〔人間の巣では農業生産工業生産のための...労働補助の車両

しか使われなくなりますね。それも、クリーン・エネルギーのものしか...

  “緊急避難”から、“ニュー・コミュニティー”を立ち上げる段階で、過疎地への交通アク

セスというのは、やはり重要になってくるのでしょうか?」

「原則としては、」片倉が言った。「自給自足型・農村を形成するわけですから、産業を支

える交通の動脈は必要としません。これまでの過疎地へアクセスで、十分と思います。

和初期の頃のように...」

「でも、相当な土木工事になりますよね、」

「しかし、経済効率を考えるような、急ぐ仕事ではありません...“地球温暖化対策”は急

がなければなりませんが、そのために地球環境を破壊するのでは何にもなりません。そう

した自給自足農業を展開できたら、後は地道に、じっくりと、頑丈なものを建設していく必

要があります...そして、それそのものが、新時代の始まりになるわけです」

憲法改正も、そうした中で始まって行きますね」津田が言った。

「はい、」夏美が、津田にうなづいた。

 

「その他にも...」支折が、口を開いた。「〔人間の巣となると、多様な課題があります

わ...

  クリーン・エネルギーもそうですが、地下都市空間全体人間的なデザイン性というこ

とが、非常に重要になると思います...〔1000年都市〕を創出することになるわけです

から、」

「そうですねえ...」関が、楽しそうに腕組みをした。「私も、デザインを多少やったので、

そのことは考えてみました...

  極端な例が、スペインのバルセロナ市ですね...アントニオ・ガウディーの...」

「うーん...アントニオ・ガウディーですか、」支折が、微笑んでうなづいた。

「ともかく、」関が言った。「コンパクトスッキリとした...それでいて、芸術的な遊びのあ

るものがいいですねえ...アントニオ・ガウディーは、ともかくとして...

  そうしたものが、アイデンティティーの強さになりますね。都市全体労働全体生活全

般をデザインし、豊かに演出していくことがいいですね。そうしたことが、〔極楽浄土〕

創出につながって行くのではないでしょうか...

  〔人間の巣は、社会的コストほとんどかからない、“安定した人間社会の器”です。

ゆっくりと、時間をかけて、芸術的コツコツと建設していけばいいのです。そうした部分

は、どんなに時間がかかってもいいわけです。そこそこの労働で、豊かな文化生活を楽し

むことができます。

  まあ、資本主義的な競争社会がいいのなら、そうしたシステムを残存させている〔人間

の巣創設するなり、個人的に選択するなりすればいいわけです...価値観の多様性

から、〔様々な人間の巣ができて来ると思います。宗教民族スポーツ学術芸術

経済活動の面などでも...医療などでも、独特のものが展開するかも知れません...」

「はい、」夏美が言った。

「ともかく、」片倉が言った。「何度も言いますが...まずは、“緊急避難と、“ニュー・

コミュニティーの立ち上げ!”です。それが最初の仕事です!」

「はい、」夏美がうなづいた。

〔極楽浄土〕における、新しい価値観・・・・・     

    静かに参加しているスタンス・・・存在の覚醒・・・

   house5.114.2.jpg (1340 バイト)            wpe4F.jpg (12230 バイト)  

「ええ...」支折は、作業テーブルの方を向き、前で両手を結んだ。「先ほど...

  江里香さんの紹介した“アーミッシュ”は...キリスト教プロテスタント再洗礼派の1

です...つまり、宗教集団ですね。彼等はまさに、〔人間の巣〕が目指すような自給自

足社会実践しています。現代社会の中にあって、欲望の原理/グローバル経済から

し、自給自足社会を実現できることを、実際的に示しています...

  彼等から学ぶことは、多いと思います。新たな価値観を形成し、新しいコミュニティーを

創出すること...新しい人間関係を創出すること...人間生活の原点に回帰し、真実の

人間生活実現することなど...非常に多くあります...

  ここでは...いかに“脱・グローバル経済”/“脱・資本主義”を実践するか...それに

代わる“新しい価値体系”を、いかに構築していくかを考察してみます。“アーミッシュ”にお

いてはそれは、厳しい宗教的信条ですが...〔人間の巣〕では、それを一般化して、ど

のようなものになるか、ここに一例をあげておきたいと思います...」

「はい、」」夏美が、支折を見た。

「私たちも、一気に考察することはできません。少しづつ、考察を積み重ねて行くことにな

ります。今回は、《危機管理センター》の里中響子さんが、《エイズ掲示板》で、言ってい

た言葉を参考として取り上げようと思います。

  “正鵠(弓の的の中央の黒ぼし)を射ている言葉”だと思いますので...再度、ここに引用して

おきましょう。響子さんは、こう言っています...

 

***********************************************

人生というものは...“大暴(あば)れ”したり、“貪(むさぼ)る”ようなことはせず、

  静かに参加しているスタンス〕が、より賢明なのではないでしょうか...

これが、“文明の折り返し”での、“経済・至上主義/欲望と競争の価値観”

  に代わる...〔自給自足/スロー・ライフ、そして、存在の覚醒・・・〕

いう、未来型スタイルと考えています...

***********************************************

                                    <支折の覚醒・・・A>

  ...響子さんは、このように言っているわけですが、存在の覚醒・・・〕というスタンス

が、いわゆる学びの深さだと思います。私も、ようやく、高杉・塾長の言う、その言葉の

意味が、理解できたばかりです...   (...〔学びの深さ〕については、こちらへ... )

  〔人間の巣〕/〔極楽浄土〕における、“新しい価値観”真髄を示していると思いま

す。響子さんは、高杉・塾長の禅修業における1番弟子です。さすがに、含蓄のある言葉

として、私も心に留めていました。

  これは、いわゆる、“禅的な覚醒/悟りの境地”だと、塾長は言っています。私はまだ、

その一端を垣間見ただけですが、非常に奥の深いもの、ということは分ります。また、塾

長が言うには、それは黙想瞑想ということで、他の“宗教的な悟りの境地”とも、共通す

るものだそうです...

  〔人間の巣〕/〔極楽浄土/パラダイス〕における、ニュー・パラダイムとして、ふさわ

しいのではないでしょうか、」

「うーん...」夏美が、ゆっくりとうなづいた。「存在の覚醒〕ですか...」

「はい...」支折がうなづいた。「私はまだ、その一端を垣間見ただけです。大きなことを

言える立場ではありませんが、」

「それが...」津田が言った。「見えたというなら...

 

大道無門

   千差路あり

      この関を透得( とうとく )せば

         乾坤( けんこん=宇宙 )に独歩せん

 

  ...という、“無門の関”を越えたということでしょう...いや、たいしたものです」津田

は、真っすぐに、支折を眺めた。

  支折は、静かに微笑をこぼした。  

「それは、禅の公案の、無門関ですよね、」夏美が言った。

「そうです...」津田がうなづいた。  (...詳しくは、こちらへどうぞ...)

「うーん...そうした時代が来るのでしょうか...本当に?」

「私たちが、」支折が言った。「それを望めば...それは、“目前に来ている”ということで

すわ...まず、〔人間の巣〕という、器を作ることです」

「はい、」

                       wpe4F.jpg (12230 バイト)               

「支折です。今回は、ここで終わりとします。どうぞ、次の展開にご期待下さい」