My Weekly Journal/第1編集室/時事対談/時事対談・2009/2009・総選挙/総選挙−3 |
〔人間の巣〕=財源・企業連携は不要!
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未曾有の国難/国の舵取り
日本版・ニューディール政策
新・社会形態の姿
No.1 | 〔1〕 支配階級のない/自立コミュニティー | 2009. 8. 9 |
No.2 | <共同社会/ゲマインシャフトとは・・・> | 2009. 8. 9 |
No.3 | 〔2〕 〔未来都市〕の建設へ! | 2009. 8.16 |
No.4 | <人間の巣の展開は・・・ 失敗することのない事業> | 2009. 8.16 |
No.5 | <資本主義時代の・・・縮小/終焉へ> | 2009. 8.16 |
No.6 | <存在の覚醒が・・・時代の道標> | 2009. 8.16 |
No.7 | <文明の第3ステージの入り口・・・その橋頭保に立つ> | 2009. 8.16 |
No.8 | <〔人間の巣〕という・・・方程式の発見!> | 2009. 8.16 |
〔1〕1支配階級のない/自立コミュニティー 「さあ...」支折が言った。そして、目を細め、《 Weekly Journal/第1編集室/の窓から...南東方向の草原を見渡した。8月に入っても、ま だ梅雨空が続いている。 どんよりとした東の空が裂け、ときより淡い日が射す。空からは、今も細かな雨が降り落ち、窓 辺を濡らしている。エルニーニョの影響で、今年は冷夏と言われる。それも、“平成の米騒動”に なった、1993年の冷夏と非常によく似ている言われている... この空の下で...事実上の...“2009/衆議院・選挙/総選挙”が行われている。しかし、 支折には、どこか空虚な感じがした。そんな中で、時間だけが、ノロノロと確実に刻まれている。 日本社会全体が...“大噴火/維新・始動!”の時を計っている様な...嵐の前の異様な静 けさを作りだしているようだった... 「始めようか...」一緒に外を見ていたマチコが、携帯電話を開いて時間を見た。 「うん...」支折が、遠い南の雷鳴を聞きながら、しっとりと雨に煙る草原を見つめた。 「今、2009年かあ...」マチコが言った。「100年後も...誰かがこんな風に、雨の草原を見て いるかしら...」 「そうね...多分...さあ、私たちの仕事を始めましようか...」 支折が、ソッと、窓枠に置いている手に力を入れ、体をひるがえす。マチコも、作業テーブルの 方に歩き出した。
作業テーブルでは、メンバーが自分のモニターを見、データの整理と検証をしていた。支折と マチコも、自分のオンライン・タモニターの接続を確認した。それから、天井から低く吊るされた、 モノレール・ラインを移動する、3台のインターネット・カメラを見る... まだ3分ほどあった。正面のランプが、赤から黄、そして青に変わるのを待つ。カメラのモニタ ー映像に、すでに支折の姿が映っている。彼女がそれを見て、髪に手を当てる...そして、いつ ものように、その時が来る...
「ええ、支折です...」支折が、正面カメラに向かって言った。「ご機嫌いかがでしょうか... “2009/総選挙”...第3回目です...今回は、〔人間の巣〕の、ハードウェアーの側面/ ハコモノの側面と...ソフトウェアーの側面/社会工学の側面について話します...」 「ハコモノは...」茜が、言った。「〔人間の巣〕の基本であり、本体ですが...建設するのは、そ れほど難しくはありません。少し手を貸してやれば、世界中、何処でも、自前で、建設することが できるでしょう... でも、ここに...〔極楽浄土〕を実現するという...ソフトウェアーの方は、未経験のものです。 過去にも、血のにじむ努力で、それらしきものは、数えきれないほど作られてきました。ところが、 人間の欲望/紛争/戦争/様々な災害/などで...〔理想郷〕は、脆く崩れ去って来ました。 常に、砂上の楼閣のように、脆くはかない夢と消えてきました。支折さん...今度は、大丈夫 なのでしょうか?〔極楽浄土〕の実現は、食物連鎖の淘汰圧力の喧騒の中では、不可能なので はないでしょうか...?」 「可能性は...」支折が言った。「大いにありますわ... まず、“文明の第3ステージ/意識・情報革命”の時代は、“原始・文明時代”を超えて、“真の 文明時代”を獲得し、淘汰圧力の喧騒を離れるということです... そして...人類文明はすでに、〔極楽浄土〕を実現する実力は、十分に身につけていたという ことです。ただ、目先の欲望に走るばかりで...その“戦略眼が無かった”と言うべきでしょう。 それとも...高杉・塾長の言葉を借りれば...【人間原理空間・ストーリイ】の“世界軸の傾 向”が...そのようには、熟成していなかったということでしょうか...」 「でも、今は...」茜が、ショートカットの髪に手を当てた。「〔人間の巣/千年都市〕を建設する のは、非常に容易だということですね...今までは、“それを作ろうとしなかった”、ということです ね?」 「そうですね、」支折が、うなづいた。「それと、ストーリイの熟成です...」 「自給自足型・農業社会で安定させることも...極めい容易だということですね...?」 「はい...」支折が、うなづいた。「そうです... 私たちはすでに、そうしたフルハウスのカードは、すでに手の中に持っていたのです。それなの に、“文明の第1ステージ/農耕・文明の曙”...そして、“文明の第2ステージ/エネルギー・産 業革命”...という“原始・文明社会”のレベルにあったということですわ。 野生の体臭/弱肉強食の原理が色濃く残り...“真の文明社会”に、脱皮していなかったので す...」 「はい...」茜が、唇を結んだ。 「そのために... 資本の独占/・・・覇権主義/・・・競争主義が文明社会全体を席巻し...〔極楽浄土〕を招来 することができなかったのです。それは、“文明の第3ステージ/意識・情報革命”の時代の... “本格的・文明社会の到来”を...待たなければならなかった、ということかも知れません」 「はい...」茜が、顔を斜めにし、マウスに手を置いた。「そうですね...」
「ええ...」支折が言った。「“共同社会への回帰”ということですね...茜さん、“共同社会”につ いて、簡単に説明していただけるでしょうか...」 「はい...」茜が、自分のノートパソコンに手を添えた。「ええ... “ゲマインシャフト/共同社会”とは...血縁に基づく家族、地域に基づく村落、友愛に基づく 都市などを指します...これと対になる言葉が...“ゲゼルシャフト/利益社会”です。利益的関 係に基づいて構成される社会ですね...ちょうど、現代社会のように... これはテンニース(ドイツの社会学者/1855〜1936年)が設定した、人間社会の2つの型です。彼は、 人間社会は、“ゲマインシャフト/共同社会”から、“ゲゼルシャフト/利益社会”へ進むと考えて いました。 これは、21世紀の私たちから見て...正しい推論でした。でも、その極度の...利益社会/ 市場主義/資本主義/は、完全に行き詰まりました。そして、さらに、“地球温暖化”と、“海洋酸 性化”で、地球環境全体が沈没し始めています...地球は有限であったということですわ。 そこで、今度は...テンニースが考えたのとは逆の...“ゲゼルシャフト/利益社会”から“ゲ マインシャフト/共同社会”へ...逆流/回帰を起こす必要に迫られています。 これが、“文明の折り返し”です。そして、それを実現する有力な思想が...私たちの提唱して いる、〔人間の巣のパラダイム〕です...」 「はい...」支折が、モニターから目を離して言った。「茜さん、ありがとうございました... ハードウエアーとしての〔人間の巣〕も...これまで話してきたように、“地球温暖化・対策”や “万能型・防護力”として、高い評価が予想されるものです。でも...〔人間の巣/コンパクトな 高機能空間〕の持つ...〔巣の社会性〕の大変革もあるわけですね... 安定した穏やかな共同生活の中では...子供たちは親以上に、〔人間の巣〕の方にアイデン ティティーを持つようになると考えられます。子供の生涯は、まさに、〔人間の巣〕が保証している わけです。親の役割は、相対的に減少するでしょう。 そして、そこに生まれる余裕が...文明的な大変革をもたらす可能性があります。そこに、〔極 楽浄土〕が実現する可能性があるわけですわ...」 「うーん...」茜が、腕組みをし、頭をかしげた。「そうですね...」 「ハードウエアーとしての〔人間の巣〕も...」支折が、肩越しにスクリーン・ボードを見た。「想像 を絶して進化する可能性があるのですが...現段階では、そこまで考える必要は無いと思いま す。 ただ、〔標準的=人間の巣〕では...“自給自足型・農業社会/共同社会”になるのが... もっとも、生態系と協調 している姿だと思います... “共同社会”とは...今、茜さんが説明してくださったように....家族の延長線上にある、友 愛をもって構成される、〔未来型都市〕ということになりますね...もう少し具体的に言うと、“高 度・情報化社会の中で・・・慣習法的にも整理された・・・透明な民主主義・社会”です... これが、ソフトウェアーの側面/社会工学の側面になります...ハードウエアーとソフトウェア ーは車の両輪であり...まさに、パソコンのハードウエアーとソフトウェアーの関係になります。そ の上で、世界政府/地球政府が...緩く管理するのが理想的だと、私たちは考えています...」
「あのさあ、支折...」マチコが、作業テーブルの上で両腕を重ねた。「前から聞こうと思っていた んだけど...〔人間の巣〕が、“想像を絶した進化をする”とは...どういうことなのかしら?都市 が、どういう風に進化するのかしら?」 茜も、マチコの質問に小さくうなづいた。 「ハハ...」津田が、頭に手をやった。「想像を絶するとは...想像できないということです」 「うーん...」マチコが、首をかしげた。「それは、そうだけど...」 「例えば...」支折が、口に指を当てた。「私たちが、ちょっと想像してみたのは... それぞれの個室が、蜂の巣のように設定され...コンピューター管理の倉庫の出し入れのよ うにように...自由に移動・設定される様なシステムです...家族や学校や友達...それから、 出産や子育ても...このシステムの中でスムーズに進行できるよう、〔巣の形態〕です...」 「ふーん...それは、便利よねえ...」 「あるいは、もっと進化して... 個室が睡眠槽のようになり...実際に動かすのではなく、ホログラムで構成し、夢を見ている 様なシステムです...あるいは、睡眠槽に入れ、夢だけを与えていてもいいわけですね。特に、 病気に陥ったような場合は、そうしていれば、幸せでいられます... でも、こんなものが...本当に想像を絶した進化なのかどうか分かりません。あるいは、退化 なのかも知れませんわ...ほんの1例ですけど...」 「うーん...」マチコが、真剣に考え込んだ。 「例えば、の話よ...」支折が、マチコの肩に手を触れた。 「うん、」 「退化というと...」茜が言った。「...その睡眠槽というのは...発達心理学的な意味で、母親 と未分化の子宮の中のようなものかしら...世界と未分化の状態は、修行の成果となる、“悟り /覚醒”に似ていると言われますが...支折さんなら、分かるのではないかしら?」 「うーん...」支折が、唇を結び、両手を合わせた。「そうですね... でも、そこまで合理的になってしまうと...私たちが生態系の一員として、食物連鎖の中にある という...“存在の意味/存在の覚醒”に、変質が起こるかも知れません...そのことを、別に否 定しているわけではありませんが...」 「はい...」茜が言った。 「先ほども、言ったように... “文明の第3ステージ/意識・情報革命”の時代は...これまでのステージの巨大な影... “野生の体臭・・・弱肉強食の臭い”というものは、失われて行くと思われます。“人類文明は・・・ 大自然の中に、さらに1歩深く踏み込みつつ・・・淘汰圧力・食物連鎖の喧騒からは離れて行く”、 と思われます」 「そうですね...」茜が言った。
「でも...」支折が肩を回し、スクリーン・ボードを見た。「当面の〔人間の巣〕は、“共同社会”で、 〔極楽浄土〕を作り上げて行くことです。 意見の違う人は...対立する必要はないのですわ...同じ理想を持つ仲間で、別の〔人間の 巣〕を形成し、そこに自分たちの〔浄土〕を建設し、運営すればいいのです...」 「もっともなコトよね...」マチコが言った。「それなら、さあ...大きな紛争は無いわよね」 「さあ、どうなるかしら...」茜が、マチコに微笑して見せた。「システムは、動かしてみないと、」 「うん...」
「ええと...」支折が指を立てた。「選挙ですから、政治関係のことを話ましょう... 与党・公明党は、創価学会が支持母体ということですが...そうした宗教団体で〔人間の巣〕 を作れば...まさに〔極楽浄土〕ができるのだと思います。ただし、〔人間の巣〕の単位で、とい うことですわ... それが連携して勢力を強め...支配関係が生まれるようなことは、厳しく監視されます。これ は、道州制の管理下...国家の管理下...世界政府/地球政府の管理下...においても、同 様です。自給自足/独立が原則になります...」 「でも...」茜が言った。「そうした〔人間の巣〕が、道州制のような単位で、連携するわけですね。 うまく行くかしら...?」 「〔人間の巣〕の“独立性”は...」支折が、茜に向かった言った。「“人格”や“人権”の...ある いは“家族”の...ようなものと...考えたらどうでしょうか。それなら、これまでの経験が生かせ ますわ」 「ともかく...慎重に、システムを動かしてみるということですね」 「はい...」支折が、うなづいた。
〔2〕2
〔未来都市〕 の建設へ!
「さて...」津田が、スクリーン・ボードの画像を切り替えた。「私たちは... 現下の、日本の緊急事態/未曾有の社会混乱に対し...【日本版/ニューディール政策】 を提唱しています。これは、何度も説明しているように、〔人間の巣〕の全国展開によって、“21 世紀・維新!” に点火する、歴史的な大公共事業です。 もちろん、こうした“維新・始動!” には、既得権勢力は大反対に回るのが趨勢(すうせい)です。 大きく分類して、資本の側/社会体制の側、そしていわゆる“勝ち組”が、抵抗勢力と考えられま す。もちろん、高い見識のある人は別ですが、楽に暮らしている人たちは、現体制・維持勢力とい うことでしょう。いずれにせよ、のんびりと構えていられるわけです。 ええ...これは、別の角度から見れば...財界/大企業...芸能界やスポーツ界...それ から、公務員・議員/独立行政法人などの、税金で食べている人々ですね。 こういう人々は...いわゆる“社会上流域”を独占しています。〔明治維新〕でもそうでしたが、 それゆえに、〔維新〕が必要なのです。むろん、100年前もそうでしたが、彼等が悪いというので はありません。 彼等は、現・社会体制の中て、太平楽をむさぼっていただけです。しかし、全体構造の刷新か ら、“維新・始動!” が発動するということです。原因は、“地球温暖化”であり、“文明の折り返 し”ですが、日本の社会システムの陳腐化も、国内的な大きな要因ですね...」 「ええ...」青木が、眼鏡に手をかけた。「その分類からすれば...税金で食べているということ で、議員も抵抗勢力ということですね。 一応...“国会議員=衆議院議員/参議院議員”も...“既得権勢力 = 抵抗勢力”という範 疇に入ります...確かに日本の政治は、“国民とは乖離し・・・政治のための政治・・・政治家の ための選挙”をやっています。これも、やはり、“立派な抵抗勢力!”と言えるでしょう...」 「そうかあ...」マチコが、手を打った。「...それで分かるわよね! “2009/総選挙”が始まったというのに、政治が国民から乖離し、ダラダラと下らない漫才興 行をしているわよね。これも、“21世紀・維新!” に大反対のための、“サボタージュ”なのかし ら。そう言われれば、納得よね!」 「まあ...」青木が、首を斜めにした。「それが、本当かどうか... 政党/政治家/候補者は、今は“俎板(まないた)の上の鯉”です。国民が、膝詰・直談判で、その 真偽/本音/ドロを、吐き出させて欲しいと思います。これは、選挙の折の、国民の義務/責任 ということになるでしょうか。 ともかく、政治家の本音を聞いて欲しいですねえ... “何故、こんなにも・・・国民から乖離し ているのか?”...国民は、本当に不思議に思っているわけです...いったい、どうなってしまっ たのか...???」 「うーん...そうよね!」マチコが、腕組みをした。 「あ...それと... 〔人間の巣/未来型都市/千年都市〕の展開は、“賛成か!”、“反対か!”、“それに代 わる将来展望の=青写真=はあるのか?”...ということも、重ねて、キッチリと、回答をもらっ て欲しいと思います。 もう1度、言いますが...これらの2つの質問に、即答できないようなら...“その政治”は、私 たち国民の望んでいるものとは、乖離しているということです。つまり、私たちの代議員になる資 格は、無いと思います。 そういう政治家/候補者は...抵抗勢力/既得権の側にいるのです。そして、ラクに暮らして いる人々です。また、“維新・始動!”の、障害になる人々でもあります。選挙中は優しい顔を見 せても、当選すれば別の顔になります... 私たちは、そうした顔/甘言(かんげん)に、これまでどれだけだまされたでしょうか。その、だまさ れ続けた結果が、今日のメチャメチャになってしまった日本の姿です」 「うーん...」マチコが、青木を見てニッコリと笑った。「青木さん、にしてはさあ...今回は、バッ チリと言いいましたね、」 「まあ...」青木が、ネクタイに手を置いた。「“2009/衆議院・選挙”ですからねえ... こと、ここに至っては...政治・部長としての責任を感じています。それに、マチコさんの影響も 受けましたかねえ...こういう場合は、ハッキリと言わなければ、ダメだということでしょう」 「はい!」マチコが、嬉しそうに手を組んだ。 <人間の巣の展開は・・・
失敗することのない事業> 「今...」津田が言った。「日本の現状に対処しつつ... 国家を基礎から改造して行くには...おそらく、〔人間の巣〕の全国展開しかないのではない でしょうか...官僚組織を一新しても、“地球温暖化”や“文明の折り返し”の大問題は、少しも 解決していないわけですね。しかし、〔人間の巣〕の展開は、全体を大きく前進させます。 もちろん、〔人間の巣〕の他に...“しっかりとした=青写真” があるなら...“2009/総 選挙”の期間中に、国民の前に提示して欲しいと思います。出し惜しみをしている時ではないは ずです。すでに、気候変動による様々な災害が、日本列島を襲い始めているのですから...」 「はい...」茜が言って、赤いメモ帳に手を置いた。「そうですね... “より良い=将来ビジョン” があるなら...もちろん、私たちも大いに賛成します。また、〔人 間の巣〕とのコラボレーション(共同製作)も大歓迎です。より良い社会建設へ向かうものなら、国民 にとって真の障害は何もありません...ただ、政党/政治家が、いつ国民のもとに帰って来るか ですわ」 「そうですね...」津田が、組み上げた脚に、両手を置いた。「〔人間の巣〕の展開は、そもそも、 失敗する類の事業ではありません... 〔人間の巣/未来型都市/千年都市〕が、全国的に展開して行けば、“緊急・避難拠点”と して、どんどん国民を吸収し始めるでしょう...ともかく仕事と、衣・食・住が安定し、後は自給自 足農業が定着して行きます...それから、念願の〔極楽浄土〕をめざして行くことになります。 医療の提供も...初期の支援だけすむと思います。あとは、都市システムの自給自足体制の 中にみ込み、これも自立して行きます。こうした“自立都市/自給自足型・農業都市”が整備され て行けば、それだけ国家負担は大幅に軽減されて行くことになります」 「あのさあ...」マチコが言った。「国家の将来世代への借金や、高速道路建設の借金や...そ れから、消えた年金などの問題は、どうなるのかしら...?」 「まあ... 借金や既得権も含め...〔人間の巣〕が全国展開して行く状況になれば...そうした類のも のは...全てが、“ご破算/フォーマット/初期化”ということになります。〔明治維新〕でもそうで したが、“維新・始動!” とは、そういう“初期化/再構築”ということなのです。 もちろん...個人の持ち物まで、全て奪うというものではありません...ただ、土地の所有権 などは、その意味がなくなり、消滅して行くでしょう。〔人間の巣〕の展開になれば、土地を個人的 に所有しても、意味がないのです。 これは、〔人間の巣〕の建設に当たっても、同様の問題が起こります。まあ、こうしたことには、 移行期間/過渡期というものがあります。緩やかに進行して行くのがいいでしょう。幾世代か経 るうちに、定着して行きます...」 「ふーん...ともかくさあ...みんなチャラになるんだあ...」 「だから、“21世紀・維新!” なのです... 現在の日本の状況下においては...ともかく国民を安全な場所に、“緊急避難”させることが、 最重要課題です。そして、〔人間の巣〕を展開し、それぞれの単位で〔極楽浄土〕を実現して行く、 “存在の器/住処(すみか)”を作るということです。 まさに、この...“ 緊急的課題 === 未曾有の不景気/大量失業 === 日本文化の衰 退/モラルハザード === 集中豪雨/土砂災害/社会インフラの崩壊”...の只中において、 “2009/総選挙”が行わているわけです。しかし政治は、漫才興行をしていますねえ...」 「やっぱりさあ...」マチコが言った。「“既得権の側の抵抗”ということかしら...?」 「そうは、思いたくはないのですがねえ...」津田が、両手で頭を抱えた。 「じゃあ...本当に“漫才定数(/ボケと突っ込みのエネルギーと考えられる)”が...それほどの莫大なエネ ルギーをもっていたのかしら?」 “漫才定数”については、こちらへどうぞ...《真剣勝負/政治家のお仕事は?》 「うーむ...」青木が、悩ましげに額を押さえた。 「アインシュタインがさあ...」マチコが言った。「宇宙論に導入した“宇宙定数(/真空のエネルギーと 考えられる)”は、莫大なエネルギーをもっていたわよね、」 「そうですねえ...」青木が、頭を後ろにそらした。
「あと...」茜が、手を伸ばすように上げた。「過渡期の問題がありますわ...」 「ああ、はい...」津田が言った。「まあ... 〔人間の巣〕が全国展開して行く間に...“国家/国の形”というものも、徐々に変質して行く ことになります。“過渡期の調整期間”を経て...しだいに、〔人間の巣〕が全国展開して行くわ けですね。産業構造も変質していきます。大量生産・大量消費はなくなりますが...生産は縮小 しつつ維持します...」 「ここは...」支折が言った。「多少、難しい所だと思います... 微妙な調整が必要になります。産業は縮小し...〔人間の巣〕に振り分けられ...高度な 技 術は維持して行く方向です。私たちは、“単なる野生への回帰”という道は、選択しない方向です。 もちろん、〔人間の巣〕の単位で...野生の方向を選択する人々もいるでしょう。でも、〔標準 的=人間の巣〕では、“文明の第3ステージ/意識・情報革命”のパラダイム・シフトを受け入れ、 以後の選択は...子孫に託して行く方向です...」 「うん...」マチコが言った。
<資本主義の・・・縮小/終焉へ・・・>
「資本主義/市場主義は...」大川が、顎ひげをなでながら、津田に言った。「縮小して行くでしょ うか...?」 「うーむ...」津田が、口を手で覆った。「そうですねえ... 最近...テレビ解説者や学者などが...妙に、“経済で!経済で!”と強く言い張るのが、カ ンにさわるようになって来ました...ということは...資本主義体制/経済界/経団連のオヤジ 連中は、こうした社会状況に、秘かな戦慄を感じ始めて来たということでしょうか... 自給自足型・農業社会が始まって行けば、これまでの構造的な既得権は失われて行くことにな ります。彼等はそういう事に関しては、独特の嗅覚を持っています。その道のプロですからねえ、」 「ふーむ...時代は、確実に...資本主義時代の終焉へ向かって行きますか...?」 「そうしなければ...」津田が、小さくうなづいた。「地球生態系は崩壊するでしょう... これは、大川さんの担当分野ですが...アメリカは世界展開している軍事力を、あと何年維持 できるでしょうか...それによって、世界は大きく変化しますねえ」 「そう...10年は...とても、持たないでしょうな... その後に来るものが...〔人間の巣のパラダイム〕であることを願います...すでに、日本や アメリカでは、資本主義・神話が風化し始めているかも知れません。 そもそも、〔極楽浄土/パラダイス〕は...資本主義/市場主義・経済/競争原理のダイナ ミックな風土には、合わなかったのでしょうな」 「はい...」茜が、ノートパソコンに両手を添えた。「...バーチャル金融のバブリイな部分は、吹 き飛んで当然ですが...やがて、資本主義の根幹部分にも波及して行くでしょう... 自給自足型・農業社会は、資源やエネルギーを、そもそも大量消費しなくなって行きます。その 分、経済は縮小して行きます。それから、経済も...“構造的変化/経済恐慌の津波”が...世 界中に電撃的に広がる時が来ます。 それを、煽(あお)るわけではありませんが、その大混乱には、十分な準備が必要です。その時、 〔世界市民〕を防護してくれるのは...やはり、〔人間の巣/未来型都市〕だという事です。電 気自動車や、ロボットが、私たちを守ってくれるわけではありませんわ」 「うーん...」マチコが、体を揺らした。「世界/経済体制が壊れると...ものすごい犠牲者が出 るのではないかしら?...食糧や、医療や、エネルギーなどの面で。これに、新型インフルエン ザやSARS(新型肺炎)のパンデミック(世界的大流行)が重なったら、大変よね!」 「そうですね...」茜が、うなづいた。「このままの状況では... 先進国の日本でも、餓死者が出るかも知れません。40%の食料自給率では、長期には対処 できせん。気候変動で凶作が続けば、輸入も困難になりますわ...日本の人口は、国土の広さ に対比し、とりあえず、6000万人まで半減させる方向を、示すべきです」 「うーん...“少子化対策/少子化担当大臣”どころでは、ないわけかあ...」 「“少子化対策”には、論拠がありません... こんなことをやっているから...政治・行政は信用されなくなるのです。マスコミもそうですね。 その是非の検証をしないで、世論を惑わせているから、国民から1歩退いて見られるのです。こ の意味では、欧州の少子化対策も、原則的には間違ったものです。 人口は、断固、減らすべきなのです...これ以外に、方法はないのです。したがって、そのツケ は、近々やって来ますわ...地球生態系は、大型哺乳動物のホモサピエンスで、異常な過飽和 の状態にあります。 しかも、“文明の第2ステージ/エネルギー・産業革命”のダイナミックな進展で、化石燃料を大 量に消費しつつ、破局点へ向かっているわけですから...」 「このまま...」大川が、ほくそ笑んで言った。「日本の人口が減少して行けば... 人口がゼロになるというわけですな...誰が最初に言い出したのかは知りませんが...おそ らく、厚生労働省辺りの官僚でしょうかねえ...そんな無責任な事を言うのは、あの連中しか、思 い当たりませんなあ...」 「うーん...」支折が笑った。 「かつて、高性能機関銃が発明された頃...」大川が言った。「これで何日か、何年かで...人 類が皆殺しにされてしまうと計算し、心配したことがありました...ハハ... ところが、いざ戦場に投入しても、一向にそうなりませんでしたな。1発の弾丸の殺傷・成功率 は極端に下がり...人間も逃げ回るわけです。確かに、第1次世界大戦は...特に、欧州の西 部戦線では、すさまじい消耗戦になりました。おおぜい死にましたねえ...雨と泥の中で... そのうえ、あの悪名高い“スペイン風邪”がパンデミックを引き起こし...ともかく人間がバタバ タと死にましたねえ...しかし、それでも、ゼロにはなりませんでしたなあ...」 「はい...」マチコが笑った。「そんなことで、日本の人口がゼロになることはないですよね、」
<存在の覚醒が・・・時代の道標>
「私たちは...」津田が、スクリーン・ボードの、ホログラム地球儀を眺めた。「社会が行き詰った 時...あるいは時代が行き詰った時は...開拓者精神/パイオニア精神で、新天地を切り開 いてきました。それは、新田開発であり...大航海時代であり...アメリカの西部開拓史などに、 典型的に見られます... ボス(/岡田)も当初...“21世紀の大艱難時代”を予測し...宇宙開発、宇宙植民、太陽系 ・大航海時代を招来し...そこに新天地を求めていく方策を探っていたといいます。その試みが、 『小説/超越の領域』であり...『小説/人間原理空間』だったということです...」 「しかし...」津田が、続けた。「現在、私たちが直面しているのは... “文明の第1ステージ/農耕・文明の曙”の時代ような、単純な行き詰まりではありません。ま た、“文明の第2ステージ/エネルギー・産業革命”の時代のように...“核戦略の肥大化/東 西冷戦構造/イデオロギーの対立”による、戦争を背景とした行き詰まりでもありません...」 「事態は...」大川が言った。「はるかに深刻なわけですな... しかも、タイムリミットで、生態系が大崩壊して行くわけですねえ。恐ろしい事態が迫っています。 しかし、日本の政治は、コトの深刻さを認識していません。こんな状況下で、“子供を増やせ”と、 アメ玉をバラまいているわけです」 「その通りです...」青木が言った。「政治は、子育て支援策とかで、アメ玉をバラまいています。 少子化・担当大臣が、子供を孕(はら)んで、評価を上げたりもしていますねえ... こうした風景が、日本の政治状況を如実に物語っています...国家の屋台骨が、耐震偽装建 築であり、崩壊するのを待っている様な状況ですね...政治家が、国家のことをまるで考えてい ないわけです。ただ、お祭り騒ぎのようなことをしています」 「うーん...」マチコが、上体を引いた。「国民とはズレた所でさあ...“政治ゴッコ”をしているわ けかしら?」 「ハハ...」大川が、眼鏡の端を押した。「もう一方で、“戦争ゴッコ”もしていますな... 先ほど、少し話が出ましたが...アメリカの覇権主義/軍事力の世界展開/“戦争ゴッコ”が、 からくも、現在の世界構造を支えているのです。この巨大な暴力装置が、資本主義/市場経済の バックボーンになっているわけです...しかし、この神通力も、長くは続かないでしょうな...」 「ソマリア沖では...」青木が言った。「海賊がはびこるし... 核兵器は...インド、パキスタン、そして北朝鮮や、イランに拡散して行く雲行きです。アメリカ のジレンマは深いですね。しかし、技術の進歩から、大量破壊兵器の拡散は、避けられない事態 になっています。 これに、唯一対処できるのが...大川さん...〔人間の巣〕の世界展開だということですか?」 「そうです...」大川が、脚を組み上げた。「しかも、防護・構築の目的で、建造するわけではない ということです。結果として、“万能型・防護力”を発揮するということですな... そして、“文明の折り返し/反グローバル化”/〔人間の巣の世界展開〕は、そもそも、戦争 や紛争の必要性が無くなって行くということです。こうした状況下では、大量破壊兵器などは、そ れこそ無用の長物です」 「そういうことですねえ...」
「軍事力というものは、」大川が、続けた。「時々、その威力を見せつける必要があります... しかし、戦争などをする場所は、もう地球上にはどこにも存在しないわけです。戦争ができるの は、“弱小国の贅沢”などとも言われています。 つまり、そうしたものは、20世紀の遺物だということですな...こんなものに、いつまでも、世界 秩序のバックボーンを依存しているわけにはいかないでしょう...文明社会は、弱肉強食の野性 を離脱し...未知のステージへ旅立とうとしているのです。暴力装置に頼るわけにはいきません」 「はい...」支折が言った。「それが... “文明の第3ステージ/意識・情報革命/原始・文明時代からの離脱”...になるわけですね」 「そうですな... 軍事力について、少々説明すると...そもそも、軍事力というのは、莫大な金食い虫なのです。 生産活動をせず、破壊活動のための高価な戦争玩具で、遊ばせておくわけですから...こんな 余裕は、もうアメリカにもないということです。 かつては...敵が攻めてくるから、防備の必要上、軍が組織されました。しかし、今は違いま す。余剰の富で、膨大な軍事力を維持します。そのいい例が、自衛隊でしょう。近代においては、 植民地政策のような富を吸い上げるシステムが必要でした。それが、帝国主義時代の軍隊です。 が、今は、余剰の富でしょう。 もっとも...アメリカ軍の場合は、これとは大分違います。石油を含む資源の確保や、資本主 義市場の権益確保などで、莫大な利益をあげてきました。そして、資本主義/民主主義社会の 中で、巨大な“軍産複合体”を作り上げてきたのです。 これは、軍隊と軍需産業、そしてアメリカの民主主義/合衆国政府が一体となったものです。 そして、時として、戦争経済を発動してきました。湾岸戦争も、イラク戦争も、そうした側面を持ち ます。大量の消費期限切れの弾薬を処理し、その他の軍需物資も一掃し、更新するわけです。 古くは、朝鮮動乱やベトナム戦争がありますが...日本も敗戦後...それらの戦争特需のお こぼれにあずかり、破竹の経済復興を成し遂げてきた歴史があるわけです。 しかし...アメリカのやり方は、資源国などの反発にさらされ...アルカイダなどの、国際テロ 組織を生み出す土壌にもなって来ました。またアメリカ国民も、イラクやアフガンでの戦争犠牲者 の多さに、厭戦気分になっているようです...ここ数年が、大転換の時かも知れませんな...」 「はい...」青木が言った。「オバマ大統領の時代ということですね... 中国も、来年は上海万博がありますが...各地で民族問題や格差問題が噴出していますね。 “地球温暖化”の問題も、待ったなしの状況になって来ました。さて、日本はどうするかということ ですねえ...」
「現代は...」大川が言った。「今も、言ったように... “文明の第2ステージ/エネルギー・産業革命”の莫大な余剰工業力で、軍事力を維持してきま した。しかし、それも、色々な意味で、限界に来ていますな...第一、もう戦争ができなくなりまし たし...紛争/戦争はテロ化/ゲリラ化してしまいました。 まあ...冷戦構造の終結で...ひとり勝ちとなったアメリカ軍は...世界の資本システムの 中に、富の集中を精巧に組み込んで来ましたが、これも限界が来ています...日本も、そのパ ートナーにはなり得ません。それは、小泉・政権の時代で、その旧式な野望は終わっています」 「そうですね...」津田が言った。「サブプライムローン/リーマン・ショックに端を発した世界金融 恐慌で、何かが、フッ切れたと思います... 来年/2010年は...〔日米安保締結・50周年/大幅改定?〕になりますが...ここは、日 本が独り立ちする時でしょう... 私たちは、〔人間の巣〕/〔専守防衛=万能型・防護力〕の展開による、“絶対平和主義= 日本独自の国際平和戦略”を提唱しています...是非、この方向へ進んで欲しいと思います」 「はい...」茜が、うなづいた。「そして、最終的には... 世界政府/地球政府による...緩い管理と、サービスの提供となるわけですね。地球生命圏 の復元は、地球政府の仕事になるわけですね...」 「はい...」マチコが言った。
<文明の第3ステージの入り口・・・
その橋頭保に立つ> 「ええ、さて...」津田が、スクリーン・ボードの画像を切り替えた。「私たちは、現在... “文明の第3ステージ/意識・情報革命”時代の...まさに、“橋頭保/・・・足場”に立っている わけです。そして、ここで、“文明の折り返し”が迫られています。さあ、この“次世代ステージ”を、 本格化して行くことが可能なのでしょうか... “地球生態系は・・・ホモサピエンス及びその文明で・・・極度の過飽和の状態”にあり...“文明 の第3ステージ”へ入って行くには、〔人間の巣のパラダイム〕が、必須の状態ということです」 「うーむ...」大川が、上体をそらした。「...この押し迫った現実と、既得権勢力/資本主義体 制との、対立の構造になって来ましたなあ... しかし、30年〜50年先を見渡した場合...我々は、電気自動車やロボットを作り...景気回 復だけを待って入れば...大丈夫なのかということです...そして、このコトに政治は何も答えて いないわけです...もちろん、責任を取るつもりもないわけでしょう...困ったコトになりました」 「それ以前に...」茜が、鋭く指を立てた。「水を差すようなことは、言いたくはないのですが... 電気自動車やロボットが...私たちに、真に必要なものかということですわ。それは、“文明の 第2ステージ/エネルギー・産業革命”の価値観による...“過去の遺物”ではないでしょうか。 もちろん、社会構造や輸送システムを、急激に変えることはできません。だから、電気自動車は 当面必要とするものですが、やがて“脱・車社会”になって行くはずです。自動車は、当分なくなる ことはないでしょうが...乗馬や帯刀のように、“道具の1つの地位”に納まって行くと思います」 「うーん...」マチコが言った。「時代を席巻する流行文化ではなく...単なる道具の地位になる わけかあ...」 「高速道路の建設などは...」支折が言った。「“脱・車社会”では...“無用の長物/とんでもな いムダ”ということになるわけですね?」 「そうです...」茜が、唇を結んだ。「そんな資金があるなら...〔人間の巣〕の建設を、1つでも 多く進めるべきです... 本来、人間生活は...“歩かなければならない”のであり...“手作りの生活”をするべきなの です。また、“自然と協調した生活に回帰”すべきであり...“死ななければならない”ということで すわ... それを、“文明の第2ステージ/エネルギー・産業革命”において...“便利/速い/楽チン/ 快適”ということで...人間性をひっくり返してしまいまいた。その行き着いた所が、人型ロボット なのでしょう...私たちは、やはり、歩いて来た道を、引き返すべき時が来ているのです」 「はい...」支折が、モニターに目を移しながら、うなづいた。「その通りだと思うのですが... 文明社会が発現したということは...“それなりの意味”があると考えるべきですわ。その方向 の、ベクトルが発現しているということです。生命潮流の中で、その動因が働いているということ です。 したがって...私たちは、生態系に回帰し...野生と協調しつつ...文明としての方向性/ 文明のベクトルというものも、目撃して行くべきだと思います。 ええ...ともかく、私たちは...“存在の覚醒”を深めていくことが、“1つの道標(みちしるべ)”だ と考えています...高杉・塾長は、〔新春対談/2009〕で、このように言っておられます... ええと...
***************************************************************** 『やがて、やって来る...“文明の第3ステージ/意識・情報革命”の時代は... “大自然の脅威”や、“野生の闘争性”を残すものではなく...大自然に、さらに1歩 踏み込みつつ...より高いステージから、眼前するリアリティー世界の解明に、取り組 むのでしょうか... また一部の人々は...“存在の覚醒”への道を、より深めていくことになるのでしょう か...』 *****************************************************************
...と、言っておられますわ...」 「はい、」茜が、口に手を当てた。「“存在の覚醒を深めて行くことが・・・未知なる時代の道標(みち しるべ)”...だということですね?」 「そうです、」支折が、うなづいた。 < 〔人間の巣〕
という・・・方程式の発見!>
「ええと...」支折が、モニターで進行メモを見た。「何処だったかしら...あ、はい... ともかく、私たちは...“文明の折り返し/反グローバル化”を、〔人間の巣という方程式〕 に導入してみたわけです...すると、非常にうまくいったわけですね... 予想外に、マルチ(多面的)な感じで、整合性が発現してきまました。最初は、“脱・冷暖房社会” の目的で、〔地下都市/半・地下都市〕の考察を開始しました。でも、〔人間の巣という方程式〕 を開いて行くと...“万能型・防護力”が見えてきました。 これだと、“脱・原発”も可能でした。また、〔人間の巣のパラダイム〕は、“文明の折り返し/ 反グローバル化”をも内包していることを発見したわけです。それから、“耐・核シェルター”の側 面もあり...生物・化学系の大量破壊兵器にも、密閉・封鎖・与圧等で対処できることも分かりま した...」 「うん...」マチコが、うなづいた。「その時はさあ...本当に、感動したわよね」 「そうですね...」支折が、頭を横にした。「私たちは...この〔人間の巣〕で、“21世紀の大艱 難時代”を、乗り切って行くことが可能だと、確信しました... そして、その先の...“文明の第3ステージ/意識・情報革命”の時代を切り開き...本格化し て行けるものと、確信しました。その時は、高杉・塾長も、そしてボス(岡田)も、本当に喜んでいまし た... つまり...このパラダイム/スタンスが...〔21世紀における新田開発/大航海時代の船 出〕になるのだと確信しました... 〔21世紀に踏み込んで行く=新時代のステージ〕は...“エネルギー・産業革命”の延長線 上にはないことが...いよいよ、明らかになって来たのではないでしょうか...単純な、太陽系 大航海時代/銀河空間への進出とはパラダイムの違う、何か未知なものが接近しています。 こうしたことが...〔人間の巣のパラダイム〕から、しだいに見えてきたと思います...私たち は、ともかく、今の科学技術・文明を、一直線に突き進んで行くのではないようです。パラダイムの 大転換が...いよいよ接近しているようです」 「うーん...」マチコが言った。「そうなのよね... 私が今担当している、《量子もつれと=ベルの定理》のぺージでは...なんでも...“量子も つれ・デバイス”が作られていて...“物の領域”と“心の領域”とかが...統一されて行くとか言 うわよね... “因果律が崩れている”とかでさあ...“量子テレポーテーション”なんかもあってさあ...ます ます混乱して来るというわよね...これから、そんな世界に入っていくのかしら...」 「そのページは...」茜が、白い歯を見せた。「しっかり、ウオッチしていますわ。私も、興味があり ますから」 「うーん...はい、」支折が言った。「その話は、とりあえず、横に置いておくことにしましょう。話を 戻します」 「あ、うん...」マチコが、うなづいた。 「ともかく...」支折が、自分のモニターを見た。「新田開発/新しい町づくり/〔人間の巣〕を、ど のように、実体化していくかということですね... それには...ハードウエアー/建築工学としての〔人間の巣〕と...ソフトウェアー/社会工 学としての〔人間の巣〕に...分類整理してみたいと思います ... もちろん、こうしたことは、都市プランナーや、社会工学の精華が試される分野です。専門的研 究がなされるべきなのですが...私たちなりに考察してきたことを...簡単に、津田・編集長に 話していただきたいと思います」
3新田開発/未来都市づくり・・・
脱・経済原理の社会/利潤追求型・企業は不要!
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