「11月19日」 市内散歩
金曜日であるので当然平日である。妻は午前中だけ授業に出ると言うことで
私は一人で近場を散歩するつもりであった。とりあえず市内の地図と、地球の歩き方
を置いて行ってもらう。お昼を妻のクラスメートと一緒にという話になっていた
ので、12時過ぎにホテルの前で待ち合わせ。それまで大体4時間ほどだ。
まずは大学内を散歩することにする。妻が留学しているのは
北京語言文化大学である。私が宿泊した西郊ホテルは大学と隣接しており、
その関係者の利用が多いらしい。外国人留学生の中にはホテル暮らしを
する人もいるようだ。
人の流れに沿って歩き回ると大学の構内らしき場所に出た。雰囲気は
日本の大学とそう大きくは変わらないが、面積は広い。違うところ
と言えば、「居住区」というのが明確に区別されていて、かなりの
寮が用意されていることであろう。ただし、北京語言文化大学(略称:語言)
は外国人に対する中国語教育に特に力を入れていて、留学生の数は
他大学に比較すると桁違いに多いと思う。ゆえに居住区が完備されている
というのもあるのだろう。寮は、かなり高層なものから、3階建てくらいの
ものまで外見も様々。1楼〜15楼くらいあったような…。寮費も設備に
よって大幅に違うと妻から聞いている。
語言の特徴についてもう少し触れておくと、外国人の教育だけではなく、
もちろん日本での外国語大学のような機能も持っており、
現地の学生に対する外国語教育も行っている。また、
世界で通用する中国語の検定試験の一つHSK(漢語水平公試)はこの大学が実施
している。日本で売られている中国語の教科書の編集元などでも語言の
名前を見ることができる。
学内の本屋さんなどを覗いたりして一通りまわった後、
正門から学外に
出た。語言がある地域は北京の中心部から北西にいったところで学院路
と言う。有名な北京大学や精華大学などの大学や研究機関などが多く
存在している。北京は大学が多いところだ。
語言の近くでも北京林業大学、北京鉱業大学などが目についた。
専門分野ごとの単科大学が多いのだろうか?
西に向かって歩く事にする。小さい店舗が散在している日本料理
レストランらしきものもあった。富士なんとかという店名。
早速面白そうなもの発見。「海淀区学院路市場」。人でごった返している。
本当に昔ながらの市場だ。穀物、野菜、鮮魚、肉etc..あらゆる食材と
雑貨まで売っている。足場はドロドロで汚いので滑って転ばないように
慎重にあるく。おぉニワトリさんも売ってるぞ(勿論生きてる)。
でも何だか白っぽくて綺麗なニワトリだな。日本の学校で飼育係が
買っているニワトリとも違う。ペットに良いかも?しかし日本に
持って帰るのは大変だろう…などと考えながら、ただ歩き回る。
何か話し掛けられたりもするが、さっぱり分からない。
写真を撮りたかったが、カメラを構えるような雰囲気ではないので
止めておく。
誤解のないように言っておくと、北京ではこういう市場はあまり
見かけない。数は結構あるのだろうが、分かりにくい場所にあるのだと
思う。普通に歩いていて見かけるのはスーパーマーケット(超市)や
百貨店だ。最近では倉庫型のスーパーも流行っていると聞く。
市場を出ると延々と西に向かって歩き始める。あまり景色に変化も
なく疲れてきた。地図を見て確認すると清華大学の近くまで来ている
らしい。もう倍くらい歩くと、北京大学付近まで行ける。あのあたりは
色々と面白い物があるんだけどなぁ…。しかし、初日から張りきって
疲れるのもどうかと考え、元来た道を逆戻り。語言まで戻ってきて
しまった。
まだ時間はかなりあり、バスに乗って少し遠くに行ってみようかととも
考えたが、十分歩いたのでゆっくりすることに。ホテルに戻って
みたら…部屋が分からない!カードキーにはルームナンバーすら書いて
いない。むむむ?部屋に戻れないぞ。フロントで聞けばいいのだろうが…
頭の中で中国語を組み立ててみるが、挫折。結局学内に戻り、バスケット
コートの脇にあるベンチでぼーっと日向ぼっこをすることにした。
バスケットコートだけでなくてきれいなテニスコート、バレーボール
コート、果ては卓球台まである!屋外にだよ。学内とは言っても
近所の市民も散歩コースにしているらしい。孫とおじいちゃんが
散歩していたり…2、3才だろうか。かわいい男の子のズボンの
お尻は中国風にぱっくり割れている。ははは。
暖かい日差しに少しうとうとしていたら、そろそろ待ち合わせの時間だ。
ロビーのところで待っていたら、奥さん自転車で登場。今日のお昼
ご飯は、クラスメートの旦那が来ている、ということで総勢10名!で
食べることになったらしい。客寄せパンダ状態か?学内にある韓国料理屋
へと行ってみると、既に皆さん勢揃い。国籍は日本、韓国、オーストリア
。職業も学生、会社員、大使館員、シスターと多様。
共通語は…当然中国語である。中国語が頭の上を飛び交っている…。
目の前の人が突然日本語を話し出したりして、この人日本人か、と納得したり
する。外見だけでは韓国人か日本人か区別はつかないのだ。
仕事を聞かれたり
するが、経営コンサルタントという職業はまだ北京では一般的でないらしく、
単語がないのだという。国営企業の再建とか、需要はありそうな感じだけどね。
午前中、学院路市場へ行ったという話もしてみたが、誰も行った事が
ないらしい。オーストリア人のモニカが存在を知っていたのみ。
え?あんなに近いのに。面白いのに〜。
今一つ会話に参加できないまま、お昼休みの時間もあるのでお開き。なんと韓国人の
男性で最年長の彼が席を外したときに会計を済ませていた。
別の韓国人の女性が、韓国では年長の人が会食代を支払う習慣がある、と
教えてくれる。しかし…10人分だよ!?しかもみんな思いっきり食べていたし。
私には真似できません(笑)。
午後からは二人で市内観光に出かけることにした。タクシーと地下鉄で、
まず向かったのが、瑠璃廠。骨董品店が並び、中国の古い街並みが再現
されているという通りがある。ただし、商品はべらぼうに高いらしいので、
ウィンドウショッピングをしただけ。
そこから、さらに地下鉄に乗って北京の銀座「王府井」へ。大きなデパート
や、老舗の店舗が並ぶ北京一の繁華街だ。2000年
オープンという巨大デパート
がほぼ完成してた。日本でもないのでは?という規模である。
デパートの中のカフェでお茶
を飲んで休憩。こういう店でお茶すると、日本での価格と大差ない金額。
その後、少し買い物をして、夕食を食べに向かったところは王府井名物、屋台街。
小さい屋台
が数100mに渡りずらーっと道の片側に並ぶ。はっきり言って屋台と
歩く人々で車道の三車線くらいは塞いでしまっている。こんなのあり?
そこを行ったり来たり、行ったり来たりして、お好みのものをそれぞれ何皿か
食べて今日の夕食とすることにした(笑)。本当にありとあらゆるものが
食材として並んでいる。串揚げの店では、バッタなどの昆虫から、シャコや
ザリガニまで何でもあり、だ。タピオカ入りココナツなどのデザートも。
ここで食べたもの(全部で35元)。
坦々麺(美味い!お勧め)
焼きもろこし(中国のトウモロコシはダメです。)
野菜と羊肉のクレープ包み?みたいなやつ(美味い!お勧め)
タピオカ入りココナツ(今一つ…山のような砂糖入り)
ワンタンスープ(近くの普通のお店で)
ココは今回の旅行でももっとも気に入った場所の一つである。また
行きたいなあ。
その後はタクシーでホテルに戻り、学内のカフェ(学生の勉強場所でもあるらしい)
でコーヒーをテイクアウトしてノンビリした。初日からかなり歩きまわって
クタクタである。