釈迦ヶ岳( 釈迦ヶ岳:1,641m ) 1999.12.18 登山

(※:縦走路中の最高峰は 黒岳 1,793m)

 縦走路より釈迦ヶ岳を振り返る( 1999.12.18 )

【釈迦ヶ岳登山記録】

【釈迦ヶ岳登山データ】

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再登山


釈迦ヶ岳登山記録

前回愛鷹山に登って以来、1ヶ月ぶりの登山である。
この間、 台湾出張などあって運動不足が続いており、 また台湾でうまいものを食い過ぎたためか、 以降 食欲がかなり増すようになって身体が大変重い状態にあったことから、 当初計画していた乾徳山・黒金山登山を取りやめ、 御坂山塊の北側にある釈迦ヶ岳に行くことにした。

この山は、山の雑記帳にも書いたように愛鷹山登山の際に再購入した 昭文社の地図 『富士・富士五湖』 を眺めている際に目に付いた山で、 高さは 1,641m、 身体が重くなっている我が身にとっては 丁度良い山のように思える。

とは言っても、この山だけ登るために直下の林道や日向坂峠に車を止めてピストン登山をしてしまうのではあまりに簡単過ぎ、 身体の方は歓迎しても プライドの方が許さないという訳で、 結局 かつて登ったことのある御坂黒岳と組み合わせて登ることにした。

ルートは河口湖畔の大石から新道峠へと登り、そこからまっすぐ黒岳を目指し、黒岳からは北へと向かって日向坂峠 (ひなたさかとうげ) へ一旦下り、 そこから府駒山経由にて釈迦ヶ岳に登るというものである。
また、 下山は 余裕があれば釈迦ヶ岳から上芦川方面へ直接下り、 そこから大石峠に登り返して、 尾根伝いに新道峠に戻るか、 あるいは大石峠から直接大石へ下ろう と計画していたのであった。

当日の朝は 4時40分過ぎに家を出発した。 外へ出て空を見上げると、 一面雲に覆われていて星も見えない状況である。 前日の天気予報では晴れとのことだったので、 またもや裏切られた感じであった。

いつものルート (国道16号線、中央高速道路) を使って河口湖湖畔にある大石公園に着いたのが 6時40分。いつもならすぐに出発するのであるが、 この時間になっても暗い空を見ると何となく憂鬱で、 しかも身体がだるく感じられたことから、 暫く車中で仮眠をすることにして、 結局公園を出発したのは 7時32分であった。

この時間になっても太陽は雲の中で姿を見せず、またお目当ての富士山も雲の中、そして体調も不十分で、さらに目を御坂山塊の方に移せば 山の頂上付近は完全にガスに覆われているといった状況で、 昨日までの気温とは打って変わった寒さも加わって、 全く意気の上がらない出発であった。

中沢林道を新道峠に向かって進み、前回御坂黒岳・御坂山に登った際に車を止めた別荘地を抜け、林道から登山道へと入り込んだのが 8時35分 何となくまだ記憶に残っている杉の植林の中をジグザグに進んで、 やがてカラ松や赤松の樹林帯を抜け、 新道峠に着いたのは 9時18分であった。

時間的にはまあ早く登れた方であるが、途中身体が大変重く感じられ、しかもガスに巻かれて周囲が薄暗いのには参った。 これでは元気が出ない。

さて、前回この新道峠からは、 目の前に広がる河口湖と その後ろにデンと控える富士山の姿を見ることができたのであったが、 今回は全くのガスの中、 朝から雲の中であったためあきらめていた富士山の姿に加え、 河口湖も全く見ることができなかった。
おまけに チラホラと雪も舞いだして地面はうっすらと雪化粧といった状況で、 尾根上の木々やススキは完全に霧氷状態であった。 たかだか 1,600m前後の高さであるのに、 麓では想像もしなかった氷の世界に驚ろかされる。

新道峠からは前回と同じように尾根道を右に進み、まずは破風山へと向かった。尾根道は完全にガスの中で、ただ黙々と足を進めるしかなく、 前回は途中振り返ると 南アルプスの銀嶺が目に飛び込んできて歓声を上げたことと比べると、 この日の登山は大変寂しいものであった。

ただ、前回は途中から完全に雪の上を歩くことになったのに比べ 今回はまだ雪もなかったことから、周囲の景色が新鮮に感じられたのだけが せめてもの慰めであった。

黒岳頂上に着いたのは 10時14分。夫婦連れが 1組先客でいるだけであった。
この黒岳頂上も完全にガスの中で全く視界は得られず、 夫婦は荷物を残して頂上から南へすぐの展望台へと向かったようであるが、 恐らくそこからも視界は全く得られなかったであろう。

ところで余談であるが、前回黒岳に登った際には 10センチ以上の雪で覆われていて、三角点は雪に埋没していたため 踏めずじまいであったのだが、 この日は先の夫婦が荷物を置いていて これまた三角点を踏むことができないという状況であった。 よく三角点や標識の周囲に荷物などを置いて占領している人がいるが、 こういうことはマナー違反であろう。 例え頂上に着いた時には自分たちしかいなくとも、 後から登山者が来る可能性は高いのであるから、 後から来る人たちのために 三角点や標識の周囲は空けて置いてしかるべきであろう。

黒岳頂上では簡単に食事を済ませただけで、 すぐに釈迦ヶ岳へと向かった (10時28分発)
黒岳の東斜面を下りるとすぐに釈迦ヶ岳への分岐となり、 まっすぐ行けば前回私が縦走した御坂峠、御坂山に続く道、 左に折れるのが釈迦ヶ岳への道である。

左へと進むとすぐに下り斜面となり、枯れ葉で埋まった道を一気に下る感じで、下りきったところから少し進むとすずらん峠への道を左に分けるようになり、 緩やかな斜面を登ってピークを通り越し、 そこから下り着いたところが日向坂峠であった。

日向坂峠には林道が通っており、そこには車が 2台止まっていた外、タクシーも 2台ほど止まっていて運転手が休んでいた。 どうやら、少し前に登山客を運んできたようである。

林道を横切ると釈迦ヶ岳登山口と書いた立派な標識があり、再び尾根に取り付くこととなる。
ここからは尾根を伝い、 府駒山を越え、釈迦ヶ岳へと至る一本道である。

登山道の左を見ると樹林が切れて斜面の大きな広がりが見え、その行き着く先には林道を挟んで御坂山塊が見えた。 しかしやはりその尾根付近はガスの中である。

釈迦ヶ岳への登りは、いくつかのアップダウンを繰り返しはするがそれほど険しいものでなく、体調が万全であれば何の苦もなく登り着いてしまう といったものであった。
ただ、この日は体調不十分のためか、 ピークを越えては一休み といった感じで、 結構厳しいものに感じられた。

また、途中にある府駒山は山の頂上というよりは数あるピークの one of them といった感じで、朽ちかけた標識や三角点 (?) がなければ気づかずに通り過ぎてしまうような山であった。

本来なら縦走中、先の方には釈迦ヶ岳のピラミダルな姿が見えたはずであるし、左には御坂山塊の山々、そしてその後方には富士山が見えて 結構楽しみながら進むことができたはずであるが、 今回は全く展望が利かず、 ガスの中に時々現れるピークに、 これが釈迦ヶ岳かと数回騙されるという状況が続いたのであった。 こういう状況が体調不十分の身には結構辛い。

しかし、必ず最後は来るもので、ガスの中に霞んで見える大きなピークを登り切ると、目の前に赤い帽子に袈裟 (?) をまとった 2体の地蔵 (?) が岩の上に鎮座している姿が 目に飛び込んできた。 ようやく釈迦ヶ岳頂上である (11時52分着)

頂上は東西に細長く、そこにはいくつかの大きな岩があり、座って昼食や休憩をするにはもってこいのロケーションである。
但し、 この日は先から述べているように 展望が全く得られない状況で、 2体の地蔵の後ろに見えるはずの富士山は全く見えず、 地蔵の後ろは真っ白なスクリーンであった。

せめてもの慰めは、山梨百名山の標識にここでも出会えたことで、この山が山梨百名山であることを登山中はすっかり忘れていたため、 そのお馴染みの標識に出会った時には 何となく嬉しくなってしまったのである。

帰りは、自分の体調と相談しながら散々迷ったあげく、日向坂峠まで往路を戻り、そこから林道を伝って途中から水ヶ沢林道へと入り、 そのまま林道終点から新道峠への最短距離をとることにした (12時12分発)
この水ヶ沢林道を終点まで進むと、 新道峠までわずか 5分弱の登りで辿り着けるわけで、 体調不十分の状況に加え、 あまりモチベートする材料の無かった本日の登山状況では これも致し方なかろう。

ただ山の雑記帳に書いたように、このルート変更のお陰で相互リンクを貼っている MIMA さんとニアミスするという希有な出来事 (何と MIMA さんは三重県のお人ですゾ) に遭遇できたのであるから 世の中本当に不思議である。

また、雪のうっすら積もった水ヶ沢林道を登っていく途中、太陽も一瞬であるが顔を見せ、右手に先程登った釈迦ヶ岳の堂々とした ピラミッド形を見ることができたので 少し慰められたのであった。
ただ、 その時にはフィルム 1本を使い切ってしまっており、 その姿をカメラにおさめることができなかったのが心残りである。

水ヶ沢林道終点に着いたのが 13時22分。そこからわずか 3分程登れば、今朝の通った新道峠であった。新道峠からは往路と同じ道を戻り、 大石公園に着いたのは 14時14分であった。

今回は体調も悪く、 さらに展望をほとんど得られない状況であったことから、 何となく欲求不満が残った山行であった。


釈迦ヶ岳登山データ

上記登山のデータ登山日:1999.12.18 天候:曇り時々雪単独行日帰り
登山路:大石公園−別荘地−新道峠−破風山−すずらん峠−黒岳−日向坂峠− 府駒山−釈迦ヶ岳−府駒山−日向坂峠−水ヶ沢林道終点−新道峠−別荘地−大石公園
交通往路:瀬谷−八王子IC−(中央自動車道)−河口湖IC−河口湖−大石公園(車にて)
交通復路:大石公園−河口湖−河口湖IC−(中央自動車道)−相模湖IC−半原−厚木−瀬谷(車にて)
その他の
釈迦ヶ岳
登山
(1) 大石公園−新道峠−黒岳−日向坂峠−府駒山−釈迦ヶ岳− 大石峠登山口−大石峠−不逢山−新道峠−大石公園 ( 2002.01.12:快晴 )    詳しくはこ こ をクリック


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