雲取山( 雲取山:2,017m ) 2005.05.04 登山


  七ツ石山を経て、尾根道から小雲取、雲取山(中央)( 2005.05.04 )

【雲取山再々再々登山記録】

【雲取山再々再々登山データ】

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初回登山


雲取山再々再々登山記録

5月に入ってようやく今年初めての登山となった。 こんなことでは昨年秋に完全復活したと思ったのはまだまだ甘かったということであるが、 しかし、陽気も良くなってきているのにつれて、 山に登りたいという気持ちも高まってきていることも事実である。 まあ気楽にいきたいと思う。

さて、昨年最後に登ったのが12月23日の箱根 神山であるから、今回の登山は5ヶ月ぶりということになる。 従って少々体力的な心配があったのだが、 見栄であろうか、あまり低い山には登りたくないという思いが勝ち、 さらにこのゴールデンウィーク期間中の遠出はなかなか難しいのではないかということで、 結局 雲取山 に登ることにした。
コースは2002年の1月に登った 水根−鷹ノ巣山−七ツ石山−雲取山−留浦 というもので、 体力への懸念を考えるとやや無謀と思えたものの、 最近 横浜−瀬谷、町田−瀬谷などの長い距離を歩いていることから 何となく登れそうな自信があったのである。

水根に車を止め出発したのが6時35分。前回このコースを登った時より40分ほど早い。
川沿いの車道を進み、 標識を見て右手の斜面に取り付く。 この道は本来、斜面上方にある家 専用の道のようである。 その家の玄関口を左手に見て、右手の竹藪・杉林へと進む。 前回は高度を上げるにつれて次第に雪が現れ始めたのだったが、 今回はさすがに雪もなく快適な登りである。

谷沿いの登山道は誠に良く踏まれている。それほど人気のあるコースとも思えないのでこの整備状態が不思議だったのだが、やがてその謎が解けた。 かなり登ったところにワサビ田が2ヶ所ほど出てきたのである。 このように民家から遠い、しかもかなり高いところまで農家の方は毎日足を運んでくるのであろうか、 感心せずにいられない。
私自身はと言えば、 久々の登山であるにも拘わらず足取りも快調である。 前回は雪で覆われていてほとんど分からなかった景色も、 今回は新緑の中、沢沿いにいくつか現れる小滝を楽しみ、 感覚的には初めてのコースを歩く気分であった。

快調に歩を進め、日がなかなか当たらない暗い谷筋からはずれて登りがきつくなってくると、やがて六ツ石山からの道とぶつかるT字路となった。 このT字路を左折し暫く進んだところが熱海から登ってくる道との合流点で、 ここまで来ると左側の展望が大きく開け出し、樹林の間から 富士山 も見えようになってきた。 明るい日差しの中、大変に気持ちが良い。

経験的に、もうそろそろ尾根かと思っていると、案の定、先の方に石尾根の稜線が見えてきた。この石尾根は尾根上を行く本来の縦走路と、 縦走路上にいくつかあるピークを避ける迂回路がある。 登山道はまずこの迂回路に合流するのだが、 鷹ノ巣山に登るにはその迂回路を横切り、 さらに迂回路に沿った土手に登って縦走路に入らねばならない。 縦走路に辿り着くと、ここからは左に道をとってそのまま鷹ノ巣山へと向かうことになる。 左手に見える富士山を愛でながら斜面を登っていき、 一つめのピークを越えたところで正面に鷹ノ巣山の姿が見えてきた。 頂上には既に人がいるようである。

道は斜面を一直線に登るようになっており、こういうパターンが私の最も苦手とするところだが、前回が雪の斜面だったことを思えば大したアルバイトではない。
辿り着いた鷹ノ巣山頂上からの展望は抜群である。 但し、陽気も大分暖かくなってきたこともあって前回、 冬の澄んだ空気の中で見たそれとは明らかにレベルが劣る。 それでも正面に富士山 その前の三ツ峠御正体山などの山々や、 富士山の右手に白く輝く南アルプスの山々が素晴らしい。 また、南アルプスのさらに右にはどっしりとした山容の飛竜山 そしてこれから向かう雲取山が見える。
じっくりメシを食べながらこの素晴らしい景色を堪能しようと思っていると、 雲取山方面の斜面から次から次へと人が登ってきて 頂上がアッという間に混み始めたのであった。 この人たちは前日雲取山荘や七ツ石小屋に泊まったのであろうか、 それとも鴨居の方から登ってきたのであろうか。 鴨居からなら雲取山に行かずにこの鷹ノ巣山に登ってくることが解せないなあ などと思っているうちは良かったが、 あまりにも人が増え続けるので即退散を決め込み、 雲取山側の斜面を下ることにした。

斜面を下り着いたところが鷹ノ巣山避難小屋で、ここにも多くの人たちが憩っていた。
ここで道は尾根通しを行く正規の石尾根縦走路と、 縦走路の高みを悉く避ける迂回路に再び分かれるが、 これからの雲取山までのアルバイトを考え、 今回も迂回路を取ることにした。 本来であれば、日陰名栗峰、高丸山などのピークを超えていくべきであろうが、 体力を考えると致し方ないと思う。

それでも千本ツツジの高みについては、その名前につられてつい登ってしまった。 しかし、まだ時期が早いのか、あるいは名前だけなのか、 周囲に全くツツジは見ることができなかった。 この千本ツツジを下ると、今度は七ツ石山への登りが待っている。 さすがにここは避けては通れない。 一直線の登りをゆっくりと歩を進めていくと、 やがて七ツ石神社を山腹右手に見ることになり、 そこから一登りで明るい七ツ石山頂上であった。
ここからは正面に雲取山が良く見え、 またそこまで続く縦走路も目でほぼ辿ることができる。 その距離に些か怯まざるをえない。

七ツ石山頂上で少々休憩した後、少々荒れた斜面を一気に下って雲取山に向かう。
ここから奥多摩避難小屋までの明るい尾根歩きは、 若干の登り下りがあるものの、左側が全面的に開けているため、 富士山眺めながらの歩きとなって気持ちが良い。
多くの人が憩う奥多摩避難小屋の前を過ぎると道が2つに分かれる。 尾根通しに登っていく道と林の中を行く平らな迂回路である。 今回は少々見栄もあって久々に尾根通しの登りを取ることにした。 ここも急な斜面である上に、 ほとんど一直線の登りなので大変に息が切れる。 しかも、かなりの体力を使ってようやく登り着いても、 そのピークに何かあるわけではない。 強いて言えば、先ほどまで頂上にいた七ツ石山までの素晴らしい景色であろうか。
ピークから右に曲がってゆっくりと下り、 先ほどの迂回路と合流すると、 今度は本日の縦走路中一番の登りが待っている。
先ほど無理をして尾根通しに歩いてきたので、 ここの登りが大変辛くなった。 登っては少し休んで上を見上げるという、 苦しい時のいつものパターンが始まり出し、 悔しいが迂回路を通ってきた3人に抜かれる羽目になってしまったのであった。

抜かれたならいっそのことと思い、開き直って途中の木陰で小休止することにした。この頃になると快調だった私の身体もそこここに痛みを発するようになり、 特に右足の膝周辺、左足の外側の付け根が痛い。
特に左足の付け根部分は登りの時に痛む。 平坦な道や下りでは何ともないのだが、 登りの場合に痛むというのは何とも困ったものである。
身体をだましつつまた歩き始め、 何とか長い坂を登り切ると、今度はやや勾配の緩やかな尾根道となる。 その先はもう雲取山の最後の登りだけである。 雲取山の避難小屋付近には多くの人がいてこの山の人気を物語っている。

最後の登りは上にいる人たちが皆が自分のことを見ているような気がして(そんなことは全くないのだが)、自然と歩き方もしゃんとしてくる。
最後の一踏ん張りで皆が憩う避難小屋前に登り着いても、 ここは雲取山の頂上ではない。 頂上はさらに右手の方である。 2年ぶりの頂上であるが、ほとんど前回と変化はないように思う。 ついその存在を忘れていたのだが、この頂上には方位盤や一等三角点の他、 原三角測點があり、興味をそそられる。
この原三角測點というのは、 内務省地理局によって1883年(明治16年)に設置された角錐柱の標石で、 陸地測量部に測量業務が移管されるまでの間、 全国16カ所に置かれたものとのことである。 ついでに言うと、この16カ所の原三角測點で現存、 あるいは再発掘されたのはこの雲取山と新潟県の米山頂上にあるもの、 そして最近発見された西上州・白髪岩のものがあるという。 なかなかロマンを感じさせる。
閑話休題。

人で混んでいる頂上は私の好みではなく、そそくさとニギリメシで腹を満たした後、下山することにした。 七ツ石山の基部までは往路を戻り、基部からは右に道を折れて鴨居に向かう。
道は良く踏まれており、全く迷う心配もなく、 ただひたすら下るだけである。 ただこの道も疲れた身体には長く感じられ、 舗装道路に辿り着いた時はもうヘトヘトであった。
ここからの道路歩きも結構長く、クネクネした道路をなるべく最短距離を歩くようにして下り、 鴨沢の停留所に着いたのは15時23分であった。
ラッキーなことに15時34分発のバスが祭日用にあり、 水根までは順調に戻ることが出来たのであった。
ただ、水根から横浜までは渋滞状態が断続的に続き、 家に着いたのは20時を過ぎていて、 登山より疲れるドライブであった。


雲取山再々再々登山データ

上記登山のデータ登山日:2005.05.04 天候:快晴単独行日帰り
登山路:水根−石尾根−鷹ノ巣山−千本ツツジ−七ツ石山−ブナ坂鞍部−雲取奥多摩小屋−小雲取山−雲取山−小雲取山−雲取奥多摩小屋−ブナ坂鞍部−ブナ坂−堂所−林道−鴨沢
交通往路:瀬谷−(国道16号線)−八王子−青梅−奥多摩−水根 (車にて)
交通復路:鴨沢−(バス)−水根−奥多摩−青梅−八王子−(国道16号線)−瀬谷 (車にて)


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