大菩薩嶺( 大菩薩嶺:2,057m ) 1997.8.30登山


 夏の大菩薩峠( 1997.8.30 )

【大菩薩嶺再登山記録】

【大菩薩嶺再登山データ】

初回登山


大菩薩嶺再登山記録

久々(7年半振り)の大菩薩嶺登山であるが、前回と異なるのは今回は家族での登山ということである。

最初、子供もいるので上日川峠まで車で行ってそこから登ろうと考えたが、やはりどうしても私の山へのこだわりがそれを許さず、 結局妥協案として車道途中の千石茶屋まで車で行ってその付近の路肩に車を止め、 山道は全部自力で登ることにした。

登山道の取り付きは6年前に来た時と変わっておらず、千石茶屋の前を通りコンクリート道を登って行って、 途中から左の山に入るようになっていたが、 前回工事をしていたコンクリート道路周辺は、 今は夏草が生え放題となっていて道を覆うような状態になっていた。

山道については、上日川峠まで前回のイメージをそのまま残していたが、所々柵が整備され、また当時崩れかけていた所も新しい道を作り直すなど、 かなりしっかりとした管理がなされているようであった。

今まで私はこの上日川峠までの道を5回程歩いているが(大菩薩嶺の他、小金沢連嶺)、 それは全て秋から冬であり、 夏の大菩薩は初めてで、 足下に落ち葉がなく青々と茂った緑の中を進むのも結構いいものだと思った。

一方で大菩薩嶺は夏が一番混むらしく、時折山道に接近する車道からは、登山者を乗せているのであろう車の音がひっきりなしに聞こえてきたのが 若干気になった。

疲れた、キツイという子供達をもうすぐだからと言って騙し騙しして登らせ、上日川峠に着いたのが10時丁度であり、 千石茶屋を出発したのが8時半であったから、 地図記載の標準時間通り1時間半で着いた訳である。

上日川峠の駐車場は車で一杯で、昔と違って随分洒落た建物になった長兵衛山荘の前で休憩した約15分の間でも、 タクシーや車でやってくる登山者がひっきりなしであった。

長兵衛山荘から福ちゃん荘までは、車道と登山道両方が通じているが、車がやって来る度にいちいち避けねばならないことはあっても、 絶対的に車道を歩いた方が早く、 何となくこういう矛盾は割り切れないものがある。

福ちゃん荘の前も人と車でかなり混雑しており、こんな所まで車で来て登山することに対して腹を立てている 今の自分が返って浮いた存在であることを感じ、 車でのイージーな登山は定着化しているということを 改めて認めざるを得ない状況であった。

福ちゃん荘から右に道をとり、富士見山荘の前を進んで行ったが、その名の通りにここから見えるはずの富士山は、 この日は生憎雲の中であった。

緩い登りの林道(これは結局大菩薩峠の介山荘まで続いている)も、勝縁荘からはまた登りがキツくなり、子供達を騙しながらの登山に苦労したが、 女房は普段走って鍛えているからか、 あるいは去年家族で登った乾徳山よりは 道が緩やかなのを知ってか、 そんなにキツくないとの評価でまずは一安心した。

そろそろ子供を騙すのも限度かなと思い始めた頃、介山荘の屋根が見え、最後の坂を登って大菩薩峠に着くことができたが、 道の両側が店になっていたのには些か驚いた。

これは夏だけの処置なのだろうか、本来の介山荘は左側だけで、右側はテラスのようになっており、そこに立って手に菓子などを細かくしたものをのっけて差し出していると、 鳥達が寄ってきてそれを啄むということができたのであるが、 それができなくなってしまったのだろうか。 (自然保護の観点から餌付けが良いことかどうかは分からないが・・・)。

いつも草枯れた茶色か雪の白の大菩薩しか見ていなかった私には、緑の夏草が繁る光景が新鮮に見えたが、 初めて登った女房、子供にはどう映ったであろうか。

中里介山の文学碑付近は少々混んでいたので、少し先のどこかの宗教法人の碑のそばで休憩したが、この日は先に述べたように 曇り空で南アルプス、 富士山などの山々は全く見ることができなかった。

しかし、大菩薩峠の左下の方にダム湖らしきものが見え、前回登った時はなかったものだけに下界での歳月の移り変わりを意識したが、 この山の上はほとんど変わっていないのが何より嬉しかった。

親不知の頭、賽の河原を越え、最後の大菩薩嶺への登りとなったが、子供達はその尾根の長さ、大きさを見ただけでかなり不平を言っていたものの、 いざ登ってみると簡単に登り越すことができたので驚いていたようであった。

雷岩からまた樹林帯に入り、下が所々ぬかるんでいる道を進むと、大菩薩嶺頂上であったが、ここもほとんど前と変わっておらず、 少し白い塗料がはげかかった標柱も昔のままであった。

下山は、雷岩に戻ってカラマツ尾根を下ったが、結構急である上に足もとに岩がゴロゴロして家族には不評であった。

長兵衛山荘でのカキ氷を餌に、何とか子ども達を前に進ませ、福ちゃん荘から今度は登山道を通って長兵衛山荘に戻り、 約束通りカキ氷を注文した。

先にも述べた通り、長兵衛山荘は7年半前とは全くその姿を変えており、前は暗い感じの食堂で外にカウンターがあり、 そこからラーメンなどを頼んだ覚えがあったが、 今はちょっと洒落たカフェテラスといった感じで、 カキ氷の他コーヒーやチーズケーキ、 またおいしいアンドーナツやカレーパンまで売られていた(しかし、 外のベンチは相変わらず送電線などを巻く大きなリールが使われていたし、 昔からの山菜そばやナメコ汁などもメニューに残っていた)。

カキ氷を食べさせた後、また登山道を下ったが、途中から雨が降り出したらしく雨音がかなり聞こえ、時折身体にも2、3滴当たることがあったものの、 夏の生い茂る木の葉によって雨はほとんど下までは落ちて来ることはなく、 全く濡れないで済んだのには少々驚かされた。

千石茶屋に着いた時には、雨も止み、子供達は疲れ果ててはいたものの、結構充実した登山であったと思う。

先にも述べたように7年半ぶりの大菩薩嶺であったが、人間の手になるものは大きな変化を見せていても、自然の方はほとんど変わっておらず、 何となく嬉しくなる山行であった。


大 菩 薩 嶺 登 山 デ ー タ

上記登山のデータ登山日:1997.8.30 天候:曇り時々雨家族登山日帰り
登山路:千石茶屋前−上日川峠−福ちゃん荘−大菩薩峠−親不知ノ頭−妙見ノ頭−雷岩−大菩薩嶺−雷岩−福ちゃん荘− 上日川峠−千石茶屋前
交通往路:瀬谷−八王子IC−勝沼IC−裂石−千石茶屋前(車にて)
交通復路:千石茶屋前−裂石−勝沼IC−八王子IC−瀬谷(車にて)


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