登山NO.0040 四 阿 山( 四阿山:2,354m ) 1992.10.16登山


 2,144m付近から見た四阿山( 1992.10.16 )

【四阿山登山記録】

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NO.40 四阿山登山記録

四阿山は私が 40番目に登った百名山で、40に因んで四のつく山を選んだことに表向きはなっている。
しかし、この四阿山は本来 37番目の山となるはずで、宮崎へ赴任 (5月11日に赴任) する直前のゴールデンウィークに一度トライしているのである。
その時 (5月4日) は、上野から高崎まで上越新幹線に乗り、高崎駅に着くや否や駆け足で在来線のホームに駆け込んで、 発車ギリギリだった信越本線下りに飛び乗って上田まで行き、上田からはタクシーで登山口のある鳥居峠まで行ったのである (タクシー代は 5,000円を超えていたと思うが、 新幹線利用といい 何と贅沢なことか !)
鳥居峠には休憩中のドライバーで賑わうドライブインがあり、四阿山へ登るにはそのドライブインの横から出ている林道に入って車止めをくぐってまっすぐ進むこととなる。
途中、林道が 2つに分かれたりしてやや分かりにくかったものの、とにかくまっすぐ進んでいくと、やがてカラマツの林の中の登山道に変わり、 そしてまた暫く先で林道に出ることになった。
その林道を暫く進むとやがて行き止まりとなり、そこにはササに埋もれた石の祠があって、登山道がその横から伸びていた。

登山道は途中から腰の高さ位あるササをかき分けての登りとなり、道がよく見えないために、 本当にここが登山道なのか不安になりながら登ることとなったが、そのまま登り続けて樹林の中に入ると、 しっかり踏まれた道に変わったので一安心であった。
樹林帯の中を暫くジグザグに登って行くと、やがて樹林を抜けて賽ノ河原と呼ばれる広々とした場所に飛び出し、 ここから暫くはササやススキなどの草と石ころだけの斜面を歩くことになる。
展望が開けた中、左の方を見るとゴジラの背中のような的岩が遠く木々の上に少し顔を出しており、 また振り返れば低くたれ込めた雲の下に未だ雪に覆われている周囲の山々を見ることができる。
斜面の少し先にあずま屋があり、そこを過ぎるとまた灌木帯となって、やがてササの中に木道が現れたが、 この木道を登っていくと花童子宮跡と書かれた立派な石碑があり、周辺には昔ここに建物があったことを思わせる石や整地の跡が見られたのだった。

木道を過ぎるとジグザグの登りとなり、やがて稜線に出ると徐々に残雪が現れだしたのでイヤな予感がしたのだが、 案の定、さらに先に進むと右手に完全に真っ白な山が見え始める。山の形から四阿山に違いなく、 これはもしかしたら雪のため、頂上まで行けないかもしれないという気持ちになる。
稜線の上を進んで行くと、やがて的岩からの道と合流してあずま屋の前 (2,037mピーク) に出たので、 暫く休憩をとりながらこれから進む方向を眺めると、樹林の間から見える四阿山方面は全くの白銀の世界となっており、 そこだけが冬のままといった感じであった。

それでもここまで来たのだからと思い、狭い裸尾根を登っていったのだが、横から吹きつける風は強く、 結構スリルを味わいながらの登りとなった。
苦労しながらもその尾根のピーク (2,144m ピーク) に着くと、そこからは一旦樹林帯の中を下ってまた登り返すようになっており、 しかも樹林帯の中は完全に雪の世界となっていて、一面の雪も凍結しているようである。一旦下りたらアイゼン無しでは滑ってしまって戻ってこれないような感じであったため、 完全にビビッてしまった (5月の山を甘く見ており、軽アイゼンを持ってきていなかったのである) のだった。

暫くの間、進むべきか戻るべきか迷ったが、うまく下りられても その先四阿山までがどうなっているか全く分からないことから、 結局あきらめて往路をそのまま戻ることにする。
途中で下山することなど初めてだったため、ガックリしながら鳥居峠で四阿山方面を眺めていると、 林道を登山者が戻って来たので話を聞いてみたところ、やはり私と同じように途中で断念したということであった (その人は的岩経由だったので私と会わなかったようである)
同じような状況の人を見つけ、自分の途中下山が正当化されたようでホッとしたのであるが、もしこの人が頂上まで行って来たということであったら、 大変ショックを受けたに違いない。
とにかく、そういう訳で、この時は四阿山まで登れなかったのである (その様子は
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このようにして 1度目の四阿山登山は失敗に終わり、2度目の挑戦までの間に北岳間ノ岳塩見岳といった南アルプス縦走が入り、 結果として 40番目が四阿山になった次第である。

この2度目は、単身赴任先の宮崎から本社へ出張があり、それが木曜日だったために金曜日を年休として四阿山に登ったものである (月1回、金曜日の晩に家族の元へ帰る場合、 その土日を登山に使おうものなら家族から非難を浴びることは間違いないので、土日は使えないのである)
この時は新幹線を使わず、上野から特急に乗って上田まで行き、そこからやはりタクシーにて鳥居峠に向かって、 鳥居峠からは 5月に登った時と同じルートをとることにしたものである。
しかし、一度通ったことでなまじ知識があるというのは大変危険で、前回の時、石の祠に至る直前で登山道から林道に一度出たものだから、 鳥居峠からの林道が途中で 2つに分かれる場所で、まっすぐ進むべきところを右に曲がれば石の祠に着くと思い込んで右へと進んでしまったのである。
行けども行けども石の祠に着かないものだから、どうも間違えたらしいことに気づいて引き返すことにしたのだが、 その時には約 40分程時間をロスしていたのであった (往復で1時間20分のロス)

このような失敗はあったものの、季節は秋ということで周囲の紅葉は素晴らしく、 特に賽ノ河原の先にあるあずま屋より上の部分は、黄色や赤が入り交じた木々でなかなか見事であった。
花童子宮跡、そして稜線を辿って、2,037mピークにあるあずま屋を過ぎ、前回あきらめて Uターンした尾根のピークに着いたが、 ここからは未知の領域である。
道は一旦樹林帯の中へと下り、途中水場への道を右に見て尾根まで登っていくようになっており、単純といえば単純な道なのであるが、 結構きつく感じられ、恐らく前回雪の中を進んだら途中でギブアップしたに違いない。

稜線に飛び出した所から右へ少し進めば四阿山頂上で、頂上は双耳峰となっており、 手前の南峰には 2つの祠があって、その先、鎖の付いた尾根を辿れば二等三角点のある北峰である。
南峰の祠の前には群馬県嬬恋村の立てた標識があり、誰もいない山頂で一人記念写真を撮ったが、 考えたら今日は平日であり、道理で誰にも会わないはずである。

展望は時々辺りを覆うガスのためにほとんど得られなかったが、2度目の挑戦でやっと登ることができたので、 なかなか感慨深いものがあった。
北峰の往復の後、根子岳へ向かうために先ほど登ってきた方へと戻り、標識に沿って根子岳の方へと進む。 すぐに樹林帯の中の急な下りとなり、その後、一面のササ原の中を進むことになって、 四阿山と根子岳の鞍部へと向かうことになる。
途中、腰まであるササの中を進んでいくことになったのだが、先の方に根子岳へと続く道が見えるからまあ安心して進めるものの、 それがなかったら、あるいは、先ほどのようにガスに囲まれてしまったら不明瞭で不安になるような道で、 あまり整備が進んでいないのに驚かされた。

鞍部からはササの斜面を登り、大きな岩の間を抜けて登っていくと、やがて根子岳の頂上で、 誰もいない頂上には石垣の上に祠があり、また 禰固岳霊社 (だと思う) と彫られた石碑などが置かれていた。
ここでも展望の方はガスのためにほとんど得ることができなかったが、下の方へとスキーのコースが続いているのだけは見ることができたのだった。

下山は、スキーのツアーコースのポールに沿って下り、避難小屋を過ぎて菅平の方へと下りていったのだが、 ラグビー場を過ぎて、やがて別荘地の中へと入るまでは順調だったものの、そこからは全くどのように進んで良いか分からなくなってしまった。
別荘地を抜けて一般道路らしき所へでても、バス停がどこなのか全くわからず、おまけに登る時にロスした 1時間20分のお陰で、 辺りは暗くなり始めている。仕方なく、道ばたにあった公衆電話から上田のタクシー会社を呼び出して、 周囲の特徴を言い、タクシーに来てもらって上田に戻った次第である。

このように2回目の登山は、最初と最後に道に迷ったりしてしまい、登山としてはお恥ずかしい限りであったのだが、 途中の紅葉や、5ヶ月越しで念願の頂上に立てたことで、私としてはかなり満足いく山行であった。


四 阿 山 登 山 デ ー タ

上記登山のデータ登山日:1992.10.16 天候:晴れ時々曇り単独行日帰り
登山路:鳥居峠−的岩山分岐−賽ノ河原−花童子宮跡 −2,037mピーク−根子岳分岐−四阿山−四阿山・根子岳鞍部−根子岳−避難小屋−菅平
交通往路:瀬谷−(相鉄線)−横浜−(東海道本線) −東京−(山手線)−上野−(信越本線)−上田−(タクシー)−鳥居峠
交通復路:菅平−(タクシー)−上田−(信越本線) −上野−(京浜東北線)−横浜−(相鉄線)−瀬谷
その他の四阿山登山(1) 鳥居峠−的岩山分岐 −賽ノ河原−花童子宮跡−2,037mピーク−2,144mピーク−2,037mピーク−花童子宮跡−賽ノ河原−的岩山分岐−鳥居峠  (1992.5.4:曇り時々雪 2,144mピークで引き返す)
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(2) 菅平牧場駐車場−根子岳−十ガ原−中四阿分岐−四阿山−二等三角点 (北峰)−四阿山−中四阿分岐−中四阿−小四阿−菅平牧場−菅平牧場駐車場  (2005.10.30 : 曇り時々晴れ)
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(3) 菅平牧場駐車場−小四阿−中四阿−根子岳分岐−四阿山−二等三角点 (北峰)−四阿山−根子岳分岐− 大スキマ−根子岳−小根子岳−根子岳−東屋−菅平牧場駐車場  (2014.11.5 : 曇り後晴れ)
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